TSCServer(Java)
TSCServerはシステム提供クラスです。
TSCServerは,TSCデーモン中のサーバアプリケーション管理部分を参照するクラスです。サーバアプリケーション側の機能操作の要求は,TSCServerを経由してTSCデーモンに渡されます。また,TSCユーザプロキシを使用したクライアントアプリケーション側からのTSCユーザオブジェクト呼び出し要求を受けて,TSCルートアクセプタに振り分けます。
ユーザはサーバアプリケーションがTSCデーモンと接続するときに,TSCServerクラスのインスタンスを取得します。次にTSCServerの特徴を示します。
TSCServerと接続
サーバアプリケーションとTSCデーモン間の接続は,サーバアプリケーションプロセス内でTSCServerを最初に取得するときに確立されます。その後,同じTSCデーモンに対してTSCServerを取得する場合は,その接続を共有します。逆に,取得したすべてのTSCServerを解放すると接続が切断されます。
一つのサーバアプリケーションから複数のTSCデーモンへ接続を確立することもできます。また,サーバアプリケーション側の機能操作の要求が,この接続を経由してTSCデーモンに渡される場合,並行して処理されないで順番に処理されます。TSCデーモンからのオブジェクト呼び出し要求が,この接続を経由してサーバアプリケーションに配送される場合は,並行して処理されます。
形式
package JP.co.Hitachi.soft.TPBroker.TSC;
public class TSCServer
{
public String getTSCDomainName();
public String getTSCID();
};
インポートクラス
import JP.co.Hitachi.soft.TPBroker.TSC.TSCServer;
メソッド
●public String getTSCDomainName()
項目 | 型・意味 |
---|---|
戻り値 | TSCドメイン名称 |
TSCドメイン名称を返します。
なお,このメソッドを複数のスレッド上から同時に呼び出すことができます。
●public String getTSCID()
項目 | 型・意味 |
---|---|
戻り値 | TSC識別子 |
TSC識別子を返します。
なお,このメソッドを複数のスレッド上から同時に呼び出すことができます。
TSCServerの取得と解放
TSCServerはTSCAdmのgetTSCServerで取得し,TSCAdmのreleaseTSCServerで解放します。TSCServerクラスのインスタンスへの内部参照(アクセス)があるときは解放できないため,TSCServerクラスのインスタンスへの内部参照(アクセス)をなくした状態で解放してください。
マルチスレッド環境でのメソッド呼び出し規則
マルチスレッド環境で,TSCServerクラスのインスタンスのメソッドを呼び出す規則を次に示します。
メソッド | 複数のスレッド上からの同時呼び出し |
---|---|
getTSCDomainName | できます。 |
getTSCID | できます。 |
インスタンスの内部参照(アクセス)規則
TSCServerクラスのインスタンスがほかのクラスのインスタンスを内部参照(アクセス)する規則を次に示します。
タイミング | 内部参照 |
---|---|
getTSCDomainName | ありません。 |
getTSCID | ありません。 |
関連づけがあるTSCRootAcceptorがactive状態 | 関連づけがあるTSCRootAcceptor型のインスタンス |
なお,TSCServerクラスのインスタンスを解放したあと,このインスタンスを内部参照するインスタンスからのアクセスは,通信障害となります。また,複数のスレッド上から同時に,TSCServerクラスの同じインスタンスを内部参照できます。