damfrc
形式
damfrc 〔-s〕 〔-e〕 〔-g〕 〔-k キー〕 〔-n〕 〔-c〕〔-m〕 回復対象定義ファイル名 ジャーナルファイル名 〔〔△ジャーナルファイル名〕 …〕
機能
指定したジャーナルファイルを使用して,DAMサービス定義で指定された論理ファイルを,障害が発生した直前の状態にまで回復します。
ただし,回復対象外ファイルに対してdamfrcコマンドを実行しても,ファイルは回復できません。
オプション
●-s
前回のDAM FRCを引き継ぎません。
このオプションの指定を省略すると,前回のDAM FRCが引き継がれます。
●-e
DAM FRC終了時に,引き継ぎファイルを削除します。
このオプションを指定してDAM FRCを実行した場合,次回のDAM FRC実行時には,必ず-sオプションを指定してください。
このオプションの指定を省略すると,引き継ぎファイルは削除されません。
●-g
-sオプションの指定があり,かつジャーナル世代番号が1であるアンロードジャーナルファイルの指定がない場合でも,DAM FRCを実行します。
上記の場合,このオプションの指定を省略すると,処理は中断されます。
-sオプションの指定がない場合,このオプションを指定しても無視されます。
●-k キー 〜((001〜999))《001》
複数のDAM FRCを同時に実行する場合,それぞれ別のキーとなるように指定してください。
また,tamfrcコマンド,およびmqafrcコマンドをこのコマンドと同時に,または連続して実行する場合も,それぞれ別のキーとなるように指定してください。
前回のDAM FRCを引き継ぐ場合は,前回指定したキーを指定してください。
●-n
集積ジャーナルファイル内のFJの変更後のデータからDAMファイルを回復します。
このオプションの指定を省略すると,集積ジャーナルファイル内のFJの変更前のデータと変更後のデータの正当性が検証され,検証結果が正しければ,変更後のデータからDAMファイルが回復されます。
●-c
コマンド引数に指定したジャーナルファイルを,あらかじめjnlcolcコマンドで作成した集積ジャーナルファイルと見なして,DAMファイルを回復します。
このオプションの指定を省略すると,コマンド引数に指定したジャーナルファイルをアンロードジャーナルファイルと見なされます。そのため,jnlcolcコマンドで集積ジャーナルファイルを作成したあと,damfrcコマンドを実行してください。
●-m
ファイルの回復に必要なジャーナルレコードをファイル上で集積します。
このオプションの指定を省略すると,メモリ上にバッファが確保されて,ジャーナルレコードが集積されます。
コマンド引数
●回復対象定義ファイル名 〜〈パス名〉
回復するDAMファイルを定義したファイルの名称を指定します。
回復対象定義ファイルは次の形式で,テキストエディタを用いて作成します。
〔△〕論理ファイル名△物理ファイル名〔△〕(改行) 〔論理ファイル名△物理ファイル名〕〔△〕(改行) : :
- 論理ファイル名 〜〈1〜8文字の識別子〉
-
回復したいDAMファイルの論理ファイル名
- 物理ファイル名 〜〈パス名〉
-
回復先の物理ファイル名(完全パス名で指定)
指定する物理ファイルは,バックアップしたファイルをリストアしたものです。オンラインバックアップしたファイルをリストアしたもの,またはオフライン状態でバックアップしたファイルをリストアしたもののどちらかを指定してください。混在はできません。
●ジャーナルファイル名 〜〈パス名〉
DAM FRC実行時に使用するジャーナルファイルの名称を指定します。
-cオプションを指定した場合は,集積ジャーナルファイルの名称を,-cオプションの指定を省略した場合は,アンロードジャーナルファイルの名称を指定します。
複数世代のジャーナルを処理する場合,複数のジャーナルファイル名を指定します。ただし,集積ジャーナルファイルの場合は複数指定できません。
オンラインバックアップしたファイルを回復する場合,すべてのアンロードジャーナルファイルを指定する必要はありません。オンラインバックアップ完了時に出力されたメッセージ(KFCA02531-I)に含まれる,回復対象ジャーナルファイルの世代番号とブロック番号以降のアンロードジャーナルファイルを指定してください。
なお,オフライン状態でバックアップしたファイルを回復する場合は,すべてのアンロードジャーナルファイルを指定してください。
注意事項
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damfrcコマンドは,jnlcolcコマンドを内部で使用しています。そのため,jnlcolcコマンドに関するエラーメッセージが出力されることがあります。マニュアル「OpenTP1 メッセージ」に従って対処してください。
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damfrcコマンドは,条件によってカレントディレクトリにテンポラリファイルを作成します。そのため,カレントディレクトリには書き込み権を設定してください。また,テンポラリファイルのディスク容量は,次のようになります。
