3.1.2 Scheduler Serverの環境設定
サーバの環境を設定するには,Scheduler Server設定コマンドを使用します。実行ユーザ(デフォルトはroot)でログインし,以下のコマンドを入力してください。メッセージについては,「付録O 「aconsole」と「roomconsole」のエラーメッセージ」を参照してください。
- コマンドの書式
aconsole [-s | -t | -u | -d | -i | -g] [-n]
- 引数
- 第1引数
-s:サーバを停止します。
-t:管理ツールサーバを停止します。
-u:管理データを取得します。
-d:不要スケジュールデータを削除します。
-i:Address Serverの変更通知情報を取得します。
-g:ユーザ情報を再作成します。
- 第2引数
-n:-sか-tを指定したときだけ有効で,問い合わせなしにコマンドを実行します。
- 引数を指定しない場合,対話形式で設定します。
- リターンコード
- 0:正常終了
- 0以外:エラー
- 注意事項
- 「-i」又は「-g」オプション指定時に問い合わせなしで実行したい場合は,「aconsole」コマンドではなく,「indxget」「GetAdAll」コマンドを使用してください。「-u」オプション指定時に問い合わせなしで実行したい場合は,以下の手順で実行してください。
- viなどで「Y」(半角大文字のYです。かぎ括弧は入力しません。Yの後は改行してください)と記述したファイルを作成します。ここは例としてファイル名を/tmp/y.txtとします。
- aconsole -u < /tmp/y.txtとして実行します。
- オプションなしで,aconsoleを実行すると,次のメニュー画面が表示されます。
<<Groupmax Scheduler Serverの設定>> 1.コンフィギュレーション 2.サーバの起動 3.サーバの停止 4.管理ツールサーバの起動 5.管理ツールサーバの停止 6.その他の手動実行 e.終了 => |
- <この項の構成>
- (1) コンフィギュレーションの設定
- (2) サーバの起動
- (3) サーバの停止
- (4) 管理ツールサーバの起動
- (5) 管理ツールサーバの停止
- (6) 手動実行
(1) コンフィギュレーションの設定
コンフィギュレーションの設定をするには,メニュー画面で1を入力してください。図3-1に示すコンフィギュレーション画面(aconsole)が表示されます。親サーバは全項目を設定してください。子サーバの場合は項番5で「共有する」と設定した場合(子サーバが親サーバの環境を共有する場合),項番6~10,12~16の設定は不要となります。
コンフィギュレーションを終了しメニューに戻る場合は,[e]と入力してください。
- 注意事項
- Version2.0,Version 3,Version 5,又はVersion 6からバージョンアップした場合は,「付録D(2) コンフィギュレーションの設定に関する注意事項」を参照してください。
図3-1 コンフィギュレーション画面(aconsole)
![[図データ]](figure/zu030100.gif)
- 注1
- 図3-1の設定項目に関して,シングルサーバ構成時では,項番1と2は設定必須項目です。マルチサーバ構成時では,親サーバは項番1と2,子サーバは項番1~5が設定必須項目です。必ず設定してください。また,設定内容を変更した場合は,管理ツールサーバである/usr/bin/AppoManを再起動してください(Facilities Managerが同一サーバにインストールされている場合は,/usr/bin/RoomManも再起動してください)。
- 注2
- 1MB(メガバイト)=1,048,576バイトの計算値です。
- スケジュール格納ディレクトリの設定
スケジュール格納先のディレクトリをフルパスで指定してください。指定したディレクトリの下に各ユーザのスケジュールディレクトリが作成されます。
デフォルトは/usr/ikiです。
スケジュール格納ディレクトリをデフォルト値から変更した場合,/usr/iki下の全ファイルを変更したディレクトリ下に移動してください。詳細は,「付録G スケジュール格納ディレクトリを変更した場合」を参照してください。ディレクトリ名はフルパスで200バイト以下で指定してください。
- 親サーバ/子サーバの設定
マルチサーバで使用するときの設定をします。管理データを管理するために,一つのサーバを管理データのマスタを持つサーバにします。これを親サーバと呼びます。それ以外のサーバを子サーバと呼びます。シングルサーバで使用する場合は,親サーバに設定してください。「親サーバ」に設定した場合,項番3~5が無効になります。また,「子サーバ」に設定した場合,項番13~16の設定は無効になります。
- 親サーバホスト名/IPアドレスの設定
項番2で「子サーバ」と設定した場合,親サーバのホスト名又はIPアドレスを記述してください。
項番2で「親サーバ」と設定した場合,「親サーバホスト名/IPアドレス」を設定する必要はありません。
- 管理データ取得時刻の設定
項番2で「子サーバ」と設定した場合,子サーバが親サーバから管理データを取得する時刻を設定します。この項目は「親サーバ」の場合,設定する必要はありません(設定しても無視されます)。
