4.3.19 ジャーナルファイルレス機能を使用する運用

ジャーナルファイルレス機能とは,システムジャーナルファイル(OpenTP1の各種履歴情報である回復用ジャーナル,UAPの任意の履歴情報であるユーザジャーナル,および統計用ジャーナル)を取得しない機能です。

OpenTP1では,システムを回復したり各種の稼働状況を検知したりするために,システムジャーナルファイルを取得しています。しかし,次に示すようなシステムでは,システムジャーナルファイルの取得は必須ではありません。

システムジャーナルファイルの取得が必須ではないシステムの例
  • TP1/EEでトランザクションを制御するシステム
  • ジャーナルサービスによるシステム回復が不要なシステム
  • トランザクション制御を行わないネームサービス機能用のノードを使用するシステム

このようなシステムを運用する場合,ジャーナルファイルレス機能を使用し,システムジャーナルファイルを取得しないようにすることで,リソース管理の負荷を軽減できます。

ジャーナルファイルレス機能は,システム共通定義のjnl_fileless_optionオペランドにYを指定することで使用できるようになります。ジャーナルファイルレス機能を使用した環境を,ジャーナルファイルレスモードといいます。

ジャーナルファイルレスモードでは,一部の機能が使用できません。ジャーナルファイルレスモードで使用できない機能を次の表に示します。

表4-14 ジャーナルファイルレスモードで使用できない機能

分類ジャーナルファイルレスモードで使用できない機能
機能トランザクション機能※1
XAリソースサービスによるトランザクション機能
DAM,TAM,MCF,MQなどOpenTP1提供のリソースマネジャ機能
各種統計情報
グローバルアーカイブジャーナル機能
自動アンロード機能
ライブラリ関数dc_jnl_ujput関数
dc_trn_begin関数
dc_trn_unchained_commit関数
dc_trn_chained_commit関数
dc_trn_unchained_rollback関数
dc_trn_chained_rollback関数
dc_trn_info関数
tx_begin関数
tx_close関数
tx_commit関数
tx_info関数
tx_open関数
tx_rollback関数
tx_set_commit_return関数
tx_set_transaction_control関数
tx_set_transaction_timeout関数
運用コマンドjnllsコマンド
jnlunlfgコマンド
jnlchgfgコマンド
jnlopnfgコマンド
jnlclsfgコマンド
jnlswpfgコマンド
jnlrinfコマンド
jnldelpfコマンド
jnladdpfコマンド
jnlardisコマンド
jnlarlsコマンド
jnlatunlコマンド
jnlmkrfコマンド
dcdefchkコマンド(ジャーナルサービス定義,システムジャーナルサービス定義,チェックポイントダンプサービス定義の論理チェック)
その他OpenTP1の再開始(リラン)によるシステムの回復
ユーザサービス定義のatomic_updateオペランド※2
注※1
XAインタフェースによるリソースマネジャへのアクセスも使用できないため,trnlnkrmコマンドでOpenTP1にリソースマネジャを登録しないでください。リソースマネジャが登録されたOpenTP1をジャーナルファイルレスモードで起動すると,トランザクションリソースマネジャ監視サービスの起動処理でエラーとなり,OpenTP1が異常終了します。
注※2
トランザクション機能が使用できないため,ユーザサービス定義のatomic_updateオペランドは,指定値に関係なく,Nが指定されたものとして動作します。

また,ジャーナルファイルレスモードでは,一部のOpenTP1ファイルと定義ファイルを使用しません。ジャーナルファイルレスモードで使用しないファイルを次の表に示します。

表4-15 ジャーナルファイルレスモードで使用しないファイル

ファイルの種類ジャーナルファイルレスモードで使用しないファイル
OpenTP1ファイルシステムジャーナルファイル
チェックポイントダンプファイル
定義ファイルジャーナルサービス定義ファイル
システムジャーナルサービス定義ファイル
チェックポイントダンプサービス定義ファイル