3.9.3 ジャーナル維持機能
ジャーナル維持機能とは,アンロードジャーナルファイルにコピーしたジャーナルデータを加工して利用するための機能です。ジャーナル維持機能を使って,複数のアンロードジャーナルファイルをマージしたりします。
ジャーナル維持機能には,ジャーナルの複写,ファイル回復用ジャーナルの集積,ジャーナルの編集,アンロードジャーナルファイルのレコード出力の四つがあります。
- 〈この項の構成〉
(1) ジャーナルの複写(jnlcopyコマンド)
ジャーナルを複写する機能には,レコードを複写する機能とマージする機能があります。
レコードを複写するときは,アンロードジャーナルファイルの情報を,範囲を区切って標準出力に出力できます。jnlcopyコマンドの引数に次のように範囲を指定して,レコード単位で出力します。
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ジャーナルを取得した日時
ジャーナル種別(PJ,HJ,BJ,TJ,DJ,FJ,CJ,MJ,IJ,GJ,OJ,AJ,SJ,UJ)をjnlcopyコマンドの-jオプションに指定して,ジャーナル種別ごとのアンロードジャーナルファイルを作成することもできます。
複数のアンロードジャーナルファイルを一つのファイルにマージして出力することもできます。マージするアンロードジャーナルファイルは,1回のオンライン中に出力した連続する世代番号を持つファイルに限ります。
(2) ファイル回復用ジャーナルの集積(jnlcolcコマンド)
ファイル回復用ジャーナルを集積するときは,アンロードジャーナルファイルからDAM FRC,またはTAM FRCに必要なデータだけを,標準出力に出力します。複数のアンロードジャーナルファイルを一度に集積して,ファイル回復時の入力用ファイルを作成できます。このファイル回復時の入力用ファイルを,集積ジャーナルファイルといいます。
障害が発生したDAMファイルやTAMファイルは,バックアップファイルとアンロードジャーナルファイルを基に回復します。このとき,OpenTP1はアンロードジャーナルファイルを集積して,回復処理をします。回復処理をするとき,ユーザが作成した最新の集積ジャーナルファイルがあれば,これを利用して回復時間を短縮できます。
アンロードジャーナルファイル内の未決着トランザクションに関する回復用の履歴情報を,次回のジャーナル集積時に引き継ぐため,集積ジャーナルファイルとは別のファイルに格納します。このファイルを引き継ぎファイルといいます。次回のジャーナル集積時には,引き継ぎファイルとアンロードジャーナルファイルから,ファイル回復に必要なデータを集積します。
(3) ジャーナルの編集(jnleditコマンド)
ジャーナルを編集するときは,アンロードジャーナルファイルごとにファイルの内容をリスト形式にして標準出力に出力します。また,指定したファイルの属性に関する情報も出力できます。ジャーナルレコード,またはジャーナルブロック単位に範囲を限定することで,全ジャーナルのうち必要なジャーナルだけを出力できます。
ジャーナルを編集すると,ジャーナルレコードを16進数,または16進数と文字の形式で確認できます。
アンロードジャーナルファイル内のユーザジャーナルのレコード(UJレコード)を,編集しないでそのまま標準出力に出力できます。
ジャーナルを編集した出力形式については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。
(4) アンロードジャーナルファイルのレコード出力(jnlrputコマンド)
アンロードジャーナルファイルのレコードは,アンロードジャーナルファイル内のユーザジャーナルレコード情報,またはトランザクションブランチのCPU使用時間情報を編集しないで,そのまま標準出力に出力できます。
出力するとき,出力範囲,ジャーナル種別,およびジャーナル取得モードなどを指定することで,必要な情報を選択できます。