通信管理 XNF/AS 解説・運用編

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付録C.7 HNA通信機能

HNA通信機能を使用するときに出力されるコードについて説明します。

<この項の構成>
(1) エラーコード,エラー情報,理由コード,終了コード
(2) HNAセンスコード
(3) HNA2がサポートするBINDパラメタ形式
(4) AP判定情報(コネクション回復情報)

(1) エラーコード,エラー情報,理由コード,終了コード

HNA通信機能を使用するときに,XNF/ASが設定するエラーコード,エラー情報,理由コードについて説明します。

HNA1次局機能を使用したときのエラーコード,エラー情報,および理由コードを,表C-20表C-22に示します。

HNA2次局機能では,汎用サーバ機能(SLUS)を使用したときのエラーコード,エラー情報,および理由コードを表C-23表C-25に示します。また,560/20通信(NCAM)を使用したときのエラーコードおよび終了コードを表C-26表C-27に示します。

表C-20 HNA1次局のエラーコード

コード名称 内容 対処
ENOENT 2 通信管理が組み込まれていません。 通信管理のPPを組み込み,再起動してください。
EINTR 4 シグナルを受信しました。 対処不要です。
ENXIO 6 通信管理が閉塞中(xnfstopコマンドが入力された),またはHNA1次局が未定義です。 通信管理のログを採取してください。
EBADF 9 指定したファイルディスクリプタが不正です。 上位プログラムを見直してください。
EFAULT 14 メモリフォルトが発生しました。
EBUSY 16 通信管理を初期化中です。 対処不要です。
ENODEV 19 無効なシステムコールを発行しました。 上位プログラムを見直してください。
EMFILE 24 一つのプロセスでオープンできるファイル数の上限を超えました(上限のデフォルトは100です)。 定義情報を見直してください。

そのほかのエラーコードをOSが返すことがあります。
 

表C-21 HNA1次局のエラー情報

コード名称 内容 対処
H1BADFLAG 1 無効な入力情報を指定しました。 上位プログラムを見直してください。
H1NOFD 2 定義で指定した最大PLU数を超えているため,fdを割り当てられません。
H1OUTSTATE 3 関数を間違った順序で発行しました(該当関数を受け付けられる状態ではありません)。
H1NVPLU 4 PLU名称の指定が不正です。
H1PACCESS 5 同一PLU名称をほかのAPが使用中です。
H1INVSLUL 6 パラメタリスト(h1_slu構造体)の全体長が不正です。
H1INVPUF 7 パラメタリスト(h1_slu構造体)のPU名称部の形式が不正です。
H1INVPUG 8 パラメタリスト(h1_slu構造体)に指定したPU名称がHNA1の定義に指定されていません。
H1INVSLUF 9 パラメタリスト(h1_slu構造体)のSLU名称部の形式が不正です。
H1INVSLUG 10 パラメタリスト(h1_slu構造体)に指定したSLU名称が指定されていません。
H1SACCESS 11 パラメタリスト(h1_slu構造体)に指定したPU名称,SLU名称は,すでにほかのAPに割り当てられています。
H1LOOK 12 非同期のイベントが発生したため,受け付けられません。 対処不要です。
H1NODATA 13 APに渡すデータがありません。 上位プログラムを見直してください。
H1INVSID 14 セションIDが不正です。
H1BUSY 15 バッファビジー状態のため,受け付けられません。 対処不要です。
H1BADDATA 16 送信データ量が多いため,バッファが確保できません。 定義情報を見直してください。
H1BADADR 17 送信/受信データ領域のポインタが不正です。 上位プログラムを見直してください。
H1DATAERR 18 パラメタリスト(h1_pb構造体)の設定内容と送信データが不一致です。
H1PDOUBLE 19 ほかのPU,SLU名称と,PLU名称が重複しています。
H1INVOPT 20 オプションフラグの指定内容が不正です。
H1PROTERR 21 送信要求したデータはプロトコル上誤りです。
H1SESSERR 22 SSCP-LUセションデータ透過指定ではないSLUに対して,SSCP-LUセションデータを送信要求しました。
H1UNMATCH 23 関数発行元のPLUは,SSCP-LUセションデータ透過指定されたPLUと異なるため,受け付けられません。
H1BADVER 24 HNA1のバージョンが不正です。
H1PARMERR 25 パラメタリスト(h1_pb構造体)のイベント名,または付加情報の組み合わせが不正です。
H1USING 26 ほかのAPプロセスが,同一fdに対してライブラリ関数を実行中のため,受け付けられません。
H1SYSERR 27 システムエラーが発生しました。 表C-20を参照してください。
H1PBUSY 28 ペーシングビジー状態のため,送信要求は受け付けられません。 対処不要です。

