ドメインを代表するスケジュールサービスをドメインデータファイルに登録すると,dc_rpc_call関数を使用したドメイン指定の通信が実現できます。ドメイン間通信の電文はすべて,ドメインを代表するスケジュールサービスを経由して,最終通信先のスケジュールサービスに渡ります。
ドメインは複数のOpenTP1サーバで構成されます。そのドメインを代表するOpenTP1サーバを決めてください。そのOpenTP1サーバのスケジュールサービスがドメインを代表するスケジュールサービスになります。ドメインデータファイルには,ドメイン代表スケジュールサービスを登録します。ホスト名を指定してドメインデータファイルに登録します。ドメインデータファイルとは,DNSのhosts情報ファイルのことです。
ドメイン指定の通信をするには,ユーザサーバからドメイン指定のdc_rpc_call関数を発行します。電文を受けたドメイン代表スケジュールサービスは,ドメイン内の最終通信先のスケジュールサービスにその電文を渡します。
ドメイン指定の通信をするには,次の環境設定が必要です。
ドメインデータファイルには,三つのドメイン代表スケジュールサービスが登録できます。namdomainsetupコマンドを使用して,ドメイン代表スケジュールサービスのホスト名を登録します。ドメイン代表スケジュールサービスを登録できるのは,スーパユーザだけです。
/etc/servicesにドメイン代表スケジュールサービスのポート番号を登録します。ポート番号は,すべてのドメインで同一にしてください。次の形式で指定します。
OpenTP1scd ポート番号/tcp エイリアス名
OpenTP1を起動するすべてのホストの/etc/servicesにドメイン代表スケジュールサービスのポート番号を登録してください。ただし,NISで運用している場合は,NISサーバの/etc/servicesだけに登録します。
/etc/servicesにポート番号を登録しなかった場合にドメイン指定のdc_rpc_call関数を発行すると,DCRPCER_NO_PORTでエラーリターンします。
マルチOpenTP1や系切り替え機能使用時など,同一ホスト内で複数のスケジュールサービス(OpenTP1)を起動する場合,それぞれのスケジュールサービスごとにポート番号は異なります。同一ホスト内の複数のスケジュールサービスを,ドメイン代表スケジュールサービスとして設定すると,ドメイン指定のdc_rpc_call関数を発行して,設定したスケジュールサービス間のドメイン通信はできません。同一ホスト内で複数のスケジュールサービスを起動する場合は,そのうちの一つのスケジュールサービスだけを,ドメイン代表スケジュールサービスにしてください。環境設定を次に示します。