dcalzprf
名称
性能検証用トレース情報解析
形式
dcalzprf 〔-H ヘッダオプション〔,ヘッダオプション〕〕
〔-L 付加情報オプション〔,付加情報オプション〕〕
〔-x 表示するプロセス数〕
〔-d 起点時刻〕
〔-C 時刻差計算開始イベントID〔,時刻差計算開始イベントID〕...
-F 時刻差計算終了イベントID〔,時刻差計算終了イベントID〕...〕
〔-o ファイル出力先ディレクトリ〕
〔-T 〔開始時刻〕〔,終了時刻〕〕
〔-r ランID〔,ランID〕...〕
〔-n ノードID〔,ノードID〕...〕
〔-g サービスグループ名〔,サービスグループ名〕...〕
〔-s サービス名〔,サービス名〕...〕
〔-p プロセスID〔,プロセスID〕...〕
〔-v サーバ名〔,サーバ名〕...〕
〔-e イベントID〔,イベントID〕...|-S|-U〕
〔-c 通信番号〔,通信番号〕...〕
〔-G グローバルトランザクションID〔,グローバルトランザクションID〕...〕
〔-f 送信元ノード〔,送信元ノード〕...〕
〔-t 送信先ノード〔,送信先ノード〕...〕
〔-R ルート通信番号〔,ルート通信番号〕...〕
〔-E〕
〔トレースデータファイル名〔 トレースデータファイル名〕...〕
機能
標準入力,または指定されたトレースデータファイルから,性能検証用トレース(prfトレース)情報を入力し,トレース情報を編集出力します。編集結果は,時間とプロセスの関連を表の形式で示したcsv形式でファイル出力します。
このコマンドの使用は,TP1/Extension 1をインストールしていることが前提です。
このコマンドのメインオプション一覧を次に示します。
表13-1 dcalzprfコマンドのメインオプション一覧
オプション | 機能 | 複数指定 |
---|---|---|
-H | 編集結果ファイルのヘッダを変更 | ○ |
-L | 編集結果にレコード固有の付加情報を追加 | ○ |
-x | 一つのファイルに編集出力するプロセスのカラム数を指定 | × |
-d | 指定した起点時刻から各トレース情報までの時刻差を出力 | × |
-C | 指定したイベントIDのトレース情報と-Fオプションの引数に指定されたイベントIDのトレース情報の時刻差を出力 | ○ |
-F | 指定したイベントIDのトレース情報と-Cオプションの引数に指定されたイベントIDのトレース情報の時刻差を出力 | ○ |
-o | 編集結果ファイルの出力先ディレクトリを指定 | × |
このコマンドのサブオプション一覧を次に示します。サブオプションによって,編集出力対象とするトレース情報を選択できます。サブオプションを活用することで,出力ファイルサイズを小さくすることができます。
表13-2 dcalzprfコマンドのサブオプション一覧
オプション | 機能 | 複数指定 |
---|---|---|
-T | 指定された時刻内に取得されたトレース情報だけを編集出力 | × |
-r | 指定されたランIDを持つのトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-n | 指定されたノードIDを持つのトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-g | 指定されたサービスグループ名を持つトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-s | 指定されたサービス名を持つのトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-p | 指定されたプロセスIDの持つのトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-v | 指定されたサーバ名を持つトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-e | 指定されたイベントIDを持つトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-S | OpenTP1のシステムが出力しているトレース情報だけを編集出力 | × |
-U | ユーザが出力しているトレース情報だけを編集出力 | × |
-c | 指定されたクライアント通信番号を持つトレース情だけを編集出力 | ○ |
