分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プログラム作成リファレンス C言語編

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dc_tam_delete

名称

TAMテーブルのレコードの削除

形式

ANSI C ,C++の形式

 
#include <dctam.h>
int  dc_tam_delete(DCLONG tblid,struct DC_TAMKEY *keyadr,
                   int keyno,
                   char *bufadr,int bufsize,DCLONG flags)
 

K&R版 C の形式

 
#include <dctam.h>
int dc_tam_delete(tblid,keyadr,keyno,bufadr,bufsize,flags)
DCLONG           tblid;
struct DC_TAMKEY *keyadr;
int              keyno;
char             *bufadr;
int              bufsize;
DCLONG           flags;
 

機能

キー値に示すレコードを,TAMテーブルから削除します。削除するレコードをバッファに退避することもできます。ただし,この関数がエラーリターンした場合には,バッファの内容は保証できません。

レコード排他でTAMテーブルがオープンしている場合,更新排他でテーブル排他を確保します。

dc_tam_delete関数がエラーリターンした場合は,この関数内で設定した資源はすべて解放して,関数を呼び出す前の状態に戻ります。ただし,関数を呼び出す前に参照排他で確保されていたTAMテーブルを削除しようとした場合は更新排他となり,参照排他には戻りません。

複数のレコードを設定して削除する場合,それらのレコードのうち一つでもエラーが起こったときは,この関数で設定した全レコードの処理をエラーとして,関数を呼び出す前の状態に戻ります。

UAPで値を設定する引数

●tblid

レコードを削除するTAMテーブルの,テーブル記述子を設定します。テーブル記述子は,dc_tam_open関数で返された値です。

●keyadr

削除するレコードのキー値のアドレスを持つ,構造体のアドレスを設定します。構造体の形式は次のとおりです。

 
struct DC_TAMKEY {
                   char  *keyname;
                  };
 

●keyno

要求レコード数(keyadrで設定する構造体の数)を設定します。

●bufadr

削除するレコードをバッファに退避する場合に,そのバッファのアドレスを設定します。flagsにDCTAM_NOOUTREC(削除するレコードを退避しない)を設定した場合は,この設定は無効です。

●bufsize

削除するレコードをバッファに退避する場合に,そのバッファ長を設定します。返却バッファ長は,(レコード長×要求レコード数)以上にします。flagsにDCTAM_NOOUTREC(削除するレコードを退避しない)を設定した場合は,この設定は無効です。

●flags

レコードのアクセス種別,資源の競合が起こった場合の排他解除待ち種別を,次の形式で設定します。

 
{DCTAM_NOOUTREC|DCTAM_OUTREC}〔|{DCTAM_WAIT|DCTAM_NOWAIT}〕
 

リターン値

リターン値 リターン値(数値) 意味
DC_OK 0 TAMテーブルのレコードを正常に削除しました。
DCTAMER_PARAM_TID -1700 tblidに設定したテーブル記述子が間違っています。
DCTAMER_PARAM_KEY -1702 keyadrに設定したキー値が間違っています。
DCTAMER_PARAM_KNO -1703 keynoに設定した値が間違っています。
DCTAMER_PARAM_BFA -1704 bufadrに設定した値が間違っています。
DCTAMER_PARAM_BFS -1705 bufsizeに設定したバッファ長が短過ぎます。
DCTAMER_PARAM_FLG -1708 flagsに設定した値が間違っています。
DCTAMER_NOTTAM -1709 tblidに設定したテーブルはTAMテーブルではありません。
DCTAMER_TAMEND -1720 TAMサービスが終了中です。
DCTAMER_PROTO -1721 TAMテーブルへアクセスする順序が間違っています。
UAPにリンケージしているトランザクション制御用オブジェクトファイルのリソースマネジャ登録が間違っています。
または,UAPにトランザクション制御用オブジェクトファイルをリンケージしていません。
関数を呼び出したUAPのユーザサービス定義に,トランザクション属性なし(atomic_update=N)を指定しています。
DCTAMER_RMTBL -1723 TAMテーブルが削除されています。
DCTAMER_NOLOAD -1724 TAMテーブルがロードされていません。
DCTAMER_NOOPEN -1726 TAMテーブルがオープン状態ではありません。
DCTAMER_LOGHLD -1727 TAMテーブルが論理閉塞状態です。
DCTAMER_OBSHLD -1728 TAMテーブルが障害閉塞状態です。
DCTAMER_ACSATL -1730 TAMサービス定義で指定したTAMテーブルのアクセス形態では実行できません。
DCTAMER_NOREC -1731 指定されたレコードは存在しません。
DCTAMER_LOCK -1736 排他エラーが起こりました。flagsにDCTAM_WAITを設定した場合,ロックサービス定義で指定した待ち時間のタイムアウトのため,資源を確保できませんでした。
DCTAMER_DLOCK -1737 デッドロックが起こりました。
DCTAMER_TBLVR -1760 UAPが,現在稼働しているTAMテーブルでは動作できないバージョンのTAMライブラリと結合されています。
DCTAMER_FLSVR -1761 UAPが,現在稼働しているOpenTP1ファイルサービスでは動作できないバージョンのTAMライブラリと結合されています。
DCTAMER_RECOBS -1764 レコードが破壊されています。
DCTAMER_TRNNUM -1765 TAMサービスで管理できるトランザクション数を超えました。
DCTAMER_OPENNUM -1766 キャラクタ型スペシャルファイルのオープン数の制限値を超えました。
DCTAMER_ACCESSS -1767 スペシャルファイルに対するアクセス権がありません。
DCTAMER_ACCESSF -1768 TAMファイルに対するアクセス権がありません。
DCTAMER_MEMORY -1769 メモリが不足しました。
DCTAMER_IO -1770 入出力エラーが起こりました。
DCTAMER_TMERR -1771 トランザクションサービスでエラーが起こりました。
DCTAMER_ACCESS -1773 アクセスしようとしたTAMファイルは,セキュリティ機能で保護されています。dc_tam_delete関数を呼び出したUAPには,アクセス権限がありません。

注意事項

ハッシュ形式のTAMテーブルに格納されているレコードを全件削除する場合,次の手順で行ってください。

  1. 先頭検索して見つかったレコードのキー値を変数1に退避する
  2. 変数1のキー値を使い,NEXT検索する
  3. 手順2.で見つかったレコードのキー値を変数2に退避する
  4. 退避しておいた変数1のキー値のレコードを削除する
  5. 変数2のキー値を変数1に退避する
  6. 手順2.がエラーになるまで手順2.から手順5.を繰り返す(NEXT検索する)
  7. 手順2.がエラーになったあとで,最後に変数1に退避したキー値のレコードを削除する

レコードを全件削除する場合,次に示す手順を実行するとCPUが高負荷になることがありますので注意してください。

  1. レコードを先頭検索する
  2. 手順1.で見つかったレコードを削除する
  3. 手順1.と手順2.すなわちレコードの先頭検索とレコードの削除を繰り返す