3.3.2 Workflow Agentの環境設定

Workflow Agentのインストール後,運用を開始する前に環境設定が必要です。初めてWorkflow Agentを運用する場合,及び環境を再設定する場合は,次の1.~4.の設定をしてください。なお,5.及び6.については,利用するエージェントの種類に応じて設定が必要になります。

  1. 環境変数の設定
  2. servicesファイルの設定
  3. カーネルパラメタの見直し
  4. Workflow Agent実行エンジンからAgent Serverへのファイルの登録
  5. ユーザID一覧ファイルの作成
  6. ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成
<この項の構成>
(1) 環境変数の設定
(2) servicesファイルの設定
(3) カーネルパラメタの見直し
(4) Workflow Agent実行エンジン(Agent - Workflow Function)からAgent Serverへのファイルの登録
(5) ユーザID一覧ファイルの作成
(6) ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成

(1) 環境変数の設定

Workflow Agent本体のインストール時に次の環境変数を設定します。なお,設定例として/groupmax/WorkflowAgent/sample/profileを参照できます。

LANG
使用する言語環境として次の値を設定します。
ja_JP.SJIS:日本語

 

また,Workflow Agent実行エンジンのインストール時に次の環境変数を設定します。なお,設定例として/groupmax/WorkflowAgentMF/sample/profileを参照できます。

LANG
使用する言語環境として次の値を設定します。
ja_JP.SJIS:日本語
AGSV_ENGPATH_GroupmaxWorkflow
Workflow Agent実行エンジンライブラリの格納場所として次のパスを設定します。
/groupmax/WorkflowAgentMF/lib/libWAengine.sl
AGSV_ENGFUNC_GroupmaxWorkflow
Workflow Agent実行エンジンライブラリのライブラリ名として次の名称を設定します。
WA_eng_start

(2) servicesファイルの設定

Workflow Agent本体がインストールされているマシンのservicesファイルに次の内容を追加してください。

  gmaxwasrv   20026/tcp
  agsvrcon    20028/tcp

 

また,Workflow Agent実行エンジンがインストールされているマシンのservicesファイルに次の内容を追加してください。

  gmaxwasrv   20026/tcp

(3) カーネルパラメタの見直し

Workflow Agent本体を使用するために変更が必要なカーネルパラメタを表3-8に,Workflow Agent実行エンジンを使用するために変更が必要なカーネルパラメタを表3-9に示します。それぞれの表に示す項目について,パラメタ値を見直してください。

表3-8 変更が必要なカーネルパラメタ(Workflow Agent本体)

パラメタ名称Workflow Agent本体が使用する値
msgmni2
msgtql64
semmni25
semmns25
shmmni1
shmmax10M
nfile1,100
ninode1,100
nproc20
maxfiles1,100
maxfiles_lim1,100

表3-9 変更が必要なカーネルパラメタ(Workflow Agent実行エンジン)

パラメタ名称Workflow Agent実行エンジンが使用する値
nfile1,100
ninode1,100
maxfiles1,100
maxfiles_lim1,100

カーネルパラメタの変更にはsamコマンドを使用します。使用方法についてはマニュアル「HI-UX/WE2 システム管理 タスク編」,又はHP-UXのマニュアルを参照してください。

(4) Workflow Agent実行エンジン(Agent - Workflow Function)からAgent Serverへのファイルの登録

Workflow Agentの提供するエージェントをクライアントから使用できるようにするために,Workflow Agent実行エンジンにあるファイルをAgent Serverにコピーしてください。Workflow Agent実行エンジンからAgent Serverにコピーするファイルの一覧を表3-10及び表3-11に示します。

表3-10 Agent Serverにコピーするファイル一覧(V2クライアントを使用する場合)

ファイル種別コピー元
(/groupmax/WorkflowAgentMF/tmpl/)
コピー先
(/groupmax/agentserver/tmpl/)
詳細ダイアログDLLファイルtemplate/library/AGTDLG.DLLtemplate/library/AGTDLG.DLL
template/library/WFAGTDLG.DLLtemplate/library/WFAGTDLG.DLL
ヘルプファイルhelp/gmwfagt.cnthelp/gmwfagt.cnt
help/gmwfagt.hlphelp/gmwfagt.hlp
テンプレート定義データtemplate/WFALMTAD.htmtemplate/WFALMTAD.htm
template/WFALMTPS.htmtemplate/WFALMTPS.htm
template/WFALMTWT.htmtemplate/WFALMTWT.htm
template/WFAEXUP.htmtemplate/WFAEXUP.htm

 

表3-11 Agent Serverにコピーするファイル一覧(V3及びV5クライアントを使用する場合)

