Groupmax Scheduler/Facilities Manager Version 7 システム管理者ガイド

[目次][索引][前へ][次へ]

付録U.6 パッケージ登録

Address Server,Mail ServerをMC/ServiceGuardのパッケージとして登録する方法を説明します。この作業はHP-UXの場合だけ必要です。

<この項の構成>
(1) クラスタ定義ファイルの設定
(2) パッケージ定義ファイルの作成
(3) パッケージ制御スクリプトの作成
(4) 各ファイルの確認と配布
(5) ユーザ登録

(1) クラスタ定義ファイルの設定

Schedulerパッケージを追加するためクラスタ定義ファイルを設定します。設定が必要と思われる最低限のパラメタを以下に示します。サンプルファイルについては「付録U.10 サンプルファイル」を参照してください。

表U-5 クラスタ定義ファイルのパラメタ

項番 パラメタ 説明
1 MAX_CONFIGURED_PACKAGES 最大パッケージ数を指定します。Schedulerパッケージの追加によって,最大パッケージ数を大きくする必要がある場合は変更してください。
2 VOLUME_GROUP Schedulerパッケージ用のボリューム・グループを追加してください。
例:VOLUME_GROUP /dev/vg03
3 FIRST_CLUSTER_LOCK_VG 2ノード構成の場合は必須です。必要に応じて設定してください。

(2) パッケージ定義ファイルの作成

Schedulerパッケージ用のパッケージ定義ファイルを作成します。ここではSchedulerパッケージのパッケージ名称をgmaxpkgと仮定します。

  1. Schedulerパッケージ用のサブディレクトリを作成します。
    #mkdir /etc/cmcluster/gmaxpkg
    #cd /etc/cmcluster/gmaxpkg
  2. パッケージ定義ファイルのひな形を生成します。
    #cmmakepkg -p gmaxpkgconf.ascii
  3. Schedulerパッケージ用パッケージ定義ファイルを編集します。
    エディタなどを使用してパッケージ定義ファイルを設定してください。設定が必要と思われる最低限のパラメタを以下に示します。サンプルファイルについては「付録U.10 サンプルファイル」を参照してください。

    表U-6 パッケージ定義ファイルのパラメタ

    項番 パラメタ 説明 設定例
    1 PACKAGE_NAME パッケージ名称を設定します。 gmaxpkg
    2 NODE_NAME クラスタ環境のノード名を列挙します。 node1
    node2
    3 RUN_SCRIPT 起動スクリプト名を指定します。 /etc/cmcluster/gmaxpkg/control.sh
    4 RUN_SCRIPT_TIMEOUT 起動スクリプトのタイムアウト設定を指定します。 NO_TIMEOUT
    5 HALT_SCRIPT 停止スクリプト名を指定します。 /etc/cmcluster/gmaxpkg/control.sh
    6 HALT_SCRIPT_TIMEOUT 停止スクリプトのタイムアウト設定を指定します。 NO_TIMEOUT
    7 SERVICE_NAME サービス名称を指定します。 SchedulerSV
    SchedulerToolSV
    FacilitiesSV
    FacilitiesToolSV
    8 SERVICE_FAIL_FAST_ENABLED サービスの障害をノードの障害とするかどうかを指定します。 NO又はYES
    9 SERVICE_HALT_TIMEOUT サービスの障害時の待ち時間を指定します。 300
    10 PKG_SWITCHING_ENABLED 障害発生時にSchedulerパッケージをフェールオーバするかどうかを指定します。なお,Schedulerパッケージではフェールオーバします。 NO又はYES
    11 SUBNET サブネットアドレスを指定します。 172.1.1.0

(3) パッケージ制御スクリプトの作成

Schedulerパッケージ用のパッケージ制御スクリプトを作成します。

  1. パッケージ制御スクリプトのひな形を生成します。
    #cd /etc/cmcluster/gmaxpkg
    #cmmakepkg -s control.sh
  2. Schedulerパッケージ用パッケージ制御スクリプトを編集します。
    エディタなどを使用してパッケージ制御スクリプトを設定してください。設定が必要と思われる最低限のパラメタを以下に示します。サンプルファイルについては「付録U.10 サンプルファイル」を参照してください。

