3.4.2 Mail Agentの環境設定

Mail Agentのインストール後,運用を開始する前に環境設定が必要です。初めてMail Agentを運用する場合,及び環境を再設定する場合は,次の項目を設定してください。

  1. 環境変数の設定
  2. servicesファイルの設定
  3. カーネルパラメタの見直し
  4. Mail Agent実行エンジンからAgent Serverへのファイルの登録
  5. システム情報の初期化
<この項の構成>
(1) 環境変数の設定
(2) servicesファイルの設定
(3) カーネルパラメタの見直し
(4) Mail Agent実行エンジン(Agent - Mail Function)からAgent Serverへのファイルの登録
(5) システム情報の初期化

(1) 環境変数の設定

Mail Agent本体のインストール時に次の環境変数を設定します。

Mail Agentに関する設定
設定例として/groupmax/MailAgent/sample/profileを参照できます。
LANG
使用する言語環境として次の値を設定します。
ja_JP.SJIS:日本語
Mail Serverに関する設定
次に示す環境変数は,OSがHI-UX/WE2の場合は/usr/GroupMail/bin/GM_ENV,HP-UXの場合は/var/opt/GroupMail/nxcdir/GM_ENVに定義されています。
NXROOT
HI-UX/WE2の場合 /usr/GroupMail
HP-UXの場合 /var/opt/GroupMail
MHSROOT
HI-UX/WE2の場合 /usr/GroupMail/x400
HP-UXの場合 /var/opt/GroupMail/x400
GM_ISDB_SCHEMA_NAME
スキーマ名
GM_ISDB_SERVER
スキーマのホスト名

 

また,Mail Agent実行エンジンのインストール時に次の環境変数を設定します。なお,設定例として/groupmax/MailAgentFunction/sample/profileを参照できます。

LANG
使用する言語環境として次の値を設定します。
ja_JP.SJIS:日本語
AGSV_ENGPATH_GroupmaxMail
Mail Agent実行エンジンライブラリの格納場所として次のパスを設定します。
/groupmax/MailAgentFunction/lib/libMAengine.sl
AGSV_ENGFUNC_GroupmaxMail
Mail Agent実行エンジンライブラリのライブラリ名として次の名称を設定します。
MA_eng_start

(2) servicesファイルの設定

Mail Agent本体がインストールされているマシンのservicesファイルに次の内容を追加してください。

agsvrcon      20028/tcp
gmaxmasrv     20081/tcp
gmaxmafsrv    20082/tcp

また,Mail Agent実行エンジンがインストールされているマシンのservicesファイルに次の内容を追加してください。

gmaxmasrv    20081/tcp
gmaxmafsrv   20082/tcp

(3) カーネルパラメタの見直し

Mail Agent本体を使用するために変更が必要なカーネルパラメタを表3-12に,Mail Agent実行エンジンを使用するために変更が必要なカーネルパラメタを表3-13に示します。それぞれの表に示す項目について,パラメタ値を見直してください。

表3-12 変更が必要なカーネルパラメタ(Mail Agent本体)

パラメタ名称Mail Agent本体が使用する値
msgmni10
msgtql7×1,024
semmni2
semmns11
msgmax16×1,024
msgmnb64×1,024
msgseg32×1,024
msgssz16
nfile10×4
ninode10×4
nproc10

注  上記の値に加えて,Agent - Development Kitが使用するシステム資源の使用量を見直す必要があります。

注※ システムの上限値です。Agent - Document Manager Server,Agent - Mail Server又はAgent - Mail Functionがインストールされた場合に設定します。


表3-13 変更が必要なカーネルパラメタ(Mail Agent実行エンジン)

パラメタ名称Mail Agent実行エンジンが使用する値
msgmni5
msgtql9×1,024
semmni3
semmns10
msgmax16×1,024
msgmnb64×1,024
msgseg32×1,024
msgssz16
nfile10×4
ninode10×4
nproc10

注  上記の値に加えて,Agent - Development Kitが使用するシステム資源の使用量を見直す必要があります。

注※ システムの上限値です。Agent - Document Manager Server,Agent - Mail Server又はAgent - Mail Functionがインストールされた場合に設定します。


 

カーネルパラメタの変更にはsamコマンドを使用します。使用方法についてはマニュアル「HI-UX/WE2 システム管理 タスク編」,又はHP-UXのマニュアルを参照してください。

(4) Mail Agent実行エンジン(Agent - Mail Function)からAgent Serverへのファイルの登録

Mail Agentの提供するエージェントをクライアントから使用できるようにするために,Mail Agent実行エンジンにあるファイルをAgent Serverにコピーしてください。Mail Agent実行エンジンからAgent Serverにコピーするファイルの一覧を表3-14に示します。

表3-14 Agent Serverにコピーするファイル一覧

ファイル種別コピー元
(/groupmax/MailAgentFunction/tmpl/)
コピー先
(/groupmax/agentserver/tmpl/)
詳細ダイアログDLLファイルtemplate/library/AGTDLG.DLLtemplateV3/library/AGTDLG.DLL
template/library/MADLG.DLLtemplateV3/library/MADLG.DLL
ヘルプファイルhelp/gmwfagt.cnthelpV3/gmwfagt.cnt
help/gmwfagt.hlphelpV3/gmwfagt.hlp
テンプレート定義データtemplate/MAPMRE.htmtemplateV3/MAPMRE.htm
template/MAPMFW.htmtemplateV3/MAPMFW.htm
template/MAPMUPEX.htmtemplateV3/MAPMUPEX.htm

ただし,上記のテンプレートを特定ユーザだけに使用できるようにする(例えばMAPMRE.htmを管理者だけが使用できるようにする)には,上記のディレクトリにコピーしないで,「ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリ/usersV3/テンプレートを使用するユーザのユーザID」にコピーします。ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリを参照する場合は,「5.6 システム情報の参照・更新・初期化」を参照するか,テンプレートの開発者に問い合わせるかしてください。

注意事項
これらの設定の後にAgent Serverを削除した場合,上記のファイルは削除されます(ただし,ユーザカスタマイズファイル用ディレクトリのファイルは削除されません)。Agent Serverを再インストールした場合は,再度上記のファイルをコピーする必要があります。

(5) システム情報の初期化

Mail Agent管理ツールを使用してシステム情報を初期化します。Mail Agent管理ツールを起動するには,運用コマンドを使用します。Mail Agentの運用コマンドについては「7.2 Mail Agentの運用コマンド」を,管理ツールによるシステム情報の初期化については「7.4.2 システム情報を初期化する」を参照してください。

Mail Agentでは,本体側(メールサーバ側)と実行エンジン側(エージェントサーバ側)の両方のシステム情報を初期化します。

Mail Agent本体側のシステム情報の初期化
  1. root権限でログインします。
  2. 次の形式で,管理ツールを起動する運用コマンド「MAmgrcmd」を実行します。「/groupmax/MailAgent/bin/MAmgrcmd」
  3. 管理ツールのメニューコマンドを選択してシステム情報を初期化します。
Mail Agent実行エンジン側のシステム情報の初期化
  1. root権限でログインします。
  2. 次の形式で,管理ツールを起動する運用コマンド「MAFmgrcmd」を実行します。「/groupmax/MailAgentFunction/bin/MAFmgrcmd」
  3. 管理ツールのメニューコマンドを選択してシステム情報を初期化します。