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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プログラム作成リファレンス COBOL言語編


CBLDCDAM('READ')

〈このページの構成〉

名称

論理ファイルからブロックの入力

形式

PROCEDURE DIVISIONの指定

CALL 'CBLDCDAM' USING 一意名1 一意名2 一意名n

DATA DIVISIONの指定

01 一意名1.
   02 データ名A  PIC X(8) VALUE 'DCDAMSVC'.
   02 データ名B  PIC X(5).
   02 FILLER    PIC X(3).
   02 データ名C  PIC X(8).
   02 データ名D  PIC S9(9) COMP.
   02 データ名E  PIC S9(9) COMP.
   02 データ名H  PIC S9(9) COMP.
   02 FILLER    PIC X(28).
01 一意名2.
   02 データ名F  PIC X(4) VALUE 'READ'.
   02 データ名G  PIC X(1).
   02 データ名L  PIC X(1).
   02 データ名M  PIC X(1).
   02 FILLER    PIC X(1).
   02 データ名Z  PIC S9(9) COMP VALUE ZERO.
   02 一意名3.
      03 データ名I  PIC S9(9) COMP.
      03 データ名J  PIC S9(9) COMP.
   02 一意名4.
      03 データ名I  PIC S9(9) COMP.
      03 データ名J  PIC S9(9) COMP.
       :
       :
   02 一意名m.
      03 データ名I  PIC S9(9) COMP.
      03 データ名J  PIC S9(9) COMP.
01 一意名n.
   02 データ名K  PIC X(n).

機能

指定した論理ファイルから,指定した範囲のブロックを,参照または更新目的で入力します。

論理ファイルのブロックを入力するときは,論理ファイル名と,CBLDCDAM('OPEN')で返されたファイル記述子を設定します。

UAPで値を設定するデータ領域

●データ名A

DAMファイルとのインタフェースコードを「VALUE 'DCDAMSVC'」と設定します。

●データ名C

論理ファイル名を8文字以内で設定します。8文字に満たない場合は,後ろを空白で埋めてください。

●データ名D

一意名3から一意名mの数(データ名Iとデータ名Jの組の数)を設定します。

●データ名E

入力バッファ長を設定します。入力バッファ長は(入力ブロック数×入力ブロック長)以上にしてください。

入力ブロック数とは,一意名3から一意名mの数(データ名Iとデータ名Jの組の数)で設定するブロック数の合計です。

●データ名H

論理ファイルをオープンしたときに返されたファイル記述子を設定します。

●データ名F

論理ファイルのブロック入力を示す要求コードを「VALUE 'READ'」と設定します。

●データ名G

入力要求の種別を,次のどちらかで設定します。必ずどちらか一方を設定してください。

VALUE 'R'…参照目的の入力

VALUE 'M'…更新目的の入力

●データ名L

参照目的の入力の場合,排他を掛けるかどうかを指定します。'E'を設定した場合は,同期点の処理まで排他を掛けます。

排他を掛けないで論理ファイルのブロックを入力した場合,入力処理中にほかのトランザクションから該当するブロックが更新されることがあります。この場合,入力するブロックの内容は,ほかのトランザクションでの更新処理の状態に依存します。よって,最新のブロックの内容を参照する場合には,必ず'E'を指定してください。

更新目的の入力の場合は,空白を設定します。空白以外の値を設定しても無視されます。

VALUE 'E'…排他をします。

VALUE 'N'…排他をしません。

トランザクションの外から回復対象のDAMファイルに参照目的でアクセスする場合は,排他する指定はできません。

データ名Gに「VALUE 'M'」を設定した場合は,データ名Lに' '(空白)を設定してください。

●データ名M

排他エラーが起こったとき,排他解除待ちをするかどうかを設定します。データ名Lに「VALUE 'N'」を設定した場合は,データ名Mに' '(空白)を設定してください。

VALUE 'W' … 排他解除待ちをします。

VALUE 'N' … 待たないで,エラーリターンします。

VALUE SPACE… CBLDCDAM('OPEN')のデータ名Gに設定した値に従います。

「VALUE SPACE」を設定,または何も設定しなかった場合は次のようになります。

  • CBLDCDAM('OPEN')のデータ名Gに「VALUE 'W'」を設定していれば,排他解除待ちをします。

  • CBLDCDAM('OPEN')のデータ名Gに「VALUE 'N'」を設定,または省略している場合は待たないでエラーリターンします。

データ名Hに設定したファイル記述子のCBLDCDAM('OPEN')で,排他種別にファイル排他を設定していた場合は,ここに設定する値は意味を持ちません。

データ名G,データ名L,データ名Mに設定した値と,排他の設定内容の対応を次に示します。

データ名G

データ名L※1

データ名M※2

排他の設定内容

'R'

