5.4.4 リアルタイム統計情報の出力

リアルタイム統計情報サービスは,システム全体,サーバおよびサービス単位に統計情報を取得します。このリアルタイム統計情報を標準出力やログファイルに出力すると,TP1/LiNKの稼働状況をリアルタイムに把握でき,システムの運用管理や障害復旧を迅速に行えます。機能の詳細については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。

リアルタイム統計情報サービスでは,次に示すUAPを使用します。

RTSSUP
リアルタイム統計情報サービスを使用する場合に起動させるUAPです。リアルタイム統計情報を取得,出力できます。
RTSSPP
リアルタイム統計情報サービスの拡張機能を使用する場合に起動させるUAPです。拡張機能では,リアルタイム統計情報サービスのオンライン中に,取得する情報の設定を変更できます。

RTSSUPおよびRTSSPPを操作するときは,[スタート]-[プログラム]-[TP1_LiNK]-[アプリケーション管理SUP](または[アプリケーション管理SPP])メニューを選択します。

[アプリケーション管理SUP](または[アプリケーション管理SPP])メニューを選択すると,[TP1/LiNKアプリケーション管理SUP](または[TP1/LiNKアプリケーション管理SPP])ウィンドウが表示されます。

図5-5 [TP1/LiNKアプリケーション管理SUP]ウィンドウ

[図データ]

図5-6 [TP1/LiNKアプリケーション管理SPP]ウィンドウ

[図データ]

ここでは,RTSSUPおよびRTSSPPを開始および終了させる手順について説明します。[TP1/LiNKアプリケーション管理SUP]ウィンドウおよび[TP1/LiNKアプリケーション管理SPP]ウィンドウのメニューとボタンの使い方については,「6.2 アプリケーション管理(SPP)」および「6.3 アプリケーション管理(SUP)」を参照してください。また,リアルタイム統計情報サービスおよびリアルタイム統計情報サービスの拡張機能の開始と終了の詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

<この項の構成>
(1) リアルタイム統計情報サービスおよびリアルタイム統計情報サービスの拡張機能の開始
(2) リアルタイム統計情報サービスおよびリアルタイム統計情報サービスの拡張機能の終了
(3) TP1/LiNKで取得できるリアルタイム統計情報

(1) リアルタイム統計情報サービスおよびリアルタイム統計情報サービスの拡張機能の開始

[TP1/LiNKアプリケーション管理SUP](または[TP1/LiNKアプリケーション管理SPP])ウィンドウのリストボックスに表示されたRTSSUP(またはRTSSPP)を選択して,[起動(S)]をクリックします。

RTSSUP(またはRTSSPP)は,[リアルタイム統計情報サービス設定]ダイアログボックスの設定保存時にユーザサーバ定義を作成しますので,作成は不要です。RTSSUP(またはRTSSPP)は,[SUP環境設定]([SPP環境設定])ダイアログボックスで変更できません。

TP1/LiNKと一緒に開始したい場合は,通常のUAPと同様に自動起動を設定できます。自動起動の設定方法については,「5.3.1 ユーザサーバの開始」を参照してください。また,dcsvstrtコマンドでRTSSUP(またはRTSSPP)を起動することもできます。

リアルタイム統計情報サービスおよびリアルタイム統計情報サービスの拡張機能の起動後に使用できる機能を次に示します。

リアルタイム統計情報サービスの場合
  • リアルタイム統計情報の標準出力への出力(rtslsコマンド)
    リアルタイム統計情報サービスの管理情報,取得した統計情報を標準出力へ出力できます。
  • リアルタイム統計情報ログファイルの編集出力(rtseditコマンド)
    RTSログファイルからリアルタイム統計情報を収集し,編集後,CSV形式でファイルまたは標準出力へ出力できます。
リアルタイム統計情報サービスの拡張機能の場合
  • リアルタイム統計情報の設定変更(rtsstatsコマンド)
    リアルタイム統計情報サービスのオンライン中にリアルタイム統計情報の取得対象,またはリアルタイム統計情報を取得する項目の設定を変更できます。
注※
リアルタイム統計情報サービスの拡張機能がオンライン中である場合,RTSSPPに対して次のボタン(またはコマンド)を使用しないでください。
  • [閉塞(D)]ボタン(scdholdコマンド)
  • [閉塞解除(R)]ボタン(scdrlesコマンド)
RTSSPPに対して,[閉塞(D)]ボタン(scdholdコマンド)を実行した場合,rtsstatsコマンドが実行できなくなります。

(2) リアルタイム統計情報サービスおよびリアルタイム統計情報サービスの拡張機能の終了

[TP1/LiNKアプリケーション管理SUP](または[TP1/LiNKアプリケーション管理SPP])ウィンドウのリストボックスに表示されたRTSSUP(またはRTSSPP)を選択し,[停止(T)]ボタンをクリックします。ボタンをクリックすると,RTSSUP(またはRTSSPP)を停止して終了させることができます。また,dcsvstopコマンドで停止することもできます。

(3) TP1/LiNKで取得できるリアルタイム統計情報

TP1/LiNKで取得できるリアルタイム統計情報を次の表に示します。各項目の詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

表5-1 TP1/LiNKで取得できるリアルタイム統計情報

項番イベント項目名項目ID
リアルタイム統計情報種別リアルタイム統計情報の項目名
1ネーム情報グローバルキャッシュヒット1300
2ローカルキャッシュヒット1301
3サービス情報の検索回数1302
4指定参照先ノードへのサービス検索の送信回数1304
5指定参照先ノードからのサービス検索の応答受信回数1305
6共用メモリ管理情報静的共用メモリの使用サイズ1400
7静的共用メモリプールの必要最大サイズ1401
8動的共用メモリの使用サイズ1402
9動的共用メモリプールの必要最大サイズ1403
10プロセス情報プロセス生成1500
11UAP異常終了1501
12システムサーバ異常終了1502
13プロセス終了1503
14起動プロセス数1504
15RPC情報RPCコール(同期応答型)1700
16RPCコール(連鎖RPC型)1701
17ユーザサービス実行1730
18RPCタイムアウト1731
19スケジュール情報スケジュール待ち1800
20スケジュール1801
21メッセージ格納バッファプールの使用中サイズ1802
22メッセージ格納バッファプールの不足でスケジュールできなかったメッセージサイズ1803
23スケジュール滞留1804
24サービス単位のスケジュール待ち1805
25サービス単位のメッセージ格納バッファプールの使用中サイズ1806
26同時実行サービス数1807
27トランザクション情報コミット1900
28ロールバック1901
29コマンドによるコミット1902
30コマンドによるロールバック1903
31コマンドによるハザード1904
32コマンドによるミックス1905
33ブランチ実行時間1906
34ブランチ同期点処理の実行時間1907
35XAリソースサービス情報Start()要求2500
36Start()要求エラー2501
37Call()要求2502
38Call()要求エラー2503
39End()要求2504
40End()要求エラー2505
41Prepare()要求2506
42Prepare()要求エラー2507
43Commit()要求2508
44Commit()要求エラー2509
45Rollback()要求2510
46Rollback()要求エラー2511
47Recover()要求2512
48Recover()要求エラー2513
49Forget()要求2514
50Forget()要求エラー2515
51リアルタイム統計情報任意区間の実行1000000​~2147483647​