8.4 エラーメッセージに出力される値について

TP1/LiNKが出力するエラーメッセージの対処で補足する内容について説明します。

エラーメッセージのシステムコール名およびerrno値
次に示すエラーメッセージのシステムコールおよびerrno値については,Win32 API,Windows SocketsまたはCランタイムライブラリの関数名およびそのエラーコードが表示されます。
エラーコード値については,Microsoft Visual C++の文法で該当する関数名のエラーコードの説明を参照してください。
  • KFCA00100-E
  • KFCA00107-E
  • KFCA00224-E
  • KFCA00700-E
また,KFCA01820-Eメッセージの終了状態には,Win32 APIのGetExitCodeProcess()で返されるプロセスの終了状態(8けたの16進数)が表示されます。
エラーメッセージKFCA00715-Eのエラー要因についての補足事項
KFCA00715-Eメッセージの要因コードが500の場合は,TP1/LiNK開始中のシステム初期化処理が次に示す時間を超えた場合に出力されます。
  • [システム環境設定]ウィンドウの[RPC詳細設定]ダイアログボックスの[応答待ち時間]タブの[最大応答待ち時間(W)](対象:システム共通)に指定した時間
このとき,TP1/LiNKサービスはオンライン状態となります。
この要因コードが表示された場合は,[TP1/LiNKコントロール]ウィンドウまたはdcstop -fコマンドでTP1/LiNKを強制停止させてから再起動してください。
このメッセージが繰り返し出力される場合は,TP1/LiNKインストールフォルダ¥conf¥ENVファイルに,次に示すオペランドを追加してください。

set system_init_watch_time = システム初期化の待ち時間  
~〈符号なし整数〉((0~65535))(単位:秒)

システム開始処理のうち,システム初期化処理(システムサービス開始前の初期化処理)の待ち時間の最大値を指定します。0を指定した場合は,システム初期化処理が終わるまで無限に待ち続けます。
このオペランドの指定を省略した場合は,次に示す値が仮定されます。
  • [システム環境設定]ウィンドウの[RPC詳細設定]ダイアログボックスの[応答待ち時間]タブの[最大応答待ち時間(W)](対象:システム共通)に指定した時間
定義例
定義の最終行には,改行を入力してください。

# ALL RIGHTS RESERVED, COPYRIGHT (C)1994, HITACHI, LTD.
# LICENSED MATERIAL OF HITACHI,LTD.
# *
# * システム環境定義
# * 環境名: env
# *
# TP1/LiNK (env)
set static_shmpool_size = 21699
set dynamic_shmpool_size = 0
set server_count = 64
set system_init_watch_time = 300

エラーメッセージKFCA00854-Eの対策についての補足事項
サーバ名が_clttrnまたは_cltconの場合は,TP1/LiNKインストールフォルダ¥conf¥CLTSRVファイルに,次に示すオペランドを追加してください。

set message_store_buflen = メッセージ格納バッファプール長
~〈符号なし整数〉((1024~31457280))《8196》(単位:バイト)

CUPからのトランザクショナルRPC要求,常設コネクション要求を,トランザクショナルRPC実行プロセス,CUP実行プロセスに渡す前にいったん格納しておく共用メモリのプールの大きさを指定します。
次の計算式で求めた値を指定してください。
メッセージ格納バッファプール長=D×C
D:制御データ長(256バイト)
C:トランザクショナルRPC要求数,常設コネクション要求数のうち大きい値
なお,この計算式の算出結果が8196より小さい場合は,指定する必要はありません。
定義例
定義の最終行には,改行を入力してください。

# ALL RIGHTS RESERVED, COPYRIGHT (C)1994, HITACHI, LTD.
# LICENSED MATERIAL OF HITACHI,LTD.
#
# *
# * クライアントサービス定義
# * 環境名: cltsrv
# *
# TP1/LiNK (cltsrv)
set clt_trn_conf = Y
set parallel_count = 1,2
set balance_count = 3
set clt_cup_conf = Y
set cup_parallel_count = 1,2
set cup_balance_count = 3
set message_store_buflen = 13312

エラーメッセージKFCA01812-Eのエラー要因についての補足事項
エラー要因がMEMORYのKFCA01812-Eのメッセージは,[システム環境設定]ウィンドウの[サーチパス]欄にUAPのサーチパスが設定されていない場合にも出力されます。
また,エラー要因がFORK FAILEDのKFCA01812-Eメッセージは,ロードモジュールのないUAPを起動しようとしたときにも出力されます。該当するUAPのロードモジュールがあるかどうかを確認してください。
エラーメッセージKFCA03909-Eの対策についての補足事項
エラーメッセージKFCA03909-Eが出力されたとき,またはアボートコードWshm02で異常終了したときは,次のような理由が考えられます。
  • TP1/LiNKが使う共用メモリの上限値を超過
  • ディスク容量が不足
このようなときは,[システム環境設定]ウィンドウと[SPP環境設定]ダイアログボックスで設定した項目(プロセス数など)を見直してください。