分散トランザクション処理機能 TP1/Client for .NET Framework 使用の手引

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4.7.1 サンプルプログラムの使用方法

Client .NETのサンプルプログラムのディレクトリ構成,ビルド方法および実行手順を説明します。なお,以降の説明で,%DCCLNDIR%はClient .NETのインストールディレクトリを示します。

<この項の構成>
(1) ディレクトリ構成
(2) サンプルプログラムのビルド方法
(3) サンプルプログラムの実行手順

(1) ディレクトリ構成

Client .NETのサンプルプログラムは,次の表に示すディレクトリに格納されています。

表4-10 サンプルプログラムのディレクトリ構成

ディレクトリ 説明
%DCCLNDIR%\examples Client .NETのサンプルプログラム格納ディレクトリ
%DCCLNDIR%\examples\C# C#のサンプルプログラム格納ディレクトリ
%DCCLNDIR%\examples\J# J#のサンプルプログラム格納ディレクトリ
%DCCLNDIR%\examples\VB.NET Visual Basicのサンプルプログラム格納ディレクトリ
%DCCLNDIR%\examples\COBOL.NET COBOL言語のサンプルプログラム格納ディレクトリ

各言語のサンプルプログラム格納ディレクトリ下は,次の表に示す名称のディレクトリで構成されます。それぞれのディレクトリの名称と,格納されているサンプルプログラムの種類について,開発言語別に次の表に示します。

表4-11 サンプルプログラムの種類(C#,J#,およびVisual Basicの場合)

名称 説明
CUPBIN RPC要求インタフェースとしてバイナリデータを使用したCUP.NETです。
このサンプルプログラムでは,クライアントスタブを使用しません。
CUPCR RPC要求インタフェースとしてサービス定義から生成されたクライアントスタブとカスタムレコードを使用したCUP.NETです。
CUPIF RPC要求インタフェースとして.NETインタフェース定義から生成されたクライアントスタブを使用したCUP.NETです。

表4-12 サンプルプログラムの種類(COBOL言語の場合)

名称 説明
CUPBIN RPC要求インタフェースとしてバイナリデータを使用したCUP.NETです。
このサンプルプログラムでは,クライアントスタブを使用しません。

(2) サンプルプログラムのビルド方法

Client .NETのサンプルプログラムをビルドする手順を説明します。

(a) サンプルプログラムをビルドするための準備
  1. 次のコマンドプロンプトを起動します。
    • C#,J#,およびVisual Basicの場合
      Visual Studioが提供するコマンドプロンプト,または.NET Framework SDKが提供するコマンドプロンプト
    • COBOL言語の場合
      COBOL2002 for .NET Frameworkが提供するコマンドプロンプト
  2. Windows Server 2003(64ビット用),またはWindows Vista(64ビット用)の環境でJ#のサンプルプログラムをビルドする場合は,Microsoft .NET Framework v2.0の32ビット版のインストールディレクトリを環境変数PATHに設定します。
  3. 環境変数DCCLNDIRに,Client .NETのインストールディレクトリを設定します。
    【例】
    set DCCLNDIR=C:\Program Files\HITACHI\TP1Client for .NET Framework
(b) サンプルプログラムをまとめてビルドする方法

サンプルプログラムをまとめてビルドする方法は,どの開発言語のサンプルプログラムをビルドするかによって異なります。それぞれの場合に分けて方法を示します。

(c) サンプルプログラムを個別にビルドする方法

各サンプルプログラム格納ディレクトリ下のbuild.batを実行します。

【例】Visual BasicのCUPIFサンプルの場合
%DCCLNDIR%\examples\VB.NET\CUPIF\build.bat

(3) サンプルプログラムの実行手順

Client .NETのサンプルプログラムの実行手順を説明します。

(a) SPP.NETのサンプルプログラムの起動

各サンプルプログラムを実行するためには,Extension .NETのサンプルプログラムのうち,各サンプルプログラムが利用するSPP.NETを起動します。各サンプルプログラムが利用するSPP.NETを次の表に示します。

表4-13 サンプルプログラムが利用するSPP.NET

サンプルプログラムの種類 利用するSPP.NET ユーザサーバ名
C#\CUPBIN C#\SPPBIN CSSPPBIN
C#\CUPCR C#\SPPBIN CSSPPBIN
C#\CUPIF C#\SPPIF CSSPPIF
J#\CUPBIN J#\SPPBIN VJSPPBIN
J#\CUPCR J#\SPPBIN VJSPPBIN
J#\CUPIF J#\SPPIF VJSPPIF
VB.NET\CUPBIN VB.NET\SPPBIN VBSPPBIN
VB.NET\CUPCR VB.NET\SPPBIN VBSPPBIN
VB.NET\CUPIF VB.NET\SPPIF VBSPPIF
COBOL.NET\CUPBIN COBOL.NET\SPPOBJ CBSPPOBJ

SPP.NETの起動方法については,マニュアル「TP1/Extension for .NET Framework 使用の手引」を参照してください。

(b) 構成ファイルの変更

利用するOpenTP1サーバ環境に応じて,構成ファイルのClient .NET構成定義を変更します。例えば,Visual BasicのCUPIFサンプルで,OpenTP1のホスト名やネームサービスのポート番号などを変更する場合は,%DCCLNDIR%\examples\VB.NET\CUPIF\VBCUPIF.exe.configファイルのtp1Server要素,rpc要素およびnameService要素を変更します。

(c) CUP.NETの実行

ビルドされたCUP.NETのアセンブリを実行します。

【例】Visual BasicのCUPIFサンプルの場合
%DCCLNDIR%\examples\VB.NET\CUPIF\VBCUPIF.exe