Address Server,Mail ServerをMC/ServiceGuardのパッケージとして登録する方法を説明します。この作業はHP-UXの場合だけ必要です。
Schedulerパッケージを追加するためクラスタ定義ファイルを設定します。設定が必要と思われる最低限のパラメタを以下に示します。サンプルファイルについては「付録U.10 サンプルファイル」を参照してください。
表U-5 クラスタ定義ファイルのパラメタ
項番 | パラメタ | 説明 |
---|---|---|
1 | MAX_CONFIGURED_PACKAGES | 最大パッケージ数を指定します。Schedulerパッケージの追加によって,最大パッケージ数を大きくする必要がある場合は変更してください。 |
2 | VOLUME_GROUP | Schedulerパッケージ用のボリューム・グループを追加してください。 例:VOLUME_GROUP /dev/vg03 |
3 | FIRST_CLUSTER_LOCK_VG | 2ノード構成の場合は必須です。必要に応じて設定してください。 |
Schedulerパッケージ用のパッケージ定義ファイルを作成します。ここではSchedulerパッケージのパッケージ名称をgmaxpkgと仮定します。
#mkdir /etc/cmcluster/gmaxpkg
#cd /etc/cmcluster/gmaxpkg
#cmmakepkg -p gmaxpkgconf.ascii
表U-6 パッケージ定義ファイルのパラメタ
項番 | パラメタ | 説明 | 設定例 |
---|---|---|---|
1 | PACKAGE_NAME | パッケージ名称を設定します。 | gmaxpkg |
2 | NODE_NAME | クラスタ環境のノード名を列挙します。 | node1 node2 |
3 | RUN_SCRIPT | 起動スクリプト名を指定します。 | /etc/cmcluster/gmaxpkg/control.sh |
4 | RUN_SCRIPT_TIMEOUT | 起動スクリプトのタイムアウト設定を指定します。 | NO_TIMEOUT |
5 | HALT_SCRIPT | 停止スクリプト名を指定します。 | /etc/cmcluster/gmaxpkg/control.sh |
6 | HALT_SCRIPT_TIMEOUT | 停止スクリプトのタイムアウト設定を指定します。 | NO_TIMEOUT |
7 | SERVICE_NAME | サービス名称を指定します。 | SchedulerSV SchedulerToolSV FacilitiesSV FacilitiesToolSV |
8 | SERVICE_FAIL_FAST_ENABLED | サービスの障害をノードの障害とするかどうかを指定します。 | NO又はYES |
9 | SERVICE_HALT_TIMEOUT | サービスの障害時の待ち時間を指定します。 | 300 |
10 | PKG_SWITCHING_ENABLED | 障害発生時にSchedulerパッケージをフェールオーバするかどうかを指定します。なお,Schedulerパッケージではフェールオーバします。 | NO又はYES |
11 | SUBNET | サブネットアドレスを指定します。 | 172.1.1.0 |
Schedulerパッケージ用のパッケージ制御スクリプトを作成します。
#cd /etc/cmcluster/gmaxpkg
#cmmakepkg -s control.sh
表U-7 パッケージ制御スクリプトのパラメタ
項番 | パラメタ | 説明 | 設定例 |
---|---|---|---|
1 | 環境変数 | スケジューラサーバを起動及び停止するために必要な環境変数を指定します。 | TERM=dtterm export TERM |
2 | VGCHANGE | MC/ServiceGuard起動及び再起動時のボリューム・グループ活性化のオプションを指定します。 | "gchange -a e" |
3 | VG[0] | Schedulerパッケージで使用するボリューム・グループを指定します。 | /dev/vg03 |
4 | LV[0] | Schedulerパッケージで使用する論理ボリュームを指定します。 | /dev/vg03/lvol1 |
5 | FS[0] | Schedulerパッケージで使用するマウントディレクトリを指定します。 | /gmaxpkgd |
6 | FS_MOUNT_OPT[0] | マウントオプションを指定します。 | "o rw" |
7 | IP[0] | パッケージIPアドレスを指定します。 | 172.1.1.3 |
8 | SUBNET[0] | サブネットアドレスを指定します。 | 172.1.1.0 |
9 | SERVICE_NAME[0] | 起動対象となるサービスの名称を指定します。 | SchedulerSV |
10 | SERVICE_CMD[0] | サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 | "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r SV" |
11 | SERVICE_RESTART[0] | 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 | "" |
12 | SERVICE_NAME[1] | 起動対象となるサービスの名称を指定します。 | SchedulerToolSV |
13 | SERVICE_CMD[1] | サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 | "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r AppoMan" |
14 | SERVICE_RESTART[1] | 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 | "" |
15 | SERVICE_NAME[2] | 起動対象となるサービスの名称を指定します。 これは,Facilities Managerを使用する場合だけ必要な項目です。 | FacilitiesSV |
16 | SERVICE_CMD[2] | サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 | "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r RMSV" |
17 | SERVICE_RESTART[2] | 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 | "" |
18 | SERVICE_NAME[3] | 起動対象となるサービスの名称を指定します。 これは,Facilities Managerを使用する場合だけ必要な項目です。 | FacilitiesToolSV |
19 | SERVICE_CMD[3] | サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 | "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r RoomMan" |
20 | SERVICE_RESTART[3] | 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 | "" |
21 | function customer_defined_run_cmds | アプリケーション起動コマンドを列挙します。アドレスを連携する場合は,Object Server,Address Server,Scheduler Server (Facilities Manager)の順で記述してください。 | /usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s SV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s AppoMan なお,Facilities Managerを使用する場合は以下も記述します。/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s RMSV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s RoomMan |
22 | function customer_defined_halt_cmds | アプリケーション停止コマンドを列挙します。Scheduler Server (Facilities Manager),Address Server ,Object Server の順で記述してください。 | /usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e SV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e AppoMan Facilities Managerを使用する場合は以下も記述します。/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e RMSV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e RoomMan |
作成したファイルの確認と各ノードへの配布方法について説明します。
#cd /etc/cmcluster
#cmcheckconf -v -C クラスタ定義ファイル名 -P /gmaxpkg/gmaxpkgconf.ascii
# cd /etc/cmcluster/gmaxpkg
# chmod +x control.sh
# rcp control.sh node2:/etc/cmcluster/gmaxpkg/
# cd /etc/cmcluster
# cmapplyconf -v -C クラスタ定義ファイル名 -P gmaxpkg/gmaxpkgconf.ascii
# ps -ef | grep /usr/bin/SV
# ps -ef | grep /usr/bin/AppoMan※1
# ps -ef | grep /usr/bin/RMSV※2
# ps -ef | grep /usr/bin/RoomMan※1,※2
クラスタを正常に起動できたら,「Scheduler_Facilities管理ツール」を使用してユーザ情報を登録してください。管理ツールで指定する「管理データの取得先サーバ名」には,パッケージIPアドレスに対応するホスト名を指定します。なお,Address連携機能を使用する場合は,Address Serverにユーザを登録後,登録したユーザ情報を取り込んでください。ユーザ情報を取り込むには,aconsoleコマンド(Facilities Manager使用時はroomconsoleコマンド)から「その他の手動実行」-「ユーザ情報再作成」を選択します。