3.2.2 Visual StudioのプロジェクトでのUAPの作成

Visual StudioのプロジェクトでUAPを作成する場合について説明します。ここではVisual Studio 2008の場合を例に説明します。

<この項の構成>
(1) プロジェクトの種類
(2) プロジェクトを構成するファイル
(3) プロジェクトの設定
(4) Visual Studioのプロジェクトでサンプルプログラムを作成する

(1) プロジェクトの種類

指定するプロジェクトの種類は,「Win32プロジェクト」です。

(2) プロジェクトを構成するファイル

指定するファイルは,プロジェクトを構成するソースファイルとして作成したアプリケーションのソース,およびスタブソースファイルです。

注※
スタブソースファイルをプロジェクトに追加する場合は,あらかじめstbmakeコマンドを実行し,スタブソースファイルを生成しておく必要があります。スタブソースファイルおよびstbmakeコマンドについては,マニュアル「OpenTP1プログラム作成リファレンス C言語編」を参照してください。

(3) プロジェクトの設定

Visual Studioのプロジェクトの設定内容を次に示します。

表3-2 Visual Studioのプロジェクトの設定内容

カテゴリ項目設定値
C/C++全般追加のインクルードディレクトリOpenTP1インストールフォルダ¥include
コード生成ランタイムライブラリマルチスレッドDLL(/MD)
プリコンパイル済みヘッダープリコンパイル済みヘッダーの作成/使用プリコンパイル済みヘッダーを使用しない
リンカ全般追加のライブラリディレクトリOpenTP1インストールフォルダ¥lib
入力追加の依存ファイル
  • msvcrt.lib
  • libbetran.lib
すべての既定のライブラリの無視はい(/NODEFAULTLIB)
システムサブシステムコンソール(/SUBSYSTEM:CONSOLE)
注意
Visual Studio 2012を使用してプロジェクトからUAPを作成する場合は,「リンカ」-「システム」-「最低限必要なバージョン」に,UAPを実行するOSの種類に応じた適切な値を指定してください。指定値の詳細については,Microsoftサポートページをご確認ください。

(4) Visual Studioのプロジェクトでサンプルプログラムを作成する

ここでは,TP1/Server Base C言語サンプルのSPPをプロジェクトで作成する場合について記載します。

次のソースファイルをプロジェクトに追加してください。

注※
あらかじめstbmakeコマンドでsv_sstb.cを作成する必要があります。
サービス関数動的ローディング機能のSPPを作成する場合は,sv_sstb.cは不要です。

(3) プロジェクトの設定」で示した設定に加えて,次の設定をする必要があります。

表3-3 サンプルプログラムを作成する場合に必要な設定

カテゴリ項目設定値
C/C++プリプロセッサプリプロセッサの定義_CRT_SECURE_NO_DEPRECATE
ライブラリアン全般出力ファイルUAP共用ライブラリを作成する場合
libsv.lib
関数のエクスポート/export:refer
/export:update
リンカ全般出力ファイルbasespp.exe
 
サービス関数動的ローディング機能の場合
basespp2.exe
 
UAP共用ライブラリを作成する場合
libsv.dll
入力追加の依存ファイルUAP共用ライブラリを作成する場合
libsv.exp
注意
  • サービス関数動的ローディング機能では,UAP共用ライブラリを作成する必要があります。
  • サンプルプログラム".exe"を作成するプロジェクトの場合,アプリケーションの種類はWindowsアプリケーションを選択してください。
  • UAP共用ライブラリ(libsv.lib)を作成するプロジェクトの場合,アプリケーションの種類はスタティックライブラリを選択してください。
  • UAP共用ライブラリ(libsv.dll)を作成するプロジェクトの場合,アプリケーションの種類はDLLを選択してください。