分散アプリケーションサーバTP1/LiNKとは,DBMSにアクセスするアプリケーションを管理することで,ユーザの業務を支援するミドルウェアです。
- クライアント/サーバシステムの課題
- 近年のオープンシステムの業務として,クライアント/サーバシステムのサーバにデータベースマネジメントシステム(DBMS)を使った方法が普及しています。この形態のクライアント/サーバシステムには,次のような課題があります。
- クライアントの数が増えて負荷が大幅に増えてしまうと,クライアントの要求に対する応答の待ち時間が長くなってしまいます。
- クライアントからサーバのDBMSへはデータベース言語(SQL)でアクセスするため,クライアントのオペレータにSQLアクセスの知識が必要になります。また,まとまったデータベースへのアクセスにクライアントからSQLを発行すると,通信のオーバヘッドでLANの性能が低くなってしまいます。
- サーバでエラーが起こったときの詳細な情報など,サーバ独自の情報をクライアントへ知らせることができません。
- TP1/LiNKを使ったクライアント/サーバシステムの利点
- DBMSのサーバを使ったクライアント/サーバシステムをより大きな業務に適用する場合,これらの課題に対してアプリケーションを作成して解決できます。
- アプリケーションを管理する製品にTP1/LiNKを使うと,次のような利点があります。
- TP1/LiNKのサーバではアプリケーションの実行プロセスを管理できるので,処理待ちのオーバヘッドを最小限に抑えてサーバの処理性能を上げられます。
- サーバと通信するときは,クライアントのアプリケーションからリモートプロシジャコール(RPC)を使います。DBMSへは,サーバ側のアプリケーションからのSQLでアクセスします。そのため,クライアントのオペレータがSQLを使わなくて済みます。また,クライアントからのまとまったデータベースへのアクセスが1回のRPCで済むので,通信のオーバヘッドが低くなってLANの性能を上げられます。
- クライアントへの応答もアプリケーションで処理するので,サーバからクライアントへ任意の情報を知らせることができます。
DBMSのサーバにTP1/LiNKを使ったクライアント/サーバシステムを次の図に示します。
図1-1 DBMSのサーバにTP1/LiNKを使ったクライアント/サーバシステム
![[図データ]](figure/zu010100.gif)