(a) 機能の概要
回復対象を次に示します。
対象 | 備考 |
---|
最上位組織情報 | - |
共用メールボックス情報 | - |
組織情報 | ただし,ログインパスワード,親展パスワード,受信メール,送信メール,保留メールはマスタ管理サーバの値にしない。 |
ユーザ情報 | ただし,ログインパスワード,親展パスワード,パスワード有効期間,受信メール,送信メール,掲示板の未既読情報はマスタ管理サーバの値にしない。 |
グループ情報 | - |
グループメンバ情報 | - |
掲示板情報 | ただし,記事はマスタ管理サーバの値にしない。 |
掲示板メンバ情報 | - |
役職定義情報 | - |
サーバシステム情報 | - |
(凡例)-は該当しないことを示す。
- 注意
- UA詳細情報設定(自動削除デーモン動作タイミング)とリモートPC詳細情報設定が,回復させるアドレスサーバで解除される場合があります。解除された場合は,作業終了後に再設定してください。
アドレスサーバの回復手順の概要を図18-1に示します。
図18-1 アドレスサーバの回復手順の概要
![[図データ]](figure/ha040010.gif)
(b) 作業の見積もり
- adcnsgetコマンドの-dオプションで指定するディレクトリの必要容量
サイズ[キロバイト]=(C+O+G+B+N+U)×20/1,024+C+O+N+B+U×3+(G+Gm+Bm+Br)×0.2
C:全最上位組織数
N:全共用メールボックス数
O:全組織数
U:全ユーザ数
G:全グループ数
B:回復させるアドレスサーバにある掲示板数
Br:回復させるアドレスサーバにあるマスタ掲示板に設定されているレプリカ掲示板数の合計
Gm:全グループメンバ数
Bm:回復させるアドレスサーバにある掲示板のメンバ数の合計
- adcnsputコマンドの-oオプションで指定するファイルの必要容量
サイズ[キロバイト]=(C+O+G+B+N+U)×100/1,024
C:マスタ管理サーバにだけ又は回復させるアドレスサーバにだけある最上位組織数
N:マスタ管理サーバにだけ又は回復させるアドレスサーバにだけある共用メールボックス数
O:マスタ管理サーバにだけ又は回復させるアドレスサーバにだけある組織数
U:マスタ管理サーバにだけ又は回復させるアドレスサーバにだけ居るユーザ数
G:マスタ管理サーバにだけ又は回復させるアドレスサーバにだけあるグループ数
B:マスタ管理サーバにだけ,又は回復させるアドレスサーバにだけある掲示板数
- 作業時間の見積もり
次の条件の場合の作業時間目安を示します。
- CPU:PA-8000 180メガヘルツ
- メモリ:128メガバイト
- 回復させるアドレスサーバは,インストールとセットアップが完了している初期状態
作業名 | 時間 |
---|
adcnsgetコマンドの実行時間 | 詳細は「16.3 adcnsget」を参照してください。 |
ファイル転送時間 | 伝送路の性能と転送データ量に比例します。 |
adcnsputコマンドの実行時間 | 詳細は「16.4 adcnsput」を参照してください。 |
adpdheadコマンドの実行時間 | 詳細はマニュアル「Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド ユティリティ編」を参照してください。 |
mlcnsmbコマンドの実行時間 | 詳細は「16.23 mlcnsmb」を参照してください。 |
X400_MAIL_SYNCコマンドの実行時間 | 詳細は「16.46 X400_MAIL_SYNC」を参照してください。 |
(c) 回復作業手順の詳細
回復作業の手順を次に示します。
- 回復させるアドレスサーバに対して,バックアップデータをリストアするときと同じように,クラッシュ前と同じ設定でインストールとセットアップを実施します。バックアップデータがある場合はリストアします。
- 回復させるアドレスサーバのアドレスサービスが停止していることを確認します。
- マスタ管理サーバのObject Serverが起動していることを確認します。停止している場合は起動します。アドレスサービスは起動していてもかまいません。
- マスタ管理サーバにシステム管理者でログインします。
- マスタ管理サーバでadcnsgetコマンドを実行します。詳細は「16.3 adcnsget」を参照してください。
- -dオプションで指定したディレクトリ内の全ファイルを回復させるアドレスサーバにコピーします。コピーするときには,ファイルはファイル名,内容ともに変更されないようにしてください。ftpを使用する場合はbinaryモードで実行してください。コピー後はマスタ管理サーバの-dオプションで指定したディレクトリは不要なので,削除してもかまいません。
- 回復させるアドレスサーバのObject Serverが起動していることを確認します。停止している場合は起動してください。ただし,アドレスサービスは起動しないでください。
