dcmstart
形式
dcmstart 〔-n〕 〔-p〕 〔-t 開始確認時間〕 {-g マルチノードサブエリア識別子|-w ノード識別子 〔,ノード識別子〕…}
機能
次に示すOpenTP1ノードを,同時に正常開始,または再開始します。
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コマンド入力環境の環境変数DCDIRに対応したOpenTP1ノードが属するマルチノードエリアを構成するすべてのOpenTP1ノード
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指定したマルチノードサブエリアを構成するすべてのOpenTP1ノード
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-wオプションで指定したOpenTP1ノード
dcmstartコマンド実行時の各OpenTP1ノードの状態によって,そのOpenTP1ノードに対する処理は異なります。
dcmstartコマンドは,指定された範囲のOpenTP1ノードがすべて開始処理を完了したことを確認するか,または開始できないことを確認するまで,OpenTP1ノードを監視します。また,約30秒ごとに,開始処理中のOpenTP1ノードを報告(メッセージを出力)します。
ただし,dcmstartコマンドを入力してから一定時間(マルチノード構成定義のdcmstart_watch_timeオペランドに指定した値)を経過しても,開始処理の完了,または開始できないことを確認できなかった場合は,メッセージを出力し,残りのOpenTP1ノードの監視を打ち切ります。監視を打ち切られたOpenTP1ノードでは,開始処理が続行されます。ただし,そのOpenTP1ノードの開始処理は滞っている可能性があります。この場合,該当するOpenTP1ノードが開始しない要因を調査し,対策してください。
dcmstartコマンドでOpenTP1ノードが開始できないことを確認できない状態とは,次のような状態を検知したときです。
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OpenTP1ノードに開始指示を出したが,OpenTP1ノードの状態が開始確認時間の間,停止中(TERM)のまま変化しない状態。
典型的な例として次のような場合があります。
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OpenTP1ノードの開始指示は伝わっているが,初期化処理に時間が掛かりOpenTP1の状態が開始中にならない。
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開始要求したOpenTP1ノードでは何らかの要因でOpenTP1ノードの開始コマンドが起動できない。
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系切り替え機能を使用しているOpenTP1ノードは,実行系,および待機系に対して開始処理を実行します。そのため,両方のOpenTP1に関するメッセージが出力されます。
オプション
●-n
前回の終了モードに関係なく,各OpenTP1ノードを強制的に正常開始します。
このオプションの指定を省略すると,各OpenTP1ノードの前回の終了状態から開始モードが決定されます。
前回の終了モードが正常終了の場合…正常開始
前回の終了モードが正常終了以外の場合…再開始
●-p
OpenTP1ノードに開始指示をした時点で,コマンドがリターンします。
各OpenTP1ノードの開始処理の結果は確認しません。
●-t 開始確認時間 〜((0〜65535))
OpenTP1ノードの開始確認時間を秒単位で指定します。
開始確認は5秒ごとに行われるため,指定した時間よりも長い時間待つ場合があります。このオプションを省略した場合は,20が仮定されます。1〜19を指定した場合も,20が仮定されます。0を指定した場合は,OpenTP1ノードの開始完了を確認するまでノードの監視を続けます。
このオプションの指定値よりもマルチノード構成定義のdcmstart_watch_timeオペランドの指定値の方が短い場合,dcmstart_watch_timeオペランドの指定値が優先されます。
●-g マルチノードサブエリア識別子 〜〈1〜8文字の識別子〉
開始するマルチノードサブエリア識別子を一つ指定します。サブエリア名に*を指定すると,マルチノードエリアを指定したと見なされます。*は,シェルに展開されないように,\や ' 'でエスケープしてください。
マルチノード構成定義の定義コマンドdcmareaに指定された,マルチノードエリア,またはマルチノードサブエリアを構成するすべてのOpenTP1ノードを正常開始,または再開始します。
●-w ノード識別子 〜〈4文字の識別子〉
指定したOpenTP1ノードを開始します。
複数のノード識別子を指定するときは,ノード識別子とノード識別子との間をコンマ(,)で区切ります。
出力メッセージ
メッセージID |
内容 |
出力先 |
---|---|---|
KFCA01860-E |
dcmstartコマンドの入力形式が正しくありません |
標準エラー出力 |
KFCA04603-I |
OpenTP1ノードは開始処理を始めました |
標準出力 |
KFCA04604-I |
OpenTP1ノードはオンライン状態になりました |
標準出力 |
KFCA04605-W |
OpenTP1ノードは起動できません |
標準出力 |
KFCA04606-W |
OpenTP1ノードの開始を確認できませんでした |
標準出力 |
KFCA04613-E |
dcmstartコマンドの引数が正しくありません |
標準エラー出力 |
KFCA04615-E |
定義ファイルにエラーがあります |
標準エラー出力 |
KFCA04616-E |
マルチノード構成定義にエラーがあります |
標準エラー出力 |
KFCA04617-E |
コマンドの指定はマルチノード構成定義の指定と不整合です |
標準エラー出力 |
KFCA04619-W |
OpenTP1ノードは開始処理の監視時間を超えました |
標準出力 |
KFCA04620-I |
OpenTP1ノードは開始中です |
標準出力 |
KFCA04621-E |
マルチノード機能実行時にエラーが発生しました |
標準エラー出力 |
KFCA04625-I |
OpenTP1ノードは待機状態になりました |
標準出力 |
注意事項
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dcmstartコマンドで各OpenTP1ノードを開始する処理では,問い合わせ応答のメッセージ出力を抑止します。
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個々のOpenTP1ノードは,dcstartコマンドを使用して単独に開始できます。ただし,dcmstartコマンドとdcstartコマンドは,同時に実行しないでください。同時に実行するとdcmstartコマンドのメッセージが不正になることがあります。
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開始処理指示送信先OpenTP1ノードからの応答が,マルチノード構成定義で指定した最大応答待ち時間を超えた場合は,タイムアウトが発生した旨のメッセージを出力し,該当するOpenTP1ノードに対する処理は打ち切られます。
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系切り替えが発生しているときに,dcmstartコマンドを実行した場合の動作は保証できません。
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同じOpenTP1ノードに対して,同時にdcmstartコマンドを実行しないでください。同時に実行すると,dcmstartコマンドのメッセージが不正になることがあります。
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一つのOpenTP1ノードが,二つ以上のマルチノードサブエリアに重複して属している場合,-gオプションでどのマルチノードサブエリア識別子を指定しても,開始処理が実行されます。
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マルチノード物理定義からホスト名を取得できなかったノードの場合,メッセージのホスト名部分に'********'が表示されます。