5.5.4 サービスグループの入力キュー処理の保留と保留解除
サービスグループの入力キューの内容複写(mcftdmpquコマンド)と削除(mcftdlqsgコマンド)を続けて行う場合は,複写するメッセージ件数と削除するメッセージ件数を一致させる必要があります。そのため,この間入力キューへの入力,およびスケジュールを抑止しなければなりません。このように一時的な入力キューへの入力,スケジュールの保留は,mcfthldiqコマンドで行えます。mcfthldiqコマンドを実行すると,オプションの指定によって,入力キューの入力,スケジュール,または入力とスケジュールの両方を保留します。
入力キュー処理の保留は,mcftrlsiqコマンドで解除できます。
mcfthldiqコマンドはOpenTP1システムに次のような影響を与えるので,使用する際にはご注意ください。また,mcfthldiqコマンドを実行後,目的の処理が終了したら,必ずmcftrlsiqコマンドを実行してください。
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MCFアプリケーション起動サービスを使って起動する任意のサービスグループの入力キューの入力を保留した場合,該当するMCFアプリケーション起動サービスは,すべてのサービスグループの起動を保留します。
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MCF通信サービスが起動する任意のサービスグループの入力キューの入力を保留した場合,その入力元論理端末への送信メッセージも,保留解除されるまで,OTQに滞留します。
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MCF通信サービスが起動する任意のサービスグループの入力キューの入力を保留した場合,該当するMCF通信サービスの処理性能が劣化することがあります。
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入力キューへの入力が保留中であるサービスグループに対して,メッセージ入力があった場合,その入力元論理端末とその論理端末の属するコネクションに対する運用コマンドがタイムアウトになることがあります。タイムアウトが発生しても,運用コマンドは受け付けられています。サービスグループの保留を解除したあとに運用コマンドは実行されます。
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保留中のサービスグループが一つでもある場合に,正常終了,計画停止A,または計画停止BでOpenTP1を終了すると,OpenTP1は異常終了します。
mcfthldiqコマンド,またはmcftrlsiqコマンドで変更した状態(入力キューの入力,およびスケジュールの保留と保留解除状態)を,全面回復時に引き継ぐことができます。MCFマネジャ定義の状態引き継ぎ定義で,サービスグループ数の上限値を指定しておくと,指定した値までの資源の状態を引き継ぎます。このとき,スケジュールの保留によってITQに滞留していたメッセージは,全面回復後でも保留解除待ち状態で引き継がれます。入力の保留によってITQへの入力を待たされているメッセージは,全面回復時,ITQに入力されます。なお,サービスグループ数の上限値を指定した環境で,保留状態を引き継ぎたくない場合は,mcfthldiqコマンドに-rオプションを指定してください。