-G | 指定されたグローバルトランザクションIDを持つトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-f | 指定された送信元ノードIDを持つトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-t | 指定された送信先ノードIDを持つトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-R | 指定されたルート通信番号を持つトレース情報だけを編集出力 | ○ |
-E | 処理がエラーリターンしていることを記録したトレース情報だけを編集出力 | × |
オプションで説明するイベントIDについては,「付録L.1 性能検証用トレースの取得情報」を参照してください。
オプション
●-H pid|name|pid,name
編集結果ファイルのヘッダを変更します。
トレース情報にサーバ名が含まれていない場合,サーバ名を「****」と表示します。
このオプションの指定を省略すると,通番表示となります。
●-L MCF|MQ|MCF,MQ
編集結果に,レコード固有の付加情報を追加します。
●-x 表示するプロセス数 ~〈符号なし整数〉((1~65536))《256》
一つのファイルに編集出力するプロセスのカラム数を指定します。指定を省略すると256が設定されていることを仮定します。
編集対象のprfトレースファイルに,指定した数より多いプロセスが含まれていた場合,複数のファイルに分割して編集出力します。出力ファイル数の計算式を次に示します。
↑P/-x指定値↑
小さい値を指定し,上記の計算式の結果が大きくなりすぎた場合,出力ファイル数の上限により,編集結果ファイルが出力されないことがあります。
必要以上に大きな値を指定した場合,使用する表計算ソフトウェアの表示制限を超える形式でファイルを作成することがあり,編集結果を正しく表示できないときがあります。
●-d 起点時刻
指定した起点時刻から,各トレース情報までの時刻差を出力します。
起点時刻は,設定されているタイムゾーンの下限値(グリニッジ標準時の場合1970年1月1日0時0分0秒)から当年当月当日の現在時刻までの範囲で指定します。
起点時刻は,「hhmmss〔MMDD〔YYYY〕〕」の形式で指定します。
起点時刻に0を指定した場合("-d 0")は,出力結果ファイルの先頭に出現したトレース情報の取得時刻を起点時刻として,各トレース情報までの時刻差を計算します。
●-C 時刻差算出開始イベントID ~〈6けたの16進数(先頭の0xを含む)〉
このオプションに指定したイベントIDのトレース情報と,-Fオプションの引数に指定されたイベントIDのトレース情報の時刻差を出力します。-FオプションのイベントIDと重複しないように,セットで指定してください。
時刻差を計算できるのは,一つのプロセスが出力しているトレース情報に出現しているイベントの間ごとになります。二つ以上のプロセス間で出力しているイベントごとの時刻差は計算できません。
複数のイベントIDを指定する場合,イベントIDとイベントIDとの間をコンマ(,)で区切ります。複数イベントIDを指定した場合,該当のイベントIDがトレースから見つかるたびに,時刻差計算の始点を上書きしていきます。
●-F 時刻差算出終了イベントID ~〈6けたの16進数(先頭の0xを含む)〉
このオプションに指定したイベントIDのトレース情報と,-Cオプションの引数に指定されたイベントIDのトレース情報の時刻差を出力します。-CオプションのイベントIDと重複しないように,セットで指定してください。
時刻差を計算できるのは,一つのプロセスが出力しているトレース情報に出現しているイベントの間ごとになります。二つ以上のプロセス間で出力しているイベントごとの時刻差は計算できません。
複数のイベントIDを指定する場合,イベントIDとイベントIDとの間をコンマ(,)で区切ります。
●-o ファイル出力先ディレクトリ ~〈パス名〉
prfトレースの編集結果ファイルを出力するディレクトリを指定します。
指定を省略した場合は,カレントディレクトリに編集結果ファイルを出力します。
●-T 〔開始時刻〕〔,終了時刻〕
指定された時刻内に取得されたトレース情報だけを出力します。
開始時刻,および終了時刻は,設定されているタイムゾーンの下限値(グリニッジ標準時の場合1970年1月1日0時0分0秒)から当年当月当日の現在時刻までの範囲で指定します。
開始時刻,または終了時刻のどちらかを必ず指定してください。開始時刻の指定を省略すると,先頭から指定した終了時刻までが出力範囲となります。終了時刻の指定を省略すると,指定した開始時刻から最後までが出力範囲となります。
開始時刻,および終了時刻は,「hhmmss〔MMDD〔YYYY〕〕」の形式で指定します。
