8.1.6 共用ライブラリの変更
マルチOpenTP1では,共用ライブラリの領域は,それぞれのOpenTP1のメモリに常駐されます。二つのOpenTP1システムのバージョンが同一の場合,共用ライブラリを一つにできます(HP-UX限定)。二つのOpenTP1システムが一つの共用ライブラリを参照することで,メモリの使用量を削減できます。
マルチOpenTP1で共用ライブラリを一つにする方法は,SHLIB_PATHをOpenTP1システム間で同じにします。次に手順例を示します。
- 〈この項の構成〉
(1) /etc/inittabの変更
-
/etc/inittabを変更するために,OpenTP1を停止してください。OpenTP1稼働中に作業をするとシステムダウンします。
変更前
d1:2:respawn:env SHLIB_PATH=/BeTRAN/lib /BeTRAN/lib/servers/prcd /BeTRAN d2:2:respawn:env SHLIB_PATH=/BeTRAN1/lib /BeTRAN1/lib/servers/prcd /BeTRAN1
変更後(変更個所をアンダーラインで示します)
d1:2:respawn:env SHLIB_PATH=/BeTRAN/lib /BeTRAN/lib/servers/prcd /BeTRAN d2:2:respawn:env SHLIB_PATH=/BeTRAN/lib /BeTRAN1/lib/servers/prcd /BeTRAN1
-
dcresetコマンドを入力して,/etc/inittabの変更をOSに反映させます。
dcsetup -dを実行すると,/etc/inittabの内容は削除されます。dcsetup -dを実行した場合は,dcsetupで登録したあとで再度/etc/inittabを変更してください。
(2) 環境変数の変更
コマンド発行環境を設定している環境変数を変更します。
変更前
環境変数 |
OpenTP1 A |
OpenTP1 B |
---|---|---|
DCDIR |
/BeTRAN |
/BeTRAN1 |
DCCONFPATH |
/BeTRAN/conf |
/BeTRAN1/conf |
SHLIB_PATH |
/BeTRAN/lib |
/BeTRAN1/lib |
変更後(変更個所をアンダーラインで示します)
環境変数 |
OpenTP1 A |
OpenTP1 B |
---|---|---|
DCDIR |
/BeTRAN |
/BeTRAN1 |
DCCONFPATH |
/BeTRAN/conf |
/BeTRAN1/conf |
SHLIB_PATH |
/BeTRAN/lib |
/BeTRAN/lib |
OpenTP1システムのバージョンが異なる場合は,動作の保証はできません。また,SHLIB_PATHのディレクトリ中にライブラリがない場合は,OSの制御でプロセスが起動されません。
(3) 定義の変更
システム定義のputenv形式にSHLIB_PATHを定義している場合は,環境変数と同様に変更してください。