    表U-7 パッケージ制御スクリプトのパラメタ

    項番 パラメタ 説明 設定例
    1 環境変数 スケジューラサーバを起動及び停止するために必要な環境変数を指定します。 TERM=dtterm
    export TERM
    2 VGCHANGE MC/ServiceGuard起動及び再起動時のボリューム・グループ活性化のオプションを指定します。 "gchange -a e"
    3 VG[0] Schedulerパッケージで使用するボリューム・グループを指定します。 /dev/vg03
    4 LV[0] Schedulerパッケージで使用する論理ボリュームを指定します。 /dev/vg03/lvol1
    5 FS[0] Schedulerパッケージで使用するマウントディレクトリを指定します。 /gmaxpkgd
    6 FS_MOUNT_OPT[0] マウントオプションを指定します。 "o rw"
    7 IP[0] パッケージIPアドレスを指定します。 172.1.1.3
    8 SUBNET[0] サブネットアドレスを指定します。 172.1.1.0
    9 SERVICE_NAME[0] 起動対象となるサービスの名称を指定します。 SchedulerSV
    10 SERVICE_CMD[0] サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r SV"
    11 SERVICE_RESTART[0] 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 ""
    12 SERVICE_NAME[1] 起動対象となるサービスの名称を指定します。 SchedulerToolSV
    13 SERVICE_CMD[1] サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r AppoMan"
    14 SERVICE_RESTART[1] 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 ""
    15 SERVICE_NAME[2] 起動対象となるサービスの名称を指定します。
    これは,Facilities Managerを使用する場合だけ必要な項目です。
    FacilitiesSV
    16 SERVICE_CMD[2] サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r RMSV"
    17 SERVICE_RESTART[2] 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 ""
    18 SERVICE_NAME[3] 起動対象となるサービスの名称を指定します。
    これは,Facilities Managerを使用する場合だけ必要な項目です。
    FacilitiesToolSV
    19 SERVICE_CMD[3] サービス・プロセスの起動に使用されるコマンド名を指定します。 "/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -r RoomMan"
    20 SERVICE_RESTART[3] 障害時にサービス・プロセスを同一ノードで再起動させる回数を指定します。 ""
    21 function customer_defined_run_cmds アプリケーション起動コマンドを列挙します。アドレスを連携する場合は,Object Server,Address Server,Scheduler Server (Facilities Manager)の順で記述してください。 /usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s
    SV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s AppoMan
    なお,Facilities Managerを使用する場合は以下も記述します。/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s
    RMSV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -s RoomMan
    22 function customer_defined_halt_cmds アプリケーション停止コマンドを列挙します。Scheduler Server (Facilities Manager),Address Server ,Object Server の順で記述してください。 /usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e
    SV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e AppoMan
    Facilities Managerを使用する場合は以下も記述します。/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e
    RMSV/usr/GroupAppo/bin/SFpakage -e RoomMan

(4) 各ファイルの確認と配布

作成したファイルの確認と各ノードへの配布方法について説明します。

  1. 各設定ファイルの内容を確認します。
    #cd /etc/cmcluster
    #cmcheckconf -v -C クラスタ定義ファイル名 -P /gmaxpkg/gmaxpkgconf.ascii
    “NO ERROR FOUND”となるまで修正を行ってください。
  2. パッケージ制御スクリプトを配布します。
    # cd /etc/cmcluster/gmaxpkg
    # chmod +x control.sh
    # rcp control.sh node2:/etc/cmcluster/gmaxpkg/
  3. バイナリクラスタ定義ファイルを作成し,各定義ファイルを配布します。
    # cd /etc/cmcluster
    # cmapplyconf -v -C クラスタ定義ファイル名 -P gmaxpkg/gmaxpkgconf.ascii
  4. クラスタの起動を確認します。
    cmrunpkgコマンドでパッケージを起動して,Schedulerパッケージが正常に起動するか確認してください。以下のコマンドを実行して,プロセスが存在すれば,正常に起動しています。
    # ps -ef | grep /usr/bin/SV
    # ps -ef | grep /usr/bin/AppoMan※1
    # ps -ef | grep /usr/bin/RMSV※2
    # ps -ef | grep /usr/bin/RoomMan※1,※2
    注※1
    プロセスは複数存在します。
    注※2
    Facilities Managerを使用している場合だけ確認してください。
    起動が確認できたら,フェールオーバさせてください。そして,フェールオーバ先でSchedulerパッケージが正常に起動することを確認してください。

(5) ユーザ登録

クラスタを正常に起動できたら,「Scheduler_Facilities管理ツール」を使用してユーザ情報を登録してください。管理ツールで指定する「管理データの取得先サーバ名」には,パッケージIPアドレスに対応するホスト名を指定します。なお,Address連携機能を使用する場合は,Address Serverにユーザを登録後,登録したユーザ情報を取り込んでください。ユーザ情報を取り込むには,aconsoleコマンド(Facilities Manager使用時はroomconsoleコマンド)から「その他の手動実行」-「ユーザ情報再作成」を選択します。