1.3.6 OpenTP1ファイル以外のファイルの作成

OpenTP1を実行するためには,OpenTP1ファイル以外に次に示すOSのファイルが必要です。

<この項の構成>
(1) ユーザが作成するファイル
(2) インストール時,またはOSへの登録時に作成されるファイルとディレクトリ
(3) OpenTP1実行時に作成されるファイル

(1) ユーザが作成するファイル

ユーザが作成するファイルを次に示します。

上記のファイルをユーザが作成するディレクトリ下に作成します。なお,ディレクトリ$DCDIR/aplibと$DCDIR/confは,OpenTP1のインストール時に作成されます。

ユーザが作成するファイルとディレクトリを次の表に示します。

表1-4 ユーザが作成するファイルとディレクトリ

ファイルディレクトリファイル名ファイル種別
ユーザプログラムファイル$DCDIR/aplib/1実行形式プログラム名2実行形式ファイル
MCF通信プロセスプログラムファイル,MCFアプリケーション起動プロセスプログラムファイル$DCDIR/lib/servers/実行形式プログラム名実行形式ファイル
各種定義ファイルシステム環境定義$DCDIR/conf/envテキストファイル
システム環境定義以外の定義$DCCONFPATH/定義ファイル名テキストファイル
システムサービス情報定義$DCDIR/lib/sysconf/システムサービス情報定義ファイル名テキストファイル
システムサービス共通情報定義3$DCDIR/lib/sysconf/mcfテキストファイル
注※1
プロセスサービス定義で変更できます。
注※2
ユーザサービス定義で変更できます。
注※3
インストール時またはOSへの登録時に作成されるファイルですが,動作環境によっては定義内容の変更が必要なファイルです。

(2) インストール時,またはOSへの登録時に作成されるファイルとディレクトリ

OpenTP1のインストール時に作成されるファイルを次に示します。

上記のファイルは,OpenTP1が作成するディレクトリ下に作成されます。

OpenTP1のインストール時,またはOSへの登録時に作成されるディレクトリを次に示します。

インストール時,またはOSへの登録時に作成されるファイルとディレクトリを次の表に示します。

表1-5 インストール時,またはOSへの登録時に作成されるファイルとディレクトリ

名称ディレクトリファイル名
OpenTP1プログラムファイルOpenTP1サーバ$DCDIR/lib/servers/
コマンド$DCDIR/bin/
ヘッダファイル$DCDIR/include/
アーカイブファイル$DCDIR/lib/
定義解析用ファイル$DCDIR/lib/sysconf/
$DCDIR/lib/sysdef/
メッセージオブジェクトファイル$DCDIR/lib/emsgtxt,jmsgtxt
ユーザプログラムファイルディレクトリ$DCDIR/aplib/なし
各種定義ファイルディレクトリ$DCDIR/conf/なし
システム管理情報ディレクトリ$DCDIR/etc/
退避コアファイルディレクトリ$DCDIR/spool/save/なし
コマンドログディレクトリ$DCDIR/spool/cmdlog/
デッドロック情報ファイルディレクトリ$DCDIR/spool/dclckinf/なし
トランザクション情報ディレクトリ$DCDIR/spool/dctrninf/なし
ジャーナル情報ディレクトリ$DCDIR/spool/dcjnlinf/errinf/なし
プロセスサービス情報ディレクトリ$DCDIR/spool/dcprcinf/なし
トランザクションジャーナルディレクトリ$DCDIR/spool/dctjlinf/
サーバリカバリジャーナルディレクトリ$DCDIR/spool/dcsjl/
トランザクション制御用オブジェクト格納ディレクトリ$DCDIR/spool/trnrmcmd/userobj/dc_trn_allrm.o
オンラインテスタ用ディレクトリ$DCDIR/spool/uto/なし
システム内部排他制御用ディレクトリ$DCDIR/spool/olkfifs/
システム内部同期制御用ディレクトリ$DCDIR/spool/olkrsfs/
(凡例)
-:ユーザは指定する必要がないことを示します。
注※
MCFを使用する場合は,ファイルの作成が必要です。

