4.6.2 他システムと接続する場合(G/W通信をする場合)

他システムと接続する場合(G/W通信をする場合),各システムで1台G/Wサーバが必要です。G/Wサーバは,Scheduler Serverのサーバであれば,どのサーバでもできます(親/子サーバは問いません)。

他システムとG/W接続をしてScheduler Serverを使用するためには,各ユーザが他システムのゲストIDを持つ必要があります。このため,ゲストIDを持たないユーザは他システムのユーザに対して参照,予約などの処理ができません。また,他システムのユーザに対して参照,予約などの処理をする場合ゲストIDの権限(セキュリティランク)が適用されます。また,逆に他システムユーザ用のゲストIDも用意する必要があります。

自システムと他システムは,デフォルトでは同じポート番号(サービス名:ikisaki)で通信します。自システムと他システム間で異なるポート番号で通信する場合は,「付録J G/W通信を異なるポート番号で運用する場合」を参照してください。

他システムと接続する手順は以下のようになります。

  1. 他システムをメインテーブル,又はメインテーブル上の部署テーブルに追加
    他システムのテーブルを自システムのメインテーブル,又はメインテーブル上の部署テーブルに追加します。
  2. 他システムユーザ用ゲストIDの作成
    他システムからの接続用にゲストIDを登録します(作成方法の詳細は,「4.11 ゲストIDの設定」を参照してください)。
  3. 自システムユーザ用ゲストIDの設定
    他システムと接続するために,自システムのユーザに対して,接続する他システムのゲストIDを設定します(ゲストIDが設定されていないユーザは,他システムのユーザに対して参照,予約などの処理はできません)。

<例>

B社でもScheduler Serverを使用しており,A社と接続する場合を例にとり,以下に説明します。A社,B社の体制表を図4-10に,A社とB社を接続した場合のシステム環境を図4-11に示します。

図4-10 A社,B社の体制表

[図データ]

図4-11 A社とB社を接続した場合のシステム環境

[図データ]

注1
G/W間のTCP/IP接続は,事前に確認してください。
注2
管理データの転送をしないと,変更した管理データがシステムに反映されません。
<この項の構成>
(1) 他システムをメインテーブル,又はメインテーブル上の部署テーブルに追加
(2) 自システムゲストIDの設定

(1) 他システムをメインテーブル,又はメインテーブル上の部署テーブルに追加

他システムと接続する場合,メインテーブル,又はメインテーブル上の部署テーブルに接続先の他システムテーブルを追加する必要があります。ここでは,A社のメインテーブル,又はメインテーブル上の部署テーブルにB社を他システムとしてテーブルを追加します。以下の手順で追加します。なお,他システムのテーブルはメインテーブルか,メインテーブル直下の部署テーブル以外への移動はできません。

  1. ユーザの階層のルートアイコンをクリックし,[編集]-[新規]から[他システム]メニューを選択してください。図4-12に示す「テーブルの登録・変更・参照」ウィンドウが表示されます。以下の注意事項があります。
    • 他システムを部署テーブルに追加する場合,運用方法として,すべてのクライアントをVersion 6以降にする必要があります。
    • Version 6以降から,他システムをメインテーブルに追加する際,他システムのメインテーブル上の部署テーブル(Address Serverと連携している場合は最上位組織)から1階層下までの部署テーブル(組織)を他システムとして登録できます。A社とB社の例で説明すると,次のようになります。B社のメインテーブル上の部署テーブル(B社がAddress Serverと連携している場合は最上位組織)から1階層下までの部署テーブル(組織)を,他システムとして登録できます。ただし,B社のメインテーブル上の部署テーブル(B社がAddress Serverと連携している場合は,最上位組織)を追加した場合,そのテーブルより下位の部署テーブル(B社がAddress Serverと連携している場合は組織)を更に追加することはできません。追加した場合,クライアントが正常に動作しなくなります。また,B社の部署テーブル(B社がAddress Serverと連携している場合は,組織)を追加した場合,そのテーブルより上位の部署テーブル(B社がAddress Serverと連携している場合は最上位組織)を更に追加することはできません。追加した場合,クライアントが正常に動作しなくなります。