表C-22 HNA1次局の理由コード

コード 意味 対処
0x04420001 ACTPU応答監視タイマがタイムアウトしました。 相手側の障害要因を調査してください。
0x04420003 相手局から下位層コネクションの終了要求を受信しているため,要求を拒否します。 障害要因を分析してください。
0x04420007 HNA下位サブレイヤのプロトコル違反です。 障害要因を分析してください。
0x04420008 PUは一時的に停止処理中です。 再試行してください。
0x04440001 ACTLU応答監視タイマがタイムアウトしました。 障害要因を分析してください。
0x04620000 xnfinact(非運用(PU停止))コマンドによる解放です。 対処不要です。
0x04620004 HNA1のリソースが不足しています。 定義を見直してください。
0x0462000d PUがオープン処理中状態です。 再試行してください。
0x0463**** ACTPUに対して,-RSPを受信しました。****はシステムセンスコードを示します。 -RSPの要因を分析してください。
0x04640000 xnfinact(非運用(SLU停止))コマンドによる解放です。 対処不要です。
0x0465**** ACTLUに対して,-RSPを受信しました。****はシステムセンスコードを示します。 -RSPの要因を分析してください。
0x04820005 着信専用端末との間に経路が未確立です。 定義を見直してください。
0x04820006 XIDによる相手端末の識別に失敗しました。
0x04c20002 PUが非運用状態です。 xnfactコマンドで運用状態にしてください。
0x04c40002 SLUが非運用状態です。 xnfactコマンドで運用状態にしてください。

そのほか,下位層で検知する理由コード(0x01yyyyyy,0x02yyyyyy,0x03yyyyyy)などは,使用する各種レイヤでの理由コードを参照してください。

表C-23 HNA2次局(SLUS使用時)のエラーコード

コード名称 内容 対処
EPERM 1 ファイル所有者またはスーパユーザではありません。 通信管理のPPが正しく組み込まれていないため,再組み込みをしてください。
ENOENT 2 通信管理が組み込まれていません。
ENXIO 6 通信管理が閉塞しました。 通信管理のログを採取してください。
EBADF 9 指定したファイルディスクリプタが不正です。 上位プログラムを見直してください。
EACCES 13 アクセス権のないファイルをオープンしようとしました。 通信管理のPPを組み込んで,再起動してください。
EFAULT 14 APが指定したバッファが不正で,メモリフォルトが発生しました。 上位プログラムを見直してください。
EBUSY 16 通信管理が初期化中です。 対処不要です。
EMFILE 24 1プロセスでオープンできるファイル数を超えてオープンしました。 定義情報を見直してください。
ETXTBSY 26 ハードウェア異常で通信管理再初期化中,または該当するスロットに対する下位層がオフライン状態です。 保守員に連絡してください。