●-r ランID ~〈3~10けたの16進数(先頭の0xを含む)〉
指定されたランIDを持つトレース情報だけを編集出力します。
●-n ノードID ~〈4文字の識別子〉
指定されたノードIDを持つトレース情報だけを編集出力します。
●-g サービスグループ名 ~〈1~31文字の識別子〉
指定されたサービスグループ名を持つトレース情報だけを編集出力します。
●-s サービス名 ~〈1~31文字の識別子〉
指定されたサービス名を持つトレース情報だけを編集出力します。
●-p プロセスID ~〈符号なし整数〉
指定されたプロセスIDのトレース情報だけを編集出力します。
●-v サーバ名 ~〈1~8文字の識別子〉
指定されたサーバ名を持つトレース情報だけを編集出力します。
●-e イベントID ~〈6けたの16進数(先頭の0xを含む)〉
指定されたイベントIDを持つトレース情報だけを編集出力します。
●-S
OpenTP1のシステムが出力しているトレース情報だけを編集出力します。
●-U
ユーザが出力しているトレース情報だけを編集出力します。
●-c 通信番号 ~〈10けたの16進数(先頭の0xを含む)〉
指定されたクライアント通信番号を持つトレース情報だけを編集出力します。
●-G グローバルトランザクションID ~〈128文字以内の英数字〉
指定されたグローバルトランザクションIDを持つトレース情報だけを編集出力します。
●-f 送信元ノード ~〈4文字の識別子〉
指定された送信元ノードIDを持つトレース情報だけを編集出力します。
●-t 送信先ノード ~〈4文字の識別子〉
指定された送信先ノードIDを持つトレース情報だけを編集出力します。
●-R ルート通信番号 ~〈10けたの16進数(先頭の0xを含む)〉
指定されたルート通信番号を持つトレース情報だけを編集出力します。
●-E
処理がエラーリターンしていることを記録したトレース情報だけを出力します。
コマンド引数
●トレースデータファイル名 ~<パス名>
性能検証用トレースファイルを指定します。トレースデータファイル名の指定がない場合,標準入力からデータを入力します。また,複数のファイルを指定した場合は,取得時刻順に並べ替えて出力することができます。
出力形式
dcalzprfコマンドでは,編集したトレース情報を編集結果ファイルに出力します。
編集結果ファイル名は「prfdataX.csv」です。Xの範囲は,0から次に示す値までです。出力先ディレクトリに,編集結果ファイル名(prfdataX.csv)と同名のファイルがある場合は,内容を上書きします。
「-C,-F」「-d」「-H pid,name」「-L MCF,MQ」の各オプションを指定したときの性能検証用トレースファイルの出力形式を次に示します。
図13-1 性能検証用トレースファイルの出力形式
性能検証用トレースファイルの出力形式を,表計算ソフトで表示したときの例を次に示します。
図13-2 性能検証用トレースファイルの出力形式(表計算ソフトで表示)
性能検証用トレースファイルの出力条件とヘッダの詳細を次に示します。
表13-3 性能検証用トレースファイルの出力条件とヘッダの詳細
出力条件 | ヘッダ | 内容 |
---|---|---|
共通 | Date | aaaa:トレースを取得した時刻(年) |
bb:トレースを取得した時刻(月) | ||
cc:トレースを取得した時刻(日) | ||
共通 | Time | dd:トレースを取得した時刻(時) |
ee:トレースを取得した時刻(分) | ||
ff:トレースを取得した時刻(秒) | ||
共通 | under-Sec | gggggg:トレースを取得した時刻(マイクロ秒で6けた) |
共通 | Node-id | hhhh:ノードID(4文字) |
-C,-Fオプション指定時 | Diff | ii...ii:-C,-Fオプションに指定されたイベントID間の時刻差(マイクロ秒で16けた以内)(-Fに設定したイベントIDの行に出力されます) |
-dオプション指定時 | Total | jj...jj:-dオプションに指定した起点時刻から各トレース情報の時刻差(マイクロ秒で16けた以内)(起点時刻を省略した場合は編集出力ファイルごとの先頭トレース情報が起点時刻になります) |
-Hオプション省略時 | 1,2,...,256※1 | kk...kk:イベントID(詳細については「付録L.1 性能検証用トレースの取得情報」を参照) |
-H pid指定時 | ll...ll※2 | |
-H name指定時 | nn...nn※2,※3 | |
-H pid,name指定時 | nn...nn(ll...ll)※2,※3 | |