- 回復させるアドレスサーバにシステム管理者でログインします。
- 回復させるアドレスサーバでadcnsputコマンドを実行します。詳細は「16.4 adcnsput」を参照してください。
- 回復させるアドレスサーバでadpdheadコマンドを-dオプションを指定して実行します。詳細はマニュアル「Groupmax Address/Mail Version 7 システム管理者ガイド ユティリティ編」を参照してください。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,mlcnsmbコマンドを実行します。詳細は「16.23 mlcnsmb」を参照してください。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,nxbbsrcvコマンドを実行します。詳細は「16.36 nxbbsrcv」を参照してください。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,X400_MAIL_SYNCコマンドを実行します。詳細は「16.46 X400_MAIL_SYNC」を参照してください。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,mlulkmbコマンドを実行します。詳細は「16.34 mlulkmb」を参照してください。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,mlstnewsコマンドを-rオプション付きで実行します。詳細は「16.32 mlstnews」を参照してください。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,アドレスサービスを起動します。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,運転席のメールサーバ設定ダイアログボックスで回復させるアドレスサーバの「リモートPC」と「リモートPC/TCP」の設定を確認します。クラッシュ前と違う場合は,設定し直します。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,運転席のUA詳細情報設定ダイアログボックスで回復させるアドレスサーバの「自動削除デーモン動作タイミング」の設定を確認します。クラッシュ前と違う場合は,設定し直します。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,運転席のルーティンググループ詳細ダイアログボックスで回復させるアドレスサーバを選択し[詳細]ボタンを押します。次に,X.400MHS詳細ダイアログボックスで何も値を変更しないで[変更]ボタンを選択します。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,サーバを起動します。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,回復させるアドレスサーバにあるすべての掲示板に対して掲示板の整合性の確保を実施します。
- 回復させるアドレスサーバがメールサーバの場合,アドレスサービスを停止します。
- 回復させるアドレスサーバのObject Serverを停止します。
- 回復させるアドレスサーバのバックアップを取得します。
- 注意
- レプリケーション中継サーバを回復させた場合は,配下のアドレスサーバも続いて回復させてください。配下のアドレスサーバが03-10より前の場合は,バックアップデータをリストア後,ジャーナルを利用して運転席からデータを修復してください。配下のアドレスサーバが03-10以降の場合は,前述の「データ修復」を実行するか,又はこの機能を実行することによって回復してください。
- ディスククラッシュによってアドレスサーバ上で情報が変更されず,マスタ管理サーバとアドレスサーバの情報(例えば電話番号)が違う場合,この機能を使用することでアドレスサーバの情報がマスタ管理サーバと同じになります。このため,いままでアドレスサーバで見えていた情報が,使用後には違って見えます。
- ディスククラッシュによってアドレスサーバ上で削除されず,マスタ管理サーバには居ないがアドレスサーバにだけ居たユーザなどは,この機能を使用することで削除されます。そのユーザが所有するメールなどもすべて削除されます。
- 回復したアドレスサーバにAddress Serverと連携して動作している製品(Workflow,Document Manager,Scheduler,Directory,Mail - SMTPなど)がある場合は,作業が終了後に全登録情報を取得しなおしてください。取得方法は各製品により異なります。