5.5.1 リモートAPI機能の概要

クライアントで呼び出した関数(API)をサーバに通知して,サーバでこのAPIを代行できます。これをリモートAPI機能といいます。

リモートAPI機能を使った通信では,クライアントで呼び出したAPIをサーバが受け取って,自システムのユーザサーバにAPIを実行し直します。APIを実行し直すTP1/LiNKのサービスをRAPサービスといいます。

RAPサービスで代行できるAPIは,リモートプロシジャコール(dc_rpc_call関数)です。ただし,リモートAPI機能を使ったRPCは非同期型RPCにはできません。

リモートAPI機能の概要を次の図に示します。

図5-12 リモートAPI機能の概要

[図データ]

注※1
クライアントになるOpenTP1システムには,次の製品があります。
  • TP1/Client/W
  • TP1/Client/P
  • TP1/Client/J
  • TP1/Client for .NET Framework
  • TP1/LiNK
  • TP1/Server Base
また,TP1/LiNKをクライアントにしてTP1/Server Baseをサーバにすることもできます。
注※2
リモートAPI機能を使った通信では,システム間に論理的な通信路が確立されます。この通信路を常設コネクションといいます。
常設コネクションによって,リモートAPIを要求したUAP(rapクライアント)とrapサーバとは1対1で関係づけられます。常設コネクションの確立および解放は,rapリスナーが管理しています。リモートAPIを受け付けると,rapリスナーはrapクライアントとの間に常設コネクションを確立し,確立したコネクションをrapサーバに渡します。rapリスナーが管理できる常設コネクションの最大数は256です。