稼働中バックアップを取得しているときの,バックアップ及び稼働中バックアップからのリストアについて説明します。
ここで説明するリストアを実行するには,「15 バックアップとリストア」及び「付録E.1 バックアップ」で説明している方法でバックアップ及び稼働中バックアップを取得していることが前提になります。
ここでは,稼働中バックアップで取得したデータをリストアするときにだけ必要になる注意事項を説明します。リストア時一般の注意事項については,「15.3 リストア」を参照してください。
現象 | 発生理由 |
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ユーザAの送信一覧にはあるが,宛先であるユーザBの受信一覧にはなく,永久にメールが到達しません。 | ユーザAのデータはメール送信後にバックアップされたが,ユーザBのデータはメール到着前にバックアップされたためです。 |
ユーザAは確かに送信した覚えはあるのに送信一覧にないが,宛先であるユーザBの受信一覧にはあります。 | ユーザAのデータはメール送信前にバックアップされたが,ユーザBのデータはメール到着後にバックアップされたためです。 |
同じメールが二度届きました。 | バックアップを取得した時点ではメール配信途中であったが,稼働中バックアップを取得した時点では既にメールボックスに格納されていたためです。 |
Workflowなどサーバ用のメールボックスに格納されていたメールがリストア時に削除されました。 | リストア対象としていないためです。 |
バックアップ時に掲示板に反映されていない記事が登録されない場合があります。 | 掲示板用のメールボックスは稼働中バックアップの対象でないためです。 |
バックアップデータ及び稼働中バックアップデータを利用したリストアの手順を次に示します。
マスタ管理サーバに対してリストアを実行した場合は,アドレス管理ドメイン内のすべてのアドレスサーバのバックアップを取得してください。バックアップ取得後は,ジャーナルをクリアしてください。
バックアップデータ及び稼働中バックアップデータをリストアする場合の作業時間の見積もりを次に示します。
なお,ここに示す見積もり値はおおよその目安ですので,ユーザの運用によっては値が変わることがあります。
作業名 | 見積もり説明 |
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アドレスサービスの停止 | 他Groupmaxサーバの停止を含めて5分程度です。 |
Object Serverの停止 | 1分程度です。 |
インストール | 通常時のインストールと同じです。Address Server,Mail Serverのインストールは10分程度です。 |
バックアップデータのリストア | リストアデータのサイズと,バックアップ先からディスクへのコピー性能に依存します。 |
セットアップ | 5分程度です。 |
アドレスサービスの起動 | 5分程度です。 |
データ修復 | 前回のバックアップ以降に変更された登録情報の数に比例します。サーバマシン及び通信回線の性能にも依存しますが,通常1人当たり5秒程度です。 |
アドレスサービスの停止 | 1分程度です。 |
バックアップ回復コマンド(MLputBK)の実行 | 実行時間=B×0.3[秒]+α×β×0.1[秒]+α×M×K (ただし,記事,メールの平均サイズは1キロバイト未満とします) α:実行サーバにあるメールボックスの数 β:アドレスドメインにある掲示板(下位掲示板も含む)の数 M:1メールボックス当たりの平均送受信メール数 B:該当するサーバにある掲示板の全記事数 K:gmpublicinfoファイルでMLGETBK_SAVE_OPTION=Nを設定しない場合は1.6[秒],設定した場合は1.9[秒] |
アドレスサービスとサーバの起動 | 他Groupmaxサーバの起動を含めて5分程度です。 |
記事の整合性確保 | 前回のバックアップ以降に変更された記事の数に比例します。サーバマシン及び通信回線の性能にも依存しますが,通常1記事当たり30秒程度です。 |
「付録E.4 コマンド実行時間の見積もり」も参照してください。