OpenTP1は,OpenTP1で動作するサービスの主なイベントで,性能検証用トレース情報を取得しています。性能検証用トレース情報は,性能検証およびトラブルシュートの効率向上を目的とします。
prfgetコマンドでトレース情報を取得し,prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドで編集出力します。prfgetコマンドは,性能検証用トレース情報をバイナリ形式でUNIXファイルに出力します。prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドは,バイナリ形式のトレース情報をキャラクタ形式に編集出力します。prfedコマンド,またはdcalzprfコマンドは,トレース情報の詳細を見るために使用します。
性能検証用トレース情報取得機能の特長は次のとおりです。
各トレース情報がいつ取得されたかは,出力されたイベントIDで識別します。イベントIDとトレース情報取得のタイミングについては,「付録L.1 性能検証用トレースの取得情報」を参照してください。
また,性能検証用トレースの利用例を「付録L.3 性能検証用トレース情報の解析例」に記載してあります。併せてご参照ください。
なお,この機能は,TP1/Extension 1をインストールしていることが前提です。TP1/Extension 1をインストールしていない場合の動作は保証できませんので,ご了承ください。
性能検証用トレース取得機能での,性能検証用トレースファイル運用の流れを次の図に示します。
図3-27 性能検証用トレースファイルの運用の流れ
OpenTP1では性能検証用トレースとして次の表に示すトレースを取得します。これらを総称して性能検証用トレースと呼びます。また,性能検証用トレースデータを取得するファイルを性能検証用トレースファイルと呼びます。
トレース名称 | 性能検証用トレースファイル名 |
---|---|
性能検証用トレース | prf_nnn※ |
XAR性能検証用トレース | _xr_nnn※ |
JNL性能検証用トレース | _jl_nnn※ |
LCK性能検証用トレース | _lk_nnn※ |
MCF性能検証用トレース | _mc_nnn※ |
NAMイベントトレース | _nm_001,_nm_002,_nm_003 |
プロセスサービスイベントトレース | _pr_001,_pr_002,_pr_003 |
FILイベントトレース | _fl_001,_fl_002,_fl_003 |
TRNイベントトレース | _tr_nnn※ |
OpenTP1の性能検証用トレース取得機能では,トレースデータの誤消去による調査時の資料不足を防止するため,OpenTP1の終了時にトレースファイルのバックアップを取得しています。トレースファイルのバックアップを取得するメリットおよびデメリットは次のとおりです。
性能検証用トレースファイルのバックアップ機能はメリットがある一方,定義によってはデメリットの方が大きくなる場合があります。メリットよりデメリットの方が大きい場合は,バックアップを抑止できます。この場合,OpenTP1は自動的にバックアップを取得しないため,運用に当たって性能検証用トレースファイルをバックアップするようにしなければなりません。
性能検証用トレースファイルのバックアップを抑止する場合は,障害調査などの場合に資料不足にならないように,十分に検討することをお勧めします。