jnlcolc
形式
jnlcolc -k 回復種別 〔-f〕〔-l〕〔-n〕〔-m〕 〔-i オンラインバックアップ情報名〕〔-c キー〕 〔ファイル名〔△ファイル名〕…〕
機能
指定したファイルから,DAMファイル,TAMファイル,またはISAMファイルの回復に必要なジャーナルレコードを抽出し,標準出力に出力します。集積結果をリダイレクトしてファイルに出力することもできます。
オプション
●-k 回復種別
回復対象とするファイル種別を指定します。
d:DAMファイル
t:TAMファイル
i:ISAMファイル
●-f
最初のファイルから,ファイルの回復に必要なジャーナルを抽出します。このとき,ジャーナルファイルの先頭ブロック番号が1から昇順に連番であることをチェックします。エラーであれば処理を終了します。
このオプションの指定を省略すると,前回のジャーナルレコード抽出処理からの引き継ぎがあるものとして,引き継ぎファイルの最終ブロック番号+1から昇順に連番であることがチェックされます。エラーであれば処理を終了します。
●-l
最後のファイルから,ファイルの回復処理に必要なジャーナルを抽出します。その後,引き継ぎファイルを削除します。
このオプションを指定してファイル回復用ジャーナルを集積した場合,別オンラインのジャーナル集積時には,必ず-fオプションを指定してください。
このオプションの指定を省略すると,引き継ぎファイルは削除されません。
●-n
トランザクション内の同一論理ファイル,同一相対ブロック番号の更新情報があっても,すべてのFJレコードを出力します(FJの更新前と更新後の情報のチェック,および重複情報の削除はしません)。
このオプションの指定を省略すると,トランザクション内に同一論理ファイル,同一相対ブロック番号の更新情報があった場合,最終の更新情報だけが出力されます。
このオプションは,回復種別がDAMファイルの場合だけ有効です。
●-m
ファイルの回復に必要なジャーナルレコードをファイル上で集積します。
このオプションを指定すると,-nオプションを指定したと見なします。
このオプションの指定を省略すると,メモリ上にバッファが確保されて,ジャーナルレコードが集積されます。
●-i オンラインバックアップ情報名
指定したファイルからファイル回復用ジャーナルの集積開始情報を取得し,開始位置以前のレコードをスキップします。
このオプションの指定は,-kオプションにd,またはt(回復種別にDAMファイル,またはTAMファイル)を指定した場合だけ有効です。
このオプションの指定を省略すると,ファイルの先頭からファイル回復用ジャーナルが集積されます。
●-c キー 〜((001〜999))《001》
引き継ぎファイルの名称の一部を指定します。実際は,OpenTP1が「jnlcolc***」という名称でファイルを作成し,***にはこのオプションで指定した値が設定されて,引き継ぎファイルの名称となります。
コマンド引数
●ファイル名 〜〈パス名〉
ファイルの回復に必要なジャーナルレコードがあるファイルの名称を指定します。マルチノード機能を使用している場合は,jnlsortコマンドでソート,およびマージ(ノードの抽出,ジャーナルサーバランIDの特定)した結果のファイル名を指定してください。
マルチノード機能を使用していない場合は,アンロードジャーナルファイルの名称を指定してください。
複数のファイルを指定するときは,ファイル名とファイル名との間を空白で区切ります。指定できるファイル数は256個までです。
このコマンド引数の指定を省略すると,標準入力と見なされます。
出力メッセージ
メッセージID |
内容 |
出力先 |
---|---|---|
KFCA02600-E |
アンロードジャーナルファイルのアクセスでエラーが発生しました |
標準エラー出力 |
KFCA02601-E |
アンロードジャーナルファイルが不正です |
標準エラー出力 |
KFCA02602-E |
ジャーナルブロックが不正です |
標準エラー出力 |
KFCA02603-E |
ジャーナルレコードが不正です |
標準エラー出力 |
KFCA02604-E |
メモリが確保できません |
標準エラー出力 |
KFCA02605-E |
引き継ぎファイルのアクセスでエラーが発生しました |
標準エラー出力 |
KFCA02606-E |
引き継ぎファイルが不正です |
標準エラー出力 |
KFCA02607-E |
引き継ぎファイルとアンロードジャーナルファイルの関係が不正です |
標準エラー出力 |
KFCA02621-W |
出力するファイル回復対象レコードがありません |
標準エラー出力 |
KFCA02650-I |
ヘルプメッセージ |
標準出力,標準エラー出力 |
KFCA02651-E |
jnlcolcコマンドのパラメタ不正,または制限値オーバです |
標準エラー出力 |
KFCA02652-E |
jnlcolcコマンドのオプションの組み合わせが不当です |
標準エラー出力 |
KFCA02653-E |
jnlcolcコマンドのオプションの指定に誤りがあります |
標準エラー出力 |
KFCA02654-E |
jnlcolcコマンドのファイル名の指定に誤りがあります |
標準エラー出力 |
KFCA02655-E |
jnlcolcコマンドで更新前後情報の不一致を検出しました |
標準エラー出力 |
KFCA02657-E |
jnlcolcコマンドの-kオプションの指定がありません |
