付録D.3 内容コード3000~3999


3004 SEND_CLNT_FAILURE

障害内容
TSCデーモンに直結するクライアントアプリケーションまたはTSCレギュレータと,TSCデーモン間の通信中に障害が発生しました。ただし,オブジェクトのユーザメソッドの呼び出しは完了している可能性があります。
開発時の対策
[TSCデーモンへの接続からのリトライ]
TSCデーモンに直結するクライアントアプリケーションまたはTSCレギュレータからTSCデーモンへの接続が切断されている可能性があります。再度,TSCAdm::getTSCClientの処理からやり直してください。
[ほかのTSCデーモンが開始済み]
ほかのTSCデーモンに対し,TSCAdm::getTSCClientの処理からやり直してください。
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
[TSCデーモンの確認]
TSCデーモンが開始していることを確認してから,クライアントアプリケーションを再度,開始してください。

3005 SEND_THIN_CLNT_FAILURE

障害内容
クライアントアプリケーションとTSCレギュレータ間の通信中に障害が発生しました。ただし,オブジェクトのユーザメソッドの呼び出しは完了している可能性があります。
開発時の対策
[TSCレギュレータへの接続からのリトライ]
クライアントアプリケーションからTSCレギュレータへの接続が切断されている可能性があります。再度,TSCAdm::getTSCClientの処理からやり直してください。
[ほかのTSCデーモンが開始済み]
ほかのTSCデーモンに対し,TSCAdm::getTSCClientの処理からやり直してください。
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
[TSCレギュレータおよびTSCデーモンの確認]
TSCレギュレータ,およびTSCデーモンが開始していることを確認したあと,再度,クライアントアプリケーションを開始してください。

3006 SEND_SERV_FAILURE

障害内容
TSCデーモンとサーバアプリケーション間の通信中に障害が発生しました。ただし,オブジェクトのユーザメソッドの呼び出しは完了している可能性があります。
開発時の対策
[リトライ]
再度,オブジェクトを呼び出してください。ただし,前回のユーザメソッドの呼び出しは完了している可能性があります。
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
[TSCルートアクセプタの確認]
該当するインタフェース名称およびTSCアクセプタ名称のオブジェクトを提供する,TSCルートアクセプタがactive状態であることを確認し,再度,クライアントアプリケーションを開始してください。
[サーバアプリケーションの確認]
該当するインタフェースおよびTSCアクセプタ名称のオブジェクトを提供する,サーバアプリケーションプロセスが開始していることを確認したあと,再度,クライアントアプリケーションを開始してください。

3007 SEND_TSCD_FAILURE

障害内容
TSCデーモン間の通信中に障害が発生しました。ただし,オブジェクトのユーザメソッドの呼び出しは完了している可能性があります。
開発時の対策
[リトライ]
再度,オブジェクトを呼び出してください。ただし,前回のオブジェクトのユーザメソッドの呼び出しは完了している可能性があります。
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
[TSCデーモンの確認]
該当するインタフェース名称およびTSCアクセプタ名称のオブジェクトを提供しているサーバアプリケーションプロセスが接続している,同じTSCドメイン内のTSCデーモンが開始していることを確認してください。TSCデーモンが開始していない場合,TSCデーモンおよびサーバアプリケーションを開始したあと,クライアントアプリケーションを実行してください。

3009 BASIC_CONN_FAILURE

障害内容
[TSCAdm::initServer]
[TSCAdm::getTSCServer]
[TSCAdm::initClient]
[TSCAdm::getTSCClient]
通信先のtscdが見つかりませんでした。
開発時の対策
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
[osagentの確認]
TPBrokerのosagentプロセスが開始されているかどうかを確認してください。
[環境変数の確認]
osagentプロセス,OTMシステムプロセス,およびアプリケーションプロセスのOSAGENT_PORT環境変数が一致しているかどうかを確認してください。
[TSCデーモンおよびTSCレギュレータの確認]
接続または通信するTSCデーモンおよびTSCレギュレータが開始されているかどうかを確認してください。
[その他]
osagentプロセスを再開始してください。