ファイル種別コピー元
(/groupmax/WorkflowAgentMF/tmpl/)
コピー先
(/groupmax/agentserver/tmpl/)
詳細ダイアログDLLファイルtemplateV3/library/AGTDLG.DLLtemplateV3/library/AGTDLG.DLL
templateV3/library/WADLG.DLLtemplateV3/library
/WADLG.DLL
templateV3/library/WFAGTDLG.DLLtemplateV3/library
/WFAGTDLG.DLL
ヘルプファイルhelpV3/gmwfagt.cnthelpV3/gmwfagt.cnt
helpV3/gmwfagt.hlphelpV3/gmwfagt.hlp
テンプレート定義データtemplateV3/WFALMTAD.htmtemplateV3/WFALMTAD.htm
templateV3/WFALMTPS.htmtemplateV3/WFALMTPS.htm
templateV3/WFALMTWT.htmtemplateV3/WFALMTWT.htm
templateV3/WFAEXUP.htmtemplateV3/WFAEXUP.htm
templateV3/WFAARVAL.htmtemplateV3/WFAARVAL.htm
templateV3/WFAARVRL.htmtemplateV3/WFAARVRL.htm
templateV3/WFAARVTL.htmtemplateV3/WFAARVTL.htm

ただし,上記のテンプレートを特定ユーザだけに使用できるようにする(例えばWFALMTAD.htmを管理者だけが使用できるようにする)には,上記のディレクトリにコピーしないで,「ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ/users又はusersV3/テンプレートを使用するユーザのユーザID」にコピーします。ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリを参照する場合は,「5.6 システム情報の参照・更新・初期化」を参照するか,テンプレートの開発者に問い合わせるかしてください。

注意事項
これらの設定の後にAgent Serverを削除した場合,上記のファイルは削除されます(ただし,ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリのファイルは削除されません)。Agent Serverを再インストールした場合は,再度上記のファイルをコピーする必要があります。

(5) ユーザID一覧ファイルの作成

ユーザID一覧ファイルは,次のエージェントで監視の対象となるユーザをユーザIDで選択する場合に必要なファイルです。

ユーザID一覧ファイルは,Workflow Agentの運用コマンドを使用して作成します。ユーザID一覧ファイルの作成の詳細については「6.2.2 ユーザID一覧ファイルの作成と参照(WAulist)」を参照してください。

ユーザID一覧ファイルの作成手順について説明します。

  1. CSV形式でユーザ作成ファイルを作成します。
    CSV形式のユーザ作成ファイルは次のどちらかの方法で作成してください。
    • エディタなどを使用してユーザIDをファイルに設定します。次に,このファイルをCSV(Comma Separated Value)形式で格納します。
    • Groupmax Address Exportユティリティを使用して,ユーザID一覧が格納されているユーザ作成ファイルを作成します。Groupmax Address Exportユティリティについては,マニュアル「Groupmax Address/Mail Version 5 システム管理者ガイド ユティリティ編」を参照してください。
  2. ユーザID一覧ファイルを作成します。
    Workflow Agentの運用コマンド「WAulist」を実行して,1.で作成したユーザ作成ファイルからユーザID一覧ファイルを作成します。
  3. 作成したユーザID一覧ファイルをワークフローサーバへ転送します。
    ユーザID一覧ファイルは,エージェントサーバ側,ワークフローサーバ側のどちらでも作成できるので,ワークフローサーバとは異なるマシン上でユーザID一覧ファイルを作成した場合は,FTPなどを使用してワークフローサーバの任意のディレクトリに転送してください。

(6) ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成

ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルは,次に示すエージェントで監視結果をE-mailで通知する場合に必要なファイルです。

ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルは,Workflow Agentの運用コマンドを使用して作成します。ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成の詳細については「6.2.3 ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成と参照(WAemtbl)」を参照してください。

ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルの作成手順について説明します。

  1. CSV形式のユーザ作成ファイルを作成します。
    CSV形式のユーザ作成ファイルは次のどちらかの方法で作成してください。
    • エディタなどを使用してユーザIDとE-mailアドレスをファイルに設定します。次に,このファイルをCSV形式で格納します。
    • Groupmax Address Exportユティリティを使用して,ユーザIDとE-mailアドレスの一覧が格納されているユーザ作成ファイルを作成します。Groupmax Address Exportユティリティについては,マニュアル「Groupmax Address/Mail Version 5システム管理者ガイド ユティリティ編」を参照してください。
  2. ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルを作成します。
    Workflow Agentの運用コマンド「WAemtbl」を実行して,1.で作成したユーザ作成ファイルから,ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルを作成します。
  3. 作成したユーザID・E-mailアドレス対応ファイルをワークフローサーバへ転送します。
    ユーザID・E-mailアドレス対応ファイルは,エージェントサーバ側,ワークフローサーバ側のどちらでも作成できるので,ワークフローサーバとは異なるマシン上でユーザID・E-mailアドレス対応ファイルを作成した場合は,FTPなどを使用してワークフローサーバの任意のディレクトリに転送してください。