3.1.5 トレース出力機能の設定
(1) 概要
障害発生時に使用する,詳細なトレース情報を出力します。
トレース情報は次のファイルに出力されます。
- Scheduler Serverの場合
<スケジュール格納ディレクトリ>/log/TraceSV[x].log
- Facilities Managerの場合
<スケジュール格納ディレクトリ>/log/TraceRMSV[x].log
「x」には,FileCntパラメタに指定した出力ファイル数の数値が入ります。
例えば,出力ファイル数に4を指定した場合,TraceSV1.log~TraceSV4.log,又はTraceRMSV1.log~TraceRMSV4.logが作成されます。
なお,Groupmax Version 7 07-30以降の初期設定は,トレースを出力する設定になっています。トレースを出力しない場合は,設定を変更してください。
(2) 設定情報
トレース出力機能に関する設定情報を次に説明します。
なお,同じパラメタを複数指定した場合は,先に記述された行の値を有効にします。後に記述された行の値は無視されます。また,#(半角シャープ)から始まる行は,コメントと見なされます。
- 対象ファイル
- /usr/GroupAppo/bin/AppoSV.ini
- 設定パラメタ
- セクション名
[Trace]
- Traceパラメタ
ON又はOFFを指定します。
ON:トレース出力機能を使用する(設定がされていない場合,設定が間違っている場合は,ONとして動作します)。
OFF:トレース出力機能を使用しない。
- Sizeパラメタ
トレースファイルの1ファイル当たりのファイルサイズを指定します。単位はKBです。1から1,048,576までの数値で指定してください。Sizeパラメタがない,又は不正な値が設定されている場合は,16,384が設定されたとして動作します。
なお,実際のトレースファイルのサイズは,ここで指定した値より少し大きくなる場合があります。
- FileCntパラメタ
トレースファイルの出力ファイル数を数値で指定します。
Scheduler ServerとFacilities Managerのそれぞれで,指定した数のトレースファイルを出力します。
1から16までの数値で指定してください。FileCntパラメタがない,又は不正な値が設定されている場合は,4が設定されたとして動作します。
- TraceAfterErrorパラメタ
ON又はOFFを指定します。なお,ONを指定すると,障害発生時に原因を特定しやすくなります。
ON:トレースファイルへの書き込みに失敗した場合,書き込みできる状態になると,トレースの出力を再開する(設定がされていない場合,設定が間違っている場合は,ONとして動作します)。
OFF:トレースファイルへの書き込みに失敗した場合,それ以降はトレースを出力しない。
なお,Scheduler Server又はFacilities Managerの起動時にトレースファイルへの書き込みに失敗した場合は,ここで設定した値に関係なく,書き込み可能なファイルだけにトレースを出力します。
- ポイント
- トレースファイルは,そのサーバをホームサーバとするユーザが1,000人いる場合,1日で約45MB出力されることを想定しています。2~3日間は情報が残るように,ユーザ数に合わせてファイルサイズ及びファイル数を設定してください。
- 設定例
- AppoSV.iniファイルの設定例を示します。なお<改行>は改行コードのことです。
[Trace]<改行>
Trace=ON<改行>
Size=1024<改行>
FileCnt=10<改行>
TraceAfterError=ON<改行>
(3) 設定手順
トレース出力機能に関する設定手順を次に説明します。
トレース機能のオン・オフや,ファイルサイズ,及び出力ファイル数を変更したい場合は,この設定をしてください。
- 設定するサーバを停止する
詳細は,「3.2 サーバ及び管理ツールサーバの起動」を参照してください。
- 設定するサーバ上のAppoSV.iniファイルを更新する
- 設定したサーバを起動する
詳細は,「3.2 サーバ及び管理ツールサーバの起動」を参照してください。
(4) トレース出力に関するエラーメッセージの出力先
トレース機能で発生したエラーメッセージはシステムログに出力されます。
エラーメッセージは次に示すタイミングで出力されます。
- Scheduler Server又はFacilities Managerの起動時
- トレース情報の書き込みに失敗した時
出力されるエラーメッセージの詳細は,「付録N システムログのメッセージ一覧」を参照してください。
(5) 注意事項
トレース出力機能を使用する場合の注意事項を次に示します。
- マルチサーバ構成の場合は,サーバごとにトレース出力機能を設定してください。また,07-00以前のバージョンのサーバの場合,トレース出力機能を設定しても,トレースは出力されません。
- 設定を変更した場合は,Scheduler Server及びFacilities Managerを再起動してください。
- トレースファイルを直接編集しないでください。ファイルの更新日付が変わったり,ファイルのサイズが0バイトになったりすると,順番にトレースが出力されないで新しいトレースの情報が消える場合があります。また,ファイルを直接編集した場合,トレースファイルに情報を出力できない場合があります。
- 障害発生時にトレースを採取する場合は,トレースファイルをコピーしてください。
- 起動時に次のロックファイルを作成します。
- Scheduler Serverの場合
/usr/GroupAppo/bin/TraceSV.lck
- Facilities Managerの場合
/usr/GroupAppo/bin/TraceRMSV.lck
このロックファイルは削除しないでください。削除すると,トレースの出力が不正になる場合があります。
削除した場合は,Scheduler Server又はFacilities Managerを再起動してください。
- 「Scheduler Serverコンフィギュレーション」メニュー画面の「6. ログファイル最大容量」の計算には,このトレース機能で出力されるトレースファイルは含まれません。ディスク容量を計算する際は注意してください。
- トレースのメッセージをファイルに書き出すタイミングは,OSの設定に依存しています。このため,最新のメッセージの時刻とトレースファイルの更新日時は一致しない場合があります。
- TraceAfterErrorパラメタにOFFを指定したときにエラーが発生すると次のファイルを生成します。
- Scheduler Serverの場合
/usr/GroupAppo/bin/TraceAfterErrorSV.dat
- Facilities Managerの場合
/usr/GroupAppo/bin/TraceAfterErrorRMSV.dat
サービス起動中は,これらのファイルを削除しないでください。これらのファイルを削除すると,システムログとerrDumpSV.log,又はシステムログとerrDumpRMSV.logに,エラー情報が何回も出力されることがあります。