共通 | pid | ll...ll:プロセスID(10進10けた以内) |
共通 | Trace | mm...mm:該当プロセスでのトレース通番(10進5けた以内) |
共通 | Server-name | nn...nn:イベントの発生したサーバ名(8文字以内) |
共通 | rc | oo...oo:リターンコード(10進11けた以内(先頭の符号を含む)) |
共通 | clt | pppp:クライアントOpenTP1識別子(4文字) qqqqqqqqqq:クライアント通信番号(16進10けた(先頭の0xを含む)) |
共通 | server | rrrr:サーバOpenTP1識別子(4文字) |
共通 | root | ssss:ルートOpenTP1識別子(4文字) tttttttttt:ルート通信番号(16進10けた(先頭の0xを含む)) |
共通 | svg | uu...uu:サービスグループ名(32文字以内) |
共通 | svc | vv...vv:サービス名(32文字以内) |
共通 | trn | ww...ww:グローバルトランザクションID(128文字以内) xxxxxxxxxxxxxxxx:ブランチID(16文字) |
共通 | XA | xx...xx:イベント種別(75文字以内)※4 |
共通 | JNL | yy:ジャーナル種別(2文字)※5 |
-L MQ指定時 | Que-name | zz...zz:TP1/Message Queueを利用した際のキュー名(48文字以内)※6 |
Msg-Token | AA...AA:TP1/Message Queueを利用した際のメッセージトークン(16進18けた(先頭の0xを含む))※6 | |
Msg-ID | BB...BB:TP1/Message Queueを利用した際のメッセージ識別子 (16進66けた(先頭の0xを含む))※6 | |
-L MCF指定時 | MCFData1 | CC...CC:TP1/Message Controlを利用した際の論理端末名(8文字以内)※7 |
MCFData2 | DD...DD:TP1/Message Controlを利用した際のUOC,API名,ジャーナル種別などの情報(8文字以内)※7 | |
共通 | Bin | EE...EE:詳細情報の16進数字列(8文字ごとの△(半角スペース)を含む,575文字以内)※8 |
共通 | Ascii | "FF...FF":詳細情報のアスキー文字列(256文字以内)※8 |
表13-4 trn_prf_event_trace_conditionオペランドにtrnserviceを指定した場合の出力イベント種別
イベント | タイミング | イベント種別 |
---|---|---|
トランザクション管理サービス | 開始中 | trnd starting |
開始完了 | trnd started | |
終了中 | trnd ending | |
終了完了 | trnd ended | |
トランザクション回復サービス | 開始中 | trnrvd starting |
開始完了 | trnrvd started | |
回復開始 | trnrvd recovery started | |
回復終了 | trnrvd recovery ended | |
終了中 | trnrvd ending | |
終了完了 | trnrvd ended | |
リソースマネジャ監視サービス | 開始中 | trnrmd starting |
開始完了 | trnrmd started | |
終了中 | trnrmd ending | |
終了完了 | trnrmd ended |
dcalzprfコマンドでは編集出力ファイルとは別に,編集出力ファイルごとに割り振られたプロセスの通番と,実際のプロセスの情報の関連一覧を,標準出力に表示します。
形式は次のとおりです。
出力メッセージ
メッセージID | 内容 | 出力先 |
---|---|---|
KFCA01861-E | コマンドでエラーが発生しました | 標準エラー出力 |
KFCA01882-E | コマンドの引数に誤りがあります | 標準エラー出力 |
KFCA33303-E | ファイルのオープンに失敗しました | 標準エラー出力 |
KFCA33304-E | ファイルのアクセス中に障害が発生しました | 標準エラー出力 |
KFCA33305-E | ファイルの書き込みに失敗しました | 標準エラー出力 |
KFCA33307-I | ヘルプメッセージ | 標準出力 |
KFCA33308-W | 条件に合致するトレースデータがありません | 標準エラー出力 |
注意事項