tscgetref接続先情報の取得と編集

形式

tscgetref [-h] |
        [{-TSCDomain TSCドメイン名称[,TSCドメイン名称...] |
          -TSCDomainAll}]
        [{-TSCID TSC識別子[,TSC識別子...] | -TSCIDAll}]
         [-TSCHost ホスト名称またはIPアドレス
                 [,ホスト名称またはIPアドレス...]]
         [-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス]
         [-TSCRequestWay 0 | 1 ] [-TSCConnectType bind | ior]
         [-TSCInFile 入力ファイル名称[,入力ファイル名称...]]
         [{-TSCPrint | -TSCOutFile 出力ファイル名称}]

機能

TSCノードにあるTSCデーモンまたはTSCレギュレータの接続先情報を取得および編集します。

tscgetrefコマンドの出力ファイルである接続先情報ファイルの内容に応じて,クライアントアプリケーションまたはサーバアプリケーションはTSCノードへ接続します。この場合のサーバアプリケーションは,TSCAdmクラスのgetTSCClientメソッドを発行する,クライアントアプリケーションの機能を持つアプリケーションプログラムに限られます。接続先情報ファイルの詳細については,「2.2 接続先情報ファイルを使用する接続」を参照してください。

なお,tscgetrefコマンドで接続先情報を取得できるのはOTMだけです。OTM - Clientでは,接続先情報ファイルを入力元とする接続先情報の編集だけができます。

オプション

●-h

コマンドの使用方法が表示されます。

●-TSCDomain TSCドメイン名称[,TSCドメイン名称...]

~<1~31文字の英数字>《TSCDOMAIN》

接続先情報の取得または編集の対象となるTSCドメイン名称を指定します。"TSC"または"tsc"で始まる文字列は指定しないでください。省略した場合は"TSCDOMAIN"が設定されます。

-TSCDomainオプションには,複数のTSCドメイン名称を指定できます。接続先情報を取得する場合は,tscgetrefコマンドと同じホストで開始済みの,すべてのTSCドメイン名称を指定してください。

なお,-TSCDomainオプションは-TSCDomainAllオプションと同時には指定できません。

●-TSCDomainAll

すべてのTSCドメインを対象として,接続先情報を取得または編集します。接続先情報を取得する場合は,tscgetrefコマンドを実行するホストにあるすべてのTSCドメインを対象とします。接続先情報を編集する場合は,入力元となる接続先情報ファイル内に記述されたすべてのTSCドメインを対象とします。

省略した場合は,-TSCDomainオプションで指定されたTSCドメインを対象として,接続先情報を取得または編集します。-TSCDomainAllオプションは,-TSCDomainオプションと同時には指定できません。

なお,自ホストにあるTSCドメインを確認するにはtscdminfoコマンドを実行してください。

●-TSCID TSC識別子[,TSC識別子...]

~<1~31文字の英数字,およびピリオド(.)>《IPアドレス》

接続先情報の取得または編集の対象となるTSCデーモンの識別子を指定します。"TSC"または"tsc"で始まるTSC識別子は指定しないでください。ピリオド(.)は,IPアドレスを指定する場合だけ使用できます。-TSCIDオプションには,複数のTSC識別子を指定できます。省略した場合は,IPアドレスがTSC識別子に設定されます。例えば,ホストのIPアドレスが"172.17.112.43"のとき,"172.17.112.43"という文字列がTSC識別子となります。

-TSCIDオプションは,-TSCIDAllオプションと同時には指定できません。

●-TSCIDAll

指定したTSCドメイン内のすべてのTSC識別子を対象として,接続先情報を取得または編集します。接続先情報を取得する場合は,指定されたTSCドメインが認識するすべてのTSC識別子を対象とします。接続先情報を編集する場合は,入力元となる接続先情報ファイル内に記述された接続先情報のうち,指定されたTSCドメイン内のすべてのTSC識別子を対象とします。

省略した場合は,-TSCIDオプションで指定したTSC識別子を対象として接続先情報を取得または編集します。-TSCIDAllオプションは,-TSCIDオプションと同時には指定できません。

●-TSCHost ホスト名称またはIPアドレス[,ホスト名称またはIPアドレス...]

~<1~64文字の文字列>

接続先情報の取得または編集の対象となるホストのホスト名称またはIPアドレスを指定します。

-TSCDomainオプション(または-TSCDomainAllオプション)および-TSCIDオプション(または-TSCIDAllオプション)で指定されたTSCノードのうち,-TSCHostオプションで指定されたホストにあるTSCノードを対象として,接続先情報を取得または編集します。-TSCHostオプションには,複数のホスト名称またはIPアドレスを指定できます。

省略した場合,接続先情報を取得するときは,tscgetrefコマンドで接続先情報の取得を要求したホストのTSCドメインマネジャが認識できる,ネットワーク内にあるすべてのホストを対象とします。接続先情報を編集するときは,入力元となる接続先情報ファイル内に記述されたすべてのホストを対象とします。

●-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス

~<1~64文字の文字列>《hostnameコマンドで取得されるホスト名称》

マルチホームドホスト環境でOTMが使用するホスト名称またはIPアドレスを指定します。省略した場合は,hostnameコマンドで取得されるホスト名称が設定されます。

-TSCIDオプションを省略して,-TSCMyHostオプションを指定した場合,デフォルトのTSC識別子は-TSCMyHostオプションで指定したIPアドレスになります。

●-TSCRequestWay 0 | 1

~<符号なし整数>((0 | 1))

接続先情報の取得または編集の対象となる接続経路を指定します。

"0"を指定すると,TSCデーモンに直結したリクエストの情報を取得または編集します。

"1"を指定すると,TSCレギュレータを経由してTSCデーモンに接続したリクエストの情報を取得または編集します。

省略した場合は,両方の方法に該当する情報を取得または編集します。

●-TSCConnectType bind | ior

~<英字>((bind | ior))

接続先情報の取得または編集の対象となる接続方法を指定します。

"bind"を指定すると,TPBrokerのスマートエージェントを使用した接続先の情報を取得または編集します。
"ior"を指定すると,IOR文字列の使用を使用した接続先の情報を取得または編集します。

省略した場合は,両方の接続方法に該当する情報を取得または編集します。

●-TSCInFile 入力ファイル名称[,入力ファイル名称...]

