jnlstts(稼働統計情報の編集出力)
形式
jnlstts〔-e 編集項目〕〔-l 行〕
〔-i 時間間隔〕〔-t〔開始〕〔,終了〕〕
〔-s サーバ名〕
機能
jnlcopyコマンドで作成した中間ファイルから,稼働統計情報を収集し,編集後,標準出力に出力します。出力する情報を次に示します。
- システム統計情報(dcstatsコマンドで取得したTP1/LiNKの統計情報)
- レスポンス統計情報(dc_rpc_call関数の応答時間,サービスの実行時間に関する稼働統計情報)
- 通信遅延時間統計情報(dc_rpc_call関数の応答時間のうち,実際の通信(サービス要求の送信と応答の送信)に必要な時間に関する稼働統計情報)
オプション
- -e 編集項目 ~《all》
稼働統計情報の編集項目を指定します。
sys:システム統計情報を出力します。
rsp:レスポンス統計情報を出力します。
dly:通信遅延時間統計情報を出力します。
all:すべての統計情報を出力します。
- -l 行 ~〈符号なし整数〉((12~256))《24》
1ページ当たりの出力行数を指定します。出力行数が-lオプションの指定値を超えると,稼働統計情報を改ページして出力します。
- -i 時間間隔
-tオプションで指定した時間範囲内に取得した稼働統計情報を出力する間隔を,時間隔または分間隔で指定します。
- h〔HH〕:時間隔(01≦HH≦24)で出力します。
- (例)3時間おきに編集出力する場合 … -i h03
- HHの指定を省略して,-i hとだけ指定すると,1時間間隔で編集出力されます。
- m〔MM〕:1分間隔(01≦MM≦09)または10分間隔(10≦MM≦30)で出力します。
- (例)20分おきに編集出力する場合 … -i m20
- MMの指定を省略して,-i mとだけ指定すると,10分間隔で編集出力されます。
-iオプションでは,時間隔または分間隔のどちらか一方だけを指定してください。時間隔と分間隔の両方を指定すると,エラーになります。
-iオプションそのものを省略すると,1時間間隔で編集出力されます。
- -t〔開始〕〔,終了〕
取得した稼働統計情報を編集出力する時間の範囲を指定します。ここで指定した時間の範囲内に取得した統計情報取得ファイルを編集出力します。
開始は,1970年1月1日0時0分0秒から当年当月当日の現在時刻までの範囲で指定します。
開始,または終了のどちらか一方を必ず指定してください。開始の指定を省略すると,統計情報ファイルの先頭から指定した終了までが出力範囲となります。終了の指定を省略すると,指定した開始から統計情報ファイルの最後までが出力範囲となります。
開始,および終了は,「hhmmss〔MMDD〔YYYY〕〕」の形式で指定します。
- hh:時(00≦hh≦23)
- 指定を省略できません。
- mm:分(00≦mm≦59)
- 指定を省略できません。
- ss:秒(00≦ss≦59)
- 指定を省略できません。
- MM:月(01≦MM≦12)
- 指定を省略できます。※
- DD:日(01≦DD≦31)
- 指定を省略できます。※
- YYYY:年(1970からの西暦を4けたで指定します)
- 指定を省略できます。※
- 注※
- 開始,または終了の「年」の指定を省略した場合は,当年の指定月日時刻と見なされます。「年,月,日」の指定を省略した場合,当年当月当日の指定時刻と見なされます。「月,日」,「月」,または「日」だけを省略することはできません。省略した場合はオプションエラーになります。「月」または「日」を省略したい場合は,「年」,「月」,「日」のすべてを省略してください。
-tオプションの指定を省略すると,統計情報ファイル内のすべての情報を編集出力します。
- -s サーバ名 ~〈1~8文字の識別子〉
稼働統計情報を編集出力したいサーバ名を指定します。
SYSTEM:TP1/LiNKのシステムサービスの稼働統計情報を出力
ユーザサーバ名:ユーザサーバの稼働統計情報を出力
-sオプションを省略すると,システム内にあるすべてのサーバの統計情報を出力します。
