TP1/Serverの性能検証用トレース(PRFトレース)とは,TP1/Server上で動作する各種サービスの,主なイベントのトレース情報です。この性能検証用トレースによって,性能検証,およびトラブルシュートの効率を向上できます。
TP1/Clientでは,TP1/Serverの性能検証用トレースにTP1/Clientが設定した性能検証用の識別情報を出力できます。また,この性能検証用の識別情報は,TP1/ClientのUAPトレースにも出力されます。このため,TP1/Clientの関数実行時間(UAPトレースで取得)と,TP1/Serverのサービスの実行時間(性能検証用トレースで取得)とを照合したり,障害が発生したときに,処理がどこまで到達したかを知ることができます。
TP1/Serverへ性能検証用の識別情報を伝播する場合は,クライアント環境定義DCCLTPRFINFOSENDにYを指定します。
ただし,TP1/Serverのバージョンによっては,伝播できない場合があります。詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」,またはマニュアル「TP1/LiNK 使用の手引」を参照してください。
クライアント環境定義DCCLTPRFINFOSENDにYを指定した場合,TP1/Serverに送信する電文中に,dc_clt_cltin_s関数ごとに一意となる識別情報(IPアドレスなど)を付加できます。付加した情報は,TP1/ClientのUAPトレースに出力されます。また,これと同じ情報はTP1/Serverの性能検証用トレースにも出力されます。
このTP1/ClientのUAPトレースと,TP1/Serverの性能検証用トレースとを照合することで,TP1/ClientとTP1/Serverとの間の,一連の処理の流れを知ることができます。
ただし,クライアント環境定義DCTRCUAPの指定が有効でない場合は,UAPトレースに性能検証用の識別情報は出力されません(TP1/Serverへ性能検証用の識別情報は伝播します)。
TP1/Clientの性能検証用の識別情報は,TP1/ClientのUAPトレース,およびTP1/Serverの性能検証用トレースに出力されます。
性能検証用の識別情報として取得する情報について,次に示します。
ノードID「_WOX」,ルート通信通番「f784d10a」,RPC通信通番「4e880002」の場合の出力例を次に示します。
DATE = 2008/08/11 TIME = 05:08:35.603 PID = 2072:3152 SIZE = 26
FUNC = dc_rpc_call_s EVENT = PRF
Address +0 +1 +2 +3 +4 +5 +6 +7 +8 +9 +a +b +c +d +e +f 0123456789abcdef
00000000 5f 57 4f 58 2f 30 78 66 37 38 34 64 31 30 61 2f _WOX/0xf784d10a/
00000010 30 78 34 65 38 38 30 30 30 32 0x4e880002
PRF: Rec Node: smpl Run-ID: 0x4743dfcc Process: 53000 Trace: 4 Event: 0x1003 Time: 2008/08/11 05:08:36 583.000.000 Server-name: svgrp
Rc: 0 Client: - 0x4e880002 Server: **** Root: _WOX - 0xf784d10a Svc-Grp: ******************************** Svc: ****************************** Trn: *
TP1/Clientでは,次に示す関数を実行すると,UAPトレースに性能検証用の識別情報が出力されます。