そのほかのエラーコードをOSが返すことがあります。
 

表C-24 HNA2次局(SLUS使用時)のエラー情報

コード名称 内容 対処
H2BADADDR 1 指定したホスト識別IDまたは自局LU番号が不正です。 上位プログラムを見直してください。
H2BADOPT 2 指定したオプション形式が不正です。
H2ACCES 3 ほかのユーザが該当するSLUを使用中,またはシステムゼネレーション指定範囲外のアドレスを指定しました。
H2OUTSTATE 6 マクロを誤った順序で発行しました。
H2SYSERR 8 システムエラーです。 表C-23を参照してください。
H2LOOK 9 非同期イベントが発生しました。 対処不要です。
H2BADDATA 10 指定したデータ長が長過ぎます。 上位プログラムを見直してください。
H2BUFOVFLW 11 情報を設定するための引数に割り当てられたバイト数が,引数の値を保存するのに不十分です。
H2NODATA 13 受信イベントがないときに,h2_rcvまたはh2_lookマクロの発行を受け付けました。
H2BADFLAG 16 オープンフラグが不正です。
H2NOTSUPPORT 18 未サポートマクロまたは未サポートイベントを発行しました。
H2DATAERR 100 データ形式が不正です。
H2BADVER 101 パラメタリスト(h2_pb構造体)の初期化漏れなどです。
H2BADSID 102 指定したセション識別IDが不正です。
H2NOFID 103 SLUSの通信エンドポイントが不足しました。 定義情報を見直してください。
H2BADSTATE 104 セション状態の不正などが発生しました。 上位プログラムを見直してください。
H2BUSY 105 ビジー制御のため,送信要求の受け付けができません。 対処不要です。
H2PBUSY 106 ペーシングビジーのため,送信要求の受け付けができません。

表C-25 HNA2次局(SLUS使用時)の理由コード

コード 意味 対処
044011** ACTPU受信 障害要因を分析し,セション再設定をしてください。
044012** ACTLU受信
044013** DACTLU受信
044014** DACTPU受信
04402*** 接続要求でタイムアウト発生
044031** セグメントエラー発生(SSCP-LUデータ受信)
044032** セグメントエラー発生(LU-LUデータ受信)
044033** セグメントエラー発生(SCコマンド受信)
044041** HNA2内部リソース確保失敗
04c04200 HNA2内部リソース状態不正 ほかの通信管理プログラムとの組み合わせ,および定義情報を見直してください。
044051** DL/NLコネクション切断発生 障害要因を分析し,セション再設定をしてください。
04406100 再初期化発生,または該当するスロットに対する下位層がオフライン状態
04e07100 xnfstopの入力 対処不要です。

注1
**,***は,HNA2内部状態を示します。

注2
そのほかの,下位層で検知する理由コード(0x01yyyyyy,0x02yyyyyy,0x03yyyyyyなど)については,使用する各種レイヤでの理由コードを参照してください。
 

表C-26 HNA2次局(NCAM使用時)のエラーコード

名称 内容
EINTR 4 強制終了(SIGKILL,SIGTERM)を受けました。
EIO 5 openシステムコールで指定された通信用スペシャルファイルがopen済みです。
ENXIO 6 次のどれかです。
  • 通信管理が閉塞しました。
  • xnfstopが入力されました。
  • 支援していないLUを使用しようとしました。
  • 通信用アダプタが実装されていません。
  • ゼネレーションで,デフォルトアドレスの設定がないLUに対して,通信APで相手アドレスを設定しませんでした。
EFAULT 14 メモリフォルトが発生しました。
EBUSY 16 通信管理が初期化中です。
ETXTBSY 26 ハードウェア異常で通信管理再初期化中,または該当するスロットに対する下位層がオフライン状態です。

そのほかのエラーコードをOSが返すことがあります。
 

表C-27 HNA2次局(NCAM使用時)の終了コード

名称 readシステムコールでの意味 writeシステムコールでの意味 ioctlシステムコールでの意味
CC_NL 0x0000 データ受信(残りのデータなし) 正常終了 正常終了
CC_DT 0x0001 データ受信(残りのデータあり) 該当しません。 該当しません。
CC_BID 0x0002 BIDコマンド受信
CC_EOM 0x0003 論理メッセージの終結
CC_SIG 0x0004 SIGNAL受信
CC_BIND 0x0005 セションパラメタ受信
CC_STAT 0x0006
  • セション状態の変化
  • アダプタ初期化終了
  • 公衆網接続完了
  • HDLCリンク確立
  • NLリンク確立
CC_PAC 0x0007 BIU受信でのペーシングカウントの変化(SLUタイプ1のときだけ)
CC_ERLEN 0x0100 受信バッファ長<セションパラメタ長
CC_ERFC 0x0101 該当しません。 ioctlで指定したrequest,または機能コード未サポート
CC_ERCA 0x0200 アダプタエラー発生 同左 同左
CC_ERDL 0x0201 HDLCエラー発生 同左 同左
CC_ERDDX 0x0202 NLエラー発生 同左 同左
CC_ERSEG 0x0203 セグメントエラー 該当しません。 該当しません。
CC_ERHDX 0x0300 該当しません。 送信権なしエラー 同左
CC_NRSP 0x0301 HNAプロトコル上の否定応答受信 同左 同左
CC_ERHNA 0x0302 該当しません。
  • LU-LUの場合
    DTOFFによって送信できません。
  • SSCP_LUの場合
    SSCP_LUOFFによって送信できません。
同左
CC_ERSTAT 0x0303 該当しません。
  • 送信チェイン状態がチェイン中の場合
    First Dataを指定しました。
  • 送信チェイン状態が初期状態の場合
    First Data以外を指定しました。
  • SSCP_LUフロー時,送信データ長に256を超える値を指定しました。

