7.5.1 コマンドによる方法
(1) カウント情報の表示の手順
バッチモードでカウント情報を取得するときの作業の流れを説明します。
- コンパイラオプションを指定して,プログラムをコンパイルする。
-CVInfコンパイラオプションを必ず指定してください。
- カウント情報の取得またはカウント情報の取得対象プログラムの実行に必要な環境変数を設定する。
カウント情報の取得に必要な環境変数については,「7.5.1 コマンドによる方法」の「(3) 環境変数の指定」を参照してください。プログラムの実行に必要な環境変数については,マニュアル「COBOL2002 使用の手引 手引編」を参照してください。
- cblcn2kコマンドを指定して,実行する。
cblcn2kコマンドについては,「7.5.1 コマンドによる方法」の「(2) cblcn2kコマンド」を参照してください。
- 実行結果を画面に出力されるメッセージから確認する。カウント情報の取得取結果は,カウント情報リストファイルをテキストエディタ(viやFSEDなど)で開いて確認する。
(2) cblcn2kコマンド
COBOLプログラムを実行してカウント情報を取得し,結果をファイルに出力します。
cblcn2kコマンドの形式を次に示します。
- 形式1
![[図データ]](figure/td150100.gif)
- 形式2
![[図データ]](figure/td150105.gif)
- -Library
- カウント情報の表示を行う共用ライブラリ名を指定します。
- -Output
- カウント情報リストファイル名を指定します。ファイル名の拡張子は,「.cnl」でなければなりません。-Outputオプションの省略時は,-Executeで指定した実行可能ファイル名の拡張子を「.cnl」に変更したファイル名のファイルを,カレントディレクトリに出力します。
- -Execute
- 実行可能ファイル名を指定します。
- -Help
- cblcn2kコマンドの構文を表示します。-Helpオプションを指定すると,ほかの引数はすべて無視されます。
- 注意事項
- 実行可能ファイルのパス名のあとに指定されたものすべてをカウント情報の取得対象のプログラムへ渡す引数とみなします。
- -Libraryオプションは,複数のファイル名を指定できます。
- -Executeオプションは,必ず最後に指定します。-Executeオプション以外のオプションの指定順序は任意です。
- 起動後のカレントディレクトリは,cblcn2kコマンドを実行したディレクトリです。
- cblcn2kコマンドのメッセージは標準エラー出力へ出力します。
- cblcn2kコマンド名は,英小文字で指定します。
- cblcn2kコマンド名だけを指定した場合は,cblcn2kコマンドの構文を表示します。
- オプションは,英大文字,英小文字のどちらでも指定できます。オプションの始まりは,ハイフン(-)とします。
- オプションの区切り記号は空白文字およびタブです。空白文字およびタブを区切り記号としたくないときは,オプションをダブルコーテーション(")で囲みます。
- 同じオプションを複数指定した場合は,最後に指定したオプションを有効とします。
- オプションにパスの付かないファイル名を指定したときは,カレントディレクトリのファイルとします。相対パスの付いたファイル名を指定したときは,カレントディレクトリを起点とする相対パスのディレクトリにあるファイルとします。
- オプションに複数のファイル名を指定するときは,コンマ(,)または空白文字で区切ります。また,アスタリスク(*)をファイル名の一部に指定することによって,(*)以外の文字が一致するすべてのファイルを指定できます。
- cblcn2kコマンドが返す終了コードは,次のとおりです。
終了コード | 内容 |
---|
0 | 正常終了 |
1 | エラー発生による終了 |
2 | キー操作による割り込みによる終了 |
- -Helpオプションによるコマンドの構文は,標準出力へ出力します。それ以外のメッセージは,標準エラー出力へ出力します。
- 次に示すどれかに該当する場合,単独で実行したユーザプログラムが異常終了すると,「セグメンテーション違反です」などのメッセージがシステムから表示されます。カバレージからユーザプログラムを起動すると,システムからのこのメッセージは表示されません。
・HP-UX(IPF) 01-02以降,AIX(32) 01-02以降,Linux(x86),Solaris(SPARC),UNIX64の場合で実行時環境変数CBLEXCEPTにNOSIGNALを指定した場合
・次に示すコンパイラオプションのどれか一つも指定しないでコンパイルしたプログラムの場合
-DebugInf,-DebugInf,Trace,-DebugCompati,-DebugData,-TDInf,-CVInf,-DebugRangeコンパイラオプション
・COBOLが例外(スタックオーバーフローなど)を検出できない場合
(3) 環境変数の指定
カウント情報の表示に必要な環境変数に指定します。
表7-4 環境変数一覧(カウント情報の表示)
環境変数名 | 概要 |
---|
CBLPIDIR | プログラム情報ファイルがあるディレクトリ名を指定する。 |
CBLLSLIB | 共用ライブラリファイルのファイル名を指定する。 |
CBLLPATH※1 | 共用ライブラリファイルがあるディレクトリ名を指定する。 |
LD_LIBRARY_PATH※2 | 共用ライブラリファイルがあるディレクトリ名を指定する。 |
- 注※1
- HP-UX(IPF),HP-UX(IPF64),AIX(32),およびAIX(64)で有効
- 注※2
- Linux(x86),Linux(x64),Linux(IPF64),およびSolaris(SPARC)で有効
プログラムの実行に関するその他の環境変数は,マニュアル「COBOL2002 使用の手引 手引編」を参照してください。
- 注意事項
- カウント情報の表示のプログラム情報ファイルを次の順序で検索します。検索した結果,見つからないときは,プログラム情報ファイルに該当するプログラムはカウント情報表示の対象となりません。
1.環境変数CBLPIDIRで指定したディレクトリ
2.実行可能ファイルに含まれるプログラムは,実行可能ファイルのあるディレクトリ
共用ライブラリファイルに含まれるプログラムは,共用ライブラリファイルのあるディレクトリ
3.カレントディレクトリ
- プログラムが-CVInfコンパイラオプションでコンパイルされていない場合,カウント情報の表示の対象となりません。
- カウント情報の表示の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カウント情報の表示のためのプログラムを実行しません。カウント情報リストファイルも出力しません。
- 環境変数CBLLSLIB,環境変数CBLLPATH,および環境変数LD_LIBRARY_PATHについては,「6.4.2 共用ライブラリ」を参照してください。