2.1 機能の一覧

Windows版OpenTP1は,UNIX版OpenTP1と比べて,使用できるOpenTP1の機能が異なります。Windows版OpenTP1を初めて使用する場合は,ここで示す一覧表でUNIX版OpenTP1との差異があるかどうかを確認してください。

この一覧表の内容を確認した上で,UNIX版OpenTP1と共通の機能,または差異がある機能については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。Windows版OpenTP1固有の機能については,この章の該当個所を参照してください。

一覧表で使用している記号の凡例を次に示します。

(凡例)
◎:UNIX版OpenTP1と同じ機能をサポートしています。
○:Windows版OpenTP1固有の機能です。
△:UNIX版OpenTP1との機能差異やWindows版OpenTP1での制限事項があります。
×:サポートしていません。
-:該当しません。

Windows版OpenTP1とUNIX版OpenTP1の機能の差異を,次に示します。

表2-1 Windows版OpenTP1とUNIX版OpenTP1の機能の差異

機能名Windows版OpenTP1でのサポートの有無UNIX版OpenTP1との差異
統合システム運用管理機能 JP1JP1製品を利用したシステム運用機能のうち,次の機能はサポートしていません。
  • JP1/NETM/DMによる配布管理・資産管理
  • JP1/Cm2によるネットワーク管理
  • JP1/BaseのJP1イベントサービス機能へのイベント登録
UAPのテスト,デバッグ機能×オンラインテスタ機能/オフラインテスタ機能/MCFオンラインテスタ機能は,サポートしていません。
トランザクション制御分散トランザクション
グローバルトランザクション
トランザクションのコミットとロールバック
2相コミット
TXインタフェースによるトランザクション制御
XAリソースサービスによるトランザクション制御
クライアント/サーバ形態の通信OpenTP1のリモートプロシジャコール通信dc_rpc_call関数のflagsのDCRPC_DOMAINをサポートしていないため,ドメイン修飾をしたサービス要求は,サポートしていません。
サービス情報検索の付加機能
  • グローバル検索機能
  • サービス情報優先度指定機能
OpenTP1のノード管理
  • 起動通知機能
  • ノード監視機能
  • ノード自動追加機能
XATMIインタフェースの通信×XATMIインタフェースの通信は,サポートしていません。
TxRPCインタフェースの通信×TxRPCインタフェースの通信は,サポートしていません。
メッセージ制御次の機能はサポートしていません。
  • タイマ起動引き継ぎ決定UOC
  • MCFオンラインテスタ
  • SPPの履歴情報OJ取得要否の指定
  • 入力キューにメモリキュー使用時のMCF開始処理高速化
  • MCFオンラインコマンドサービス
アプリケーションプログラムのスケジュールSPPのスケジュール
MHPのスケジュール
プロセスの制御
  • マルチサーバ負荷バランス機能
  • スケジュールの優先度
  • 非常駐UAPプロセスのリフレッシュ機能
  • ノード間負荷バランス機能
  • マルチスケジューラ機能
バッファ領域の共用による共用メモリの節約
OpenTP1クライアント機能(TP1/Client)
OSI TPを使ったクライアント/サーバ形態の通信×OSI TPを使ったクライアント/サーバ形態の通信では,XATMIインタフェースの関数を使用します。このため,XATMIインタフェースをサポートしていないWindows版OpenTP1では,この機能はサポートしていません。
リモートAPI機能
サービス関数動的ローディング機能
OpenTP1の運用を補助する機能資源の排他制御
ユーザジャーナルの取得
ジャーナル維持機能コマンドの仕様が異なります。
メッセージログの操作logcatコマンドをサポートしているため,標準出力はできます。ただし,syslogへの出力は,サポートしていません。
メッセージログの通知
OpenTP1提供以外のリソースマネジャの制御(TP1/Resource Manager Monitor)×リソースマネジャの制御は,サポートしていません。
稼働統計情報稼働統計情報は,コマンドの仕様が異なります。
また,MCF稼働統計情報に関する機能(稼働統計情報取得機能,稼働統計情報出力機能,および稼働統計情報編集機能)は,サポートしていません(取得そのものを行っていません)。
リアルタイム統計情報サービス
シナリオテンプレートを利用したシステムの運用シナリオテンプレートの利用方法が異なります。
監査ログによるシステムの監視
OpenTP1ファイルシステムOpenTP1ファイルシステムのアクセス権に関する操作(OpenTP1ファイルの保護)は,サポートしていません。
複数のOpenTP1を使用する場合の機能系切り替え機能Windows版OpenTP1では,HAモニタではなくHitachi HA Toolkit Extensionが必要です。Hitachi HA Toolkit Extensionについては,マニュアル「Hitachi HA Toolkit」を参照してください。
また,次の差異があります。
  • システム構成
  • システム環境定義のmode_confオペランドでAUTOしか指定できない
  • dcstartコマンドをサポートしていない
マルチノード機能(TP1/Multi)×マルチノード機能は,サポートしていません。
マルチOpenTP1運用方法(運用コマンド)が異なります。
OpenTP1のプロセス構造Windows版OpenTP1固有のプロセスがある,プロセスの稼働数が異なるなどの差異があります。詳細については,「付録A OpenTP1のプロセスの一覧」を参照してください。
Windows版OpenTP1固有の機能標準出力リダイレクト機能Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.2.1 標準出力リダイレクト機能」を参照してください。
標準出力リダイレクトファイルのコンソール出力機能Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.2.2 標準出力リダイレクトファイルのコンソール出力機能」を参照してください。
OpenTP1コンソール出力機能Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.2.3 OpenTP1コンソール出力機能」を参照してください。
特権制御機能Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.3 特権制御機能」を参照してください。
UNIX版OpenTP1と共通の機能,または差異がある機能については,この表の機能名を基に,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。