  • request=R_COMP
    <正常終了>
    1BIUをすべてreadしていません。
    <異常終了>
    BIUをreadしていません。
  • request=R_STAT
    <SIGNALコマンド送信時>
    即時制御に違反しています。
    <回線の接続/切断時>
    専用回線です。
  • request=R_GETPRM
    LU_LUセションがありません。
CC_0801 0x0801 -RSP(0x0801)送信 該当しません。 該当しません。
CC_0805 0x0805 -RSP(0x0805)送信
CC_0813 0x0813 -RSP(0x0813)送信
CC_0815 0x0815 -RSP(0x0815)送信
CC_081B 0x081B -RSP(0x081B)送信
CC_0821 0x0821 -RSP(0x0821)送信
CC_1003 0x1003 -RSP(0x1003)送信
CC_2001 0x2001 -RSP(0x2001)送信
CC_2002 0x2002 -RSP(0x2002)送信
CC_2003 0x2003 -RSP(0x2003)送信
CC_2005 0x2005 -RSP(0x2005)送信
CC_400F 0x400F -RSP(0x400F)送信
CC_8004 0x8004 -RSP(0x8004)送信
CC_8005 0x8005 -RSP(0x8005)送信
CC_8008 0x8008 -RSP(0x8008)送信
CC_8009 0x8009 -RSP(0x8009)送信
CC_800F 0x800F -RSP(0x800F)送信

(2) HNAセンスコード

HNA通信機能で相手システムに送信するHNAセンスコードを表C-28表C-29に示します。

ネットワーク層,回線アダプタ制御の詳細エラーコードについては,表C-7表C-14を参照してください。

表C-28 HNAセンスコード

センスコード 名称 返送要因 HNA1 HNA2
0x0801 リソースなし ペーシング不正のリクエストを受信しました。 ※1
0x0805 セション制限超過 使用できるセション数を超えました。 ※2
0x0807 リソース使用不可 PLU名称が解析できませんでした。
0x0809 モード不一致 RQR応答送信前に再度RQRを受信しました。
0x080A 実行不能(通知なし) 上位未オープン状態でBINDを受信しました(自動ログオン未使用のとき)。
0x080C 要求実行機能なし SSCPメッセージの解釈ができません。
0x0813 ブラケット開始拒否(RTRなし) ブラケット開始要求に対して拒否されました。 ※2
0x0815 機能活性済み LUセション活性済みの状態でBINDを受信しました。
0x081A シーケンス誤り SSCP/LUセションでのデータとLUセションのステータスが不正です。
0x081B 競合状態 データ送信処理中でのデータを受信しました。 ※2
0x0821 セションパラメタ不正 セションパラメタの内容が不正です。
0x0827 再試行要求 INIT-SELF,またはログオン受信時に,該当するLUでの処理ができませんでした。
0x0831 LU対応機能使用不可 電源断などで,該当するLUに対する処理実行ができなくりました。 ※2
0x0835 パラメタ不正 STSNコマンド,または応答のRUが不正です。 ※3
0x0845 実行不能(通知あり) 上位未オープン状態でBINDを受信しました(自動ログオン使用のとき)。
0x1002 RU長異常 RU長が不正なデータを受信しました。 ※2
0x1003 未サポート機能 サポートしていない機能を示すデータを受信しました。 ※4
0x1005 パラメタ異常 RQコードが不正です。また,RU長が規定の長さ未満です。
0x1007 カテゴリ不可 使用できないカテゴリのデータを受信しました。 ※1
0x2001 シーケンス異常 リクエストのシーケンス番号の誤りです。
0x2002 チェイン違反 チェイン状態の違反です。 ※2
0x2003 ブラケット違反 ブラケット状態の違反です。 ※2
0x2005 DT OFF DTステータスがOFF状態です。
0x2007 DT ON DTステータスがON状態です。 ※1
0x4001 RH異常 RHの形式の誤りです。
0x4007 RQD不可 RQDができないセションで,RQDのリクエストを受信しました。 ※2
0x4008 ペーシング不可 ペーシング未使用のセションで,ペーシング要求付きのリクエストを受信しました。
0x400F FI誤り FI=YのFMデータを受信しました。 ※2
0x8004 DAF不正 DAFの値を認識できません。
0x8005 セションなし セション未確立状態でデータ受信をしました。 ※1
0x8007 セグメント異常 セグメント違反のデータ受信をしました。
0x8008 PU非活性 PU活性以前のデータ受信をしました。
0x8009 LU非活性 LU活性以前のデータ受信をしました。
0x800E OAF認識不能 OAFの値を認識できません。
0x800F アドレス組み合わせ異常 PUあてにSSCP以外からのデータ受信をしました。 ※2

