3.17.2 リアルタイム統計情報サービスの開始と終了
リアルタイム統計情報サービスでは,次に示す順序でサービスを開始,終了する必要があります。
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リアルタイム統計情報サービスの開始(RTSSUPの起動)
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リアルタイム統計情報サービスの拡張機能の開始(RTSSPPの起動)※
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リアルタイム統計情報サービスの拡張機能の終了(RTSSPPの停止)
-
リアルタイム統計情報サービスの終了(RTSSUPの停止)
- 注※
-
リアルタイム統計情報サービスの拡張機能(RTSSPP)の開始が必要なのは,リアルタイム統計情報サービス(RTSSUP)の開始中に,リアルタイム統計情報の取得情報の設定を変更したい場合だけです。取得情報の設定変更については,「3.17.5 リアルタイム統計情報の取得情報の設定変更」を参照してください。
リアルタイム統計情報サービス開始および終了について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) リアルタイム統計情報サービスの開始
リアルタイム統計情報サービスの開始方法には,次のニつがあります。
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OpenTP1の開始後にdcsvstartコマンドでRTSSUPを起動する方法
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ユーザサービス構成定義のdcsvstart定義コマンドでRTSSUPを起動する方法
リアルタイム統計情報サービスは,サービスの開始時に次に示す処理を行います。
- 共用メモリの確保
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リアルタイム統計情報を取得するために必要な,RTSサービス用の共用メモリを確保します。必要なRTSサービス用の共用メモリを確保できなかった場合,リアルタイム統計情報サービスは開始処理を中止します。リアルタイム統計情報サービスで使用する共用メモリの詳細については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。
- RTSログファイルの作成
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RTSログファイルの詳細については,「3.17.4(2) リアルタイム統計情報のRTSログファイルへの出力」を参照してください。
- リアルタイム統計情報サービスの管理情報の取得
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取得したリアルタイム統計情報サービスの管理情報は,rtslsコマンドで標準出力に出力できます。
(2) リアルタイム統計情報サービスの拡張機能の開始
リアルタイム統計情報サービスの拡張機能の開始方法には,次のニつがあります。
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dcsvstartコマンドでRTSSPPを起動する方法
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ユーザサービス構成定義のdcsvstart定義コマンドでRTSSPPを起動する方法
この方法でRTSSPPを起動する場合,次に示すように定義を記述して,RTSSUPを起動したあとにRTSSPPを起動するようにしてください。
dcsvstart -u RTSSUP dcsvstart -u RTSSPP
リアルタイム統計情報サービスが開始していない状態でリアルタイム統計情報サービスの拡張機能を開始した場合,RTSSPPはKFCA32723-Eメッセージをメッセージログに出力したあと,エラーの要因がSERVER DOWNのKFCA01812-Eメッセージを出力してダウンします。これらのメッセージが表示された場合は,dcsvstartコマンドでRTSSUPを起動(リアルタイム統計情報サービスを開始)したあとに再度RTSSPPを起動してください。リアルタイム統計情報サービスの拡張機能を開始できます。
リアルタイム統計情報サービスの拡張機能(RTSSPP)に対して次に示すコマンドを実行しないでください。実行した場合は,エラーとなります。
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scdchprcコマンド※1
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scdholdコマンド※2
-
scdrlesコマンド※1
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scdrsprcコマンド※1
- 注※1
-
RTSSPPがダウンします。
- 注※2
-
rtsstatsコマンドを実行できなくなります。
(3) リアルタイム統計情報サービスの拡張機能の終了
リアルタイム統計情報サービスの拡張機能を終了させるには,dcsvstopコマンドでRTSSPPを停止させます。
(4) リアルタイム統計情報サービスの終了
リアルタイム統計情報サービスを終了させるには,dcsvstopコマンドでRTSSUPを停止させます。RTSSPPが開始している場合は,dcsvstopコマンドでRTSSPPを停止させてからRTSSUPを停止させてください。
(5) リアルタイム統計情報サービスの再開始
リアルタイム統計情報サービスを再開始するには,リアルタイム統計情報サービスの終了後に,リアルタイム統計情報サービスを開始させます。リアルタイム統計情報サービスは,サービスの再開始時にRTSログファイルを作り直して使用します。
リアルタイム統計情報サービスは,再開始時にリアルタイム統計情報の取得を開始します。取得を開始するときに前回のリアルタイム統計情報サービスで取得していた統計情報を引き継ぐかどうかは,RTSSUPの開始時の状態によって異なります。
(6) リアルタイム統計情報サービスの動作
RTSSUPの開始時の状態によって,リアルタイム統計情報サービスの動作(前回のリアルタイム統計情報の引き継ぎ,反映されるリアルタイム統計情報サービス定義)が異なるものがあります。RTSSUPの開始時の状態と,リアルタイム統計情報サービスの動作を次の表に示します。
RTSSUPの開始時の状態 |
リアルタイム統計情報サービスの動作 |
||
---|---|---|---|
開始形態 |
前回の状態 |
前回のリアルタイム統計情報の引き継ぎ |
反映される定義 |
開始 |
未起動 |
リアルタイム統計情報を取得していないため,該当しません |
○ |
再開始 |
dcsvstopコマンドで停止 |
引き継ぎません |
△ |
-fオプションを指定したdcsvstopコマンドで強制停止 |
引き継ぎます |
× |
|
ダウン |
引き継ぎます |
× |
|
OpenTP1の再開始※ |
オンライン |
引き継ぎません |
○ |
-fオプションを指定したdcsvstopコマンドで強制停止 |
引き継ぎません |
○ |