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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/W,TP1/Client/P編


2.3.5 スケジュール機能

TP1/Serverのスケジュール機能は,CUPからのSPPに対するサービス要求でも有効です。TP1/Serverは,SPPのサービスグループごとにスケジュールキューを作成し,サービス要求をスケジュールします。ただし,SPPをソケット受信型サーバと指定(TP1/Serverのユーザサービス定義でreceive_from=socketと指定)しておくと,スケジュールキューを経由しないで,SPPが直接CUPからのサービス要求を受信できます。

またマルチノードサーバの場合(同じサービスグループを処理するサーバが複数のノードで起動されている場合),ノード間負荷バランス機能を使用して,クライアントからのサービス要求を各ノードへ振り分けて負荷を分散できます。ただし,振り分けをするためのオーバヘッドが掛かり,サーバの情報を格納しておくためのメモリが必要となります。このため,サーバが唯一であることが明らかな場合には,振り分けをしない方が性能がよい場合もあります。

ノード間負荷バランス機能を使うかどうかは,クライアント環境定義DCCLTLOADBALANCEで指定します。

サーバの情報を格納しておくためのメモリサイズは,クライアント環境定義DCCACHEで指定します。このメモリを大きく指定しておくと,より多くのサーバ情報を格納できるため,多くのサーバにサービス要求を分散させることができます。負荷を分散させる機能を使わない場合でも,サービス情報を検索する頻度が少なくなるため,性能上効果があります。

負荷を分散させる機能を使用する場合,メモリ中に格納されたサーバ情報の有効時間を指定できます。有効時間を短くしておくと,短い単位でサーバの負荷情報を検索するので,最新の負荷状態に従って振り分けることができます。その反面,負荷情報の検索にオーバヘッドが掛かるため,逆に性能劣化となる場合もあります。有効時間は,クライアント環境定義DCCLTCACHETIMで指定します。