付録U.3 注意事項
(1) 環境設定時の注意事項
- 運用サーバにインストールするScheduler Server,Facilities Managerと,待機サーバにインストールするScheduler Server,Facilities Managerは,必ずバージョン・リビジョンを同じにしてください。
- クラスタ環境にする場合は,AppoSV.iniファイルに「WriteThroughSV=ON」を記述します。しかし,「WriteThroughSV=ON」を記述すると,記述しないときに比べて全体的に性能が劣化します。これは信頼性を上げるためにディスクへの同期書き込みを行うためです。
性能の劣化を回避するため,「WriteThroughSV=OFF」(同期書き込みを行わない設定)で運用することもできます。ただし,この場合は,フェールオーバの直前に実行されたスケジュール予約などの更新内容が反映されないことがあります。
- クラスタ環境のScheduler Server,Facilities Managerをマルチサーバ環境の親サーバとして使用する場合,各子サーバの「コンフィギュレーション」で設定する「親サーバホスト名/IPアドレス」には,サービスIPアドレスに対応したホスト名又はサービスIPアドレスを設定してください。
- 次の場合,ホームサーバ名に,サービスIPアドレスに対応したホスト名を設定してください。
- Address Serverの運転席で,クラスタ環境のScheduler Serverをホームサーバとするユーザを登録する場合
- 「Scheduler_Facilities管理ツール」で,クラスタ環境のScheduler Serverをホームサーバとするユーザ又は施設を登録する場合
上記の場合にホームサーバ名の設定をしていないと,フェールオーバ後に接続できなくなります。
- Assist連携は使用できません。
(2) 運用時の注意事項
- HP-UXをご使用の場合,Scheduler Server,Facilities Managerのサーバ(SV,RMSV)及び管理ツールサーバ(AppoMan,RoomMan)を停止するときは,MC/ServiceGuardのパッケージ停止コマンドを使用してください。aconsole又はroomconsoleを使用してサーバを停止すると,MC/ServiceGuardがサービスの異常が発生したとみなし,フェールオーバが起こります。
- AIXをご使用の場合,HACMPの監視中に,aconsole又はroomconsoleを使用してScheduler Serverのサービス(SV,AppoMan),又はFacilities Manager のサービス(RMSV,RoomMan)を停止するときは,監視を停止してからサービスを停止するか,又はクラスタを停止してください。サービスの監視中にサービスを停止すると,HACMPがアプリケーションサーバの異常が発生したとみなし,フェールオーバが起こります。
- 次の処理の実行中にフェールオーバが発生した場合は,フェールオーバ後に再実行してください。
- 手動実行での「管理データ取得」※
- 手動実行又は自動実行での「不要スケジュール削除」
- 手動実行での「ユーザ情報再作成」又はGetAdAllコマンド
- 注※
- 自動実行で「管理データの取得」を実行した場合,実行中に親サーバでフェールオーバが発生したときは,子サーバ側の/usr/bin/AppoMan.iniファイルの設定に従って,リトライ処理が実行されます。AppoMan.iniファイルのリトライ処理の設定については,「付録U.8 マルチサーバ構成時の設定」を参照してください。
- 次のコマンドを実行する際は,実行前にバックアップを取得してください。実行中にフェールオーバが発生した場合は,取得しておいたバックアップからのリストア後,再実行してください。
- HOSTCHGコマンド
- CODECHGコマンド
- BITECHGコマンド
- grpchgコマンド
- SFdatacpコマンド
- SFimportコマンド
- 手動実行で「変更通知情報取得」又はindxgetコマンドを実行する場合,実行中にフェールオーバが発生したときは,次の手順を実施してください。
1. <スケジュール格納ディレクトリ>※/log/etc_bk下のファイルを,<スケジュール格納ディレクトリ>※/etc下にコピーする。
<スケジュール格納ディレクトリ>※/log/etc_bk下には,ユーザ情報が退避されています。
注※
<スケジュール格納ディレクトリ>は,デフォルトでは/usr/iki/となります。
2. 「ユーザ情報再作成」又はGetAdAllコマンドを実行する。
- 「Scheduler_Facilities管理ツール」で「管理データの転送」を実行する場合,実行中にフェールオーバが発生したときは,退避されているユーザ情報を,<スケジュール格納ディレクトリ>※/etc下にコピーしてください。ユーザ情報は,次のディレクトリに退避されています。
- <スケジュール格納ディレクトリ>※/log/Replication
- 管理ツールが動作しているマシンのインストールディレクトリ下のetcディレクトリ(バイナリモードで転送してください。)
- 注※
- <スケジュール格納ディレクトリ>は,デフォルトでは/usr/iki/となります。
なお,「管理データの取得」時及び編集時にフェールオーバが発生した場合は,コピーする必要はありません。
(3) クライアント使用上の注意事項
- 使用できるクライアントは,次のとおりです。ただし,Scheduler Server,Facilities Manager 07-30が対応しているバージョンのクライアントである必要があります。
- Scheduler Client
- Facilities Manager Client
- WWW for Scheduler
- Scheduler - Mobile Option
- Scheduler - PDA Option
- Client Light
- Collaboration - Schedule
各クライアントの,Scheduler Server,Facilities Managerのホスト名/IPアドレスの設定には,サービスIPアドレスに対応したホスト名又はサービスIPアドレスを指定してください。各クライアントの設定方法については各クライアントのマニュアル又は取扱説明書を参照してください。
- クライアントでスケジュールの予約,回答,削除,又は変更中にフェールオーバが発生した場合は,操作結果が正しく反映されないことがあります。
- クライアントでスケジュールの移動中にフェールオーバが発生した場合は,移動元のスケジュールがそのまま残ることがあります。
- フェールオーバ中は,クライアントはサーバに接続できません。
- クライアントにログインした後にサーバでフェールオーバが発生した場合,再ログインする必要はありません。