1.1 定義の体系

OpenTP1の定義には,次の四つがあります。

  1. システムサービス定義
    TP1/Server Baseに関する情報を定義します。
    システムで動作するサービス群の構成や,システム共通の実行環境の定義です。
  2. ネットワークコミュニケーション定義
    TP1/Message Controlに関する情報を定義します。
    TP1/Message Controlのメッセージ制御機能を使って他システムと通信する場合の,システム論理構成や,使用する業務プログラム,サービスなどの実行環境の定義です。
    プロトコル部分の詳細については,マニュアル「OpenTP1 プロトコル」の該当するプロトコル編を参照してください。
    なお,このマニュアルでは,以後メッセージ制御機能MCFMessage Control Facility)と呼びます。
  3. メッセージキュー定義
    TP1/Message Queueに関する情報を定義します。
    TP1/Message Queueのメッセージキューイング機能を使って,他システムと通信する場合の実行環境の定義です。
    なお,このマニュアルでは,メッセージキュー定義の詳細(MQT通信構成定義)は説明しません。MQT通信構成定義については,マニュアル「TP1/Message Queue 使用の手引」を参照してください。
  4. ネットワークライブラリ定義
    TP1/NET/Libraryに関する情報を定義します。
    TP1/NET/OSI-TP-Extendedを使ってXATMIインタフェースでOSI TP通信をする場合の実行環境の定義です。
    なお,このマニュアルでは,ネットワークライブラリ定義の詳細(TP1/NET/OSI-TP-Extendedの定義)は説明しません。TP1/NET/OSI-TP-Extendedの定義については,マニュアル「OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSI-TP-Extended編」を参照してください。

OpenTP1のシステム定義の体系を,次の図に示します。また,各定義の概要を以降の表に示します。

図1-1 OpenTP1システム定義の体系

[図データ]

[図データ]

表1-1 システムサービス定義の概要

項番定義名内容
1システム環境定義OpenTP1システムの実行環境を定義します。
2システムサービス構成定義同一マシンで一つのOpenTP1システムとしてシステム起動時に一緒に開始するサービス群の構成を定義します。
3ユーザサービス構成定義同一マシンで一つのOpenTP1システムとしてシステム起動時に一緒に開始するユーザサーバ群の構成を定義します。
4システム共通定義OpenTP1システム共通の実行環境を定義します。
5ロックサービス定義OpenTP1で排他制御機能を使用するための実行環境を定義します。
6タイマサービス定義時間監視サービスを行うための実行環境を定義します。
7ネームサービス定義RPCを可能にするサービス名とアドレスの対を管理するための実行環境を定義します。
8プロセスサービス定義OpenTP1環境下で実行するサーバプロセスを管理するための実行環境を定義します。
9スケジュールサービス定義OpenTP1環境下で動作するサーバへのサービス要求のスケジューリングをするための実行環境を定義します。
10トランザクションサービス定義トランザクション管理をするための実行環境を定義します。
11XAリソースサービス定義XAリソースサービスを使用してトランザクション管理をするための実行環境を定義します。
12インタバルサービス定義各システムサーバへ提供するインタバルタイマ機能の実行環境を定義します。
13ステータスサービス定義OpenTP1環境下で動作する各システムサービスの状態を管理するための実行環境を定義します。
14ジャーナルサービス定義システムジャーナルサービスとチェックポイントダンプサービスを使用するための実行環境を定義します。
15システムジャーナルサービス定義システムジャーナルファイルにジャーナルを取得するための実行環境を定義します。
16チェックポイントダンプサービス定義チェックポイントダンプファイルにチェックポイントダンプを取得するための実行環境を定義します。
17ログサービス定義メッセージログの出力環境を定義します。
18マルチノード構成定義マルチノードエリアまたはマルチノードサブエリアの構成を定義します。
19マルチノード物理定義OpenTP1ノードがあるホスト名とプロセスサーバデーモン(prcd)のポート番号を定義します。
20グローバルアーカイブジャーナルサービス定義グローバルアーカイブジャーナルサービスを使用するための実行環境を定義します。
21アーカイブジャーナルサービス定義アーカイブジャーナルファイルのファイルグループ名と属性を定義します。
22DAMサービス定義ファイル回復機能付き直接アクセスファイルを管理するための実行環境を定義します。
23TAMサービス定義TAMテーブルを管理するための実行環境を定義します。
24クライアントサービス定義OpenTP1のクライアント機能を支援するためのサーバの実行環境を定義します。
25ISTサービス定義ISTサービスを使用するための実行環境を定義します。
26RMMサービス定義RMMサービスを使用するリソースマネジャを定義します。
27監視対象RM定義RMMサービスのコマンドを定義します。
28拡張RM登録定義OpenTP1提供以外のリソースマネジャを登録するための実行環境を定義します。
29XATMI通信サービス定義TP1/NET/OSI-TP-Extendedを使ったXATMIインタフェースでのOSI TP通信の実行環境を定義します。
30メッセージキューサービス定義入出力メッセージのキューイングを管理するための実行環境を定義します。
31ユーザサービスネットワーク定義通信相手のサービス情報を定義します。
32rapリスナーサービス定義リモートAPI機能を使用する場合のrapリスナーを定義します。
33rapクライアントマネジャサービス定義リモートAPIクライアントマネジャ機能を使用するための実行環境を定義します。
34性能検証用トレース定義性能検証用トレース情報を取得する場合のファイルを定義します。
35XAR性能検証用トレース定義XAR性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。
36JNL性能検証用トレース定義JNL性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。
37LCK性能検証用トレース定義LCK性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。
38TRNイベントトレース定義TRNイベントトレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。
39リアルタイム統計情報サービス定義リアルタイム統計情報サービスの実行環境を定義します。
40リアルタイム取得項目定義リアルタイム統計情報を取得する項目を定義します。
41MQAサービス定義TP1/Message Queueのキューを管理するMQAサーバを定義します。
42MQTサービス定義TP1/Message Queueの通信を制御するMQTサーバを定義します。
43テスタサービス定義オンライン上でUAPをテストするための実行環境を定義します。
44ユーザサービスデフォルト定義ユーザサービス定義の省略時解釈値を定義します。
45ユーザサービス定義ユーザサーバの実行環境を定義します。

表1-2 ネットワークコミュニケーション定義の概要

項番定義名内容
1MCFマネジャ定義各MCF間で共用するリソースの実行環境を定義します。
2MCF通信構成定義個々のMCFの接続端末と,送受信メッセージの入出力キューなどの実行環境を定義します。
3MCFアプリケーション定義ユーザアプリケーション名およびMCFイベント名に対応するサービス名などの実行環境を定義します。
4MCF性能検証用トレース定義MCF性能検証用トレース情報を取得する場合の実行環境を定義します。
5システムサービス情報定義MCF通信サービスを起動するための環境を定義します。
6システムサービス共通情報定義複数のMCF通信サービスに共通する情報を定義します。

表1-3 メッセージキュー定義の概要

項番定義名内容
1MQT通信構成定義TP1/Message Queueのメッセージキューイング形態で通信するMQTサーバを定義します。

表1-4 ネットワークライブラリ定義の概要

項番定義名内容
1TP1/NET/OSI-TP-Extendedの定義TP1/NET/OSI-TP-Extendedの実行環境を定義します。