(3) OpenTP1実行時に作成されるファイル

次に示すファイルは,オンライン実行時にOpenTP1によって動的に作成されます。

(a) 通常作成されるファイル

OpenTP1実行時,通常作成されるファイルを次に示します。

なお,OpenTP1実行時には,システムサービス,およびユーザサーバのカレントワーキングディレクトリも作成されます。

OpenTP1実行時に作成されるファイルは,OpenTP1が作成するディレクトリ下に作成されます。通常作成されるファイルとディレクトリを次の表に示します。

表1-6 通常作成されるファイルとディレクトリ

名称ディレクトリファイル名
メッセージログファイル$DCDIR/spool/dclog1,およびdclog2
MCFトレースファイル1$DCDIR/spool/mcftAXXZZ2
スケジュールキュー情報ファイル$DCDIR/spool/scdqid1,およびscdqid2
RPCトレースファイル$DCDIR/spool/rpctr1,およびrpctr23
トレース情報ダンプファイル$DCDIR/spool/save/dcmtrdp1,およびdcmtrdp2
性能検証用トレース情報ファイル$DCDIR/spool/dcprfinf/prf_nnn※4
性能検証用トレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/prf_nnn.bk1※5,およびprf_nnn.bk2※5
XAR性能検証用トレース情報ファイル$DCDIR/spool/dcxarinf/_xr_nnn※4
XAR性能検証用トレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_xr_nnn.bk1※5,および_xr_nnn.bk2※5
JNL性能検証用トレース情報ファイル$DCDIR/spool/dcjnlinf/prfinf/_jl_nnn※4
JNL性能検証用トレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_jl_nnn.bk1※5,および_jl_nnn.bk2※5
LCK性能検証用トレース情報ファイル$DCDIR/spool/dclckinf/prf/_lk_nnn※4
LCK性能検証用トレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_lk_nnn.bk1※5,および_lk_nnn.bk2※5
MCF性能検証用トレース情報ファイル$DCDIR/spool/dcmcfinf/_mc_nnn※4
MCF性能検証用トレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_mc_nnn.bk1※5,および_mc_nnn.bk2※5
TRNイベントトレース情報ファイル$DCDIR/spool/dctrninf/trace/prf/_tr_nnn※4
TRNイベントトレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_tr_nnn.bk1※5,および_tr_nnn.bk2※5
NAMイベントトレース情報ファイル$DCDIR/spool/dcnaminf/_nm_001,_nm_002,および_nm_003
NAMイベントトレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_nm_nnn.bk1※5,および_nm_nnn.bk2※5
プロセスサービスイベントトレース情報ファイル$DCDIR/spool/dcprcinf/_pr_001,_pr_002,および_pr_003
プロセスサービスイベントトレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_pr_nnn.bk1※5,および_pr_nnn.bk2※5
FILイベントトレース情報ファイル$DCDIR/spool/dcfilinf/_fl_001,_fl_002,および_fl_003
FILイベントトレース情報ファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/_fl_nnn.bk1※5,および_fl_nnn.bk2※5
RTSログファイル$DCDIR/spool/dcrtsinf/※6rtslog[1~10]※6,※7
MCF稼働統計情報ファイル$DCDIR/spool/8mcfstc8
カレントワーキングディレクトリ※9$DCDIR/tmp/home/サーバ名.ID10/
UAPトレースデータファイル$DCDIR/tmp/home/サーバ名.IDdcuat.map
UAPトレースデータファイルのバックアップファイル$DCDIR/spool/save/trc/※11サーバ名n.uatmap※12,およびサーバ名_n.uatmap※12
(凡例)
-:ユーザは指定する必要がないことを示します。
注※1
TP1/Message Controlを使用するときだけ作成されます。
注※2
AXXZZ:
AXX:MCF識別子
A:MCFマネジャ定義の,mcfmenv定義コマンドの-mオプションのidオペランドで指定したMCFマネジャプロセス識別子
XX:MCF通信構成定義の,mcftenv定義コマンドの-sオプションで指定したMCF通信プロセス識別子
ZZ:トレーススワップファイル識別子
注※3
ファイル名はシステム共通定義で変更できます。
注※4
nnn:それぞれ,次に示す定義のprf_file_countオペランドで指定した値を上限とした001から始まる値です。
  • 性能検証用トレース:性能検証用トレース定義
  • XAR性能検証用トレース:XAR性能検証用トレース定義
  • JNL性能検証用トレース:JNL性能検証用トレース定義
  • LCK性能検証用トレース:LCK性能検証用トレース定義
  • MCF性能検証用トレース:MCF性能検証用トレース定義
  • TRNイベントトレース:TRNイベントトレース定義
注※5
nnn:バックアップ元のファイル名に対応した値です。
注※6
リアルタイム統計情報サービス定義のrts_log_file_nameオペランドの指定を省略した場合,このディレクトリにRTSログファイルが作成されます。
注※7
リアルタイム統計情報サービス定義のrts_log_file_countオペランドに指定した値分ファイルを作成します。
注※8
運用コマンド(mcfstats)で出力ファイル名を省略したとき,このディレクトリにこのファイルが作成されます。
注※9
カレントワーキングディレクトリはシステム共通定義のprc_current_work_pathオペランドを設定することによって変更できます。
注※10
ユーザ環境設定コマンドの場合,サーバ名は'_usrcmd'と表示されます。IDは1以上の通番です。ただし,運用コマンド(dcstart,dcstop,dcsvstart,およびdcsvstop),およびユーザ環境設定コマンドには,'.ID'は付きません。
注※11
プロセスサービス定義のprc_coresave_pathオペランドを指定している場合,ディレクトリは,「(prc_coresave_path指定値)/trc/」となります。
注※12
n:ファイルの通番(1~3)です。
(b) 障害時に作成されるファイル

