Agent Serverのインストール後,運用を開始する前に環境設定が必要です。初めてAgent Serverを運用する場合,及び環境を再設定する場合は,次の1.~6.の設定をしてください。
(1) 環境変数の設定
Agent Server,及びAgent Server Mail Optionをインストールしたマシンの次の環境変数に値を追加します。なお,設定例として/groupmax/agentserver/sample/etc/profileを参照できます。
また,Mail Serverがインストールされているマシンに次の環境変数を設定します。なお,これらの環境変数は,OSがHI-UX/WE2の場合は/usr/GroupMail/bin/GM_ENV,HP-UXの場合は/var/opt/GroupMail/nxcdir/GM_ENVに定義されています。ただし,XODDIR及びXODCONFPATHの設定値については,Object Serverの管理者にお問い合わせください。
(2) servicesファイルの設定
Agent Serverがインストールされているマシンのservicesファイルに,次の内容を追加してください。servicesファイルは/etc/servicesにあります。
agcscom 20027/tcp
agsvrcon 20028/tcp
aggml 20039/tcp
Agent ServerをMail Serverと別のマシンにインストールした場合は,Mail Serverがインストールされているマシンのservicesファイルに次の内容を追加してください。
agsvrcon 20028/tcp
aggml 20039/tcp
(3) カーネルパラメタの見直し
Agent Serverの使用ではUNIXのシステム資源を使用するため,Agent Serverをインストールしたマシンのシステム資源の設定を考慮する必要があります。UNIXのシステム資源の設定はカーネルパラメタで設定します。Agent Serverを使用するために変更が必要なカーネルパラメタを表3-4に示します。表3-4に示す項目について,パラメタ値を見直してください。
表3-4 変更が必要なカーネルパラメタ(Agent Server)
パラメタ名称 | Agent Serverが使用する値 | ||
---|---|---|---|
Agent Server本体 | Agent Server Mail Option | Agent - Development Kit | |
msgmni | 15 | 2 | 2 |
msgtql | 250 | 16 | 64 |
semmni | 40 | 15 | 15 |
semmns | 40 | 15 | 15 |
shmmni | 環境設定ファイルのパラメタに依存※1 | 1 | 1 |
shmmax | 10M | ||
nfile | nproc×4 | ||
ninode | nproc×4 | ||
nproc | 環境設定ファイルのパラメタに依存※2 | 9 | 8 |
注※1 この値は,Agent Serverの環境設定ファイルのパラメタに依存します。以下の計算式に従って計算してください。
「10+max_login_user」
注※2 この値は,Agent Serverの環境設定ファイルのパラメタに依存します。以下の計算式に従って計算してください。
「30+(1+agent_b_class_count+agent_c_class_count)×2+max_pp_count/28+max_connect_user/28」
なお,「max_pp_count/28」及び「max_connect_user/28」の値は小数点以下を切り上げてください。
(4) Agent Serverのシステム情報の設定
Agent Serverでは,電子メールを使用するかどうか,何人のユーザが利用できるようにするかなどのシステム情報を設定する必要があります。これらの情報は,環境設定ファイルで設定します。
(a) 環境設定ファイルについて
(b) 環境設定ファイルの項目
環境設定ファイルの項目を表3-5に示します。なお,表の項番1~10の項目は,運用開始前に必ず設定しておいてください。
表3-5 環境設定ファイルの項目
項番 | パラメタ名 | 意味 | デフォルト | 指定できる範囲 | パラメタの省略 |
---|---|---|---|---|---|
1 | e_mail | E-mailを使用するかどうか | nouse | use:使用する nouse:使用しない | × |
2 | e_mail_host_name | E-mailサーバのホスト名又はIPアドレス | - | 255文字まで | e_mailにuseを指定した場合は指定する。 |
3 | e_mail_sender_name | E-mailサーバへメールを送信する際の送信者名 | - | 255文字まで | e_mailにuseを指定した場合は指定する。 |
4 | g_mail | Groupmax Mailを使用するかどうか | nouse | use:使用する nouse:使用しない | × |
5 | g_mail_host_name | Groupmax Mailサーバのホスト名又はIPアドレス | - | 255文字まで | g_mailにuseを指定した場合は指定する。 |
6 | g_mail_user_id | Agent ServerがGroupmax MailにログインするためのUserID | - | 8文字まで | g_mailにuseを指定した場合は指定する。 |
7 | xterm_command | X Window System端末の起動 | - | X Window System端末の起動コマンド | エディタを使用する場合は指定する。 |
8 | edit_command | 運用時の結果出力に使用するエディタ | - | vi又はfsed | エディタを使用する場合は指定する。 |
9 | user_template_path | ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ | - | 255文字まで | ○ |
10 | user_transfer_path | クライアント-サーバ間ファイル転送用ディレクトリ名 | - | 255文字まで | ○ |
11 | agent_b_class_count | Bクラスのプロセス数 | 8 | 1~32 | × |
12 | agent_c_class_count | Cクラスのプロセス数 | 4 | 1~32 | × |
13 | agent_b_class_time | Bクラスの動作期限監視時間(分) | 10 | 10~60 | × |
14 | agent_c_class_time | Cクラスの動作期限監視時間(分) | 15 | 10~60 | × |
15 | agent_lifetime | エージェント生存期間の監視時間間隔(日) | 7 | 1~30 | × |
16 | agent_max_count | 登録できるエージェント数の上限 | 1,000 | 32~3,000 | × |
17 | pp_retry_time | PPサーバ未起動時のAgent Serverからのリトライ間隔(時間) | 1 | 1~24 | × |
18 | max_pp_count | 接続するPPサーバ数の上限 | 8 | 1~64 | × |
19 | max_login_user | ログインできるユーザ数の上限 | 64 | 1~1,000 | × |
