2.1.2 TP1/LiNKのセットアップ

TP1/LiNKをセットアップする手順について説明します。セットアップに必要な時間の目安は,35分から40分程度です。

ここでは,単体のPCにTP1/LiNKを組み込む場合の手順について説明します。GroupmaxまたはNETM/DMを使ってTP1/LiNKをリモートインストールする場合は,ここで説明する手順は必要ありません。GroupmaxまたはNETM/DMの機能で自動的にTP1/LiNKをセットアップできます。

<この項の構成>
(1) セットアッププログラム(setup.exe)を起動します
(2) 名前と会社名を指定します
(3) TP1/LiNKを組み込む場所を確認します
(4) サーバオプションを設定します
(5) TP1/LiNKのアイコンとショートカットを確認します
(6) Windowsを再起動します
(7) TP1/LiNKのコンソールを設定します
(8) システム環境変数Pathを設定します

(1) セットアッププログラム(setup.exe)を起動します

OpenTP1管理者のユーザアカウントでマシンを起動してセットアッププログラム(setup.exe)を実行すると,TP1/LiNKのセットアップを開始します。

セットアッププログラムを実行できるのは,システム管理者(Administrators)です。

セットアッププログラムを起動するときは,Windowsエクスプローラ,マイコンピュータ,またはタスクバーを使います。

セットアッププログラムを起動するときは,まずTP1/LiNKの提供媒体(CD-ROMまたはFD)を,CD-ROMドライブまたはフロッピーディスクドライブにセットしてください。

Windowsエクスプローラから起動する手順
  1. Windowsエクスプローラで提供媒体をセットしたドライブを開きます。
  2. setup.exeのアイコンをダブルクリックして,セットアッププログラムを起動します。
マイコンピュータから起動する手順
  1. デスクトップにある[マイコンピュータ]アイコンを開いて,提供媒体をセットしたドライブを開きます。
  2. setup.exeのアイコンをダブルクリックして,セットアッププログラムを起動します。
タスクバーからファイル名を指定して起動する手順
  1. [スタート]-[ファイル名を指定して実行]ダイアログボックスに,提供媒体をセットしたドライブとsetup.exeの文字列を入力します。
  2. [ファイル名を指定して実行]ダイアログボックスの[OK]ボタンをクリックします。

これらのほか,[マイコンピュータ]-[コントロールパネル]フォルダにある[アプリケーションの追加と削除]アイコンでもセットアップできます。

(2) 名前と会社名を指定します

セットアッププログラムを起動すると,[TP1/LiNKセットアップ]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスには,次の情報および項目が表示されます。

テキストボックスに,TP1/LiNKをセットアップする利用者の名前と会社名を入力します。名前と会社名は,どちらも省略できません。

入力したあと,[開始(O)]ボタンをクリックします。

(3) TP1/LiNKを組み込む場所を確認します

名前と会社名を確認し終わると,TP1/LiNKを組み込む場所を確認するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスには,TP1/LiNKをシステムに組み込むのに必要な空き容量も表示されます。

[図データ]

TP1/LiNKを組み込むフォルダをOpenTP1ホームディレクトリといいます。フォルダ名の初期値として,Windowsを組み込んであるドライブの下に¥OpenTP1という名称が仮定されます(例 WindowsをCドライブに組み込んでいる場合は,C:¥OpenTP1)。このフォルダ名をそのまま使うときは,テキストボックスに値を入力する必要はありません。インストール先のフォルダを変更するときは,テキストボックスにフォルダ名を上書きします。

TP1/LiNKでは,OpenTP1ホームディレクトリをDCDIRという環境変数で管理しています。TP1/LiNKが組み込んであるマシンでは,任意のフォルダからDCDIRと指定して移動すると,TP1/LiNKのフォルダに移れます。以降,このマニュアルでは,OpenTP1ホームディレクトリを%DCDIR%と表記します。

TP1/LiNKを組み込むフォルダを確認したら,[続行(O)]ボタンをクリックしてください。

(4) サーバオプションを設定します

TP1/LiNKを組み込む場所を確認し終わると,サーバオプションを設定するダイアログボックスが表示されます。

[図データ]

Windowsの起動が完了したあとで,オペレータの操作でTP1/LiNKを起動するときは,[コンピュータブート時にTP1/LiNKを自動起動(A)]チェックボックスをオフにします。Windowsの起動と一緒にTP1/LiNKを起動するときは,[コンピュータブート時にTP1/LiNKを自動起動(A)]チェックボックスをオンにします。