設定時刻は,毎年・毎月・毎日のどれかの設定ができます。設定した時刻に管理データの取得が自動的に実行されます。この設定は,なるべくユーザのアクセスが少ない時間に設定してください。管理データ取得中は,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)に失敗することがあります。
以下の注意事項があります。
- 子サーバが5台以上のシステム構成の場合は,各子サーバの設定時刻をずらしてください。
- 管理データの取得は,親サーバの管理データを変更した後に実行する必要があり,親サーバの管理データを変更していない場合は,実行する必要はありません。したがって,親サーバの管理データを取得する頻度に応じて,取得間隔を設定してください。ただし,親サーバの管理データを変更してから,子サーバがこれを取得するまでの間は,管理データに不整合が生じているため,変更されたユーザがログインできない,などの制約が生じます。
- 親サーバ環境の共有の設定
項番2で「子サーバ」と設定した場合,項番6~10,12の設定を親サーバの設定と共有できます。「共有する」の場合,子サーバでは項番6~10,12の設定は不要です。「共有しない」を設定すると,各サーバでの設定値が適用されます。この項目はシングルサーバの場合,設定する必要はありません(設定しても無視されます)。「共有する」の場合,親サーバで項番6~10,12を必ず設定してください。
- ログファイルの最大容量の設定
ログデータの最大容量をメガバイト単位で設定できます。ここで指定する値は,すべてのログファイルの総容量です。なお,ログの出力ディレクトリ(<スケジュール格納ディレクトリ>/log/)にあるTraceSV[n].log とTraceRMSV[n].log(n:1~16の整数値)のサイズは,この総容量に含まれません。ログファイルの総容量が設定した値よりも大きくなると,日付の古いログから削除されます。ログファイルのサイズが設定サイズよりも若干オーバーする場合があります。
コンフィギュレーションで指定できるログの容量は1MB~2,147MBです。インストール時のデフォルト値は11MBです。ログの出力ディレクトリ(<スケジュール格納ディレクトリ>/log/)は削除しないでください。削除すると,Scheduler Server及びFacilities Managerは動作しなくなります。誤って削除した場合は,同名のディレクトリを作成してください。
- 不要スケジュール削除の自動実行設定
使用できるスケジュールデータはデフォルトでは前年の1月1日以降の分です。それより前のスケジュールデータのことを以下,不要スケジュールと呼びます。また,ユーザ又は施設を削除した場合,そのユーザ又は施設のスケジュールも不要スケジュールとなります。なお,このデフォルトの値は下記項番8で変更できます。
ここでは,この不要スケジュールを自動的に削除するかどうかを設定します。この機能を「使用しない」にした場合は,管理ツールの「不要スケジュール削除期間の個別設定」機能が使用できません。
- 不要スケジュール削除期間の設定
項番7で不要スケジュール削除の自動実行を「使用する」と設定した場合,スケジュールの削除期間を変更できます。削除期間は,年月指定(YYYY年MM月より前)と月指定(現在からMMか月より前)のどちらかを設定できます。年月指定の場合,現在より後の年月は指定できません。例えば,現在から12か月より前のスケジュールデータが不要である場合,「現在から12ヶ月より前を削除」と設定してください。また,1998年1月より前のスケジュールデータが不要である場合,「1998年1月より前を削除」と設定してください。それ以前のスケジュールデータは自動削除されます。
また,不要スケジュール削除期間の個別設定ができます。詳細は,「4.15 不要スケジュール削除期間の個別設定」を参照してください。なお,不要スケジュール削除期間の個別設定をしている場合,不要スケジュール削除期間の個別設定が優先されます。
- 不要スケジュール削除時刻の設定
項番7で不要スケジュール削除の自動実行を「使用する」と設定した場合,その時刻を設定してください。Schedulerを運用中に実行するのであれば,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)が少ない時間帯に設定してください。運用中に実行する場合,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)に失敗することがあります。
設定時刻は,毎年・毎月のどちらかの設定ができます。設定した時刻に不要スケジュールの削除が自動的に実行されます。
- Addressでの認証の設定
Address Serverを使用してユーザ情報の一元管理をしている場合に,ユーザ認証をAddress Serverでするかどうかを設定します。「使用する」に設定した場合,Groupmax内のアプリケーションでユーザID,パスワードなどを共有できます。Address Serverとの連動については,「4.1 Address Serverとの連動について」を参照してください。この設定を変更した場合,Address Serverを再起動する必要があります。
- Addressホスト名/IPアドレスの設定
項番10で「使用する」に設定した場合,Address Serverのサーバホスト名又はIPアドレスを記述してください。
- ユーザ認証用ポート番号の設定
