2.3.2 定義ソースファイル編集による環境設定

TP1/Messagingでは,GUIを使用しないでMCF環境設定ができます。GUIを使用しない場合は,テキストエディタで定義ソースファイルを直接編集します。GUIを使用しないでMCF環境設定ができる定義ソースファイルの一覧を次の表に示します。

表2-12 定義ソースファイル一覧

定義種別作成ディレクトリ
MCF環境設定マネジャ定義任意
アプリケーション定義任意
アプリケーション間通信サービス定義通信構成定義共通部任意
アプリケーション起動環境定義任意
TCP/IP通信サービス定義通信構成定義共通部任意
TCP/IP定義任意
システムサービス情報定義%DCDIR%¥lib¥sysconf

定義ソースファイルは,GUIの画面からMCF環境設定をした場合,所定のディレクトリに自動的に生成されます。これらのファイルは,直接,またはファイルコピー後に変更できます。

ただし,GUIが生成した定義ソースファイルをテキストエディタで直接編集した場合は,それ以降のMCF環境設定は,GUIからは行えません。定義ソースファイル編集によって行ってください。また,アプリケーション定義ソースファイルをテキストエディタで直接編集すると,アプリケーション管理画面の内容が不正になるおそれがあります。

注意
MHP環境設定については,必ずGUIの画面から行ってください。定義ソースファイル編集によって環境設定をした場合,MHPを含むユーザサーバの動作は保証されません。

TP1/Messagingで設定できる定義項目の一覧を,表2-13~表2-17に示します。ここに示す値は,GUIの画面に設定される値と異なります。また,TP1/Messagingの定義変換コマンドの一覧を表2-18に,定義オブジェクトファイルの一覧を表2-19に示します。

なお,MCF環境設定の各定義ソースファイルの作成方法の詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」,および「OpenTP1 プロトコル TP1/NET/TCP/IP編」を参照してください。

表2-13 定義設定項目一覧(MCFマネジャ定義)

定義コマンドオプションオペランド定義内容指定値
MCF環境定義mcfmenv-mnameMCFサービス(マネジャ)名〈1~8文字の識別子〉
MCF共通定義mcfmcomn-n通番を使用する論理端末数((0~2048))《0》
-pMCF作業領域長※1((100~2000000))
MCF通信サービス定義mcfmcname-smcfsvnameMCF通信サービス名〈1~8文字の英数字〉
syssvnameシステムサービス情報定義ファイル名※2〈1~8文字の識別子〉
UAP共通定義mcfmuap-dMHPがトランザクション処理中に発行する通信関数の発行回数の上限値((0~65535))《0》
-tsndtim同期型送信監視時間((0~65535))《0》
(単位:秒)
sndrcvtim同期型送受信監視時間((0~65535))《0》
(単位:秒)
recvtim同期型受信監視時間((0~65535))《0》
(単位:秒)
-esegsizeエラーイベント処理用MHP起動時,またはアプリケーション起動機能使用時の最大セグメント長((512~2147483647))
《512》
-linitseq通番の初期値((0~2147483647))
《1》
maxseqラップ時の通番の最大値((0~2147483647))
《65535》
minseqラップ後の通番の開始値((0~1))《1》
-untmetim非トランザクションMHP限界経過時間((0~65535))《0》
(単位:秒)
-adelaytimアプリケーション起動時の遅延許容時間((0~360))《0》
(単位:分)
-corderメッセージ送信順序および再送順序ならびにアプリケーション起動順序の選択《function》|commit
(凡例)
-:該当する項目はありません。
注※1
資源自動見積もり機能で共用メモリ所要量を算出しますので,-pオプションの指定値は無視しますが,指定値の欄に示す値を指定しておく必要があります。
注※2
TP1/Messagingでは,システムサービス情報定義は自動的にインストールされます。syssvnameオペランドには,次の名称を指定してください。
  • TCP/IP通信サービスの場合:mcfutcpd
  • アプリケーション間通信サービスの場合:mcfupsvd

表2-14 定義設定項目一覧(MCFアプリケーション定義共通部)

定義コマンドオプションオペランド定義内容指定値
アプリケーション環境定義mcfaenv-aMCFアプリケーション定義識別子〈1~8文字の識別子〉
-pアプリケーション起動プロセス識別子ef
アプリケーション属性定義mcfaalcap-nnameアプリケーション名〈1~8文字の識別子〉
kindアプリケーション種別《user》|mcf
typeアプリケーションの型noans
apliholdアプリケーション異常終了時のアプリケーションの処置《m》|a|s
msgcnt入力メッセージの最大格納数((0~65535))《0》
lnameアプリケーション起動機能使用時の内部通信路上の論理端末名称〈1~8文字の識別子〉
cnameアプリケーション起動機能使用時の内部通信路名〈1~8文字の識別子〉
trnmodeアプリケーションのトランザクション属性《trn》|nontrn
-gservgrpnアプリケーションのサービスグループ名〈1~31文字の識別子〉
srgvholdアプリケーション異常終了時のサービスグループの処置《m》|s
-vservnameアプリケーション名に対応するサービス名〈1~31文字の識別子〉
servholdアプリケーション異常終了時のサービスの処置《m》|a|s
ntmetim非トランザクションMHP限界経過時間※1((0~65535))
(単位:秒)
-dholdlimitアプリケーション異常終了時限界回数※2((1~65535))《1》
holdmtypアプリケーション異常終了回数カウント方法※3sum|《cont》
(凡例)
-:該当する項目はありません。
注※1
アプリケーション属性定義の-n trnmodeでnontrnを指定した場合だけ有効です。
注※2
アプリケーション属性定義の-n aplihold,または-v servholdのどちらかでaを指定した場合だけ有効です。
注※3
アプリケーション属性定義の-d holdlimitに対応しています。