'E'

'W'

参照目的,排他あり,排他エラー時は解除待ち

'N'

参照目的,排他あり,排他エラー時はエラーリターン

'N'

参照目的,排他なし※3

'M'

'W'

更新目的,排他エラー時は解除待ち

'N'

更新目的,排他エラー時はエラーリターン

(凡例)

△ : ''(空白)を設定してください。

注※1

データ名Gに'R'を設定し,データ名Lの設定を省略した場合は,'N'が仮定されます。

注※2

次の場合,データ名Mに空白を設定すると,排他の設定内容は論理ファイルをオープンしたときの排他待ち種別の値に従います。

・データ名Gに'R'を設定し,かつデータ名Lに'E'を設定した場合

・データ名Gに'M'を設定した場合

注※3

回復対象のDAMファイルの場合は,トランザクションの範囲でない処理から論理ファイルのブロックを入力する場合,データ名Gに'R'を設定して,データ名Lに'N'を設定したときだけ有効です。これ以外の値を設定して論理ファイルからブロックを入力した場合はステータスコード「01600」でエラーリターンします。

●データ名I

アクセスするブロックの,先頭の相対ブロック番号を設定します。

●データ名J

アクセスするブロックの,最後の相対ブロック番号を設定します。0を設定した場合は,データ名Iで設定した相対ブロック番号のブロックだけを入力します。

●データ名K

入力データ領域を設定します。

●データ名Z

0を設定します。

OpenTP1から値が返されるデータ領域

●データ名B

ステータスコードが,5けたの数字で返されます。

ステータスコード

ステータスコード

意味

00000

すべてのブロック入力は正常に終了しました。

01600

CBLDCRPC('OPEN ')を呼び出していません。

トランザクションの範囲外で,更新目的の入力,または排他を指定した参照目的の入力をしています(回復対象のDAMファイルにアクセスした場合だけリターンされます)。

ユーザサービス定義のatomic_updateオペランドの指定が'N'になっています(回復対象のDAMファイルにアクセスした場合だけリターンされます)。

CBLDCDAM('STRT')を呼び出していません

(回復対象外のDAMファイルにアクセスした場合だけリターンされます)。

次に示すように,UAPを正しくリンケージしていません。

  • DAMサービスのAPIでTAMファイルにアクセスする場合に使うライブラリ(-ltdam)を,不当にリンケージしています。

  • トランザクション制御用オブジェクトファイルのリソースマネジャ登録が間違っています。

01602

排他エラーが起こりました。

01603

データ名Hに設定したファイル記述子は,正常にオープンして得られたファイル記述子ではありません。

DAMファイルをオープンしていません。

01604

入力バッファ長に設定した長さが,すべてのブロックを入力するためには不十分です。

01606

相対ブロック番号が間違っています。

01607

メモリが不足しました。

01609

データ名Dに1より小さい値を設定しています。

01611

データ名Gまたはデータ名Lに設定した値が間違っています。

01613

ブロック更新した回数が,DAMサービス定義の1トランザクションで更新できる最大ブロック数に指定した値を超えました。

01618

UAPが,現在稼働しているDAMサービスでは動作できないバージョンのDAMライブラリと結合されています。

01620

入力エラーが起こりました。

01621

指定したファイルが論理閉塞されています。

01622

指定したファイルが障害閉塞されています。

01628

アクセスしようとしたDAMファイルは,セキュリティ機能で保護されています。論理ファイルのブロックを入力しようとしたUAPには,アクセス権限がありません。

01629

トランザクションサービスでエラーが起こりました

(回復対象のDAMファイルにアクセスした場合だけリターンされます)。

01642

デッドロックが起こりました。

01643

ロックサービス定義で指定した待ち時間のタイムアウトのため,資源を確保できませんでした。

01645

最大同時排他要求数を超えて,排他要求されました。

01648

回復対象外のDAMファイルにアクセスできるブロック数を超えました

(回復対象外のDAMファイルにアクセスした場合だけリターンされます)。

01690

インタフェースコード(データ名A)が間違っています。

01691

要求コード(データ名F)が間違っています。

注※

詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」のDAMサービス定義のdam_update_blockオペランドを参照してください。

注意事項

ステータスコード「01613」「01648」が返された場合,次のどれかの方法で処置してください。

定義を変更する場合は,マニュアル「OpenTP1 システム定義」のDAMサービス定義のdam_update_blockオペランド,およびdam_update_block_overオペランドを参照し,注意事項を確認してください。