      図4-12 「テーブルの登録・変更・参照」ウィンドウ

      [図データ]

  2. 他システムでの「Address連携」の設定有無を選択します。他システムがAddress Serverと連携していてメインテーブル上の部署テーブルと接続する場合は,「Address連携」の選択で「連携あり(最上位組織)」を選択してください。他システムのメインテーブル上以外の部署テーブルと接続する場合は,「Address連携」の選択で「連携あり(組織)」を選択してください。次に,テーブルIDを入力してください。テーブルIDは他システムのメインテーブルに登録されているテーブルIDを指定してください。ここで入力するテーブル名は,既に登録されている自システム内のテーブルと重複していない必要があります。なお,「Address連携」の選択で「連携あり(最上位組織)」,又は「連携あり(組織)」を選んだ場合は半角文字で8文字,「連携なし」を選んだ場合は半角英小文字か数字で6文字以内で設定してください。ここでは,B社のテーブルを追加しますが,B社ではAddress連携なしで運用しているので「Address連携」の選択で「連携なし」を選択し,B社のテーブルIDのbsyaと入力します。なお,「Address連携」で選択を切り替えた場合,入力済みのテーブルIDはクリアされます。テーブルIDとして,部署テーブルを指定する場合,運用方法として,すべてのクライアントをVersion 6以降にする必要があります。
    組織ID長を10文字(半角文字)で運用している他システムと接続する場合
    SF32SYS.iniファイルの切り替えオプションを設定し,画面を切り替えてテーブルIDを指定します。
    • SF32SYS.iniファイルの格納先
      <Scheduler管理ツールのインストールディレクトリ>¥bin
      デフォルトの場合:c:¥appomous¥bin
    • 記述内容
      [Option]
      TableEntryMode=1(又は0)
      1:テーブルIDに10文字(半角文字)まで入力できる画面(図4-13を参照)を表示
      0:Version 6以前の画面(図4-12を参照)を表示(デフォルト値)

      図4-13 「テーブルの登録・変更・参照」ウィンドウ(切り替えオプション指定時)

      [図データ]

    「連携なし(*)」を選択すると,半角文字で10文字までテーブルIDに指定できます。入力できる文字は,半角英小文字,半角英大文字,数字,ピリオド(.)です。
  3. 部署名を入力してください。半角20文字(全角10文字分)以内で設定してください。ここでは,B社と入力します。
  4. 自システムのG/Wホスト名を入力してください。既に「4.5 DNSホスト名の登録」で登録したホスト名はドロップダウンリストから選択できます。ホスト名は自システムのG/Wサーバ名を指定してください。ドロップダウンリストから選択しないで,直接入力する場合は,ホスト名は半角英数字で255文字以内で指定してください。ここではA社のG/Wサーバ名 kikakuhost を指定します。ここで指定するホスト名はあらかじめ「4.5 DNSホスト名の登録」ですべて登録しておいてください。
  5. 他システムのG/Wホスト名を入力してください。既に「4.5 DNSホスト名の登録」で登録したホスト名はドロップダウンリストから選択できます。ホスト名は他システムのG/Wサーバ名を指定してください。ドロップダウンリストから選択しないで,直接入力する場合は,ホスト名は半角英数字で255文字以内で指定してください。ここではB社のG/Wサーバ名 eigyouhost を指定します。ここで指定するホスト名はあらかじめ「4.5 DNSホスト名の登録」ですべて登録しておいてください。
  6. [OK]ボタンをクリックしてください。「テーブルの登録・変更・参照」ウィンドウが閉じ,メイン画面に戻ります。なお,引き続き自システムのゲストIDを設定する場合,[ユーザID]ボタンをクリックし「G/Wテーブル作成」ウィンドウを表示させてください。操作の詳細は,次の「(2) 自システムゲストIDの設定」を参照してください。
他システムのテーブルを追加するとき,又はユーザ/施設を追加するときに,確認メッセージを表示することがあります。これは,DNSホスト名テーブルに登録しているかどうかの確認結果を示しているものです。システムとして解釈できるものを設定するようにしてください。