障害時に作成されるファイルを次に示します。

OpenTP1実行時に作成されるファイルは,OpenTP1が作成するディレクトリ下に作成されます。障害時に作成されるファイルとディレクトリを次の表に示します。

表1-7 障害時に作成されるファイルとディレクトリ

名称ディレクトリファイル名
共用メモリダンプファイル$DCDIR/spool/
Linuxの場合
shmdump[1~3].gz,およびshmdump.XXX※1[1~3].gz
その他の場合
shmdump[1~3].Z,およびshmdump.XXX※1[1~3].Z
退避コアファイル$DCDIR/spool/save/2サーバ名n3
デッドロック,タイムアウト情報ファイル$DCDIR/spool/dclckinf/ファイル名4
MCFダンプファイル5$DCDIR/spool/mcfdKAXXZZ6
MCF共用メモリダンプファイル5$DCDIR/spool/mcfsAXXY7
未決着トランザクション情報ファイル$DCDIR/spool/dctrninf/ファイル名8
不正ジャーナル情報ファイル$DCDIR/spool/dcjnlinf/errinf/r_n9
入出力キューの内容複写ファイル$DCDIR/spool/ファイル名10
UAPトレース編集出力ファイル$DCDIR/spool/saveサーバ名n11.uat
OpenTP1デバッグ情報ファイル$DCDIR/spool/saveサーバ名n11.deb
注※1
XXX:リソースマネジャ名(dam,tam,ist,ism)
注※2
プロセスサービス定義のprc_coresave_pathオペランドを指定している場合,退避コアファイルは,prc_coresave_pathオペランドに指定したディレクトリに退避します。
注※3
n:退避コアファイルの通番(1~3)
ただし,サーバが強制停止時(dcsvstop -dfコマンドもしくはprckillコマンドを実行したとき,または実時間監視タイムアウトになったとき)に出力されるコアファイルには,通番は付きません。なお,プロセスサービスのコアファイルが 'core'という名称で,ディレクトリに取得されることがあります。また,ユーザ環境設定コマンドが異常終了した場合,そのコアファイルは'_usrcmd'に通番(1~3)が付いた名称で退避されます。
注※4
デッドロック検知日時を基に決定されます。ファイル名の長さは日付が1けたか2けたかによって異なります。
(例)
10月3日6時29分56秒のとき…Oct3062956
10月10日18時6分0秒のとき…Oct10180600
注※5
TP1/Message Controlを使用するときだけ作成されます。
注※6
KAXXZZ:
K:プロセス種別
m:MCFマネジャプロセス
c:MCF通信サービスまたはMCFアプリケーション起動サービス
u:ユーザサービスその他
AXX:MCF識別子
A:MCFマネジャ定義の,mcfmenv定義コマンドの-mオプションのidオペランドで指定したMCFマネジャプロセス識別子
XX:MCF通信構成定義の,mcftenv定義コマンドの-sオプションで指定したMCF通信プロセス識別子
ZZ:ダンプ通番(01~99)
注※7
AXXY:
AXX:MCF識別子
A:MCFマネジャ定義のmcfmenv -mのidオペランドで指定したMCFマネジャプロセス識別子
XX:MCF通信構成定義のmcftenv -sで指定したMCF通信プロセス識別子
Y:ファイルの通番(1~3)
注※8
rl+トランザクションサービス開始時刻(16進数8けた)がファイル名になります。
注※9
n:不正なデータを検知したジャーナルの世代番号(16進表示)
注※10
入出力キューの内容複写コマンド(mcftdmpqu)で指定されたファイル名
注※11
n:ファイルの通番(1~3)
(c) OpenTP1内部処理用のファイル

(a),(b)に示したファイル以外に,$DCDIR/spool/と$DCDIR/tmp/の下には,OpenTP1内部処理用のファイルがあります。ユーザは勝手に変更しないようにしてください。なお,$DCDIR/tmp/下の内部処理用のファイルは,OpenTP1を開始するとすべてクリアされます。

(d) OpenTP1が使用するOS用のファイル

OpenTP1は,/dev/consoleや/dev/nullを標準入出力で使用します。/dev/consoleおよび/dev/nullのパーミッションは変更しないでください。変更されたパーミッションによっては,動作を保証できなくなります。