2.2 アドレスサーバ環境構築のための事前準備

表2-1の事前準備に該当する,次の作業内容について説明します。

  1. システム管理者のユーザアカウントの登録
  2. hostsファイルの設定
  3. Object Serverのインストール
  4. Address Serverのインストール
  5. servicesファイルの設定
  6. データベース定義ファイルの作成
  7. データベースの初期化
  8. Object Serverの起動

ここで説明する事前準備の「データベースの初期化」以外の操作は,host1(マスタ管理サーバ+運転席),host2(アドレスサーバ)の両方のサーバに対して実行します。また,どちらのサーバから作業してもかまいません。データベースの初期化では,host1とhost2で指定する値が異なります。詳しくは後述する「データベースの初期化」を参照してください。

<この節の構成>
(1) システム管理者のユーザアカウントの登録
(2) hostsファイルの設定
(3) Object Serverのインストール
(4) Address Serverのインストール
(5) servicesファイルの設定
(6) データベース定義ファイルの作成
(7) データベースの初期化
(8) Object Serverの起動

(1) システム管理者のユーザアカウントの登録

  1. Address Serverのシステム管理者のユーザアカウントがOS(HP-UX,AIX)に登録されている必要があります。スーパーユーザでログインしてください。
  2. OS(HP-UX,AIX)のマニュアルを参照して,ユーザを登録してください。
  3. 新しいユーザがObject Serverを操作できるように設定してください。
  4. ログアウトして新しいユーザでログインします。

(2) hostsファイルの設定

host1とhost2のマシンのhostsファイルにhost1とhost2のホスト名とそのIPアドレスが設定されているかどうかを確認し,設定されていない場合は追加してください。追加の方法については,OSのマニュアルを参照してください。hostsファイルは次の場所に格納されています。

/etc/hosts

(3) Object Serverのインストール

マニュアル「Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド」を参照してインストールしてください。

(4) Address Serverのインストール

(a) マスタ管理サーバ+運転席(host1)のインストール

次の手順で実行してください(インストール媒体がCD-ROMの場合は「4.2 インストール」を参照してください)。

  1. Address ServerのテープをDATドライブにセットしてください。
  2. スーパーユーザでログインし,「tar xf /dev/rmt/0m」を実行してください。
    下線部分は環境によってデバイスファイル名が異なります。使用する環境に合わせてファイル名を変更してください。
  3. Hitachi PP Installerである「/etc/hitachi_setup -i /dev/rmt/0m」を実行します。
    下線部分は環境によってデバイスファイル名が異なります。使用する環境に合わせてファイル名を変更してください。
  4. 「I」」Install Software」を選択します。
  5. スペースキーで「Groupmax Address Server Version 7」を選択し,「I)Install」を選択します。
    インストール処理が開始されます。
  6. インストール処理が完了したら,「Q)Quit」を選択して終了します。
(b) アドレスサーバ(host2)のインストール

次の手順で実行してください(インストール媒体がCD-ROMの場合は「4.2 インストール」を参照してください)。

  1. Address ServerのテープをDATドライブにセットしてください。
  2. スーパーユーザでログインし,「tar xf /dev/rmt/0m」を実行してください。
    下線部分は環境によってデバイスファイル名が異なります。使用する環境に合わせてファイル名を変更してください。
  3. Hitachi PP Installerである「/etc/hitachi_setup -i /dev/rmt/0m」を実行します。
    下線部分は環境によってデバイスファイル名が異なります。使用する環境に合わせてファイル名を変更してください。
  4. 「I」」Install Software」を選択します。
  5. スペースキーで「Groupmax Address Server Version 7」を選択し,「I)Install」を選択します。
    インストール処理が開始されます。
  6. インストール処理が完了したら,「Q)Quit」を選択して終了します。

(5) servicesファイルの設定

servicesファイルの設定はAddress Serverが提供するサンプルを使用してください。

次にその操作手順を示します。

  1. スーパーユーザでログインします。
    一般的にservicesファイルはスーパーユーザで扱います。
  2. /opt/GroupMail/sample/servicesサンプルファイルの内容を/etc/servicesファイルに設定します。
    詳しい設定方法についてはOS(HP-UX,AIX)のマニュアルを参照してください。なお,サンプルファイルに記述されたポート番号が既に/etc/servicesファイルに記述されている場合は,Address Serverのポート番号を重複しないように変更してください。

(6) データベース定義ファイルの作成

データベース定義ファイルとして,次の二つのファイルを作成します。詳細はマニュアル「Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。

初期設定パラメタファイル(dbinitfile)
ユーザ数,実装メモリなどのシステム情報から生成される初期設定パラメタを格納するファイルです。/opt/GroupMail/sample
dbinitfile1,dbinitfile2,dbinitfile3から一つ選んでdbinitfileというファイル名でコピーしてください。
システム共通定義ファイル(xodrc)
Object Serverシステムに共通の環境を設定するためのファイルです。/opt/GroupMail/sample/xodrc1,xodrc2,xodrc3から一つ選んでxodrcというファイル名でコピーしてください。xodrcファイル内の「set dbm_master=」にマスタディレクトリのファイル名を絶対パスで記述してください。

これらのファイルを作成した後,システムに登録します。次に操作手順を示します。

  1. スーパーユーザでログインし,環境変数を設定します。
    環境変数XODDIRにはオブジェクトサーバのホームディレクトリを絶対パスで指定してください。環境変数XODCONFPATHには共通定義ファイルxodrcが格納されているディレクトリを絶対パスで指定してください。
  2. 「/opt/HiOODB/bin/xodsetup $XODDIR」を実行します。

(7) データベースの初期化

システムに登録したデータベース定義ファイルを基にデータベースを初期化します。詳細はマニュアル「Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。次に操作手順を示します。

  1. システム管理者のアカウントでログインします。
  2. 「xodbinitコマンド」を実行します。
    コマンドは環境変数XODDIRで指定したディレクトリの下にあるbinディレクトリにあります。

(8) Object Serverの起動

次に操作手順を示します。詳細はマニュアル「Groupmax Object Server Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。

  1. システム管理者のアカウントでログインします。
  2. 「xodstartコマンド」を実行します。
    コマンドは環境変数XODDIRで指定したディレクトリの下にあるbinディレクトリにあります。