標準エラー出力 |
KFCA02658-E |
jnlcolcコマンドでファイル回復対象レコードが不正です |
標準エラー出力 |
注意事項
-
jnlcolcコマンドで指定した引き継ぎファイルがすでにある場合は,既存のファイルを「jnlcolc***.bak」という名称で残します。
-
複数のジャーナルファイルを集積する場合,同一オンライン中に出力されたジャーナルファイルである必要があります。1ファイルでも異なる場合は,処理を終了します。
-
出力するジャーナルレコードは,次の種類です。
DAMファイル回復時
FJ:ファイル(DAM)の更新情報
HJ:トランザクションの仮同期点情報
PJ:トランザクションのコミット処理開始情報
DJ:ヒューリスティック決定情報
BJ:トランザクションのロールバック情報
TAMファイルの回復時
CJ:回復対象テーブルの更新情報
HJ:トランザクションの仮同期点情報
PJ:トランザクションのコミット処理開始情報
DJ:ヒューリスティックの決定情報
BJ:トランザクションのロールバック情報
ISAMファイル回復時
FJ:ファイル(ISAM)の更新情報
HJ:トランザクションの仮同期点情報
PJ:トランザクションのコミット処理開始情報
DJ:ヒューリスティック決定情報
BJ:トランザクションのロールバック情報
-
jnlcolcコマンドを複数回実行して,複数のアンロードジャーナルファイルからジャーナルレコードを集積する場合,-k,-n,-cオプションの指定値は,それぞれのjnlcolcコマンドですべて同じにしてください。
-
アンロードジャーナルファイル名,またはグローバルアーカイブアンロードジャーナルファイル名の指定を省略すると,標準入力からの入力となります。そのため,入力ファイルをパイプ,リダイレクションなどで指定してください。
-
jnlcolcコマンドは,指定されたファイルから回復に必要なジャーナルをいったんメモリ上で集積し,その結果を出力します。集積の対象となるジャーナルの量などによってメモリ所要量は異なりますので,次の概算式を目安に実行環境のメモリの割り当てを,必要に応じて増やしてください。
jnlcolcコマンドのメモリ所要量(目安)=(1トランザクションが出力する回復ジャーナル量の平均)×(同時実行トランザクション数)/2
実行環境のメモリ割り当てを増やしただけでは対処できない場合は,-mオプションを適用してjnlcolcコマンドを再度実行してください。なお,-mオプションを使用するとファイル上でジャーナルレコードを集積するため,ファイルI/Oが増加する分,コマンドの処理時間が長くなる可能性があります。またメモリ量が削減できる代わりにディスク容量が増加します。
-
jnlcolcコマンドは,ファイル(DAM,TAM,またはISAMファイル)回復コマンド,およびjnlsortコマンドとともに使用して,ファイルを回復するためのコマンドです。なお,ISAMファイルの回復コマンドについては,マニュアル「索引順編成ファイル管理 ISAM」を参照してください。
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複数のジャーナルファイルを集積する場合,ファイル名称を時系列に指定してください。時系列でない場合,ジャーナルファイル不正でエラーメッセージ(KFCA02601-E)を出力して処理を終了します。
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jnlunlfgコマンドに-tオプションを指定して取得したアンロードジャーナルファイルを指定しないでください。指定した場合,KFCA02601-Eメッセージが出力されます。
-
このコマンドで入力できる文字数はご使用のOSによって変わります。入力文字数が上限値を超えるとエラーになります。
-
指定したファイル数が256個以下の場合でも,1プロセスでオープンできるファイルの最大数を超えるとエラーになります。
使用例
使用例を示します。世代番号は1,2…とします。
アンロードジャーナルファイル:sysjnl001,sysjnl002,…
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ファイル分割していないアンロードジャーナルファイルから,DAM FRC用のジャーナルレコードを集積する場合
jnlcolc -k d -f -l /tp1/jnl/sysjnl001
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三つのファイルに分割しているアンロードジャーナルファイルから,TAM FRC用のジャーナルレコードを1回で集積する場合
jnlcolc -k t -f -l /tp1/jnl/sysjnl001 /tp1/jnl/sysjnl002/tp1/jnl/sysjnl003
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四つのファイルに分割しているアンロードジャーナルファイルから,DAM FRC用のジャーナルレコードを3回で集積する場合
〈1回目〉 jnlcolc -k d -f /tp1/jnl/sysjnl001 /tp1/jnl/sysjnl002 〈2回目〉 jnlcolc -k d /tp1/jnl/sysjnl003 〈3回目〉 jnlcolc -k d -l /tp1/jnl/sysjnl004