tscdmstartTSCドメインマネジャの開始

形式

tscdmstart  [-h] [-TSCDomain TSCドメイン名称]
           [-TSCMaxTSC TSCデーモン管理最大数]
           [-TSCPort TSCドメイン管理ポート番号]
           [-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス]
           [-TSCSendInterval TSCノード情報の送信間隔]
           [-TSCSubnetMask サブネットマスク]
           [-TSCSendHost ホスト名称またはIPアドレス
                       [,ホスト名称またはIPアドレス,...]]
           [-TSCSendHostInterval 異なるネットワークセグメントへの
                                 TSCノード情報の送信間隔]
           [-TSCForceStart | -TSCAutoForce]

機能

TSCドメインマネジャを開始します。

オプション

●-h

コマンドの使用方法が表示されます。

●-TSCDomain TSCドメイン名称

~<1~31文字の英数字>《TSCDOMAIN》

TSCドメインマネジャが属するTSCドメイン名称を指定します。"TSC"または"tsc"で始まる文字列は指定しないでください。省略した場合は"TSCDOMAIN"が設定されます。

●-TSCMaxTSC TSCデーモン管理最大数

~<符号なし整数>((1~1024))《64》

TSCドメイン内で管理するTSCデーモンの最大数を指定します。省略した場合は"64"が設定されます。

●-TSCPort TSCドメイン管理ポート番号

~<符号なし整数>((5001~65535))《20137》

TSCドメインマネジャが負荷情報を交換するために使用するポート番号を指定します。省略した場合はサービス名ファイルが参照されます。サービス名ファイルに指定がないときは"20137"が設定されます。

サービス名ファイルへの記述の形式を次に示します。

TSC_TSCドメイン名称       ポート番号/tcp

例えば,"tscdmstart -TSCDomain JAPAN"と指定してTSCドメインマネジャを開始する場合,サービス名ファイルの,次のように指定したエントリが読み込まれます。

TSC_JAPAN                  10021/tcp

TSCドメインマネジャは一つのポート番号でtcpおよびudpの両方のプロトコルを使用します。そのため,TSCドメインマネジャが使用するポート番号をほかのudpのポート番号として使用しないでください。

-TSCPortオプションの指定値は共用メモリの作成時に使用されるため,異常終了後にTSCドメインマネジャを再開始するときは変更しないでください。変更したい場合は,TSCドメインマネジャを正常終了させてから変更してください。また,共通のTSCドメイン名称を持つTSCドメインマネジャを複数のコンピュータで開始する場合,-TSCPortオプションに同じ値を指定してください。

●-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス

~<1~64文字の文字列>《hostnameコマンドで取得されるホスト名称》

マルチホームドホスト環境でOTMが使用するホスト名称またはIPアドレスを指定します。省略した場合は,hostnameコマンドで取得されるホスト名称が設定されます。

-TSCMyHostオプションの指定値は共用メモリの作成時に使用されるため,異常終了後にTSCドメインマネジャを再開始するときは変更しないでください。変更したい場合は,TSCドメインマネジャを正常終了させてから変更してください。

-TSCSendInterval TSCノード情報の送信間隔

~<符号なし整数>((0~65535))《60》(単位:秒)

TSCドメインマネジャがTSCノード情報をネットワークセグメント内にブロードキャストする間隔を秒単位で指定します。省略した場合は"60(秒)"が設定されます。

TSCノード情報によって,他TSCノードのTSCドメインマネジャにアプリケーションプログラムの位置情報をブロードキャストします。そのため,大きな値を指定すると,他TSCノードのTSCドメインマネジャに自TSCノード情報をブロードキャストする間隔が長くなり,他TSCノードから自TSCノードへのアプリケーションプログラムのメソッド要求に失敗することがあります。小さな値を指定する場合,他TSCノードのTSCドメインマネジャにTSCノード情報をブロードキャストする間隔が短くなります。その結果,ネットワークの負荷が高くなることがあります。

TSCノード情報をブロードキャストしない場合は,"0"を指定してください。

●-TSCSubnetMask サブネットマスク

~(nnn.nnn.nnn.nnn)<符号なし整数>((0~255))《255.255.255.0》

ネットワークのサブネットマスクを指定します。省略した場合は"255.255.255.0"が設定されます。

-TSCSendHost ホスト名称またはIPアドレス [,ホスト名称またはIPアドレス,...]

