filrstr
形式
filrstr 〔-y〕〔-q〕〔-{t|o|r}〕 〔-{c|l}〕 〔-f〕 バックアップファイル名 〔/OpenTP1ファイル名〕 OpenTP1ファイルシステム領域名
機能
filbkupコマンドでバックアップしたOpenTP1ファイルシステムをOpenTP1ファイルシステム領域にリストアします。
filrstrコマンドは,OpenTP1ファイルシステムをリストアする前にユーザに確認を求めますが,-yオプションを指定すると,確認を求めないですぐにリストアできます。
filrstrコマンドを実行できるのは,スーパユーザ,およびOpenTP1ファイルシステムを初期設定するユーザだけです。
また,OpenTP1ファイル名を指定してリストアすることもできますが,これは主に保守情報を取得するために行います。
オプション
●-y
ユーザに確認しないで,すぐにOpenTP1ファイルシステムをリストアします。
-yオプションの指定を省略すると,ユーザに確認してからOpenTP1ファイルシステムがリストアされます。
●-q
OpenTP1ファイルシステムのファイル管理情報を一括で書き込み,高速にリストアします。
●-{t|o|r}
リストア元のファイルとリストア先のOpenTP1ファイルシステムに,同じ名称のOpenTP1ファイルがあるときの動作を指定します。
- -t
-
最終更新日時を比較して,リストア元のファイル上のOpenTP1ファイルの方が新しければ,OpenTP1ファイルをリストアします。
- -o
-
同じ名称のOpenTP1ファイルについてはリストアしません。
- -r
-
最終更新日時に関係なく,OpenTP1ファイルをリストアします。
●-{c|l}
指定を省略,または-qオプションを指定すると,-cが仮定されます。
- -c
-
OpenTP1ファイルシステム中のOpenTP1ファイルを他プロセス,または他ユーザが使用中の場合,OpenTP1ファイルシステムをリストアしません。
- -l
-
OpenTP1ファイルシステム中のOpenTP1ファイルを他プロセス,または他ユーザ使用中の場合,使用中のOpenTP1ファイルはリストアしません。
●-f
バックアップしたtype2形式のOpenTP1ファイルシステムを,type1形式のOpenTP1ファイルシステム領域にリストアする場合に指定します。このオプションは,64ビット版の場合だけ指定できます。
バックアップしたOpenTP1ファイルシステムの形式がtype2である場合,type1形式のOpenTP1ファイルシステム領域にリストアしようとするとエラーになります。運用上,type1形式のOpenTP1ファイルシステム領域にリストアする必要がある場合は,-fオプションを指定してください。ただし,ラージユーザIDを使用していない場合に限ります。
コマンド引数
●バックアップファイル名 〜〈パス名〉
OpenTP1ファイルシステムをバックアップしたファイルの名称を指定します。
●OpenTP1ファイル名 〜〈OpenTP1ファイル名〉
リストアするOpenTP1ファイルの名称を指定します。
このコマンド引数を指定すると,指定したOpenTP1ファイルだけがリストアされます。
●OpenTP1ファイルシステム領域名 〜〈パス名〉
OpenTP1ファイルシステムをリストアするキャラクタ型スペシャルファイル名,または通常ファイル名を指定します。指定するキャラクタ型スペシャルファイル,または通常ファイルは,OpenTP1ファイルシステム用に初期設定しておく必要があります。
注意事項
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filbkupコマンドを実行すると,プロセスの打ち切りなどでファイル管理テーブルが孤立している無効ファイルもバックアップします。filrstrコマンドで-rオプションを指定した場合,バックアップされた無効ファイルと同じ名称のファイルがあると,そのファイルを無効ファイルと置き換えてしまいます。このため,基本的に-tオプション,または-oオプションを指定してください。
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OpenTP1ファイルシステム中のOpenTP1ファイルを他プロセス,または他ユーザが使用中の場合,OpenTP1ファイルシステムをリストアしません。強制的にリストアしたい場合は,-lオプションを指定してください。
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filrstrコマンドはバックアップファイルに含まれるOpenTP1ファイルをファイル単位にリストアします。したがって,OpenTP1ファイルシステムを初期設定しないでfilrstrコマンドを実行すると,リストア対象でないOpenTP1ファイルはfilrstrコマンド実行後も残ります。
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バックアップファイルのレコード長がリストア先スペシャルファイルのセクタ長よりも短かった場合,またはバックアップファイルのレコード長がリストア先スペシャルファイルのセクタ長の倍数でなかった場合,そのファイルはリストアしないで,次のファイルのリストア処理を行います。
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OpenTP1ファイルシステムが正常にバックアップできていなかった場合,警告メッセージを出力して,OpenTP1ファイルシステムのリストア処理を続けます。
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4ギガバイトまでのOpenTP1ファイルシステムおよびOpenTP1ファイルに対応したfilbkupコマンドで作成したバックアップファイルを,4ギガバイト未対応のfilrstrコマンドで回復することはできません。また,4ギガバイト対応のOpenTP1ファイルシステムに対し,4ギガバイト未対応のfilbkupコマンドを使用した場合の動作は保証しません。
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OSのkillコマンドの実行や,そのほかのエラーが要因となってfilrstrコマンドが異常終了すると,OpenTP1ファイルシステム全体として整合性が取れないため不正な状態となります。この場合,エラーの要因を取り除いてリストアし直す必要があります。
-qオプションを指定したfilrstrコマンドが異常終了した場合は,OpenTP1ファイルシステムの管理情報の復元がリストア処理の最後に行われ,そのファイルシステムはOpenTP1ファイルシステムとして認識されなくなります。その場合,OpenTP1ファイルシステムの初期設定からやり直してください。
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filrstrコマンドでは,リストア対象のOpenTP1ファイルがリストア先に存在する場合,バックアップファイルからいったんファイルシステム内の空き領域にリストアしたあとに,元のOpenTP1ファイルを削除します。このため同一のOpenTP1ファイルが存在する場合のリストアでは,リストアするOpenTP1ファイルの容量分の連続した空き領域が必要となります。また,OpenTP1ファイルシステム全体のリストアでは複数のファイルがリストア対象となるので,それらの中の最大容量分の空き領域が必要となります。
空き領域が確保できない場合は,filmkfsコマンドでOpenTP1ファイルシステムを初期設定し直してください。