CUP.NETおよびClient .NETを配布する場合は,配布先のクライアントマシンにClient .NETをインストールしないでください。配布先のクライアントマシンにClient .NETをインストールすると,ノータッチデプロイメントによって起動したCUP.NETはインストール済みのClient .NETを参照します。そのため,CUP.NETと一緒に配置したWebサーバ上のClient .NETが参照されません。
CUP.NETおよびClient .NETを配布する手順を次に示します。なお,次に示す手順では,CUP.NETおよびClient .NETを更新するたびに配布URLが変更されるため,一つのクライアントマシンで複数バージョンのClient .NETを使用することができます。
(a) 配布環境の構築手順
- Webサーバの公開ディレクトリ下(例:http://localhost/gyoumu)に,次に示すファイルを配置します。
- CUP.NET
- 実行アセンブリ(*.exe)
- ユーザ作成のクラスライブラリ(*.dll)
- Client .NET構成定義を記述したアプリケーション構成ファイル(*.exe.config)
- Client .NET
- Client .NETのクラスライブラリ(Hitachi.OpenTP1.Client.dll)
Hitachi.OpenTP1.Client.dllは,WebサーバにインストールしたClient .NETのインストールディレクトリ下のbinディレクトリからコピーしてください。
- 配布先であるクライアントマシンのランタイムセキュリティポリシーに対して,CUP.NETの実行時に必要となるアクセス許可を設定します。
J#で作成したCUP.NETは,アクセス許可セットをFullTrustにする必要があります。
必要なアクセス許可については,「2.12.2 セキュリティポリシーの設定」を参照してください。
- 配布先であるクライアントマシンで,Microsoft Internet Explorer 5.01以上を起動します。
- 起動した Microsoft Internet Explorerから,Webサーバの公開ディレクトリ下に配置したCUP.NETの実行アセンブリのURL(例:http://localhost/gyoumu/cup.exe)にアクセスしてノータッチデプロイメントを行います。
- クライアントマシンにCUP.NETおよびClient .NETがキャッシュ(配布)されて,CUP.NETが起動します。
- クライアントマシンで再びCUP.NETを起動する場合は,手順3.と4.を繰り返します。
(b) 配布環境のCUP.NETおよびClient .NETの更新手順
Client .NETは,Client .NETがバージョンアップしても,既存のCUP.NETに対するリコンパイルを不要とし,下位互換性を保証することを目的として,Client .NETのクラスライブラリ(Hitachi.OpenTP1.Client.dll)のアセンブリバージョンを「7.0.0.0」固定としています。したがって,Webサーバの公開ディレクトリ下に配置したHitachi.OpenTP1.Client.dllを更新して,再びクライアントマシンでCUP.NETをノータッチデプロイメントしても,起動したCUP.NETはすでにキャッシュ(配布)されているバージョンアップ前のHitachi.OpenTP1.Client.dllを参照します。
クライアントマシンに,更新後のHitachi.OpenTP1.Client.dllを反映させるために,CUP.NETおよびClient .NETのファイルを更新する手順を次に示します。
- Webサーバに新しい公開ディレクトリ(URL)を用意します。
- 【例】
- 既存の公開ディレクトリ:http://localhost/gyoumu
- 新しく用意する公開ディレクトリ:http://localhost/gyoumu_ver2
- 新しい公開ディレクトリ下(例:http://localhost/gyoumu_ver2)に,更新したファイルを含むCUP.NETおよびClient .NETのファイル一式を配置します。
- 配布先であるクライアントマシンで, Microsoft Internet Explorer 5.01以上を起動します。
- 起動した Microsoft Internet Explorerから,新しい公開ディレクトリ下に配置したCUP.NETの実行アセンブリのURL(例:http://localhost/gyoumu_ver2/cup.exe)にアクセスしてノータッチデプロイメントを行います。
- クライアントマシンに,更新後のCUP.NETおよびClient .NETがキャッシュ(配布)されて,CUP.NETが起動します。
- クライアントマシンで更新前のCUP.NETを起動したい場合は,既存の公開ディレクトリ下に配置したCUP.NETの実行アセンブリのURL(例:http://localhost/gyoumu/cup.exe)にアクセスしてノータッチデプロイメントを行います。
CUP.NETだけを配布する場合は,配布先であるクライアントマシンにClient .NETをインストールしておく必要があります。
Client .NETは,1台のマシンに複数をインストールできないため,side-by-sideの実行によって複数バージョンを同時に使用することはできません。
(a) 配布環境の構築手順
- Webサーバの公開ディレクトリ下(例:http://localhost/gyoumu)に,次に示すファイルを配置します。
- CUP.NET
- 実行アセンブリ(*.exe)
- ユーザ作成のクラスライブラリ(*.dll)
- Client .NET構成定義を記述したアプリケーション構成ファイル(*.exe.config)※
- 「(1) CUP.NETおよびClient .NETを配布する場合」に示した配布環境の構築手順の2.~6.と同様に操作します。
このとき,手順5.でクライアントマシンにキャッシュ(配布)されるのは,CUP.NETだけです。
- 注※
- 次に示すように,カスタム構成セクション宣言の<section>要素にrequirePermission属性を追加し,その値をfalseに設定してください。
<configSections>
<section
name="hitachi.opentp1.client"
type="Hitachi.OpenTP1.Common.Util.ProfileSectionHandler,
Hitachi.OpenTP1.Client,Version=7.0.0.0,Culture=neutral,
PublicKeyToken=2440cf5f0d80c91c,Custom=null"
requirePermission="false"/>
</configSections>
(b) 配布環境のCUP.NETの更新手順
配布環境のCUP.NETを更新する手順については,Microsoftが提供する.NET Frameworkに関するドキュメントを参照してください。