5.10.2 サンプルを使う手順

サンプルを使う手順について説明します。TP1/LiNKのサンプルを使うまでの手順を次の図に示します。

図5-23 TP1/LiNKのサンプルを使うまでの手順

[図データ]

<この項の構成>
(1) アプリケーションプログラムを作成します
(2) アプリケーションプログラムの実行環境を設定します
(3) TP1/LiNKを開始します
(4) ユーザサーバを実行します

(1) アプリケーションプログラムを作成します

アプリケーションプログラムは,次に示す手順で作成します。

(a) 実行形式ファイルを作成します

アプリケーションプログラムのソースプログラムを実行形式ファイルにするときは,Microsoft Visual C++のツールのnmakeコマンドを使います。nmakeコマンドで使うmakefileは,アプリケーションプログラムのフォルダ(c¥またはcobol¥)にそれぞれ格納してあります。

Visual Studio 2012では,makefile内で使用している標準コンパイルオプション定義マクロであるntwin32.makは配布されません。そのため,サンプルプログラムをコンパイルする場合にVisual Studio 2012コマンドプロンプトを使用して,コマンドライン上からnmakeコマンドを実行すると,ntwin32.makが見つからない旨のエラーが発生します。対処方法については,リリースノート(README)を参照してください。

nmakeコマンドは,c¥フォルダまたはcobol¥フォルダに移動してから実行します。

コマンド入力例を次に示します。

C言語の場合(スタブを使う場合)

C:¥>cd ¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥c   <CR>
C:¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥c> nmake  <CR>

C言語の場合(サービス関数動的ローディング機能を使う場合)

C:¥>cd ¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥c <CR>
C:¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥c> nmake /f make_svdl <CR>

COBOL言語の場合(スタブを使う場合)

C:¥>cd ¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol   <CR>
C:¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol> nmake <CR>

COBOL言語(COBOL2002)の場合(サービス関数動的ローディング機能を使う場合)

C:¥>cd ¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol <CR>
C:¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol> nmake /f make_svdl <CR>

COBOL言語(Micro Focus COBOL)の場合(スタブを使う場合)

C:¥>cd ¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol   <CR>
C:¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol> nmake /f make_mf  <CR>

COBOL言語(Micro Focus COBOL)の場合(サービス関数動的ローディング機能を使う場合)

C:¥>cd ¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol <CR>
C:¥OpenTP1¥sample¥tp1link¥cobol> nmake /f makemf_svdl <CR>

これらのコマンドを実行すると,c¥フォルダまたはcobol¥フォルダの下にSPPとSUPの実行形式ファイルが作成されます(サービス関数動的ローディング機能を使う場合はUAP共用ライブラリファイルも作成されます)。作成される実行形式ファイル名およびUAP共用ライブラリファイル名を次の表に示します。

表5-15 実行形式ファイル名およびUAP共用ライブラリファイル名

言語種別ファイル種別スタブを使う場合サービス関数動的ローディング機能を使う場合
C言語実行形式ファイル名
  • spp.exe
  • sup.exe
  • spp2.exe
  • sup2.exe
UAP共用ライブラリファイル名libsv.dll
COBOL言語実行形式ファイル名
  • cblspp.exe
  • cblsup.exe
  • cblspp2.exe
  • cblsup2.exe
UAP共用ライブラリファイル名libsv.dll
(凡例)
-:作成されません。

(b) 実行形式ファイルをコピーします

アプリケーションプログラムの実行形式ファイルおよびUAP共用ライブラリファイルを,%DCDIR%¥aplib¥フォルダの下にコピーしてください。

(2) アプリケーションプログラムの実行環境を設定します

アプリケーションプログラムの実行環境を設定する手順を次に示します。

(a) 実行環境を設定したファイルをコピーします

サンプルでは,アプリケーションプログラムの実行環境を設定したファイルも格納してあります。

実行環境を設定したファイルは,%DCDIR%¥sample¥tp1link¥conf¥フォルダの下に,SPP用とSUP用の両方が格納してあります。実行環境を設定したファイル名を次の表に示します。これらのファイルを,%DCDIR%¥conf¥フォルダの下にコピーしてください。

表5-16 実行環境を設定したファイル名

言語種別スタブを使う場合サービス関数動的ローディング機能を使う場合
C言語
  • spp
  • sup
  • spp2
  • sup2
COBOL言語
  • cblspp
  • cblsup
  • cblspp2
  • cblsup2
(b) 実行環境を確認します

[SPP環境設定]ダイアログボックスまたは[SUP環境設定]ダイアログボックスを使って,アプリケーションプログラムの実行環境が設定してあるかどうかを確認してください。コピーしたファイルと同じ名称のユーザサーバが登録してあれば,サンプルの準備作業は完了です。

(3) TP1/LiNKを開始します

サンプルを使うときは,TP1/LiNKを開始してあることが前提です。TP1/LiNKを開始してください。

(4) ユーザサーバを実行します

TP1/LiNKを開始したあとで,次に示す手順でユーザサーバを開始してください。

  1. [TP1/LiNKアプリケーション管理SPP]ウィンドウを使って,サーバのAP(spp,spp2,cblsppまたはcblspp2)を開始します。サーバのAPがオンライン状態になると,TP1/LiNKのメッセージログとWindowsのイベントビューアにメッセージが登録されます。
  2. サーバのAPがオンライン状態になったことを確認したあとで,[TP1/LiNKアプリケーション管理SUP]ウィンドウを使って,クライアントのAP(sup,sup2,cblsupまたはcblsup2)を開始します。クライアントのAPからサービスが要求されて,サーバのAPがデータベースを参照および更新します。