4.5.8 チェックポイントダンプファイルの二重化
チェックポイントダンプファイルを二重化すると,チェックポイントダンプ取得時にA系,およびB系のファイルに同じダンプ情報を取得します。そのため,OpenTP1全面回復時にA系ファイルからの回復に失敗しても,B系ファイルを使用して回復できるので,チェックポイントダンプファイルの世代戻りを回避できます。
チェックポイントダンプファイルを二重化する場合,片系だけの運転ができる運用(片系運転可)と,片系だけの運転をしない運用(片系運転不可)の二つの運用方法があります。
片系運転可の運用では,二つの物理ファイルのうちのどちらかが,オープン状態であれば,そのファイルグループは使用できます。したがって,チェックポイントダンプの取得時,A系,またはB系のどちらかに障害が発生した場合でも,正常な系へのチェックポイントダンプの取得は続行します。正常な系へのチェックポイントダンプの取得が終わると,そのファイルグループは有効なファイルグループとなります。
片系運転不可の運用では,両方の物理ファイルがオープン状態の場合だけそのファイルグループは使用できます。どちらかの物理ファイルがオープンできない場合,そのファイルグループは予約状態になり,使用できません。ただし,A系からの読み込み時に障害が発生した場合は,B系から読み込みます。読み込み完了後,そのファイルグループは予約状態になります。
片系運転可と片系運転不可の障害時のファイルグループの状態の相違を次の表に示します。
表4‒16 片系運転可と片系運転不可の障害時のファイルグループの状態の相違
障害内容
|
片系運転可
|
片系運転不可
|
全面回復時のオープン障害
|
片系障害
|
正常な系がオープンされ処理は続行します。
|
上書きできる状態の場合,正常な系がオープンされます(上書きできない状態になると,そのファイルグループは予約状態になります)。
上書きできない状態の場合,ファイルグループは予約状態になります。
|
両系障害
|
ファイルグループは予約状態になります。
|
ファイルグループは予約状態になります。
|
チェックポイントダンプ取得中の障害(書き込み中)
|
片系障害
|
正常な系に取得します。
|
ファイルグループは予約状態になり,ほかのファイルグループに取得します。
|
両系障害
|
ファイルグループは予約状態になり,ほかのファイルグループに取得します。
|
両系障害は起こりません。片系障害発生した時点で,障害を対策してください。
|
チェックポイントダンプ読み込み中の障害
|
A系障害
|
B系から読み込みます。
|
B系から読み込み,完了後にファイルグループは予約状態になります。ただし,上書きできない状態の場合は,上書きできる状態に遷移するときにそのファイルグループを予約状態にします。
|
B系障害
|
ファイルグループは予約状態になり,一つ前の世代から読み込みます。
|
ファイルグループは予約状態になり,一つ前の世代から読み込みます。
|
片系運転可,片系運転不可の運用方法では,どちらかの系だけの,オンライン中の割り当て,切り離し,オープン,クローズにも違いがあります。
片系だけのオンライン操作の相違を次の表に示します。
表4‒17 片系だけのオンライン操作の相違
操作内容
|
片系運転可
|
片系運転不可
|
片系だけのオンライン中の割り当て
|
できます。
|
できます。
|
片系だけのオンラインからの切り離し
|
できます。
ただし,切り離した状態ではそのファイルグループは使用できません。
|
できます。
ただし,切り離した状態ではそのファイルグループは使用できません。
|
片系だけのオープン
|
両系が割り当てられている場合は,できます。
|
できません。
|
片系だけのクローズ
|
上書きできる状態の場合は,できます。
上書きできない状態の場合は,できません。
|
できません。
|
ページの先頭へ