表2-15 定義設定項目一覧(MCF通信構成定義共通部)

定義コマンドオプションオペランド定義内容指定値
MCF環境定義mcftenv-sMCF通信プロセス識別子,またはアプリケーション起動プロセス識別子((01~ee))
(アプリケーション起動プロセス識別子の場合:ef)
-aMCFアプリケーション定義オブジェクトファイル名〈1~8文字の識別子〉
MCF通信構成共通定義mcftcomn
最大処理多重度定義mcfttred-m最大処理多重度
(並行処理メッセージ数)
((1~10))《10》
タイマ定義mcfttim-tbtim時間監視間隔((1~60))《1》
(単位:秒)
mtim未処理送信メッセージ滞留時間((60~65535))《180》
(単位:秒)
rmtim未処理受信メッセージ滞留時間((0~65535))《0》
(単位:秒)
トレース環境定義mcfttrc-tsizeMCFトレースバッファの大きさ((4096~15728640の4の倍数))《204800》
diskMCFトレースのディスク出力機能を使用するかどうかを指定《yes》|no
bufcntMCFトレースバッファの数((10~2147483647))
《100》
trccntMCFトレースファイルの数(3~99)《3》
msgsizeトレースとして取得する送受信メッセージの最大サイズ((0~1073741824))《128》
(単位:バイト)
-mMCFトレースファイルの数を超えたときの処置《del》|off
バッファグループ定義mcftbuf-ggroupnoメッセージ送受信用およびメッセージ編集用バッファグループ番号((1~512))
lengthメッセージ送受信用およびメッセージ編集用バッファ長((512~1073741824))
(単位:バイト)
countメッセージ送受信用およびメッセージ編集用バッファ数((1~65535))
(凡例)
-:該当する項目はありません。

表2-16 定義設定項目一覧(アプリケーション起動環境定義)

定義コマンドオプションオペランド定義内容指定値
アプリケーション起動環境定義mcftpsvr-c内部通信路名〈1~8文字の識別子〉
論理端末定義mcftalcle-l論理端末名称〈1~8文字の識別子〉
-tこの論理端末の端末タイプsend
アプリケーション起動環境定義の終了mcftpedアプリケーション起動環境定義の終了
(凡例)
-:該当する項目はありません。

表2-17 定義設定項目一覧(MCF通信構成定義TCP/IP固有部)

定義コマンドオプションオペランド定義内容指定値
コネクション定義の開始mcftalccn-cコネクションID〈1~8文字の識別子〉
-pプロトコルの種別〈tcp〉
-gsndbufメッセージ送信用バッファグループ番号((1~512))
rcvbufメッセージ受信用バッファグループ番号((1~512))
-iシステム開始時および再開始時にコネクションを自動的に確立するかどうかauto|《manual》
-bbretryコネクション確立時に障害が発生した場合にコネクション確立再試行をするかどうか《yes》|no
bretrycntコネクション確立再試行回数((0~65535))《0》
【10】1
bretryintコネクション確立再試行の時間間隔((0~2550))《60》
(単位:秒)
-tトランスポート層のプロトコルの種別tcp
-ymodeクライアントとサーバの種別client|server
-rportno自システムのポート番号((1024~65535))《0》
-oohostname相手システムのホスト名〈1~255文字のホスト名〉
oipaddr相手システムのホストのIPアドレス〈符号なし整数〉
((0~255))
(nnn.nnn.nnn.nnn)
oportno相手システムのホストのポート番号((1~65535))〈free〉
-kkeepaliveキープアライブyes|《no》
-fkind相手局からのコネクション解放の通知《ccls》|cerr
-umasm受信メッセージ組み立て機能の使用※2《yes》|no
ntimer後続セグメント受信の監視タイマ《yes》|no
ntime後続セグメント受信の監視タイマ値((1~2550))《30》
(単位:秒)
-hchgconnコネクションリプレース使用の有無replace|《keep》
論理端末定義mcftalcle-l論理端末名称〈1~8文字の識別子〉
-t論理端末の端末タイプany
-i論理端末の起動方法《auto》|manual
-vアプリケーション名〈1~8文字の識別子〉
コネクション定義の終了mcftalcedコネクション定義の終了
(凡例)
-:該当する項目はありません。
注※1
GUIによって生成される定義には自動的に10が設定されます。
注※2
TP1/MessagingではUOC機能をサポートしません。

表2-18 定義変換コマンド一覧

定義種別定義変換コマンド名
MCFマネジャ定義mcfmngr
MCFアプリケーション定義mcfapli
アプリケーション間通信サービス定義通信構成定義共通部mcfcomn
アプリケーション起動環境定義mcfpsv
結合mcflink
TCP/IP通信サービス定義通信構成定義共通部mcfcomn
TCP/IPプロトコル定義mcftcp
結合mcflink

表2-19 定義オブジェクトファイル一覧

定義オブジェクトファイル種別定義オブジェクトファイル名
マネジャ定義オブジェクトファイル_mumngr
アプリケーション定義オブジェクトファイル1~8文字の識別子
アプリケーション間通信サービス定義オブジェクトファイル_muで始まる1~8文字の識別子
TCP/IP通信サービス定義オブジェクトファイル_muで始まる1~8文字の識別子
注※
TP1/Messagingでは,マネジャ定義オブジェクトファイル名は必ず'_mumngr'としてください。異なる名称を指定した場合,TP1/LiNK起動後に引き続いてTP1/Messagingが自動起動されません。