Windows版OpenTP1固有の障害発生時の現象,推定できる原因,および対策を次に示します。この表以外の障害発生時の現象,推定できる原因,および対策については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。
表6-6 障害発生時の現象,推定できる原因,および対策
現象 | 原因 | 対策 |
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UAPを開始できない | プロセス固有メモリが不足しています。 | 不要なプロセスが存在している場合は,そのプロセスを停止させてください。不要なプロセスがない場合は,物理メモリを追加し,Windowsの仮想メモリページファイルを拡張してください。 |
UAPを開始できない(ユーザサーバが終了状態0x00000080または0xC0000135でダウンする) | UAPの実行に必要なランタイムライブラリのパスが設定されていません。 | UAPの実行に必要なランタイムライブラリのパスを設定してください。詳細については,「4.3.3 ランタイムライブラリのパスの設定」を参照してください。 |
マニフェストファイルが存在しないか,またはマニフェストファイルに記載されているライブラリを参照できません。 | マニフェストファイル,またはライブラリを確認してください。詳細については,「3.2.1(1) マニフェストファイルの用意」,または「3.3(4) Visual Studio使用時の注意事項」を参照してください。 | |
プロセスの起動とサーバマシンのログオフ処理が重なると,プロセスの起動に失敗することがあります。 | プロセスが頻繁に生成されるOpenTP1起動時,およびUAPプロセスの起動と停止が頻繁に発生するシステムのオンライン業務中は,当該サーバマシンでのログオフ操作を控えてください。 | |
デスクトップヒープの不足が原因で,子プロセスの生成に失敗することがあります。 | 不要なプロセスが存在している場合は,そのプロセスを停止させてください。不要なプロセスがない場合は,OSのデスクトップヒープ領域を拡張してください。 | |
UAPを終了できない | アプリケーション例外が発生しています。 | 対策については,「6.6.2 アプリケーション例外発生時の対策」を参照してください。 |
OpenTP1を開始できない | メモリ,またはディスク容量が不足しています。 | OpenTP1の定義内容を見直してください。見直しても開始できない場合は,次に示す要因ごとにそれぞれ見直してください。
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OpenTP1を開始できない,またはUAPを開始できない(OpenTP1システムプロセスやUAPプロセスが,KFCA00100-Eメッセージを出力し,ダウンする) | 連続した空き仮想アドレス空間領域が不足しています。 | 共用メモリサイズが大き過ぎないか,OpenTP1の定義内容を見直してください。見直しても開始できない場合は,次に示す要因ごとに対策してください。
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通信性能やディスクI/O性能が劣化する | OpenTP1が動作するコンピュータで,実行プログラムをリアルタイムに検疫する機能を持つウィルス駆除プログラムが起動している可能性があります。 ウィルス駆除プログラムの動作によっては,OpenTP1が動作に必要なファイルに一時的にアクセスできなくなり,OpenTP1の動作に影響を及ぼすおそれがあります。 | 次のパスをウィルス駆除プログラムの検疫対象から除外することをお勧めします。
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ポートが不足している | 高トラフィック状態になっています。 | 対策については,「6.6.3 ポート数不足への対策(TCP/IPポート数のチューニング)」を参照してください。 |