UAPに関連するOpenTP1のシステム定義について説明します。システム定義は,OpenTP1の基本機能がTP1/Server Baseの場合にだけ必要です。以降の記述は,TP1/Server Baseの場合に該当します。
UAPに必要なシステム定義は次のとおりです。
OpenTP1システム共通の実行環境を決定する定義です。RPCの最大応答待ち時間などを指定します。
OpenTP1システムの開始時に,一緒に開始するUAPを決定する定義です。
オンラインで起動されたUAPの,実行環境を決定する定義です。UAPごとに作成します。
ユーザサービス定義の項目のうち,省略した項目のデフォルト値を指定する定義です。
メッセージ制御機能(MCF)を使うときに,UAPのアプリケーション名を決定する定義です。ユーザサービス定義で実行環境を設定したUAPを,MCFで認識するために定義します。
UAPに関連するOpenTP1のシステム定義を次の表に示します。
表A-1 UAPに関連するOpenTP1のシステム定義
区分 | システム定義 | ||||
---|---|---|---|---|---|
システム共通定義 | ユーザサービス構成定義 | ユーザサービス定義 | ユーザサービスデフォルト定義 | MCFアプリケーション定義 | |
定義を作成する単位 | 一つのノード単位 | サービスグループ単位 | 一つのノード単位 | 複数のMCF通信プロセスで一つ,またはMCF通信プロセス単位 | |
使用する時期 | SUP,SPP,MHPの起動時 | システム正常開始時 | SUP,SPP,MHPの起動時 | SUP,SPP,MHPの起動時 | MHPの起動時 |
定義の変更方法(set形式の場合※) | 定義を変更して,変更前のノードのOpenTP1を終了させて,新しい定義でノードのOpenTP1を起動します。 | 定義を変更して変更前の定義のプロセスを終了させて,新しい定義で再びUAPを起動します。 |
OpenTP1のシステム定義ファイルは,$DCCONFPATHの下に作成されます。UAPに関連するOpenTP1のシステム定義のファイル名を次の表に示します。
表A-2 UAPに関連するOpenTP1のシステム定義のファイル名
UAPに関連するシステム定義 | 定義ファイル名(完全パス名) |
---|---|
システム共通定義 | $DCCONFPATH/betranrc |
ユーザサービス構成定義 | $DCCONFPATH/usrconf |
ユーザサービス定義 | $DCCONFPATH/ユーザサービス構成定義で指定するユーザサーバ名または,サーバの開始コマンド(dcsvstart)で指定するユーザサーバ名 |
ユーザサービスデフォルト定義 | $DCCONFPATH/usrrc |
MCFアプリケーション定義 | $DCCONFPATH/ノード内で一意となる任意の名称 |
MHPのサービスは,MCFで受信したメッセージの先頭セグメントの先頭8文字のアプリケーション名を基にスケジュールされます。システム定義では,ユーザサービス定義で指定したMHPのサービスグループ名とサービス名を,MCFアプリケーション定義にも指定して,二つの定義を対応付けます。MCFアプリケーション定義のアプリケーション属性定義のサービスグループ名とサービス名は,ユーザサービス定義で指定されている名称を指定してください。