(凡例)
○:送信します。
−:該当しません。

注※1
HNA2次局通信機能で,汎用サーバ機能を使用したときに送信します。

注※2
HNA2次局通信機能で,560/20通信を使用したときに送信します。

注※3
HNA1次局通信機能で応答は返しませんが,障害情報(ソフトウェアロギング)を採取します。

注※4
HNA2次局通信機能で,560/20通信を使用し,外字が発生したときに0x10030010を送信します。
 

表C-29 HNA2のセンスコードの意味,要因,および対処

センスコード 意味,要因,および対処
0x0801 リソースなし(ペーシング不正のリクエストを受信)

要因:
相手局から,ペーシングカウント値を無視したデータを受信しました。

対処:
相手局の通信管理の見直しをしてください。
0x080A 実行不能(通知なし)(上位未オープン状態でのBIND受信(自動ログオン機能未使用のとき))

要因:
自動ログオン機能を使用しないLUに対して,相手局からBINDを受信しましたが,HNA2の上位APを起動していないため,HNA2が否定応答をしました。

対処:
(1)上位APを起動後,相手局からBINDを送るようにしてください。
(2)上位APを起動しても,同一のセンスでエラーとなる場合は,定義不正が考えられるため,相手局側のSLU定義と自局の定義(max_xx_LU)を見直してください。
0x0813 ブラケット開始拒否(RTRなし)(ブラケット開始要求に対して拒否)

要因:
ブラケット開始要求に対して,HNA2が拒否しました(相手局とのプロトコル不正が発生しています)。HNA2が回復してもRTRは送信しません。

対処:
相手局との送受信シーケンスを見直してください。
0x0815 機能活性済み(LUセション活性済みでのBIND受信)

要因:
LU-LUセション活性化済みで,BINDコマンドを受信しました。

対処:
相手局の通信管理を調査してください。
0x081B 競合状態(データ送信処理中でのデータ受信)

要因:
端末からのデータ送信要求と,相手局からのデータ送信がすれ違いになりました。

対処:
業務開始シーケンスを見直してください。
0x0821 セションパラメタ不正(セションパラメタの内容が不正)

要因:
相手局が発行したBINDパラメタが,HNA2で受信できる形式ではないため,否定応答しました。

対処:
付録C.7(3) HNA2がサポートするBINDパラメタ形式」を参照し,相手局で発行するBINDパラメタを修正してください。
0x0831 LU対応機能使用不可(電源断などでLUに対する処理実行ができない)

要因:
上位APを終了したため,その後受信したデータに対してHNA2ドライバが否定応答しました。

対処:
上位APの問題のため,上位AP側を調査してください。
0x0845 実行不能(通知あり)(上位未オープン状態でのBIND受信(自動ログオン機能使用のとき))

要因:
自動ログオン機能を使用するLUに対して,相手局からBINDを受信しましたが,HNA2の上位APを起動していないため,HNA2が否定応答をしました。BINDを受信できるようになった時点(APが起動した時点)で,相手局にNOTIFYを通知します(通常運用で発生)。

