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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


1.4.2 記述形式

〈この項の構成〉

(1) set形式

set形式で指定する定義をオペランドと呼びます。set形式では,オペランドに値を設定します。

形式

set オペランド=値

(2) コマンド形式

コマンド形式で指定する定義を定義コマンドと呼びます。コマンド形式では,次の形式に従ってオプションおよび引数を設定します。

形式

コマンド名 オプション コマンド引数

用語の定義

コマンド名:コマンド名称です。

オプション:マイナス記号で始まる文字列です。

引数を取らない形式1と引数を必要とする形式2の二つがあります。

形式1 -オプションフラグ

形式2 -オプションフラグ フラグ引数

(凡例)

オプションフラグ:マイナス記号に続く1文字の英数字です。英大文字と英小文字とは区別します。

フラグ引数:オプションフラグに対する文字列です。

コマンド引数:マイナス記号以外で始まる引数でコマンドの操作対象です。

(3) putenv形式

putenv形式ではユーザの環境変数を設定します。環境変数値に環境変数名を設定した場合,その環境変数は展開しません。

形式

putenv 環境変数名 環境変数値

(4) dcputenv形式

dcputenv形式ではユーザの環境変数を設定します。環境変数値に環境変数名を設定した場合,その環境変数を展開した値で,ユーザの環境変数を設定します。

形式

dcputenv 環境変数名 環境変数値

(5) コメント

コメントを記入する場合は,コメントの先頭に「#」を記述してください。

行の先頭に「#」を記述すると1行全体がコメント扱いになります。

形式1 定義の記述   #コメント・・・・・・

形式2 #コメント・・・・・・・

(6) 制限事項

複数の項目をコンマで区切る定義があります。このような定義を記述する場合,項目の直後にコンマを記述してください。項目とコンマの間に空白を入れないでください。

定義の1行の最大長は次のとおりです。

1行の最大長を超えて定義を指定すると,OpenTP1の開始に失敗したり,エラーメッセージを出力したりする場合があります。

定義が1行の最大長を超える場合は,複数行に分けて記述してください。このとき,行の末尾に継続符号'\'を記述します。継続符号'\'の後ろには何も記述しないでください。また,複数の項目をコンマで区切りながら複数行に分けて記述する場合,継続符号'\'を記述する行にある項目の末尾にコンマを記述してください。

ネットワークコミュニケーション定義で,引用符(")を使って囲むオペランドを指定するオプションに,次の行にほかのオプションを記述する場合,引用符(")と継続符号'\'の間に一つ以上の空白を入れてください。次に指定例を示します(△は半角スペースを示します)。

-y "mode=client"△\
-r "portno=10002"

なお,コメントを記述した行に継続行を続ける場合の制限事項は,次のとおりです。

(7) 環境変数を設定する場合の注意事項

dcputenv形式では,環境変数値に設定した環境変数名もgetenv関数によって展開します。展開する環境変数名の先頭には'$'を記述してください。環境変数名として指定できるのは,英数字,およびアンダスコアです。

環境変数値に環境変数名を指定する場合の注意事項
  • 展開した環境変数値にさらに環境変数名がある場合,その環境変数名については展開しません。

  • 環境変数名を展開しないで文字列と見なす場合は,環境変数値全体をダブルクォーテーションで囲ってください。

  • 環境変数値の途中にダブルクォーテーションを指定した場合,そのダブルクォーテーションは,環境変数値の一部として扱います。

  • 環境変数値には,設定したい環境変数名を指定できません。

    (指定できない例)dcputenv SETPATH $SETPATH:/OpenTP1/file

(例)環境変数$DCDIRにディレクトリ/OpenTP1が設定されている場合
putenv TMPPATH $DCDIR/tmp                 …1
dcputenv FILEPATH $DCDIR/tmp              …2
dcputenv TEMPDIR $TMPPATH/file            …3
dcputenv REALPATH $FILEPATH:$DCDIR/file   …4
dcputenv ENVPATH "$TMPPATH/file"          …5
dcputenv DIRTMP $DCDIR:"$FILEPATH":/tmp   …6
  1. TMPPATHに"$DCDIR/tmp"という文字列が設定されます($DCDIRは展開しません)。

  2. FILEPATHに"/OpenTP1/tmp"が設定されます($DCDIRを展開し,"/OpenTP1"とします)。

  3. TEMPDIRに"$DCDIR/tmp/file"が設定されます(TMPPATHは'$DCDIR/tmp'に展開されますが,$DCDIRは展開しません)。

  4. REALPATHに"/OpenTP1/tmp:/OpenTP1/file"が設定されます($FILEPATH:と指定されている場合,コロンの直前までの文字列が環境変数名として認識されます)。

  5. ENVPATHに"$TMPPATH/file"が設定されます($TMPPATHは展開しません)。

  6. DIRTMPに'/OpenTP1:"/OpenTP1/tmp":/tmp'が設定されます(ダブルクォーテーションを環境変数値の一部として扱うため,ダブルクォーテーションも環境変数値として設定されます。さらに,環境変数名を展開しないためのダブルクォーテーションとしては扱わないため,$FILEPATHを展開します)。

同じ環境変数をputenv形式とdcputenv形式の両方で設定している場合は,あとに設定したものが有効になります。