付録D バージョンアップ時の注意事項

<この節の構成>
(1) バージョンアップの手順
(2) コンフィギュレーションの設定に関する注意事項
(3) その他の注意事項

(1) バージョンアップの手順

Version2.0,Version 3,Version 5又はVersion 6からVersion 7へバージョンアップできます。次にバージョンアップの手順を示します。

  1. 以下のサーバ及び管理ツールサーバが起動されている場合,「コンフィギュレーション」から停止します。
    1. 「コンフィギュレーション」(aconsole)起動
     ・ サーバ(SV)停止
     ・ 管理ツールサーバ(AppoMan)停止
    2. 「コンフィギュレーション」(roomconsole)起動
     ・ サーバ(RMSV)停止
     ・ 管理ツールサーバ(RoomMan)停止
  2. ディレクトリのバックアップを取得します。
    バージョンアップに失敗したときのリストアに使用するため,次のディレクトリのバックアップを取得してください。
    <スケジュール格納ディレクトリ>以下すべて
    注※
    <スケジュール格納ディレクトリ>はデフォルトでは/usr/ikiとなります。デフォルトから変更している場合は,「コンフィギュレーション」の「1. スケジュール格納ディレクトリ」を御確認ください。
  3. 「コンフィギュレーション」を起動し,各設定の控えをとります。
  4. Version 7へ更新インストールします。
  5. 実行ユーザを変更します。
    実行ユーザの変更については,「付録L 実行ユーザの変更」を参照してください。
  6. Version 7の管理ツールをインストールします。
  7. 「コンフィギュレーション」を起動し,各設定を確認します。設定が異なる場合は,手順3. で控えた設定に変更します。
  8. バージョンアップ前からAddress Serverと連動している場合には,以下のファイルが存在することを確認します。
    /var/opt/GroupMail/Groupmax/GroupApp/item.def
  9. Address Serverと連動している場合,以下の手順でユーザ情報を再作成します。
    1. Address Serverが起動していることを確認し,起動していない場合は起動します。
    2. 「コンフィギュレーション」を起動します。
    3. 「手動実行」から「ユーザ情報再作成」を選択します。
  10. 「コンフィギュレーション」から起動します。
    1. 「コンフィギュレーション」(aconsole)起動
     ・ サーバ(SV)起動
     ・ 管理ツールサーバ(AppoMan)起動
    2. 「コンフィギュレーション」(roomconsole)起動
     ・ サーバ(RMSV)起動
     ・ 管理ツールサーバ(RoomMan)起動
注意事項
マルチサーバ構成時のバージョンアップ手段については,「付録P(2) バージョンアップ手順(マルチサーバ構成)」を参照してください。

(2) コンフィギュレーションの設定に関する注意事項

子サーバのコンフィギュレーションの「5.親サーバ環境の共有」を「共有する」と設定した場合に,親サーバのコンフィギュレーションの設定内容を子サーバで共有することが可能です。親サーバと子サーバのコンフィギュレーション設定値の共有については,バージョンごとに異なる項目があります。コンフィギュレーションの設定を親サーバと子サーバで共有する場合のバージョンごとの違いを以下に示します。

項番設定項目親サーバとの環境共有
Version2.0以前Version 3
Version 5
Version 6
Version 7
1スケジュール格納ディレクトリ××
2親サーバ/子サーバ××
3親サーバホスト名/IPアドレス×※3
4管理データ取得時刻×
5親サーバ環境の共有××
6ログファイル最大容量※1
7不要スケジュール削除の自動実行×
8不要スケジュール削除期間
9不要スケジュール削除時刻
10Addressでの認証
11Addressホスト名/IPアドレス×
12ユーザ認証用ポート番号
13変更通知情報取得の自動実行
14変更通知情報取得時刻
15Address情報取得オプション
16Assist連携※2
(凡例)
○:親サーバと環境の共有をします(各子サーバで設定しても「管理データの取得」を実行した後は無視されます)。
×:親サーバと環境の共有をしません(必ず各子サーバで設定してください)。
-:Version2.0以前にはありません。
△:初期設定時には,親サーバのホスト名/IPアドレスを入力する必要があります。
□:子サーバでの設定は不要です。
注※1
Version2.0の場合は件数で表示されていましたが,Version 3,Version 5,Version 6又はVersion 7からは総容量をメガバイト(1MB(メガバイト)=1,048,576バイトの計算値)単位で指定します。
注※2
Version 5以前にはありません。
注※3
Version 6 06-50からは親サーバと環境を共有しません(必ず各子サーバで設定してください)。