項番10で「使用する」に設定した場合,Address Serverで設定するユーザ認証用のポート番号を記述してください。なお,デフォルト値は9052です。
- 変更通知情報取得の自動実行の設定
Address Server上でユーザ情報が追加/削除/変更された場合は変更通知情報が出力されます。その変更通知情報取得を自動的に実行するかどうかを設定します。なお,自動実行をして,ユーザのホームサーバを変更した場合は,スケジュールデータの移動及び変換を同時にする必要があります(「付録E サーバホスト名が変更された場合」及び「付録F スケジュールデータの移動」を参照してください)。
- 変更通知情報取得時刻の設定
項番13で変更通知情報取得の自動実行を「使用する」と設定した場合,その時刻を設定してください。
設定した時刻は,毎年・毎月・毎日のどれかを選択できます。設定した時刻に変更通知情報取得が自動的に実行されます。
以下の注意事項があります。
- 取得前後で継続してクライアントを使用していた場合,クライアントを再起動しないと設定内容は反映されません。
- マルチサーバの場合はこれを実行後すぐに子サーバから管理データを取得する必要があります。
- Schedulerを運用中に実行するのであれば,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)が少ない時間帯に設定してください。
- 運用中に実行する場合,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)に失敗することがあります。
- 変更通知情報の取得は,Address Server上でユーザ情報を変更した後に実行する必要があり,Address Server上でユーザ情報を変更していない場合は,実行する必要はありません。したがって,Address Server上でのユーザ情報が変更される頻度に応じて,実行間隔を設定してください。ただし,Address Server上のユーザ情報が変更されてから,変更通知情報の取得を実行するまでの間は,Address ServerとScheduler Serverとの間に不整合が生じているため,変更されたユーザがログインできないなどの制約が生じます。
- Address情報取得オプションの設定
項番13で変更通知情報取得の自動実行を「使用する」と設定した場合,又は「コンフィギュレーション」の[手動実行]から[変更通知情報取得],若しくは[ユーザ情報再作成]を実行する場合,この実行オプションを設定してください。
詳細は,「4.1.5 ユーザソートについて」を参照してください。以下の注意事項があります。
項番 | Address Serverからの取得方法 | 注意事項 |
---|
1 | 変更通知情報取得 | ユーザソートを[使用しない]に設定した場合は,「組織ID順ソート」の設定にかかわらず,組織についてもソートされません。 |
2 | ユーザ情報再作成 | 「組織ID順ソート」の設定にかかわらず,組織ID順でソートされます。ユーザソートを[使用しない]に設定した場合は,ユーザの並び順はユーザID順となります。 |
「Address情報取得オプション」画面を図3-2に示します。
図3-2 「Address情報取得オプション」画面
![[図データ]](figure/zu030200.gif)
- 「15. Address情報取得オプション」のGMAXSYSユーザ反映を「反映しない」に設定してユーザ情報再作成した場合,又は「GetAdAll」コマンドで引数/gなしで実行した場合,変更通知情報取得を,「15. Address情報取得オプション」のGMAXSYSユーザ反映を「反映する」に設定して実行しないでください。また,「indxget」コマンド実行時に,引数/gを付けて実行しないでください。各コマンドについてはそれぞれ「7.1 「GetAdAll」について」,「7.2 「indxget」について」を参照してください。
- Assist連携の設定
Groupmax Address - AssistのGroupmax連携機能の使用,未使用を設定してください。この項目を「使用する」に設定した場合,自動的に「13. 変更通知情報取得の自動実行」が「使用しない」に変更されます。ただし,「16. Assist連携」を「使用する」から「使用しない」に切り替えても,「13. 変更通知情報取得の自動実行」は「使用する」には戻りません。この設定を変更した場合,同一マシン上のAddress Serverを再起動してください(詳細は,「5.1 Groupmax Address - AssistのGroupmax連携機能」を参照してください)。
(2) サーバの起動
(3) サーバの停止
(4) 管理ツールサーバの起動
(5) 管理ツールサーバの停止
(6) 手動実行
メニュー画面で6を入力してください。図3-3に示す「手動実行」画面が表示されます。
図3-3 「手動実行」画面
![[図データ]](figure/zu030300.gif)
- 管理データ取得
管理データの取得は,親サーバの管理データを子サーバから取得する機能です(親サーバの場合,実行できません)。通常は,「(1) コンフィギュレーションの設定」の「4. 管理データの取得時刻の設定」で設定した時刻に行われますが,今すぐ管理データの取得が必要な場合にだけ行ってください。この機能を使用する場合,「(1) コンフィギュレーションの設定」の「3. 親サーバホスト名/IPアドレスの設定」が終了していることが必要です。管理データを取得するには,1を入力してください。管理データを親サーバから取得します。
