3.1 メールサーバ環境構築の概要

マルチサーバ構成でメールサーバ環境を構築する方法について,具体的な構築例を示して説明します。

ここで示す構築例に従って作業すれば,必要最小限のマルチサーバ構成でのメールサーバ環境を構築できます。急いでマルチサーバ構成でのメールサーバ環境を構築したい,調査,評価などのためにマルチサーバ構成でのメールサーバ環境を構築したいなどのときにお読みください。構築例での各作業の詳細については,「4. システムの環境設定」及び「5. システムの運用設定」を参照してください。

ここでは,図3-1に示す構築例に沿って説明を進めていきます。

図3-1 メールサーバ環境の構築例

[図データ]

マルチサーバ構成としては最小規模の2台のマシンで構築しています。OSにはHP-UXとAIXを,データベースにはObject Serverを使用しています。

なお,ここで説明する構築方法は,OS(HP-UX,AIX)のセットアップ,及びTCP/IP環境が整っていることを前提にしています。

図3-1の環境を構築する場合,表3-1に示す作業を順番に実行します。

表3-1 メールサーバ環境構築の作業項目

作業の分類項番作業内容操作対象
host1host2
事前準備1システム管理者のアカウントをOS(HP-UX,AIX)へ登録
2hostsファイルの設定
3Object Serverのインストール
4Address Serverのインストール
5Mail Serverのインストール
6servicesファイルの設定
7データベース定義ファイルの作成
8データベースの初期化
9Object Serverの起動
アドレス・メール10Address Server,Mail Serverのセットアップ
アドレスサーバ11マスタ管理サーバのアドレスサービスの起動
12メールサーバのアドレスサービスの起動
13運転席の起動
14サイトの登録
15アドレスサーバの登録
メールサーバ16メールサーバの設定
17運転席の停止
18運転席の起動
19メールサーバの起動
(凡例)
○は該当する作業内容をそのマシンで操作することを示す。-は該当する作業内容をそのマシンで操作しないことを示す。

作業の分類が「事前準備」になっている項目は,Address Serverをインストールし,アドレスサーバを設定する前に作業する必要があることを示します。

作業の分類が「アドレスサーバ」になっている項目は, Address Serverの機能を使用して作業することを示しています。

作業の分類が「メールサーバ」になっている項目は, Mail Serverの機能を使用して作業することを示しています。

作業の分類が「アドレス・メール」になっている項目は, Address ServerとMail Serverの両方の機能を使用して作業することを示しています。