12.1.2 運用コマンドの記述形式
運用コマンドの記述形式を次に示します。
コマンド名 オプション コマンド引数
- 〈この項の構成〉
(2) オプション
次の説明中に使用する$はシェルのプロンプト,cmdはコマンド名称です。
-
オプションはマイナス記号「-」で始まる文字列で,フラグ引数を取らないか,または1個のフラグ引数を取ります。
オプションの記述形式を次に示します。
-オプションフラグ
または
-オプションフラグ フラグ引数
-
フラグ引数を取らないオプションフラグは,一つのマイナス記号のあとにまとめて指定できます。
- (例)
-
次の二つは同じ意味です。
$ cmd -a -b -c
$ cmd -abc
-
フラグ引数を必要とするオプションフラグのフラグ引数は,省略できません。
-
フラグ引数中に空白を含める場合で,シェルから入力するときには,前後を引用符「"」で囲まなければなりません。
- (例)
-
1 2を引数に持つオプションfは,次のように記述します。
$ cmd -f "1 2"
-
同じオプションフラグを2回以上指定すると,最後に指定したものが有効になります。
- (例)
-
$ cmd -a 1 -a 2
無効 有効
-
オプションは,コマンド引数より前に指定しなければなりません。
- (例)
-
オプションフラグaが,フラグ引数をとらない場合,次のように入力すると,fileと-bは,コマンド引数と見なされます。
$ cmd -a file -b
-
二つのマイナス記号「--」は,オプションの終わりを示します。
- (例)
-
次のように入力すると,-bはコマンド引数と見なされます。
$ cmd -a -- -b
-
マイナス記号だけのオプションは,入力できません。
- (例)
-
次のように入力すると,「-」はコマンド引数と見なされます。
$ cmd -
(3) コマンド引数
コマンド引数は,コマンド操作の対象となるものを指定します。指定できるコマンド引数の数は1024個までです。ただし,コマンドによっては,コマンド引数の上限数が1024個より少ない場合もあります。
コマンド引数の指定例を次に示します。次の説明中に使用する$はシェルのプロンプト,cmdはコマンド名称,-aはフラグ引数を必要とするオプションフラグ,-bはフラグ引数を必要としないオプションフラグ,param1,param2,…paramNはコマンド引数です。
-
コマンド引数の指定がない場合,コマンド引数の数は0です。
- (例)
-
$ cmd
$ cmd -b
$ cmd -a 1
-
param1だけがコマンド引数であるため,コマンド引数の数は1です。
- (例)
-
$ cmd param1
$ cmd -b param1
$ cmd -a 1 -b param1
-
param1以降がコマンド引数であるため,コマンド引数の数はNです(ただしNは1024以内)。
- (例)
-
$ cmd param1 param2 … paramN
$ cmd -b param1 param2 … paramN
$ cmd -a 1 -b param1 param2 … paramN