チェックボックスに指定した内容を確認したあと,[続行(O)]ボタンをクリックしてください。

TP1/LiNKを自動起動するかどうかは,セットアップを完了したあとでも変更できます。起動する方法を変更するときは,[コントロールパネル]の[サービス]を使います。

(5) TP1/LiNKのアイコンとショートカットを確認します

ここまでの作業が正常に完了すると,TP1/LiNKの提供媒体からマシンのハードディスクへ必要なファイルが転送されます。

TP1/LiNKの提供媒体にFDを使うときは,FDを差し替えることを示すダイアログボックスが表示されるので,指示に従ってFDを差し替えてください。

セットアップが終了すると,システムの環境にTP1/LiNKで使う環境変数とレジストリ情報が設定されて,TP1/LiNKのアイコンとショートカットがWindowsに登録されます。そして,TP1/LiNKがWindowsで使えるサービスとして登録されます。

[図データ]

(a) TP1/LiNKのショートカット

セットアップ終了後のTP1/LiNKのショートカットについて説明します。TP1/LiNKのショートカットのメニューは,[スタート]-[プログラム]-[TP1_LiNK]メニューの下に作成されます。

TP1/LiNK操作時のショートカットの使い方を次に示します。

  1. [スタート]-[プログラム]-[TP1_LiNK]メニューから実行するメニューを選択する。
  2. [TP1_LiNK]メニューフォルダをデスクトップにコピーして,必要なときにフォルダを開いてアイコンをダブルクリックする。
注※
[TP1_LiNK]メニューフォルダのパスを次に示します。
  • Windows Server 2003,Windows XPの場合
    %ALLUSERSPROFILE%¥スタート メニュー¥プログラム¥TP1_LiNK
  • Windows Vista,Windows Server 2008,Windows 7,Windows 8,Windows Server 2012の場合
    %USERPROFILE%¥AppData¥Roaming¥Microsoft¥Windows¥Start Menu¥Programs¥TP1_LiNK

TP1/LiNKで使うショートカットのメニューとアイコンの一覧を次の表に示します。以降,このマニュアルでは,TP1/LiNKを操作するアイコンを[スタート]ボタンから操作することを想定して,メニューと表記します。

表2-1 メニューとアイコンの一覧

TP1/LiNKのメニュー
(アイコン)
メニュー(アイコン)を使う場合リンク先
[図データ][RAPサービス環境]メニューまたはアイコンは,リモートAPI機能を使うときに必要なRAPサービスの環境を設定するときに使います。
メニューの使い方については,「3.4 RAPサービスの環境設定」を参照してください。
%DCDIR%¥bin¥DCRAPDEF.EXE %DCDIR%
[図データ][TP1_LiNKオペレーション]メニューまたはアイコンは,稼働中のTP1/LiNKを操作するときに使います。
メニューの使い方については,「6.4 TP1/LiNKオペレーション」を参照してください。
%DCDIR%¥bin¥DCOPERA.EXE %DCDIR%
[図データ][TP1_LiNKコントロール]メニューまたはアイコンは,TP1/LiNKの開始と終了を操作するときに使います。
メニューの使い方については,「6.1 TP1/LiNKコントロール(TP1/LiNKの開始と終了)」を参照してください。
%DCDIR%¥bin¥DCCNTRL.EXE %DCDIR%
[図データ][アプリケーション管理SPP]メニューまたはアイコンは,TP1/LiNKのユーザサーバ(SPP)の実行環境を設定するときや,TP1/LiNKの稼働中にユーザサーバを操作するときに使います。
ユーザサーバの環境設定をするときのメニューの使い方については,「3.2 ユーザサーバの環境設定(SPP)」を参照してください。
ユーザサーバを操作するときのメニューの使い方については,「6.2 アプリケーション管理(SPP)」を参照してください。
%DCDIR%¥bin¥DCSPPDEF.EXE %DCDIR%
[図データ][アプリケーション管理SUP]メニューまたはアイコンは,TP1/LiNKのユーザサーバ(SUP)の実行環境を設定するときや,TP1/LiNKの稼働中にユーザサーバを操作するときに使います。
ユーザサーバの環境設定をするときのメニューの使い方については,「3.3 ユーザサーバの環境設定(SUP)」を参照してください。
ユーザサーバを操作するときのメニューの使い方については,「6.3 アプリケーション管理(SUP)」を参照してください。
%DCDIR%¥bin¥DCSUPDEF.EXE %DCDIR%
[図データ][システム環境]メニューまたはアイコンは,TP1/LiNKの実行環境を設定するときに使います。
メニューの使い方については,「3.1 TP1/LiNKの実行環境の設定」を参照してください。
%DCDIR%¥bin¥DCSYSDEF.EXE %DCDIR%
[図データ][セットアップ]メニューまたはアイコンは,TP1/LiNKを再セットアップするときに使います。
メニューの使い方については,「2.1.4 TP1/LiNKをセットアップし直す方法」を参照してください。
マルチOpenTP1のセットアップでは登録されません。
%DCDIR%¥bin¥SETUP.EXE
[図データ][リソースマネジャ接続]メニューまたはアイコンは,TP1/LiNKにリソースマネジャを接続するときに使います。
メニューの使い方については,「2.1.3 リソースマネジャの接続」を参照してください。
%DCDIR%¥bin¥DCXAOPEN.EXE %DCDIR%
[図データ][お読みください(LiNK)]メニューまたはアイコンは,TP1/LiNKを使用する際の注意事項などを参照するときに使います。
マルチOpenTP1のセットアップでは登録されません。
%DCDIR%¥READMELK.TXT
%DCDIR%は,TP1/LiNKインストールフォルダです。マルチOpenTP1の場合は,マルチOpenTP1セットアップフォルダです。