~<英数字,ピリオド(.),およびハイフン(-)>

TSCデーモン情報の配布先となる,異なるネットワークセグメントにあるTSCドメインマネジャが動作するホストのホスト名称またはIPアドレスを指定します。この指定によって,複数のネットワークセグメントで構成したTSCドメインで,TSCノード情報を配布できるようになります。詳細については,「2.6 複数のネットワークセグメントで構成するTSCドメイン」を参照してください。

ホスト名称を指定する場合は,/etc/hostsに設定されているホスト名称を指定してください。また,ハイフン(-)で始まるホスト名称またはIPアドレスは指定しないでください。指定した場合の動作は保証しません。

複数のホストを指定する場合は,指定値をコンマ(,)で区切ります。次に指定例を示します。

-TSCSendHost HOSTA,HOSTB

-TSCSendHostInterval 異なるネットワークセグメントへのTSCノード情報の送信間隔

~<符号なし整数>((0~65535))《-TSCSendIntervalオプションに指定した値》(単位:秒)

異なるネットワークセグメントにあるTSCドメインマネジャが動作するホストにTSCノード情報を送信する送信間隔を秒単位で指定します。

TSCノード情報によって,他TSCノードのTSCドメインマネジャに,アプリケーションプログラムの位置情報を送信します。そのため,大きな値を指定すると,他TSCノードのTSCドメインマネジャに自TSCノード情報を送信する間隔が長くなり,他TSCノードから自TSCノードへのアプリケーションプログラムのメソッド要求に失敗することがあります。小さな値を指定する場合,他TSCノードのTSCドメインマネジャにTSCノード情報を送信する間隔が短くなります。その結果,ネットワークの負荷が高くなることがあります。

TSCノード情報を送信しない場合は,"0"を指定してください。

-TSCSendHostIntervalコマンドオプションに値を指定しても,-TSCSendHostオプションを指定しなければ無効になります。また,-TSCSendHost,-TSCSendInterval,および-TSCSendHostIntervalオプションの指定値によってTSCノード情報の送信の有無は異なります。

コマンドオプションの指定値とTSCノード情報の送信の関係を次の表に示します。

表5-2 tscdmstartコマンドのオプション指定値とTSCノード情報の送信の関係

-TSCSendHost-TSCSendHostInterval-TSCSendIntervalTSCノード情報の送信
指定あり00×
0以外×
0以外0
0以外
指定なし0×
0以外
指定なし無効無効×
(凡例)
○:送信されます。
×:送信されません。
注※
-TSCSendIntervalオプションを指定しない場合のデフォルト値(60秒)を含みます。

●-TSCForceStart

前回に強制終了または異常終了している場合に,TSCドメインマネジャを強制的に正常開始します。前回に管理していたTSCデーモンを強制終了し,管理情報を初期化してTSCドメインマネジャを開始します。このとき,TSCデーモンは再開始されません。

前回に正常終了している場合は正常開始するため,-TSCForceStartオプションの指定は無視されます。

-TSCForceStartオプションは,-TSCAutoForceオプションと同時には指定できません。詳細については,「2.5.1 TSCドメインマネジャの開始形態」を参照してください。

●-TSCAutoForce

前回に強制終了または異常終了している場合に,前回の管理情報を引き継いでTSCドメインマネジャを自動強制開始します。前回の管理情報を正常に引き継げる場合は,終了前のシステム状態を復元できます。前回の管理情報を引き継げない場合は,-TSCForceStartオプションが指定されたときと同様の動作をします。

前回に正常終了している場合は正常開始するため,-TSCAutoForceオプションの指定は無視されます。

-TSCAutoForceオプションは,-TSCForceStartオプションと同時には指定できません。詳細については,「2.5.1 TSCドメインマネジャの開始形態」を参照してください。

戻り値

このコマンドは次に示す戻り値をシェルに返してから,処理を終了します。

戻り値意味
0正常終了しました。
0以外コマンド処理中にエラーが発生したために異常終了しました。
出力されたメッセージに従って対策したあと,再度,コマンドを実行してください。

注意事項