ここで説明する算出結果の合計値がMCFサービスで使用する静的共用メモリのサイズです。
ほかのOpenTP1のサービスが使用する静的共用メモリにMCFサービスで使用する静的共用メモリを加え,システム環境定義のstatic_shmpool_sizeオペランドに指定してください。また,「付録B.2(1)(a) MCFマネジャプロセス」の算出式2,および「付録B.2(1)(b) MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセス」の算出式2を除いた算出結果の合計値をMCFマネジャ定義のmcfmcomn定義コマンドの-pオプションに指定してください。
MCFサービス用の静的共用メモリの算出式と定義指定値の関係を,次に示します。
図B-1 MCFサービス用の静的共用メモリの算出式と定義指定値の関係
![[図データ]](figure/zu0b0100.gif)
以降,図中の(a)から(d)について説明します。
(a) MCFマネジャプロセス
MCFマネジャプロセスで使用する共用メモリのサイズは,それぞれ次に示す二つの算出式の結果の合計値です。MCFマネジャプロセスは,OpenTP1システム内で一つのプロセスを使用します。
算出式1:
25000+19000×A+600×B+50×C+800×D+400×E+700×F+1000×G+96000×H+400×I
- (凡例)
- A:MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセス数(mcfmcname定義コマンドの指定数)
- B:論理端末総数(すべてのmcftalcle定義コマンドの指定数)
- C:アプリケーション総数(すべてのmcfaalcap定義コマンドの指定数)
- D:MHPサービスグループ数
- E:MHPサービス総数(各MHPサービスグループ内のサービス数の合計)
- F:キューグループ数(mcfmqgid定義コマンドの指定数)
- G:マッピングサービス識別子(マッピングサービス定義に記述したマッピングサービス識別子の数)
- H:システムサービス情報定義でmcf_prf_trace_levelオペランドに00000000を指定,または指定を省略した場合は,0になります。00000000以外の値を指定した場合は,1になります。
- I:MCF構成変更再開始機能を使用しない場合は,0になります。MCF構成変更再開始機能を使用する場合は,1になります。
算出式2:
7000+70×A
- (凡例)
- A:メッセージ出力通番使用論理端末数(mcfmcomn定義コマンドの-nオプションの指定値)
(b) MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセス
MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセスで使用する共用メモリのサイズは,次に示す二つの算出式の結果の合計値です。MCF通信プロセスおよびアプリケーション起動プロセスは,OpenTP1システム内でmcfmcname定義コマンドの定義数分のプロセスを使用します。
算出式1:
2000+50×A+2000×B+800×C+800×D+500×E+3500×F+(100+G)×H
- (凡例)
- A:コネクション数(mcftalccn定義コマンドの指定数)
- アプリケーション起動プロセスの場合は1です。
- B:論理端末数(mcftalcle定義コマンドの指定数)
- C:該当プロセスのすべてのOTQに存在する論理メッセージの最大瞬間滞留数※(ディスクキューおよびメモリキューの両方を含みます)
- D:起動するアプリケーション数(mcfaalcap定義コマンドの指定数)
- E:TP1/NET/OSAS-NIFの場合:該当コネクション数
- TP1/NET/OSAS-NIF以外のプロトコル製品の場合は0になります。
- F:TP1/NET/OSAS-NIFの場合:該当論理端末総数
- TP1/NET/OSAS-NIF以外のプロトコル製品の場合は0になります。
- G:ユーザタイマ監視機能の最大メッセージ長(mcfttim定義コマンドのmsgsizeオペランドの指定値)
- H:最大タイマ監視要求数(mcfttim定義コマンドのtimereqnoオペランドの指定値)
- 注※
- mcftlsleコマンドに-mオプションを指定して実行すると,最大未送信メッセージ数を確認できます。
算出式2:
4500+2×A
- (凡例)
- A:MCFのトレースバッファサイズ(mcfttrc定義コマンドのsizeオペランドの指定値)
(c) MCFオンラインコマンドプロセス
MCFオンラインコマンドプロセスで使用する共用メモリのサイズは,512バイトです。MCFオンラインコマンドプロセスは,TP1/NET/XMAP3を使用する場合に,一つのプロセスを使用します。TP1/NET/XMAP3を使用しない場合,プロセスは発生しません。
(d) MCFマッピングプロセス
MCFマッピングプロセスで使用する共用メモリのサイズは,次に示す算出式の算出結果です。MCFマッピングプロセスは,TP1/NET/XMAP3を使用する場合に,一つのプロセスを使用します。TP1/NET/XMAP3を使用しない場合,プロセスは発生しません。
700+Σ(2600+32×(A+B)+80×(C+D))+E+F+G+H+I×J+K×L
- (凡例)
- Σ():各マッピング属性定義について括弧内を計算した結果のすべての定義総計
- A:常駐管理をする物理マップ数(マッピングサービス属性定義のMAPNAMEの指定数)
- B:常駐管理をするPAGECマップ数(マッピングサービス属性定義のPGCNAMEの指定数)
- C:LRU管理をする物理マップ数(マッピングサービス属性定義のMAPCNTの指定数)
- D:LRU管理をするPAGECマップ数(マッピングサービス属性定義のPGCCNTの指定数)
- E:全常駐させる物理マップサイズの合計
- F:全常駐させるPAGECマップサイズの合計
- G:LRU管理をする64キロバイト以下の全非常駐物理マップのサイズの合計
- H:LRU管理をする64キロバイト以下の全非常駐PAGECマップのサイズの合計
- I:LRU管理をする64キロバイトを超える全非常駐物理マップ中,サイズの最大値
- J:LRU管理をする64キロバイトを超える全非常駐物理マップ数
- K:LRU管理をする64キロバイトを超える全非常駐PAGECマップ中,サイズの最大値
- L:LRU管理をする64キロバイトを超える全非常駐PAGECマップ数
ここで説明する算出結果の合計値がMCFサービスで使用する動的共用メモリのサイズです。ほかのOpenTP1のサービスが使用する動的共用メモリにMCFサービスで使用する動的共用メモリを加え,システム環境定義のdynamic_shmpool_sizeオペランドに指定してください。
(a) MCFマネジャプロセス
MCFマネジャプロセスで使用する共用メモリは,次に示す算出式の算出結果です。MCFマネジャプロセスは,OpenTP1システム内で一つのプロセスを使用します。
((600+A)×B+1600)×C+2000×D+1600×E+(600+F)×G×H+2×(1600×H)+1600×I+Σ(2×J)
- (凡例)
- A:最大受信メッセージ長
- B:最大受信セグメント数
- C:すべてのITQ(メモリキュー)の論理メッセージの最大瞬間滞留数※1(ディスクキューの場合は0です)
- D:メッセージの受信,または送信を行うUAPプロセス数
- E:すべてのITQの論理メッセージの最大瞬間滞留数※1(ディスクキューおよびメモリキューの両方を含みます)
- F:最大送信メッセージ長
- G:最大送信セグメント数
- H:すべてのOTQ(メモリキュー)の論理メッセージの最大瞬間滞留数※2(ディスクキューの場合は0です)
- I:すべてのOTQの論理メッセージの最大瞬間滞留数※2(ディスクキューおよびメモリキューの両方を含みます)
- J:継続問い合わせ応答用一時記憶データ格納用領域サイズ(mcfaalcap定義コマンドのtempsizeオペランドの指定値)(tempsizeオペランドを省略またはcont型MHPの場合は4096,cont型MHP以外の場合は0)
- Σ():各アプリケーション属性定義について括弧内を計算した結果の総計
- 注※1
- mcftlssgコマンドに-mオプションを指定して実行すると,最大未処理受信メッセージ数を確認できます。
- 注※2
- mcftlsleコマンドに-mオプションを指定して実行すると,最大未送信メッセージ数を確認できます。
(b) MCFオンラインコマンドプロセス
MCFオンラインコマンドプロセスで使用する共用メモリは,14000バイトです。MCFオンラインコマンドプロセスは,OpenTP1システム内にプロセスは発生しません。TP1/NET/XMAP3を使用する場合に,一つのプロセスを使用します。