4.3.3 システムジャーナルファイルの使い方

システムジャーナルファイルは,OpenTP1の各種履歴情報である回復用ジャーナルの取得と,UAPの任意の履歴情報であるユーザジャーナルの取得のために使用します。

要素ファイルを構成する物理ファイルのうち,一つ以上の物理ファイルがオープンされていることを要素ファイルがオープン状態,物理ファイルがまったくオープンされていないことを要素ファイルがクローズ状態といいます。

要素ファイルを構成する物理ファイルのうち,必要以上の物理ファイルがオープンされていることを要素ファイルが使用可能状態,必要以上の物理ファイルがオープンされていないことを要素ファイルが使用不可能状態といいます。要素ファイルを構成する物理ファイルの必要数は,システムジャーナルサービス定義の指定によって決まります。

要素ファイルの状態と物理ファイルの状態の関係を次の表に示します。

表4-3 要素ファイルの状態と物理ファイルの状態の関係

要素ファイルの状態1要素ファイルの状態2物理ファイルのオープン/クローズ状態
使用可能/使用不可能状態オープン/クローズ状態
片系運転可片系運転不可A系B系
オープンオープンオープン
×オープンオープンクローズ
×オープンクローズオープン
××クローズクローズクローズ
(凡例)
○:使用可能
×:使用不可能

ファイルグループを構成する要素ファイルのうち,一つ以上の要素ファイルがオープンされていることをファイルグループがオープン状態,要素ファイルがまったくオープンされていないことをファイルグループがクローズ状態といいます。

また,ファイルグループを構成する要素ファイルのうち,最小分散数以上の要素ファイルがオープンされていることをファイルグループが使用可能状態,最小分散数以上の要素ファイルがオープンされていないことをファイルグループが使用不可能状態といいます。

要素ファイルの必要数は,システムジャーナルサービス定義の指定によって決まります。

障害の発生などによって使用可能な要素ファイル数がjnl_min_file_dispersionオペランド未満になった場合,ファイルグループをクローズします。要素ファイルで障害が発生した場合のファイルグループ,要素ファイル,物理ファイルの状態を次の表に示します。

表4-4 障害発生時と状態の関係

状態ファイルグループの状態要素ファイルの状態物理ファイルの状態
並列アクセス機能未使用非二重化で障害,または二重化でA系,B系ともに障害クローズクローズクローズ
二重化で片系障害片系運転可オープンオープン
片系運転不可オープン(予約)クローズ
並列アクセス機能使用非二重化で障害,または二重化でA系,B系ともに障害クローズクローズ
二重化で片系障害片系運転可使用できる要素ファイルが最小分散数以上オープンオープン
使用できる要素ファイルが最小分散数未満オープンオープン
片系運転不可使用できる要素ファイルが最小分散数以上オープンクローズ
使用できる要素ファイルが最小分散数未満オープン(予約)クローズ

OpenTP1は,オンライン中のシステムジャーナルファイルのファイルグループを次に示す三つの状態で管理します。

予約以外のファイルグループは,二つ以上必要です。

OpenTP1を正常開始すると,システムジャーナルサービス定義で指定したファイルグループのうち,ONLと指定したファイルグループがすべてオープンされます。オープンされたファイルグループのうち,最初に指定したファイルグループが現用となり,その他は待機となります。オープンできなかったファイルグループ,およびONLと指定しなかったファイルグループは,予約となります。再開始すると,前回現用だったファイルグループが引き継がれます。

ジャーナルは,現用のファイルグループに出力されます。現用のファイルグループが満杯になると,システムジャーナルサービス定義で現用の次に指定したファイルグループ(待機中)にスワップします。二重化した場合,どちらか一方の系が満杯になると,スワップします。システムジャーナルファイル中のすべてのファイルグループが満杯となった場合は,最初のファイルグループに戻ってジャーナルを出力します。

ファイルグループにOpenTP1の回復に必要なジャーナルがある場合,そのファイルグループを上書きできない状態と判断して,保護します。上書きできない状態のファイルグループは,現用にできません。

上書きできないファイルグループは,OpenTP1がチェックポイントダンプを取得すると,それ以前のジャーナルは不要となるため,上書きできる状態になります。