2.2.1 終了モード
OpenTP1の終了モードについて説明します。
(1) 正常終了
新しいサービス要求の受け付けを禁止し,スケジュールキュー上のすべてのサービス要求の処理完了後,OpenTP1が終了します。
MCFを使用している場合,入力キュー,および出力キュー上のすべてのメッセージの処理が完了後,OpenTP1は終了します。このため,正常終了の際,MCFは滞留メッセージが0件になるのを,入力キュー,出力キューの順番で監視します。監視時間は,MCF通信構成定義のタイマ定義(mcfttim)で指定します。
キューを監視している間,一定間隔でログメッセージ(KFCA16532-I〜KFCA16537-I)が出力されます。ただし,このログメッセージは,MCFマネジャ定義のログメッセージ出力抑止定義(mcfmsmsg)で出力を抑止できます。
正常終了中に,入力キュー,出力キューに対して,新たなメッセージの入力が連続して(または断続的に)発生すると,「正常終了が終わらない」,「OpenTP1システムがダウンする」,「ERREVTAが起動される」という事象を発生させる場合があるので,ご注意ください。
(2) 強制正常終了
運用中に異常終了したサーバがあっても,(1)の正常終了と同じように,新しいサービス要求の受け付けを禁止し,スケジュールキュー上のすべてのサービス要求の処理完了後,OpenTP1が終了します。
この終了モードは,運用中にUAPなどのサーバが異常終了しても,システムは正常に終了できます。
また,強制正常終了のあとは正常開始になるため,前回のオンラインの状態は引き継ぎません。
(3) 計画停止A
新しいサービス要求の受け付けを禁止し,スケジュールキュー上のすべてのサービス要求の処理を完了したあと,OpenTP1が終了します。
MCFを使用している場合,入力キュー上の未処理メッセージはすべて処理されます。このため,計画停止Aの際,MCFは,入力キュー上の滞留メッセージが0件になるまで監視します。監視時間は,MCF通信構成定義のタイマ定義(mcfttim)で指定します。
キューを監視している間,一定間隔でログメッセージ(KFCA16532-I,KFCA16533-I,KFCA16536-I,KFCA16537-I)が出力されます。ただし,このログメッセージは,MCFマネジャ定義のログメッセージ出力抑止定義(mcfmsmsg)で出力を抑止できます。
計画停止A中に,入力キューに対して,新たなメッセージの入力が連続して(または断続的に)発生すると,「計画停止Aが終わらない」,「OpenTP1システムがダウンする」という事象を発生させる場合があるので,ご注意ください。
なお,出力キュー上の未送信メッセージは残ります。
オンラインを停止する時間になっても出力キュー上のメッセージを処理しきれなかった場合には,計画停止AでOpenTP1を終了させます。
(4) 計画停止B
現在実行しているサービスの完了を待って,OpenTP1が終了します。
スケジュールサービスは新しいサービス要求の受け付けを禁止し,現在処理中のサービス要求だけを処理します。その他のサービス要求はすべて破棄されます。
MCFを使用している場合,メモリキューの入力キュー,および出力キュー上のメッセージは破棄されます。ディスクキューの入力キュー上の未処理メッセージ,および出力キュー上の未送信メッセージは残ります。
(5) MCF構成変更準備停止
終了モードMCF構成変更準備停止については,「5.10.3(1) MCF構成変更再開始機能によるOpenTP1の終了」を参照してください。
(6) 強制停止
現在実行しているサービスの完了を待たないで,OpenTP1が直ちに終了します。
スケジュールキュー上のサービス要求はすべて破棄されます。
MCFを使用している場合,メモリキューの入力キュー,および出力キュー上のメッセージは破棄されます。ディスクキューの入力キュー上の未処理メッセージ,および出力キュー上の未送信メッセージは残ります。
(7) 異常終了
何らかの異常が発生すると,OpenTP1が全面停止します。
スケジュールキュー上のサービス要求はすべて破棄されます。
MCFを使用している場合,メモリキューの入力キュー,および出力キュー上のメッセージは破棄されます。ディスクキューの入力キュー上の未処理メッセージ,および出力キュー上の未送信メッセージは残ります。
終了モードによるスケジュールキュー上のサービス要求,および入出力キュー上のメッセージの扱いを次の表に示します。
- (凡例)
-
○:すべて処理します。
△:残ります。
×:すべて破棄します。