-eオプション,-sオプションおよびサーバ名の指定をすべて省略すると,システム全体の稼働統計情報の取得(-sオプションだけを指定)が仮定されます。
-eオプション,-sオプション,およびサーバ名の指定と取得する稼働統計情報の関係を次に示します。
-eオプション | -sオプション | 取得する稼働統計情報の内容 |
---|
sys | SYSTEM | システム全体のシステム統計情報 |
サーバ名 | 指定したサーバのシステム統計情報 |
- | システム全体のシステム統計情報 |
rsp | SYSTEM | システム全体のレスポンス統計情報 |
サーバ名 | この組み合わせは指定できません。 |
- | システム全体のレスポンス統計情報 |
dly | SYSTEM | この組み合わせは指定できません。 |
サーバ名 | この組み合わせは指定できません。 |
- | システム全体の通信遅延時間統計情報 |
all | SYSTEM | システム全体のすべての稼働統計情報 |
サーバ名 | 指定したサーバのすべての稼働統計情報※ |
- | システム全体のすべての稼働統計情報 |
(凡例) -:コマンド引数(サーバ名)を省略することを示します。
注※ レスポンス統計情報と通信遅延時間統計情報は,すべてのデータが出力されます。
出力形式
注意事項
- -tオプションで稼働統計情報の出力範囲を指定する場合,-tオプションで指定した開始または終了と一致するファイルがないときは,開始と終了の間にあるファイルが出力対象になります。
- -tオプションで稼働統計情報の出力範囲を指定する場合,日付をわたるために開始時刻が終了時刻よりも遅くなるときは,必ず「月」「日」または「月」「日」「年(西暦)」を指定して,終了時刻が開始時刻よりあとであることを明らかにして指定してください。この指定を省略すると,開始時刻と終了時刻の関係に矛盾があると見なされ,jnlsttsコマンドはエラーになります。日付を省略すると,jnlsttsコマンドを入力した年月日が仮定されるため,出力範囲が該当する年月日以外の日付のときは,必ず「月」「日」または「月」「日」「年(西暦)」を指定してください。
- 稼働統計情報を編集出力する開始時刻は,-tオプションで開始を指定したかどうかによって異なります。指定した場合は,-tオプションの開始が含まれる時間帯から出力します。指定しなかった場合は,該当するファイルの先頭のレコード時刻が含まれる時間帯から出力します。ここでいう時間帯とは,おのおのの開始時刻の時間(hh:00)を基に,-iオプションで指定した時間間隔で区切った間隔のことです。
- 稼働統計情報を編集出力する終了時刻を指定すると,指定終了時刻を含む時間帯まで出力されます。例えば,-tオプションで終了を9時0分0秒と指定して,-iオプションで時間間隔を30分と指定すると,最終時間帯は9:00~9:30ですが,実際は9時0分0秒の稼働統計情報が出力されます。
- 稼働統計情報の数値のうち,平均値の編集結果は,小数点以下1けたが切り捨てて出力されます。
- 稼働統計情報の数値のうち,イベント数および平均値がオーバフローして'*'が設定されても,最大値と最小値は保証されます。
- 取得編集時間帯にデータがないときは,その時間帯に'該当データなし'が出力されます。
- オプションの指定をすべて省略した場合,jnlcopyコマンドで作成した中間ファイルの稼働統計情報の先頭から最後までを,1ページ当たり24行で編集出力します。
- RPC送信元・RPC送信先のOSの時刻精度によっては,時刻戻しが発生しなくても,通信時間とOSの時刻に誤差が生じ,通信遅延時間統計情報の編集結果のデータがマイナス値になることがあります。取得編集時間帯のデータにマイナス値が含まれているときは,編集対象時間帯の最大値,最小値,および平均値に'*'を出力します。
コマンド実行例
統計情報取得ファイルの先頭から1997年7月18日15時30分0秒までの稼働統計情報を,30分間隔で編集出力する例を次に示します。
C:¥>jnlstts -i m30 -t, 15300007181997 <CR>
この例の場合,最終時間帯は15:30~16:00ですが,1997年7月18日15時30分0秒のシステム統計情報を出力します。