4.2.11 xnfpwonパケット交換網に接続された相手システムの電源を投入する

<この項の構成>
(1) 形式
(2) 機能
(3) 実行者
(4) オプション
(5) 注意事項
(6) 使用例

(1) 形式

/etc/xnfpwon 〔-r リトライ回数〕 〔-i リトライ間隔〕 〔-n〕
              相手DTEアドレス 仮想スロット番号

(2) 機能

パケット交換網に接続された,相手システムの電源を投入します。このコマンドを入力すると,相手システムには電源投入指示を意味する応答制限付きCRパケットを,パケット交換網に送信します。相手システムはパケット交換網から,電源投入指示を意味するCNパケットを受信すると,システムの電源を投入し,電源投入完了時CQパケットで応答します。

コマンドの実行結果は,リターン値およびメッセージで報告します。

このコマンドで電源投入する相手システムは,遠隔電源制御装置や遠隔電源投入機構などの設備でなければなりません。

このコマンドを使用できる条件を次に示します。

接続形態:
公衆パケット交換サービス,私設パケット交換サービス,またはINS-64 (パケット交換)サービス
NLプロトコル:
80年版 X.25 VC接続
84年版 X.25 VC接続
コマンド起動数:
最大同時起動数32個(コマンド1個で1台の電源投入ができます)

このコマンドを使用する場合の網加入条件を次に示します。

ファーストセレクト:
このコマンドを使用する際には,網加入契約時に「ファーストセレクト受諾ファシリティ契約」が必要です。

(3) 実行者

スーパユーザ

(4) オプション

(a) 相手DTEアドレス

電源投入したい相手システムのDTEアドレスを,2~15けたの半角数字で指定します。

(b) 仮想スロット番号

電源投入指示をする自局の仮想スロット番号を,1~900(10進数半角数字)で指定します。

(c) -r リトライ回数

電源投入指示発行(CRパケット)のリトライ回数を,0~1000(半角数字)で指定します。

このオプションを省略した場合,リトライ回数は5回が仮定されます。このオプションを指定する場合,相手DTEアドレス,仮想スロット番号よりも前に指定してください。

(d) -i リトライ間隔

電源投入指示発行のリトライ間隔(単位:秒)を,1~3600(半角数字)で指定します。

このオプションを省略した場合,リトライ間隔は40秒が仮定されます。

-rオプションで0を指定した場合は,このオプションを指定しても無視します。このオプションを指定する場合,相手DTEアドレス,仮想スロット番号よりも前に指定してください。

(e) -n

コマンドの実行結果をメッセージで表示するか,または簡略形で表示するかを指定します。このオプションを指定すると,簡略形で表示します。

このオプションを指定する場合,相手DTEアドレス,仮想スロット番号よりも前に指定してください。

-nオプションを省略した場合に表示されるメッセージと,-nオプションを指定した場合に表示される簡略形を次に示します。

-nオプションを省略した場合(メッセージの表示):
-nオプションを省略した場合に表示されるメッセージを表4-5に示します。

表4-5 -nオプションを省略した場合の表示メッセージの一覧

メッセージ意味リターン値※2
Normal end.電源投入成功/電源投入済み0
Abnormal end.※3電源投入異常終了1
Busy.※3ビジー発生2
Invalid argument.引数不正3
Service not available.XNF/ASが開始していない4
Not superuser.※1スーパユーザ権限以外で起動5
注※1
-nオプションを指定した場合でも,スーパユーザ権限以外で起動するとこのメッセージが出力されます。
注※2
シェルプログラムなどからこのコマンドを起動した場合,シェルプログラムなどに通知するリターン値を示します。
注※3
一時的にエラーとなります。
-nオプションを指定した場合(簡略形の表示):
-nオプションを指定した場合の出力形式を次に示します。
[図データ]
-nオプションを指定した場合の出力形式の詳細を表4-6に示します。

表4-6 -nオプションを指定した場合の出力形式の一覧

コマンドの実行結果出力形式リターン値備考
電源投入成功,または電源投入済み1234567:2:0::0DTEアドレス=1234567,仮想スロット番号=2です。
電源投入異常終了1234567:2:1:xx:yy1DTEアドレス=1234567,仮想スロット番号=2でCIパケットのcause,diagをxx,yyにセットして出力し,データリンク異常時は,cause=80,diag=60をxx,yyにセットします(xx,yyは16進数)。
ビジー発生1234567:2:2::2DTEアドレス=1234567,仮想スロット番号=2です。
引数不正::3::3リターン値だけセットします。
XNF/ASが開始していない::4::4
注※
シェルプログラムなどからこのコマンドを起動した場合,シェルプログラムなどに通知するリターン値を示します。

(5) 注意事項

  1. 電源投入指示のCRパケットを送信するためには,論理チャネルを一つ使用します。このコマンドを入力したときに空論理チャネルがないと,ビジー発生(リターン値2)となります。
  2. 相手システムの遠隔電源制御装置は,電源投入を実行して電源投入完了を検知しても,電源投入完了の応答(CQパケットcause=00,diag=89)を返すまでは,データ通信ができません。したがって,電源投入異常終了(リターン値1(cause=00,diag=00))の場合は,電源投入完了の応答を受け取るまでコマンドを再入力してください。
  3. このコマンドでは,SIGNAL受信時の処理は変更していません(このコマンド起動時の親プロセスの設定を引き継ぎます)。
  4. このコマンドを入力してから完了するまでは,(リトライ回数)×(リトライ間隔)の時間が掛かることがあるため,このコマンドはバックグラウンドで実行してください。
  5. 電源投入異常終了(リターン値1)の場合,syslogファイルにもエラーメッセージを出力します。
  6. このコマンドは,NL文またはX25_group_define文のpassオペランドでNLIを指定した仮想スロット番号に対しては実行できません。この場合,「Invalid argument.」エラーとなります。

(6) 使用例

(例1)
-nオプションを省略して,相手システムの電源を投入します。

/etc/xnfpwon 1234567 2

Normal end.

(例2)
-nオプションを指定して,相手システムの電源を投入します。

/etc/xnfpwon -n 1234567 2

1234567:2:0::