3010 CONN_FAILURE

障害内容
通信路の接続に失敗しました。
[TSCAdm::initServer]
サーバアプリケーションのTSCデーモンへの登録要求の過程で障害が発生しました。その原因を次に示します。
  • コマンドオプション引数-TSCPortに,すでにほかのプロセスが使用しているポート番号を指定しています。
  • コマンドオプション引数-TSCPortに指定した値が不正です。
[TSCAdm::getTSCServer]
サーバアプリケーションとTSCデーモンの接続の過程で障害が発生しました。
[TSCAdm::initClient]
クライアントアプリケーションのTSCデーモンへの登録要求の過程で障害が発生しました。その原因を次に示します。
  • コマンドオプション引数-TSCPortに,すでにほかのプロセスが使用しているポート番号を指定しています。
  • コマンドオプション引数-TSCPortに指定した値が不正です。
[TSCAdm::getTSCClient]
クライアントアプリケーションと,TSCデーモンまたはTSCレギュレータの接続の過程で障害が発生しました。
[TSCAdm::releaseTSCServer]
サーバアプリケーションとTSCデーモンの接続切断の過程で障害が発生しました。
[TSCAdm::endServer]
サーバアプリケーションのTSCデーモンへの登録解除の過程で障害が発生しました。
[TSCAdm::releaseTSCClient]
クライアントアプリケーションと,TSCデーモンまたはTSCレギュレータの接続切断の過程で障害が発生しました。
[TSCAdm::endClient]
クライアントアプリケーションのTSCデーモンへの登録解除の過程で障害が発生しました。
[TSCRootAcceptor::acitvate]
TSCRootAcceptorの活性化(active状態への遷移)の過程で通信障害がありました。
[TSCRootAcceptor::deactivate]
TSCRootAcceptorの非活性化(non-active状態への遷移)の過程で通信障害がありました。
開発時の対策
[リトライ(TSCAdm::getTSCServer)]
再度,TSCAdm::getTSCServerからやり直してください。
[リトライ(TSCAdm::getTSCClient)]
再度,TSCAdm::getTSCClientからやり直してください。
[処理の終了(TSCAdm::releaseTSCServer)]
TSCAdm::releaseTSCServerが受け付けられる前に,障害が発生しました。OTMの処理を終了してください。
[処理の終了(TSCAdm::releaseTSCClient)]
TSCAdm::releaseTSCClientが受け付けられる前に,障害が発生しました。OTMの処理を終了してください。
[リトライ(TSCRootAcceptor::activate)]
再度,TSCAdm::getTSCServerからやり直してください。
[処理の終了(TSCRootAcceptor::deactivate)]
TSCRootAcceptor::deactivateが受け付けられる前に,障害が発生しました。OTMの処理を終了してください。
[処理の終了]
保守コード1および保守コード2を取得して,OTMの処理を終了してください。TSCRootAcceptor::deactivateでこの例外が発生し,完了状態がCOMPLETED_MAYBE(0)の場合,TSCRootAcceptor::deactivateの処理が完了していないため,アプリケーションプロセスが異常終了するおそれがあります。
運用時の対策
[最大コネクション数(ファイルディスクリプタ数)の確認]
プロセス単位で確立できる最大コネクション数,または取得できるファイルディスクリプタ数を超えて,コネクションを確立しようとした可能性が高いです。OTMのシステムを終了してください。その後,プロセス単位で確立できる最大コネクション数,または取得できるファイルディスクリプタ数の上限を変更し,再度,システムを開始してください。
[指定ポート番号の確認]
コマンドオプション引数-TSCPortに指定したポート番号は,すでにほかのプロセスで使用されている可能性があります。コマンドオプション引数-TSCPortに指定するポート番号をほかのプロセスが使用していないポート番号に変更し,再度,実行してください。

3011 INCOMPATIBLE_PROTOCOL

障害内容
OTMの通信プロトコル上で,バージョンの不一致がありました。
開発時の対策
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
同じTSCドメインに含まれるOTMのシステムデーモン,またはアプリケーションプログラムの中で,バージョンの不一致があります。再度,確認してください。

3012 NOT_IGNORE_PROTOCOL

障害内容
[オブジェクトのユーザメソッド]
OTMの一部の機能についてバージョンの不一致がありました。
開発時の対策
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
一部の機能について,場所コードで示されるプロセスのバージョンがほかのプロセスのバージョンと不一致です。再度,確認してください。

3021 DEACTIVATE_FAILURE

障害内容
[TSCRootAcceptor::deactivate]
TSCRootAcceptor::deactivateの処理中にエラーが発生しました。次の要因が考えられます。
  • 通信処理中にTSCデーモンで通信障害が発生しました。
  • 通信処理中にTSCデーモンでタイムアウトを検知しました。
  • TSCObjectFactory::destroyのユーザ実装部分から例外が返されました。
開発時の対策
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。エラーの詳細についてはKFOT75122-Eメッセージの内容を参照してください。完了状態がCOMPLETED_MAYBE(0)の場合,TSCRootAcceptor::deactivateの処理が完了していないため,アプリケーションプロセスが異常終了するおそれがあります。

3023 RECEIVE_CONN_DOWN

障害内容
TSCデーモンからクライアントアプリケーションへの接続,またはTSCデーモンからTSCレギュレータへの接続が切断されていることを検知しました。
開発時の対策
[TSCデーモンへの接続からのリトライ]
再度,TSCAdm::getTSCClientの処理からやり直し,コネクションを再接続してください。
[ほかのTSCデーモンが開始済み]
ほかのTSCデーモンに対し,TSCAdm::getTSCClientの処理からやり直してください。
[処理の終了]
内容コード,場所コード,完了状態,および保守コード1~4を取得し,OTMの処理を終了してください。
運用時の対策
[TSCレギュレータおよびTSCデーモンの確認]
TSCレギュレータ,およびTSCデーモンが開始していることを確認したあと,再度,クライアントアプリケーションを開始してください。

3998 TPBROKER_COMM_FAILURE

障害内容
[オブジェクトのユーザメソッド]
クライアント側からTSCユーザプロキシを使用して,TSCユーザオブジェクトのユーザメソッドを呼び出しましたが,CORBA::COMM_FAILUREの例外通知を受けました。