-
回復しようとするDAMファイルがオフラインバックアップ※1で取得したものをリストアしたファイルであり,damfrcコマンドに-cオプションを指定していない場合:
最大 4096+a (単位:バイト)
-
回復しようとするDAMファイルがオンラインバックアップ※2で取得したものをリストアしたファイルであり,damfrcコマンドに-cオプションを指定していない場合:
最大 96+4096+a (単位:バイト)
-
上記1.および2.以外の場合(damfrcコマンドに-cオプションを指定した場合),テンポラリファイルを作成しません。
- (凡例)
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a:damfrcコマンド実行時に指定したアンロードジャーナルファイルの総ディスク容量※3
- 注※1
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DAMファイルのバックアップ時,オフラインの状態(-oオプションなし)でdambkupコマンドを実行した場合。
- 注※2
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DAMファイルのバックアップ時,dambkupコマンドに-oオプションを指定した場合。
- 注※3
-
総ディスク容量は,UNIXのlsコマンドで参照できます。複数個指定した場合は,その合計になります。
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jnlunlfgコマンドに-tオプションを指定して取得したアンロードジャーナルファイルを指定しないでください。
使用例
次の場合の使用例を示します。それぞれ世代番号は1,2…とします。
回復対象定義ファイル:damdef,damdef1…
アンロードジャーナルファイル:jnl001,jnl002…
集積ジャーナルファイル:jnlcolc01
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複数のアンロードジャーナルファイルを使用し,1回でDAM FRCが完了する場合
回復対象定義ファイル名:/work/damdef
アンロードジャーナルファイル名:/jnldir/jnl001,/jnldir/jnl002
damfrc -se /work/damdef /jnldir/jnl001 /jnldir/jnl002
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3回に分けてDAM FRCを実行する場合
回復対象定義ファイル名:/work/damdef
アンロードジャーナルファイル名:
/jnldir/jnl001,/jnldir/jnl002,
/jnldir/jnl003,/jnldir/jnl004
<1回目> damfrc -s /work/damdef /jnldir/jnl001 /jnldir/jnl002 <2回目> damfrc /work/damdef /jnldir/jnl003 <3回目> damfrc -e /work/damdef /jnldir/jnl004
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二つのDAM FRCを同時に1回で実行する場合
回復対象定義ファイル名:/work/damdef1,/work/damdef2
アンロードジャーナルファイル名:
/jnldir/jnl001(両方のDAM FRCで使用)
/jnldir/jnl002(二つ目のDAM FRCだけで使用)
<一つ目のDAM FRC> damfrc -se -k001 /work/damdef1 /jnldir/jnl001 <二つ目のDAM FRC> damfrc -se -k002 /work/damdef2 /jnldir/jnl001 /jnldir/jnl002
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途中の世代のアンロードジャーナルファイルを使用して,DAM FRCを1回で実行する場合
回復対象定義ファイル名:/work/damdef
アンロードジャーナルファイル名:/jnldir/jnl002,/jnldir/jnl003
damfrc -seg /work/damdef /jnldir/jnl002 /jnldir/jnl003
-
集積ジャーナルファイルを使用して,DAM FRCを1回で実行する場合
回復対象定義ファイル名:/work/damdef
集積ジャーナルファイル名:/jnldir/jnlcolc01
damfrc -sec /work/damdef /jnldir/jnlcolc01