7.3.1 OpenTP1で使用しているポート番号
TCP/IPでプロセス間通信をする場合,プロセス間でコネクションを確立してからデータを送受信します。ここでは,OpenTP1で使用しているポート番号について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 送信用ポート番号
送信用ポート番号は,OSの自動割り当てポート(短命ポート)の範囲でOSに割り当てられて決定します。送信用ポート番号は固定できません。
(2) 受信用ポート番号
受信用ポート番号は,OSの自動割り当てポート(短命ポート)の範囲でOSに割り当てられて決定しますが,OpenTP1の一部のシステムサービスでは,受信用ポート番号を指定することができます。
OpenTP1で使用している受信用ポート番号について次に示します。
-
OSが自動割り当てする範囲の受信用ポート番号
この値はOSで決まっています。値の確認方法や変更方法については,使用しているOSのマニュアルを参照してください。
システム共通定義でrpc_port_baseオペランドを指定している場合は,OSが自動割り当てする受信用ポート番号の範囲内で,「rpc_port_baseオペランドの指定値」から「rpc_port_baseオペランドの指定値+プロセスサービス定義のprc_process_countオペランドの指定値+128」までの範囲の番号を優先的に使用します。ただし,これらの範囲から任意に選択された受信用ポート番号が使用中だった場合,このオペランドの指定は無視されます。
OpenTP1が制御するウェルノウンポート化されていないプロセスの受信用ポート番号は,OSが任意に割り当てた番号になります。
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個別に指定する受信用ポート番号
例えば,次に示すオペランドの指定値です。
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システム共通定義のname_portオペランドおよびprc_portオペランド
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スケジュールサービス定義のscd_portオペランド
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rapリスナーサービス定義のrap_listen_portオペランド
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-
システム共通定義の「rpc_port_baseオペランドの指定値」から「rpc_port_baseオペランドの指定値+プロセスサービス定義のprc_process_countオペランドの指定値+128」までの受信用ポート番号
受信用ポート番号を指定できるシステム定義のオペランドを,次の表に示します。
使用する機能 |
定義名 |
オペランド名/ 定義コマンド名 |
指定できる範囲 |
デフォルト値 |
対象システムサービス |
---|---|---|---|---|---|
− |
システム共通定義 |
name_port |
5001〜65535 |
10000 |
ネームサービス |
スケジュールサービス定義 |
scd_port |
自動割り当てポートの範囲 |
スケジュールサービス |
||
マルチスケジューラ機能 |
スケジュールサービス定義 |
scdmulti定義コマンドの-pオプション |
5001〜65535 |
自動割り当てポートの範囲 |
マルチスケジューラ |
クライアント拡張機能 |
クライアントサービス定義 |
clt_port |
5001〜65535 |
自動割り当てポートの範囲 |
クライアント拡張サービス |
clttrn_port |
トランザクショナルRPC実行プロセス |
||||
cltcon_port |
トランザクショナルRPC実行プロセス |
||||
リモートAPI機能 |
rapリスナーサービス定義 |
rap_listen_port |
5001〜65535 |
自動割り当てポートの範囲 |
rapリスナーサービス |
rapクライアントマネジャサービス定義 |
rap_client_manager_port |
rapクライアントマネジャサービス |
|||
マルチノード連携制御機能(TP1/Multi) |
システム共通定義 |
prc_port |
5001〜49999 |
自動割り当てポートの範囲 |
マルチノード連携制御機能のサービス |
− |
システム共通定義 |
rpc_port_base |
5001〜65535 |
自動割り当てポートの範囲 |
OpenTP1制御下のウェルノウンポート化されていないシステムサーバ,ユーザサーバ(prfiop,運用コマンドは除く)。 |
各オペランドの詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。