(6) Windowsを再起動します

TP1/LiNKをセットアップし終わると,Windowsを再起動するかどうかを確認するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスには,次の情報および項目が表示されます。

セットアップ直後にTP1/LiNKを使うときは,[はい(Y)]ボタンをクリックしてWindowsを再起動してください。Windowsを再起動すると都合が悪いときは,[いいえ(N)]ボタンをクリックしてください。

[いいえ(N)]ボタンをクリックした場合は,TP1/LiNKを初めて使う前に必ずWindowsを再起動してください。

(7) TP1/LiNKのコンソールを設定します

コンソールを作成する指定をすると,TP1/LiNKの操作中に,TP1/LiNKの情報がメッセージとして出力されます。

セットアップ完了時には,TP1/LiNKを起動したときにコンソールを作成しないように初期設定されます。TP1/LiNKのコンソールの設定を変更する場合は,TP1/LiNKの停止中に次の手順に従って操作してください。

(a) TP1/LiNKのコンソールを使う場合
  1. [スタート]-[プログラム]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。
  2. [サービス]に表示されている候補から,TP1/LiNKを選択します。
  3. 右クリックして[プロパティ]を選択します。
  4. [ログオン]タブで[デスクトップとの対話をサービスに許可]チェックボックスをオンにします。
(b) TP1/LiNKのコンソールを使わない場合
  1. [スタート]-[プログラム]-[管理ツール]-[サービス]をクリックします。
  2. [サービス]に表示されている候補から,TP1/LiNKを選択します。
  3. 右クリックして[プロパティ]を選択します。
  4. [ログオン]タブで[デスクトップとの対話をサービスに許可]チェックボックスをオフにします。

注意
TP1/LiNKの実行中にTP1/LiNKのコンソールを閉じないでください。また,コンソール画面でCtrlとCキーまたはCtrlとBreakキーを同時に押さないでください。これらの操作をしたときのTP1/LiNKの動作は保証できません。誤操作を防ぐために,コンソールを閉じないようにするか,TP1/LiNKのコンソールを使わないように設定しておくことをお勧めします。
コンソール画面を表示するようにした場合,コンソール画面に対する操作はしないでください。コンソール画面内のテキストを選択したり,コンソール画面でマウスをクリックしたりするとメッセージ表示が止まります。これによって,メッセージの出力が遅延したり,TP1/LiNKがシステムダウンしたりするおそれがあります。

(8) システム環境変数Pathを設定します

TP1/LiNKをセットアップすると,システム環境変数に次に示す値が自動的に追加されます。

環境変数名環境変数値
DCDIROpenTP1ホームディレクトリ(TP1/LiNKを組み込んだフォルダ名)
DCCONFPATH%DCDIR%¥conf
TP1_LANGJAPANESE
PathTP1/LiNKの実行形式ファイル格納パス(%DCDIR%¥bin)
LibTP1/LiNKのライブラリファイル格納パス(%DCDIR%¥lib)
IncludeTP1/LiNKのインクルードパス(%DCDIR%¥include)

システム環境変数Pathにネットワークに接続したドライブのパスを設定する場合は,TP1/LiNKの実行形式ファイル格納パスより後ろに記述してください。TP1/LiNKの実行形式ファイル格納パスの前に,ネットワークに接続されたドライブのパスが設定されていると,TP1/LiNK起動時にアプリケーションの初期化エラーが発生し,TP1/LiNKを起動できないおそれがあります。