20 | max_connect_user | 同時にログインできるユーザ数の上限 | 16 | 1~「max_login_user」で指定した値(ただし最大256) | × |
21 | definition_path | エージェント情報を格納するディレクトリ名 | /groupmax/agentserver/definition | 255文字まで | × |
22 | log_path | 活動ログを格納するディレクトリ名 | /groupmax/agentserver/log | 255文字まで | × |
23 | memory_path | 永続メモリを格納するディレクトリ | /groupmax/agentserver/memory | 255文字まで | × |
24 | res_msg_max_count | クライアント未起動時の最大保留メッセージ数 | 1 | 0~10 | ○ |
25 | res_msg_lifetime | クライアント未起動時の最大保留メッセージ生存期間(日) | 1 | 1~7 | ○ |
(凡例) -:デフォルトはないことを表します。
○:省略できることを表します。
×:省略できないことを表します。
表に示した項目のうち,次の項番の項目について説明します。
なお,各パラメタのデフォルトは,/groupmax/agentserver/sample/etc/configにサンプルとして格納されている,デフォルトを示したファイルから参照できます。
(5) システム情報の初期化
(6) クライアントの環境設定
クライアントがテンプレート(エージェント生成のためのGUI画面)を使用してエージェントを生成する場合,デフォルト環境では,Agent Clientは次に示すテンプレート関連のファイルをAgent Serverからダウンロードして,クライアントがエージェントを生成できるようにします。
しかし,Agent Serverにある上記のファイルをAgent Clientにコピーしておくことによって,ファイルをAgent Serverからダウンロードしないで使用できます。したがって,ダウンロード時のシステムの負荷をなくすことができます。
Agent ServerからAgent Clientにコピーするファイルの一覧を表3-6及び表3-7に示します。「コピー元」に示すディレクトリ下のファイルを「コピー先」に示すディレクトリにコピーしてください。
表3-6 Agent Clientにコピーするファイル一覧(V2クライアントを使用する場合)
ファイル種別 | コピー元 (Agent Server) | コピー先 (Agent Client) |
---|---|---|
テンプレート定義ファイル | /groupmax/agentserver/tmpl/template | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥template¥system |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/common | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥template¥shared | |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/users/ユーザID | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥template¥users¥ユーザID | |
詳細ダイアログDLLファイル | /groupmax/agentserver/tmpl/template/library | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥library¥system |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/common/library | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥library¥shared | |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/users/ユーザID/library | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥library¥users¥ユーザID |
注※1 ファイル転送用ディレクトリは,「Groupmaxインストールディレクトリ¥Agent¥Tmp」で設定されています。
注※2 ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリが格納されているディレクトリを参照する場合は,「5.6 システム情報の参照・更新・初期化」を参照するか,テンプレートの開発者に問い合わせるかしてください。
表3-7 Agent Clientにコピーするファイル一覧(V3及びV5クライアントを使用する場合)
ファイル種別 | コピー元 (Agent Server) | コピー先 (Agent Client) |
---|---|---|
テンプレート定義ファイル | /groupmax/agentserver/tmpl/templateV3 | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥template¥system |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/commonV3 | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥template¥shared | |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/usersV3/ユーザID | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥template¥users¥ユーザID | |
詳細ダイアログDLLファイル | /groupmax/agentserver/tmpl/templateV3/library | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥library¥system |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/commonV3/library | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥library¥shared | |
ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ※2/usersV3/ユーザID/library | ファイル転送用ディレクトリ※1 ¥library¥users¥ユーザID |
注※1 ファイル転送用ディレクトリは,「Groupmaxインストールディレクトリ¥Agent¥Tmp」で設定されています。
注※2 ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリが格納されているディレクトリを参照する場合は,「5.6 システム情報の参照・更新・初期化」を参照するか,テンプレートの開発者に問い合わせるかしてください。