(3) その他の注意事項

  1. バージョンアップと同時にマシンの移行をする場合の手順は以下のとおりです。
    1. 移行先のマシンに,移行元と同じバージョンのScheduler Server及びFacilities 2. Managerをインストールします。
    3. 移行先のマシンにスケジュールデータ・管理データを転送します。
    4. 移行先のマシンをバージョンアップします。
  2. Groupmax Scheduler Server Version2.0からバージョンアップした場合,稼働ログ(LOGSV.log)の出力方式が変更になりました。以下の記述を参考にしてください。
    • Scheduler Server Version2.0の場合
      先頭の古いログが削除されて,新しいログがファイルの後ろに追加されていきます。
    • Scheduler Server Version 3,Version 5,Version 6又はVersion 7の場合
      ログデータがログサイズより大きくなると,ファイルをLOGSV.bakファイルにリネームして,新規にLOGSV.logファイルの先頭から追加していきます。
    注※
    「コンフィギュレーション」の「6. ログファイル最大容量」で設定したサイズの1/14のサイズです。
  3. Groupmax Scheduler Server Version2.0からバージョンアップした場合,「コンフィギュレーション」でのログサイズの指定方法が変更になりました。下記を参照してください。
    • Scheduler Server Version2.0の場合:件数指定
    • Scheduler Server Version 3,Version 5,Version 6又はVersion 7の場合:総容量指定
  4. GroupAppomouse/Server 01-00からのバージョンアップ時の<スケジュール格納ディレクトリ>/etcディレクトリにoldserverlistファイルが存在している場合,GroupAppomouse/Server 01-00のServerが存在しないことを確認の上,すべてのServer上のファイル(oldserverlist)を削除してください。
  5. Version 6以前のバージョンに付属の管理ツールを使用した場合,管理データの取得はできる場合もありますが,転送はできません(成功したように見えますが,実際には転送されていません)。したがって,Version 6以前に付属の管理ツールは使用しないでください。
  6. Version 7の管理ツールで,Version 6以前のサーバと接続しようとした場合,管理データの取得はできますが,転送はできません。サーバと管理ツールは,必ず同じバージョンのものを使用してください。
  7. アンインストールを実行する際,同一マシン内にVersion2.0のScheduler Server又はFacilities Managerがインストールされている場合は,先にVersion2.0のScheduler Server又はFacilities Managerをアンインストールしてください。
  8. indxgetのエラー発生時の仕様がVersion 5から変わりました。Version 3までは,indxgetの実行中にエラーが生じた場合,それまでに更新したユーザ情報は反映されたままとなります。Version 5,Version 6又はVersion 7では,indxgetの実行中にエラーが生じた場合,ユーザ情報は反映されないで実行前の状態に戻ります。Address Server から出力される変更通知情報も,実行前の状態に戻ります。
  9. 以下のコマンドのリターンコードを変更しましたので御注意ください。
    • GetAdAll
    • indxget
      リターンコードVersion 3以前Version 5,Version 6,Version 7
      正常終了10
      異常終了01
  10. Version 3でAppoMan.iniファイルに以下の記述をしていた場合,これらのオプションはVersion 5以降ではデフォルトとして動作するため,記述は不要です。

    SockOptSV=ON
    SockOptMan=ON
    SockOptRMSV=ON
    SockOptRMMan=ON

  11. Groupmax Scheduler Server Version2.0 02-30からサポートした参照拒否,及び予約権限を設定した場合,利用するクライアントのバージョンによっては動作が以下のように異なります。
    クライアントのバージョンが01-02以前の場合
    • 参照拒否が設定されているメンバーを参照しようとしたとき
      ダミースケジュールが表示されます(週間スケジュール上では略記は表示されません)。
    • 予約不可が設定されているメンバーに予約しようとしたとき
      エラーメッセージ「・・に予約できませんでした。」が表示され,予約できません。
    クライアントのバージョンが01-10~02-20の場合
    • 参照拒否が設定されているメンバーを参照しようとしたとき
      ダミースケジュールが表示されます。
    • 予約不可が設定されているメンバーに予約しようとしたとき
      エラーメッセージ「・・に予約できませんでした。」が表示され,予約できません。
    クライアントのバージョンが02-30以降の場合
    • 参照拒否が設定されているメンバーを参照しようとしたとき
      メンバのツリービューから直接選択した場合は,「・・には参照拒否権限が設定されています。」のメッセージが出力され,選択できません。
      グループ選択から選択した場合,又は終了時保存をしている場合で起動時のウィンドウに参照拒否が設定されているメンバーが存在するとき,タイトルバーに「参照拒否」と表示されるか,又はそのメンバーのボタンが淡色表示されます。
    • 予約不可が設定されているメンバーに予約しようとしたとき
      エラーメッセージ「予約権限がありません。」が表示され,予約できません。
    注※
    ダミースケジュールは,0:00~24:00のスケジュールで,行先,用件,メモには「※参照拒否権限が設定されています。」,行先区分は管理ツール上で1に設定された色,略記には「※拒否」が設定されます。
  12. マルチサーバ構成でかつ,サーバのバージョンがVersion 5以降とVersion 3が混在する場合,Version 5以降のクライアントから使用する新機能について以下の注意事項があります。
    • イベント,拡張スケジュール,ユーザ検索機能は,サーバがVersion 5以降でかつ,クライアントがVersion 5以降であるときに使用できます。
    • ユーザ検索機能では,ホームサーバがVersion 3のサーバであるユーザを検索できますが,「ユーザ検索結果一覧」ウィンドウから「階層表示」ボタンを押下しても階層を表示できません。
    • イベントの予約は,ホームサーバがVersion 3のサーバであるユーザに対してはできません。
    • 拡張スケジュールを含む予約は,ホームサーバがVersion 3のサーバであるユーザに対してはできません。
  13. Version 5からAssist連携機能を使用している場合,バージョンアップしてAssist連携機能の使用を再開する前にホームサーバ一覧を作成する必要があります。作成方法については,「5.1(3)(c) ホームサーバ一覧ファイル」を参照してください。
  14. Version 5からAssist連携機能を使用している場合,設定変更ファイルの設定項目のうちAgentControlの設定が無効になります。詳細は,「5.1(7) ユーザのホームサーバ移動時に実施する手順」を参照してください。
注意事項
マルチサーバ構成で運用している場合,子サーバのバージョンアップは親サーバのバージョンアップの後に実施してください。