Schedulerを運用中に実行するのであれば,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)が少ない時間帯に実行してください。運用中に実行する場合,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)に失敗することがあります。
- Scheduler Serverだけで運用している場合
「aconsole」コマンドを実行し,「手動実行」画面から「1. 管理データ取得」を実行してください。
- Facilities Managerだけで実行している場合
「roomconsole」コマンドを実行し,「手動実行」画面から「1. 管理データ取得」を実行してください。
- Scheduler ServerとFacilities Managerの両方で運用している場合
「roomconsole」コマンドを実行し,「手動実行」画面から「1. 管理データ取得」を実行してください。「aconsole」から,この処理を実行する必要はありません。
- 不要スケジュール削除
不要スケジュールの削除は,通常は,「(1) コンフィギュレーションの設定」の「9. 不要スケジュール削除時刻の設定」で設定した時刻に実行されますが,今すぐ不要スケジュールの削除が必要な場合だけ実行してください。不要スケジュールの削除をするには,2を入力してください。不要スケジュールを削除します。Schedulerを運用中に実行するのであれば,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)が少ない時間帯に実行してください。運用中に実行する場合,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)に失敗することがあります。
- 変更通知情報取得
ここではAddress Serverの変更情報の取得を手動で実行します。
通常は,「(1) コンフィギュレーションの設定」の「14. 変更通知情報取得時刻の設定」で設定したタイミングで実行されますが,今すぐ変更通知情報が必要な場合にだけ実行してください。変更通知情報を取得するには,3を入力してください。親サーバでだけ実行します。
- 詳細は,「7.2 「indxget」について」を参照してください。
- 「indxget」コマンドの実行と同じ処理です。
- 実行結果は,スケジュール格納ディレクトリの下のlog/indxget.logに格納されます。エラーが発生していた場合は,「付録M 「GetAdAll」と「indxget」の実行時のエラーメッセージ」を参照してください。
- Address Serverを起動しておく必要があります。
- Address Server上でユーザのSchedulerホスト名を変更した場合は,サーバ(SV,RMSV)を停止した状態で実行してください。
なお,このときはスケジュールデータの移動及び変換が必要です(詳細は,「付録E サーバホスト名が変更された場合」及び「付録F スケジュールデータの移動」を参照してください)。
- 取得前後で継続してクライアントを使用していた場合,クライアントを再起動しないと設定内容は反映されません。
- マルチサーバの場合はこれを実行後すぐに子サーバから管理データの取得をする必要があります。
- Schedulerを運用中に実行するのであれば,クライアントからのアクセス(スケジュール参照,ログインなど)が少ない時間帯に実行してください。運用中に実行する場合,クライアントからのアクセスに失敗することがあります。
「indxget」実行結果の例を図3-4に示します。
図3-4 「indxget」実行結果の例
![[図データ]](figure/zu030400.gif)
- ユーザ情報再作成
次のような場合に使用します。なお,親サーバでだけ実行します。
ここではAddress Serverからユーザ情報を再作成します。
実行結果は,<スケジュール格納ディレクトリ>/log/indxget.logに格納されます。エラーが発生していた場合は,「付録M 「GetAdAll」と「indxget」の実行時のエラーメッセージ」を参照してエラーの要因を除去した上で再実行してください。
また,実行する際には以下の点に注意してください。
- Address Serverを起動しておく必要があります。
- Scheduler Server,Facilities Managerを停止しておく必要があります。
- Address Serverをインストールした後にScheduler Serverをインストールする必要があります(Facilities Managerのときも同様です)。Address Serverをインストールする前にScheduler Serverをインストールしている場合は,「4.1.2 注意事項」を参照してください。
- Address Server上で組織やユーザの情報を登録しておく必要があります。
「GetAdAll」実行結果の例を図3-5に示します。
図3-5 「GetAdAll」実行結果の例
![[図データ]](figure/zu030500.gif)