5.3.5 OpenTP1の内部監視
OpenTP1は,システムの障害を検知するため,次の表に示す項目を監視しています。
監視項目 |
監視内容 |
関連するシステム定義 |
---|---|---|
システム初期化時間 |
dcstartコマンドを入力してからシステム初期化処理が終わるまでの待ち時間を監視します。指定時間を過ぎてもシステム初期化処理が終わらない場合には,user_commandなどの不良と見なしてシステム開始処理を中止します。 |
システム環境定義 |
RPC応答時間 |
RPCのサービス要求に対して,応答が返るまでの待ち時間を監視します。指定時間を過ぎても応答がない場合,サーバUAPのループなどによる送受信タイムアウトとして要求元にエラーリターンします。 |
システム共通定義 |
連鎖RPC間隔 |
サーバUAPがサービス要求元にリターンしてから,次のRPCかトランザクション決着指示が来るまでの時間を監視します。指定時間を過ぎてもRPCや決着指示が来ない場合,サービス要求元の不良と見なして,サーバUAPのプロセスを異常終了させます。 |
ユーザサービス定義 ユーザサービス デフォルト定義 |
デッドロック |
排他要求が待ち状態になってから解除されるまでの待ち時間を監視します。指定時間を過ぎても待ち状態が解除されない場合,デッドロックと見なして,要求元にエラーリターンします。 |
ロックサービス定義 |
トランザクションブランチ限界経過時間 |
トランザクションブランチの処理時間を監視します。 指定時間を過ぎても処理が終わらない場合,サーバUAPの不良と見なして,このトランザクションブランチのプロセスを異常終了させて,ロールバックします。 |
ユーザサービス定義 ユーザサービス デフォルト定義 トランザクションサービス定義 |
CPU時間 |
トランザクション処理を開始してから同期点処理をするまでにトランザクションブランチが使用できるCPU時間を監視します。指定した時間を過ぎてもトランザクションが完了しない場合は,該当するトランザクションブランチのプロセスを異常終了させてロールバックします。 |
ユーザサービス定義 ユーザサービスデフォルト定義 トランザクションサービス定義 |
UAP連続異常終了限界経過時間 |
UAPの連続異常終了の時間を監視します。 ユーザサービス定義での閉塞指定にかかわらずUAPが指定時間内に3回続けて異常終了した場合,該当するサービスグループまたはサービスを閉塞します。 |
ユーザサービス定義 ユーザサービスデフォルト定義 |
サービス要求滞留値 |
スケジュールキュー内に滞留しているサービス要求数を監視します。(この指定値×起動プロセス数)を超えると,非常駐プロセスを起動してサービスを処理します。 |
ユーザサービス定義 ユーザサービスデフォルト定義 |
入出力キュー使用率 |
入出力キューのキューグループごとに,物理ファイルの使用率を監視します。指定した使用率を超えた場合,警告メッセージを出力します。 |
メッセージキューサービス定義 |
通信関数発行回数 |
UAPの暴走監視のためトランザクション内で発行する通信関数の発行回数を監視します。指定値を超えて通信関数を発行した場合,UAPを異常終了させてロールバックします。 |
MCFマネジャ定義 |
未処理送信メッセージ滞留時間 |
正常終了処理が長時間終了しないのを防止するため,出力キュー中の未処理送信メッセージの滞留時間を監視します。指定値を超えても未処理送信メッセージが残っている場合,ERREVTAを通知したあとで未処理送信メッセージを破棄して,正常終了処理を続行します。 |
MCF通信構成定義 |