満杯,障害,または運用コマンドによってスワップして待機状態となったファイルグループは,アンロード待ち状態となります。アンロード待ち状態とは,DAMファイルの回復やユーザの運用に備えて,ユーザがジャーナルをアンロードするまでジャーナルを保存している状態です。アンロード待ち状態のファイルグループは,現用にできません。
アンロード待ち状態のファイルグループは,jnlunlfgコマンドを使用するか,または自動アンロード機能を使用するかしてアンロードすると,アンロード済み状態になります。アンロード済み状態とは,アンロード待ち状態のファイルグループからjnlunlfgコマンドまたは自動アンロード機能でジャーナルをコピーした状態,またはjnlchgfgコマンドでジャーナルを破棄した状態です。
jnlunlfgコマンドまたは自動アンロード機能でアンロードして作成したファイルをアンロードジャーナルファイルといいます。
ファイルグループからジャーナルが切り離された旨のメッセージ(KFCA01222-I)が出力されたら,jnlunlfgコマンドを実行してください。
なお,-fオプション指定のjnlunlfgコマンドを実行すると,ファイルグループの状態をチェックしないでアンロードするため,現用ファイルグループ,およびアンロード済みのファイルグループをアンロードできます。ただし,アンロード済みのファイルグループを-fオプション指定のjnlunlfgコマンドでアンロードする場合は,一度jnlclsfgコマンドでクローズしてからアンロードしてください。
-fオプション指定のjnlunlfgコマンドを実行しても,ファイルグループの状態は変更できません。
自動アンロード機能を使用すると,jnlunlfgコマンドを実行しなくても,OpenTP1の稼働中に,自動的にシステムジャーナルファイルをアンロードできます。自動アンロード機能を使用するには,システムジャーナルサービス定義のjnl_unload_checkオペランドおよびjnl_auto_unloadオペランドにYを指定してください。また,アンロードジャーナルファイルを格納するディレクトリは,システムジャーナルサービス定義のjnl_auto_unload_pathオペランドに指定してください。
なお,自動アンロード機能でアンロードできるのは,システムジャーナルファイルだけです。アーカイブジャーナルファイルはアンロードできません。
自動アンロード機能でアンロードする契機は,システムジャーナルファイルが現用ファイルを解放してアンロード待ち状態になったときです。アンロード待ち状態になるのは,次の場合です。
自動アンロード機能を使用してアンロードするアンロードジャーナルファイルの格納ディレクトリは,システムジャーナルサービス定義のjnl_auto_unload_pathオペランドに指定します。格納ディレクトリには,複数のディレクトリを指定できます。
表4-5 最初に使用するアンロードジャーナルファイル格納ディレクトリ
OpenTP1の 開始形態 | 最初に使用するアンロードジャーナルファイル格納ディレクトリ |
---|---|
正常開始 | システムジャーナルサービス定義のjnl_auto_unload_pathオペランドに指定されたディレクトリのうち,過去に自動アンロード機能を使用して作成したアンロードジャーナルファイルが格納されていない最初のディレクトリ |
計画停止後の開始 | 前回のOpenTP1稼働時の最後に使用していたディレクトリ |
再開始 |
図4-5 アンロードジャーナルファイル格納ディレクトリの運用
アンロードジャーナルファイル格納ディレクトリに,次の名称のファイルを格納した場合,そのファイルをOpenTP1が削除することがあるので注意してください。
(システムジャーナルサービス定義ファイル名)_bbbbbbbbbbbb_cc....cc
自動アンロード機能で生成されるアンロードジャーナルファイルは,次の名称規則でファイル名の重複を防止します。
(システムジャーナルサービス定義のファイル名)_(ジャーナルサービスのランID)(ジャーナルファイル世代番号)_(ジャーナルファイルグループ名)
ファイル名は最大28文字です。ファイル名を構成するそれぞれの値を次に示します。
自動アンロード機能を実行中に,アンロードジャーナルファイル格納先として現在使用しているディレクトリ下に格納されているファイルは,操作しないでください。操作した場合,ファイルの整合性は保証できません。アンロードジャーナルファイル格納先として使用しているディレクトリは,jnlatunl -j sys -iを実行すると確認できます。
自動アンロード機能の停止中は,アンロードジャーナルファイルを移動およびコピーできます。また,自動アンロード機能を使用中でもアンロードジャーナルファイル格納先として使用されていないディレクトリ下に格納されているアンロードジャーナルファイルは,移動およびコピーできます。また,ファイル回復用ジャーナルに使用しない場合は,削除することもできます。ただし,ファイルの操作中に,該当ディレクトリがアンロードジャーナルファイル格納先になった場合,OpenTP1が生成するアンロードジャーナルファイルを操作しないように注意してください。
OpenTP1稼働中に,自動アンロード機能が停止した場合,次の手順で再開始します。
アンロード待ち状態のファイルグループを,アンロードしないで現用に割り当てられます。これをジャーナルアンロードチェックの抑止といいます。通常OpenTP1では,ファイルグループのアンロード状態をチェックしていて,ファイルグループがアンロード済み状態の場合だけ現用に割り当てます。アンロード状態のチェックを抑止すると,スワップ先のファイルグループがアンロード待ち状態でも,現用として割り当てるので,ファイルグループをアンロードする必要はありません。
ジャーナルアンロードチェックの抑止機能を使用する場合は,システムジャーナルサービス定義でjnl_unload_check=Nを指定します。この指定は,システム再開時に変更できます。
オンライン中にアンロードする場合は,アンロードするファイルグループをjnlclsfgコマンドでクローズしてから,アンロードを実行してください。jnlclsfgコマンドを実行しないでオンライン中のアンロードを実行すると,アンロード実行中のファイルグループが現用になることがあります。このとき,ファイルグループにはアンロード中のデータと,現用になって新たに書き込まれるデータとが混在するので,OpenTP1はアンロードを中断しますが,オンラインダウンすることはありません。
アンロードを一度も実行しない場合,アンロードジャーナルファイルを入力するコマンドは使用できません。アンロードジャーナルファイルを入力するコマンドを次の表に示します。
表4-6 アンロードジャーナルファイルを入力するコマンド一覧
機能 | コマンド | |
---|---|---|
ジャーナル関係のファイル管理 | ファイル回復用ジャーナルの集積 | jnlcolc |
アンロードジャーナルファイルの複写 | jnlcopy | |
アンロードジャーナルファイルの編集出力 | jnledit | |
MCF統計情報の出力 | jnlmcst | |
ジャーナル関係のファイル回復 | jnlmkrf | |
アンロードジャーナルファイルのレコード出力 | jnlrput | |
アンロードジャーナルファイルのマージ,時系列ソート | jnlsort | |
統計情報の出力 | jnlstts | |
DAMファイル管理 | 論理ファイルの回復 | damfrc |
TAMファイル管理 | TAMファイルの回復 | tamfrc |
ジャーナルアンロードチェックの抑止機能を使用する指定でも,jnllsコマンドを実行すると,ファイルグループはアンロード待ち状態が表示されます。アンロード待ち状態が表示されても,そのファイルグループは現用として割り当てられます。