UNIXの場合~<英数字,ピリオド(.),スラント(/),プラス(+),およびハイフン(-)>

Windowsの場合~<英数字,ピリオド(.),円符号(¥),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>

編集の対象となる接続先情報ファイル名称を絶対パスまたは相対パスで指定します。省略した場合は,tscgetrefコマンドの実行時にオンラインとなっているTSCノードの情報が取得されます。-TSCInFileオプションには,複数の接続先情報ファイル名称を指定できます。

ただし,OTM - Clientでは-TSCInFileオプションは省略できません。

●-TSCPrint

接続先情報の取得または編集時に,出力結果を標準出力に文字形式で出力します。出力結果は接続先情報ファイルとは形式が異なるので,接続先情報ファイルとしては使用できません。また,-TSCPrintオプションを指定した場合は,接続先情報ファイルは出力されません。-TSCPrintオプションは,-TSCOutFileオプションと同時には指定できません。

省略した場合は,標準出力には何も出力されません。

●-TSCOutFile 出力ファイル名称

UNIXの場合~<英数字,ピリオド(.),スラント(/),プラス(+),およびハイフン(-)>《tscrefinfo.txt》

Windowsの場合~<英数字,ピリオド(.),円符号(¥),コロン(:),プラス(+),およびハイフン(-)>《tscrefinfo.txt》

接続先情報を出力する接続先情報ファイル名称を絶対パスまたは相対パスで指定します。省略した場合は,tscgetrefコマンドを実行したときのカレントディレクトリに"tscrefinfo.txt"という名前で接続先情報ファイルが作成されます。

出力先ディレクトリにすでに同名のファイルがある場合は上書きされるため,接続先情報を残しておきたい場合はファイルをコピーしておいてください。接続先情報ファイルはテキスト形式で出力されます。

-TSCOutFileオプションは,-TSCPrintオプションと同時には指定できません。

戻り値

このコマンドは次に示す戻り値をシェルに返してから,処理を終了します。

戻り値意味
0正常終了しました。
0以外コマンド処理中にエラーが発生したために異常終了しました。
出力されたメッセージに従って対策したあと,再度,コマンドを実行してください。

出力形式

このコマンドの出力形式を次に示します。出力例については,「付録B tscgetrefコマンドの出力例」を参照してください。

● -TSCOutFileオプションを指定した場合の接続先情報ファイルの出力形式

[図データ]

(凡例)
記号説明
aa..aaファイル管理情報です。OTMで使用する管理情報なので,変更,削除,および移動はしないでください。
bb..bbTSCドメイン名称(1~31文字の英数字)です。
cc..ccTSC識別子(1~31文字の英数字)です。
dd..dd接続経路を次の値で示します。
0:TSCデーモンに直結
1:TSCレギュレータを経由してTSCデーモンに接続
ee..ee接続方法を次の値で示します。
0:TPBrokerのスマートエージェントの使用
1:IOR文字列の使用
ff..ffIPアドレスです。
gg..ggポート番号です。接続経路が"1"で接続方法が"0"の場合,"0"が出力されます。
hh..hhIOR文字列です。接続方法が"1"の場合,IOR文字列が出力されます。
bb..bb~hh..hhの行は,接続先情報の数だけ繰り返されます。

● -TSCPrintオプションを指定した場合の出力形式

[図データ]

(凡例)
記号説明
aa..aaファイル管理情報です。
bb..bbレコード通番です。
cc..ccTSCドメイン名称(1~31文字の英数字)です。
dd..ddTSC識別子(1~31文字の英数字)です。
ee..ee接続経路を次の値で示します。
tscd:TSCデーモンに直結
reg:TSCレギュレータを経由してTSCデーモンに接続
ff..ff接続方法を次の値で示します。
bind:TPBrokerのスマートエージェントの使用
ior:IOR文字列の使用
gg..ggIPアドレスです。
hh..hhポート番号です。
接続先情報の数だけ繰り返します。

ソートキー

一つのオプションに複数を指定できるコマンドオプション引数は,接続先情報の取得または編集時のソートキーとして使用されます。つまり,接続先情報ファイルの各レコードは,コマンドオプション引数の指定順序に従ってソートされます。

また,各オプションにはソートキーとしての優先順位があります。コマンドオプション引数の指定順序に従うソートは,より優先順位の高いオプションのコマンドオプション引数が同じレコードに対して実行されます。接続先情報ファイルのソートキーの優先順位を高い順に示します。

  1. -TSCDomainオプション
  2. -TSCHostオプション
  3. -TSCIDオプション

-TSCDomainAllオプションを指定したときに取得されるTSCドメイン名称,-TSCIDAllオプションを指定したときに取得されるTSC識別子,および-TSCHostオプションを省略したときに取得されるホスト名ではソートされません。ソートキーとして有効なオプションでソートされる以外では順序は不定です。

注意事項