対処:
(1)上位APを起動後,相手局からBINDを送るようにしてください。HNA2は,ACTLUやNOTIFYでSLUの実行可否を通知するため,相手局がその通知を受けたタイミングでBINDを発行するようにしてください。
(2)上位APを起動しても,同一のセンスでエラーとなる場合は,定義不正が考えられるため,相手局側のSLU定義と自局の定義(max_xx_LU)を見直してください。
0x1002 RU長異常(RU長が不正なデータ受信)

要因:
相手局からRU長が不正なデータを受信しました(相手局要因)。

対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x1003 未サポート機能(サポートしていない機能を示すデータ受信)

要因:
相手局から未サポートコマンドを受信しました。

対処:
相手局からこのコマンドを送信しないように対策してください。
0x1007 カテゴリ不可(FI=NのSCコマンドを受信)

要因:
FI=NのSCコマンドを受信しました。

対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2001 シーケンス異常(リクエストのシーケンス番号の誤り)

要因:
シーケンス番号が誤っているデータを受信しました(相手局要因)。

対処:
(1)相手局の通信管理の見直しをしてください。
(2)通信装置との定義不正などで,回線上でデータ抜けなどが発生していないことを確認してください。
0x2002 チェイン違反(チェイン状態の違反)

要因:
チェイン状態の違反です(相手局要因)。

対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2003 ブラケット違反(ブラケット状態の違反)

要因:
ブラケット状態の違反です(相手局要因)。

対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2005 DT OFF(DTステータスがOFF)

要因:
DTオフ状態でSC(セションコマンド)以外のLU-LUデータを受信しました(相手局要因)。

対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2007 DT ON(DTステータスがON)

要因:
DTオン状態でSTSNを受信しました(相手局要因)。

対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x4007 RQD不可(RQDができないセションでRQDのリクエストを受信)

要因:
RQDができないセションで,RQDのリクエストを受信しました(相手局要因)。

対処:
相手局の見直しをしてください。
0x400F FI誤り(FI=YのFMデータを受信)

要因:
FI=YのFMデータを受信しました(相手局要因)。

対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x8004 DAF不正(DAFの値を認識できません)

要因:
HNA2で定義していないLUに対してデータ(コマンド)を受け付けたため,HNA2が否定応答しました(定義不正)。

対処:
(1)相手局のSLU定義とHNA2の定義(max_xx_LU)を合わせてください。
(2)SLUSでの接続の場合は,定義(HNA2_destination,HNA2_PU)が相手局のアドレスと合っていることも確認してください。
0x8005 セションなし(セション未確立状態でのデータ受信)

要因:
必要なセション(SSCP-PUセション,SSCP-LUセションなど)を活性化する前に,相手局がそのセション上でデータ(コマンド)を送信しました(相手局不正)。

対処:
相手局側の問題であるため,相手局の通信管理またはアプリケーション側でプロトコル違反をしていないか調査してください。
0x8007 セグメント異常(セグメント違反のデータ受信)

要因:
相手局が,セグメント分割送信したデータをHNA2で組み立て中に,HNA2がセグメント組み立て異常を検出しました(相手局要因)。

対処:
(1)相手局の通信管理で,セグメント分割手順に誤りがないかを調査してください。
(2)通信装置との定義不正などで,回線上でデータ抜けなどが発生していないかを確認してください。
0x8008 PU非活性(PU活性以前のデータ受信)

要因:
SSCP-PUセション未確立(ACTPU)時に,ACTPU以外のデータを受信しました。

対処:
相手局の通信管理に誤りがないかを調査してください。
0x8009 LU非活性(LU活性以前のデータ受信)

要因:
SSCP-LUセション未確立(ACTLU未受信)時に,ACTLU以外のSLUに対するデータを受け付けました。

対処:
相手局の通信管理に誤りがないかを調査してください。
0x800F アドレス組み合わせ異常(PUあてにSSCP以外からのデータ受信)

