10.8 障害時に取得する情報

障害時に取得する情報を次の表に示します。

表10-2 障害時に取得する情報

取得情報出力情報参照方法注意事項
メッセージログファイル
($DCDIR/spool/dclog1,dclog2)
OpenTP1,またはUAPが出力するメッセージlogcatコマンドを実行してください。古いメッセージログファイルを残しておきたい場合は,メッセージログファイルの交替で内容が失われる前にコピーしてください。
コンソールメッセージOpenTP1が出力するシステム情報コンソールを見てください。プリンタ出力,集中コンソールへの出力はOSの機能です。
コマンド実行時の標準出力,標準エラー出力OpenTP1の運用コマンドの出力情報,およびエラーメッセージ運用コマンドを入力した画面で見てください。ファイルに残したい場合は,必要に応じてリダイレクトしてください。
コアファイル
(./core)
OpenTP1の関連プロセスのデータ,スタックOpenTP1が起動するプロセスのコアファイルは,$DCDIR/spool/saveまたはプロセスサービス定義のprc_coresave_pathオペランドで指定したディレクトリ下にサーバ名n1という名称で退避されます。一つのサーバについて3個までしか退避されないので,残しておきたいコアファイルは,必要に応じてコピーしてください。
UAPトレースuatdumpコマンドを実行してください。
共用メモリダンプファイル
(Linuxの場合$DCDIR/spool/shmdump〔1~3〕.gz,
$DCDIR/spool/shmdump.XXX2〔1~3〕.gz,
その他の場合$DCDIR/spool/shmdump〔1~3〕.Z
$DCDIR/spool/shmdump.XXX2〔1~3〕.Z)
OpenTP1が共用メモリに保持するデータ古いダンプファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
MCFダンプファイル
($DCDIR/spool/mcfdKAXXZZ※3
MCFに関するデータ不要になったファイルは消去してください。
デッドロック,タイムアウト情報ファイル
($DCDIR/spool/
dclckinf/ファイル名4
資源の待ち合わせ状態の情報OSのcat,またはviなどのコマンドを実行してください。不要になったファイルは,lckrminfコマンドを実行するか,または,ロックサービス定義のlck_deadlock_info_remove_levelオペランドを指定して消去してください。
MCFトレースファイル
($DCDIR/spool/
mcftAXXZZ5
MCFトレース古いMCFトレースファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
RPCトレースファイル
($DCDIR/spool/rpctr1,rpctr2)
UAPがRPCを使用して送受信するメッセージrpcdumpコマンドを実行してください。RPCトレースファイルには,受信メッセージが送信メッセージより先に出力されることがあります。
RPCトレースファイルの指定したファイルサイズが小さ過ぎると,ファイル内のデータがすぐに上書きされ,十分な情報を蓄えることができなくなります。
UAPトレース編集出力ファイル
($DCDIR/spool/save/
サーバ名n6.uat)
UAPトレースOSのcat,またはviなどのコマンドを実行してください。一つのサーバについて3個しか作成されないので残しておきたいファイルは,必要に応じてコピーしてください。
OpenTP1デバッグ情報ファイル
($DCDIR/spool/save/
サーバ名n6.deb)
OpenTP1内部情報一つのサーバについて3個しか作成されないので残しておきたいファイルは,必要に応じてコピーしてください。
XARイベントトレース情報ファイル
($DCDIR/spool/dcxarinf/trace/xarevtr1,xarevtr2)
XAリソースサービス用イベントトレースxarevtrコマンドを実行してください。古いXARイベントトレースファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
XAR性能検証用トレース情報ファイル
($DCDIR/spool/dcxarinf/_xr_nnn※7
XAリソースサービス用性能検証用トレースprfgetコマンド, prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドを実行してください。古いXAR性能検証用トレース情報ファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
JNL性能検証用トレース情報ファイル
($DCDIR/spool/dcjnlinf/prfinf/_jl_nnn※7
ジャーナルサービスのイベントトレースprfgetコマンド, prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドを実行してください。古いJNL性能検証用トレース情報ファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
LCK性能検証用トレース情報ファイル
($DCDIR/spool/dclckinf/prf/_lk_nnn※7
ロックサービスのイベントトレースprfgetコマンド, prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドを実行してください。古いLCK性能検証用トレース情報ファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
MCF性能検証用トレース情報ファイル
($DCDIR/spool/dcmcfinf/_mc_nnn※7
MCF用性能検証用トレースprfgetコマンド, prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドを実行してください。古いMCF性能検証用トレース情報ファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
プロセスサービスイベントトレース情報ファイル
($DCDIR/spool/dcprcinf/_pr_001,_pr_002,_pr_003)
プロセスサービスのイベントトレースprfgetコマンド, prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドを実行してください。古いプロセスサービスイベントトレース情報ファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
FILイベントトレース情報ファイル
($DCDIR/spool/dcfilinf/_fl_001,_fl_002,_fl_003)
OpenTP1ファイル用のイベントトレースprfgetコマンド, prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドを実行してください。古いFILイベントトレース情報ファイルを残しておきたい場合は,必要に応じてコピーしてください。
(凡例)
-:OpenTP1保守情報のため,参照できません。
注※1
n:退避コアファイルの通番(1~3)
ただし,サーバが強制停止時(dcsvstop -dfコマンドまたはprckillコマンドを実行したとき,または実時間監視タイムアウトになったとき)に出力されるコアファイルには,通番は付きません。なお,プロセスサービスのコアファイルが'core'という名称でこのディレクトリに取得されることがあります。また,ユーザ環境設定コマンドが異常終了した場合,そのコアファイルは'_usrcmd'に通番(1~3)が付いた名称で退避されます。
注※2
XXX:リソースマネジャ名(dam,tam,ist,ism)
注※3
KAXXZZ:
K:プロセス種別
m:MCFマネジャプロセス
c:MCF通信サービスまたはMCFアプリケーション起動サービス
u:ユーザサービスその他
AXX:MCF識別子
A:MCFマネジャ定義の,mcfmenv定義コマンドの-mオプションのidオペランドで指定したMCFマネジャプロセス識別子
XX:MCF通信構成定義の,mcftenv定義コマンドの-sオプションで指定したMCF通信プロセス識別子
ZZ:ダンプ通番(01~99)
注※4
ファイル名はデッドロック検知日時を基に決定されます。ファイル名の長さは日付が1けたか2けたかによって異なります。
(例)
10月3日6時29分56秒のとき…Oct3062956
10月10日18時6分0秒のとき…Oct10180600
注※5
AXXZZ:
AXX:MCF識別子
A:MCFマネジャ定義の,mcfmenv定義コマンドの-mオプションのidオペランドで指定したMCFマネジャプロセス識別子
XX:MCF通信構成定義の,mcftenv定義コマンドの-sオプションで指定したMCF通信プロセス識別子
ZZ:トレーススワップファイル識別子
注※6
n:ファイルの通番(1~3)
注※7
nnn:それぞれ,次に示す定義のprf_file_countオペランドで指定した値を上限とした001から始まる値です。
  • XAR性能検証用トレース情報ファイル:XAR性能検証用トレース定義
  • JNL性能検証用トレース情報ファイル:JNL性能検証用トレース定義
  • LCK性能検証用トレース情報ファイル:LCK性能検証用トレース定義
  • MCF性能検証用トレース情報ファイル:MCF性能検証用トレース定義