付録K.4 前提環境の作成

Address,Mail Serverの環境設定を行う前に,クラスタシステムが正常に動作する環境を作成する必要があります。

<この項の構成>
(1) 物理ボリューム,論理ボリューム,及びボリュームグループの設定
(2) パッケージIPアドレスの設定
(3) システム管理者の限定

(1) 物理ボリューム,論理ボリューム,及びボリュームグループの設定

Address,Mail Serverデータファイル,及びデータベースファイルを格納するディスク環境を,まず最初に作成する必要があります。ディスク環境の作成方法についてはOS(HP-UX,AIX)のマニュアル等を参照してください。環境を作成した結果の例を以下に示します。

表K-1 ディスク構成

項番作成項目
1ノード1から見たDB以外のデータ用共有ディスクの物理ボリューム/dev/dsk/c3t0d0
2ノード2から見たDB以外のデータ用共有ディスクの物理ボリューム/dev/dsk/c3t0d0
3Groupmaxパッケージ※1のDB以外のデータ用ボリューム・グループ/dev/vg03
4Groupmaxパッケージ※1のDB以外のデータ用論理ボリューム/dev/vg03/lvol1
5Groupmaxパッケージ※1のDB以外のデータ用マウントディレクトリ/gmaxpkgd
6ノード1から見たDB用の共有ディスク物理ボリューム/dev/dsk/c3t1d0
7ノード2から見たDB用の共有ディスク物理ボリューム/dev/dsk/c3t1d0
8Groupmaxパッケージ※1のDB用ボリューム・グループ/dev/vg04
9Groupmaxパッケージ※1のDB用論理ボリューム/dev/vg04/lvol1
10Groupmaxパッケージ※1のDB用マウントディレクトリ/OBJSVFILE
11Address及びMail Serverデータファイル用シンボリックリンク先ディレクトリ/gmaxpkgd/GROUPMAIL
12Address及びMail Serverデータファイル用リンクファイル/var/opt/GroupMail
※1 GroupmaxパッケージとはGroupmax製品群をクラスタシステムのパッケージとした定義したもの。

以下の手順でシンボリックリンクを設定します。

  1. ノード1でGroupmaxパッケージ用の論理ボリューム(/dev/vg03/lvol1)をマウントします。
    #mount /dev/vg03/lvol1 /gmaxpkgd
  2. ノード1でAddress及びMail Serverデータファイル用シンボリックリンク先ディレクトリを作成します。
    #mkdir /gmaxpkgd/GROUPMAIL
  3. ノード1でAddress及びMail Serverデータファイル用リンクファイルを作成します。
    #ln -s /gmaxpkgd/GROUPMAIL /var/opt/GroupMail
  4. ノード1でGroupmaxパッケージ用の論理ボリューム(/dev/vg03/lvol1)をアンマウントします。
    #cd /
    #umount /gmaxpkgd
  5. ノード2でGroupmaxパッケージ用の論理ボリューム(/dev/vg03/lvol1)をマウントします。
    #mount /dev/vg03/lvol1 /gmaxpkgd
  6. ノード2でAddress及びMail Serverデータファイル用リンクファイルを作成します。
    #ln -s /gmaxpkgd/GROUPMAIL /var/opt/GroupMail
  7. ノード2でGroupmaxパッケージ用の論理ボリューム(/dev/vg03/lvol1)をアンマウントします。
    #cd /
    #umount /gmaxpkgd

    [図データ]

(2) パッケージIPアドレスの設定

各ノードのローカルIPアドレスとは別にGroupmaxパッケージ用のパッケージIPアドレスを設定する必要があります。すべてのノードがパッケージIPアドレスを解決できるように,DNS定義ファイル又はhostsファイルに設定してください。設定内容の例を以下に示します。ネットワーク構成は表K-2を参照してください。

表K-2 ネットワーク構成

項番作成項目
1ノード1のローカルIPアドレス172.1.1.1
2ノード1のドメイン名又はホスト名node1
3ノード2のローカルIPアドレス172.1.1.2
4ノード2のドメイン名又はホスト名node2
5Groupmaxパッケージ用のパッケージIPアドレス172.1.1.3
6Groupmaxパッケージ用のパッケージドメイン名又はホスト名gmaxhost

(3) システム管理者の限定

通常の運用ではAddress Serverのシステム管理者は任意に設定できます。しかし,クラスタシステムと連携を行う場合はシステム管理者はrootユーザにしてください。また,ノード1とノード2のrootユーザは,同じユーザIDでかつ同じグループIDを持つグループに所属させてください。