要因:
TH内のDAFがX'00'で,OAFがX'00'以外のデータを受信しました(相手局要因)。

対処:
相手局からこのデータを送信しないように対策してください。

(3) HNA2がサポートするBINDパラメタ形式

HNA2を使用する場合のBINDパラメタ形式およびBINDパラメタ不正コードについて説明します。

(a) 560_LUの場合

560_LUの場合のBINDパラメタ形式を表C-30に示します。

なお,次の形式でなければなりません。

注※
[a-b]は,文字aから文字bまでの任意の1文字があてはまることを意味します。
 

表C-30 560_20LUの場合のBINDパラメタ形式

バイト位置 正解値 マスク チェック内容
0 0x31 0xff 全ビットチェック
1 0x01 0xff 全ビットチェック
2 0x03 0xff 全ビットチェック
3 0x03 0xff 全ビットチェック
4 0x00 0x42 1ビット目と6ビット目をチェック
5 0x00 0x42 1ビット目と6ビット目をチェック
6 0x30 0x30 2ビット目と3ビット目をチェック
7 0x80 0xb1 0,2,3ビット目と7ビット目をチェック
14 0x0[1-3] 0xff 全ビットチェック
(b) SLUS_LUの場合

SLUS_LUの場合のBINDパラメタ形式を表C-31に示します。

なお,次の形式でなければなりません。

[a-b]は,文字aから文字bまでの任意の1文字があてはまることを意味します。
 

表C-31 SLUS_LUの場合のBINDパラメタ形式

バイト位置 正解値 マスク チェック内容
0 0x31 0xff 全ビットチェック
1 0x01 0xff 全ビットチェック
3 0x0[3-4] 0xff 全ビットチェック
(c) BINDパラメタ不正エラーコード

BINDパラメタ不正エラーコードを表C-32に示します。

表C-32 BINDパラメタ不正エラーコード

コード 意味
1 BINDパラメタ長が規定より小さいです(LUタイプ1/2/3)。
2 次のどれかです。
  • フォーマットがB'0000'ではありません(LUタイプ1/2/3)。
  • 起動タイプが非交渉形ではありません(LUタイプ1/2/3)。
  • FMプロファイルが3ではありません(LUタイプ1/2/3)。
  • TSプロファイルが3ではありません(LUタイプ1/2/3)。
3 PLUプロトコル不正です。
5 SLUプロトコル不正です。
6 共通プロトコル不正です。
14 PLUプロトコルのOIC以外も送信しました。
15 PLUプロトコルの即時要求モードを使用しません。
16 PLUプロトコルのチェイン応答タイプが,例外応答要求だけ送信ではありません。
17 PLUプロトコルの圧縮をします。
18 SLUプロトコルのOIC以外も送信しました。
19 SLUプロトコルの即時要求モードを使用しません。
20 SLUプロトコルのチェイン応答タイプが,例外応答要求だけ送信ではありません。
21 共通プロトコルのFMHを使用します。
22 共通プロトコルのブラケットを使用します。
23 共通プロトコルの交代コードがB'0'ではありません。
24 共通プロトコルの通常フロー通信モードが全二重ではありません。
25 PSプロファイルが0ではありません。

(4) AP判定情報(コネクション回復情報)

HNA2次局機能の汎用サーバ機能(SLUS)を使用した場合のAP判定情報(コネクション回復情報)を表C-33に示します。

表C-33 HNA2次局機能の汎用サーバ機能(SLUS)を使用した場合のAP判定情報(コネクション回復情報)

マクロ名 要因 意味 リトライ可否
H2_EROLDF 0x00 通常のパラメタエラー,プロトコルエラー APの独自基準で判定
H2_ERBUSY 0x20 通信網の通信リソースが短期的にビジー状態 一定の時間間隔で複数回の再試行が望ましい
H2_ERPDST 0x40 プロトコルによって相手局要因で異常終了
H2_ERNRTY 0x60 再試行が望ましいそのほかの要因
H2_ERHARD 0x80 ハードウェア障害によってアダプタが使用できないなどの恒久的要因(閉塞) 再試行は無意味 ×
H2_ERDEST 0xa0 通信網の通信リソースが長期的にビジー状態 再試行にはオペレータの判断が必要
H2_ERPSRC 0xc0 自局のプロトコル上の要因で接続不可(自局要因)
H2_ERHALT 0xe0 オペレータの判断が必要なそのほかの長期的要因
H2_EREROR 0xff 障害情報未発生 APの独自基準で判定

(凡例)
○:リトライできます。
×:リトライできません。