TP1/Serverの性能検証用トレース(prfトレース)とは,TP1/Server上で動作する各種サービスの主なイベントのトレース情報です。この性能検証用トレースは,性能検証の効率,およびトラブルシュートの効率を向上させることが目的のトレース情報です。
Client .NETでは,TP1/Serverの性能検証用トレースにClient .NETが設定した性能検証用の識別情報を出力できます。この性能検証用の識別情報は,Client .NETのトレースにも出力されます。これによって,次の利点があります。
TP1/Serverへ性能検証用の識別情報を伝播する場合は,<tp1Server>要素のprfInfoSend属性にtrueを指定します。TP1/Serverのバージョンが03-03以降の場合に,性能検証用の識別情報を伝播できます。また,バージョン07-02以降のTP1/Serverに対して,リモートAPI機能を使用したRPCを行う場合は,スケジューラに送信するRPCメッセージ中への識別情報(IPアドレスなど)を付加できます。
TP1/Serverに対して,ネームサービスを使用したRPC,およびスケジューラダイレクト機能を使用したRPCを行う場合は,スケジューラに送信するRPCメッセージ中に,TP1Clientクラスのインスタンスごとにほぼ一意となる識別情報(IPアドレスなど)を付加できます。付加した情報は,Client .NETのトレースに出力されます。また,これと同じ情報はTP1/Serverの性能検証用トレースにも出力されます。
このClient .NETのトレースと,TP1/Serverの性能検証用トレースとを照合することによって,Client .NETとTP1/Serverとの間の,一連の処理の流れを知ることができます。ただし,TP1/Serverに対して,リモートAPI機能を使用したRPCを行う場合は,スケジューラに送信するRPCメッセージ中への識別情報(IPアドレスなど)の付加はできません。
Client .NETの性能検証用の識別情報は,Client .NETのトレース,およびTP1/Serverの性能検証用トレースに出力されます。出力例を次に示します。
2005/11/11 14:02:38.631 Location = Out ThreadInfo = Test[3244],[2156]
MethodName = TP1Client.Call
Exception =
PrfInfo = _N[bb]/0x[xxxxxxxx]/0x[yyyy][zzzz]
[Information]
(Test[2700],[2860]) 2005/11/11 15:06:00.108 KFCA32302-E 例外が発生しました。 保守情報=-7632, 例外=ErrClientTimedOutException(PrfInfo=_N[bb]/0x[xxxxxxxx]/0x[yyyy][zzzz]), メソッド=TP1Client.Call(TP1Client.Call)
PRF: Rec Node: smpl Run-ID: 0x43742533 Process: 1952 Trace: 1 Event: 0x2002 Time: 2005/11/11 14:02:36 583.000.000 Server-name: _scd
Rc: *********** Client: - 0x[yyyy][zzzz] Server: **** Root: _N[bb] - 0x[xxxxxxxx] Svc-Grp: echo_svg Svc: echo1 Trn: *
次に示すメソッドを実行するたびに,UAPトレースファイルの出口にトレース情報が取得されます。
Callメソッド,およびCallToメソッドを実行した場合,<rpc>要素のuse属性がscdまたはnamで,かつ<rpc>要素のprfInfoSend属性がtrueのときは,TP1/Serverへ性能検証用の識別情報が伝播されます。