4.2.3 クライアントスタブ使用時のデータ長の計算方法

クライアントスタブを使用する場合は,入出力パラメタやカスタムレコードクラスと,入出力メッセージの間の変換をClient .NETが行います。ただし,送受信するユーザメッセージがRPCメッセージの最大長を超えないようにするためには,入力メッセージ長および応答メッセージ長の値を見積もっておく必要があります。

<この項の構成>
(1) データ型ごとの合計値を計算する
(2) データトレースを使用する

(1) データ型ごとの合計値を計算する

次に示す計算式を用いて,入力および出力で使用するデータ型ごとの合計値を計算してください。

入力メッセージ長=メソッドの入力パラメタおよび参照パラメタの最大データ長の合計+512
応答メッセージ長=メソッドの出力パラメタ,参照パラメタ,および戻り値の最大データ長の合計+512

計算式に代入する値を,次の表に示します。

表4-7 計算式に代入する値(.NETインタフェース定義)

パラメタのデータ型メッセージ上のサイズの最大値(単位:バイト)
System.Byte1
System.Int163
System.Int327
System.Int6415
System.String格納された文字数×2+13
System.Byte[]a+11
System.Int16[]2×a+11
System.Int32[]4×a+11
System.Int64[]8×a+11
System.String[]Σ(格納された文字数×2+13)+11
TP1ユーザ構造体各メンバの最大長の合計+4
TP1ユーザ構造体配列Σ(各メンバの最大長の合計+4)+11
(凡例)
a:配列の要素数
スタブによって自動的に調整されるサイズを含みます。

(2) データトレースを使用する

Client .NETのトラブルシュート機能であるデータトレースを使用して,実際に送受信されたメッセージ長を確認できます。データトレースの詳細については,「2.9.3 データトレース」を参照してください。