(2) 自システムゲストIDの設定

自システムのユーザが他システムのScheduler Serverのユーザにアクセスする場合,ゲストIDが必要です。ここでは,自システムユーザにゲストIDを登録する方法について説明します。登録する前に,他システムの管理者にゲストIDを確認してください。次の手順で設定します。

注意事項
ホストごとにゲストIDデータを保持する必要があります。
  1. G/Wテーブルを作成します。G/WテーブルとはユーザIDと接続先の他システムのゲストIDの格納ファイルです。自システムユーザにゲストIDを登録したい他システムのアイコンをクリックし,[編集]-[開く]メニューを選択すると,「テーブルの登録・変更・参照」ウィンドウが表示されます。[ユーザID]ボタンをクリックしてください。図4-14に示す「G/Wテーブル作成」ウィンドウが表示されます。

    図4-14 「G/Wテーブル作成」ウィンドウ

    [図データ]

  2. ゲストIDを登録したいユーザのユーザIDを表示します。表示方法は以下の2とおりあります。
    • ユーザが特定されている場合
      あらかじめユーザが特定されている場合は,[ID検索]-[ID検索]メニューを選択してください。図4-15に示す「ID検索」ウィンドウが表示されます。登録するユーザIDを入力するか,以下のワイルドカードを用いてユーザを検索してください。ユーザID検索リストボックスに検索したユーザIDが表示されます。ユーザIDは,4,000件まで表示されます。
      *:任意文字列(*を2個使用したIDの検索はできません)
      $:任意の1文字

      図4-15 「ID検索」ウィンドウ

      [図データ]

    • ユーザ全員を表示し選択する場合
      複数のユーザに対してゲストIDを登録する場合は,[ID検索]-[すべてのID]メニューを選択してください。ユーザID検索リストボックスに全ユーザIDが表示されます。ユーザIDは,4,000件まで表示されます。
  3. ユーザID検索リストボックスの中から,ゲストIDを登録したいユーザIDを選択してください。複数選択できます。ユーザID検索リストボックス中に表示されているユーザすべてに対してゲストIDの登録をする場合は,[編集]-[すべて追加]メニューを選択してください。すべてのユーザIDがゲストIDテーブルリストボックスに追加されます。この際,次の4の操作は不要です。
  4. [編集]-[追加]メニューを選択してください。選択したユーザIDがゲストIDテーブルリストボックスに追加されます。
  5. ゲストIDテーブルリストボックスから,ゲストID登録するユーザIDを選択してください。複数選択できます。
  6. [編集]-[ゲストID登録/変更]メニューを選択してください。図4-16に示す「ゲストID登録/変更」ウィンドウが表示されます。ユーザIDには選択したユーザIDが表示されます(複数選択した場合は********が表示されます)。他システムの管理者に確認したゲストIDを入力し,[OK]ボタンをクリックしてください。ゲストIDテーブルリストボックスに,ゲストIDが登録されたユーザID一覧が表示されます。

    図4-16 「ゲストID登録/変更」ウィンドウ

    [図データ]

  7. ゲストIDを削除するには,削除したいユーザIDを選択後,[編集]-[ゲストID削除]メニューを選択してください。複数選択できます。
  8. ゲストIDテーブルリストボックスには,2,500個まで表示します。次の2,500個を表示したい場合は,ゲストIDテーブルリストボックス右下の右矢印ボタンをクリックしてください。前の2,500個を表示したい場合は,ゲストIDテーブルリストボックス左下の左矢印ボタンをクリックしてください。