トランザクショナル分散オブジェクト基盤 TPBroker Object Transaction Monitor プログラマーズガイド

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TSCProxyObject(Java)

TSCProxyObjectはシステム提供クラスです。

TSCProxyObjectはTSCObjectの代理クラスです。TSCProxyObjectを呼び出すと,OTMのスケジューリング機構を経由してTSCObjectが呼び出されます。

ユーザは,サーバアプリケーションのTSCユーザオブジェクトが提供するサービスを利用するときに,TSCProxyObjectクラスのインスタンスを生成して呼び出します。次にTSCProxyObjectの特徴を示します。

TSCサービス識別子によるサービスの識別

TSCサービス識別子の構成

TSCProxyObjectを使用して利用するサービスの種類は,TSCサービス識別子によって表されます。TSCサービス識別子は,インタフェース名称とTSCアクセプタ名称から構成されます。

サービスの種類の表現方法

TSCProxyObjectによって利用するサービスの種類は,TSCサービス識別子によって表されます。TSCサービス識別子は,インタフェース名称とTSCアクセプタ名称から構成されます。

サービスの種類の表現例

形式

 
package JP.co.Hitachi.soft.TPBroker.TSC;
 
public interface TSCProxyObject
{
 
  public String _TSCInterfaceName();
  public String _TSCAcceptorName();
 
  public int _TSCTimeout();
  public void _TSCTimeout(int timeout);
 
  public int _TSCPriority();
  public void _TSCPriority(int priority);
  public TSCContext _TSCContext();
 
};

インポートクラス

 
import JP.co.Hitachi.soft.TPBroker.TSC.TSCProxyObject;

メソッド

●public String _TSCInterfaceName()

項目 型・意味
戻り値 インタフェース名称

インタフェース名称を取得します。

●public String _TSCAcceptorName()

項目 型・意味
戻り値 TSCアクセプタ名称

TSCアクセプタ名称を取得します。

●public int _TSCTimeout()

項目 型・意味(単位)
戻り値 タイムアウト時間(秒)

タイムアウト値(呼び出し時の監視時間)を取得します。

このメソッドを複数のスレッド上から同時に呼び出した場合,結果は保証されません。

●public void _TSCTimeout(int timeout)

項目 型・意味(単位)
引数 int timeout タイムアウト時間(秒)
戻り値 ありません。
例外 TSCBadParamException

タイムアウト値(呼び出し時の監視時間)を秒単位で設定します。"0"を指定した場合,時間監視をしません。監視時間は,メソッド呼び出しごとに変更できます。

アプリケーションプログラムの開始時に-TSCTimeOutオプションを指定しない場合は,監視時間のデフォルト値は"180"(秒)です。-TSCTimeOutオプションを指定する場合は,監視時間のデフォルト値は-TSCTimeOutオプションの指定値になります。

このメソッドを複数のスレッド上から同時に呼び出した場合,結果は保証されません。

●public int _TSCPriority()

項目 型・意味
戻り値 プライオリティ値

プライオリティ値(メソッド呼び出し時の優先順位)を取得します。

このメソッドを複数のスレッド上から同時に呼び出した場合,結果は保証されません。

●public void _TSCPriority(int priority)

項目 型・意味
引数 int priority プライオリティ値
戻り値 ありません。
例外 TSCBadParamException

プライオリティ値(メソッド呼び出し時の優先順位)を設定します。

priorityに1〜8の値を指定することで,キューイング取り出し時の優先順位を変更できます。priorityに指定する値が小さいほど優先度は高くなります。プライオリティ値はリクエスト単位に変更できます。

アプリケーションプログラムの開始時に-TSCRequestPriorityオプションを指定しない場合は,プライオリティ値のデフォルト値は"4"です。-TSCRequestPriorityオプションを指定する場合は,プライオリティ値のデフォルト値は-TSCRequestPriorityオプションの指定値になります。

このメソッドを複数のスレッド上から同時に呼び出した場合,結果は保証されません。

●TSCContext _TSCContext()

項目 型・意味
戻り値 TSCコンテキスト

TSCContextを取得します。

TSCProxyObjectまたは派生クラスの生成

TSCProxyObject,またはその派生クラスは,newオペレータで生成します。

マルチスレッド環境でのメソッド呼び出し規則

マルチスレッド環境で,TSCProxyObjectクラスのインスタンスのメソッドを呼び出す規則を次に示します。

メソッド 複数のスレッド上からの同時呼び出し
_TSCInterfaceName
_TSCAcceptorName
_TSCTimeout()
_TSCTimeout(TSCInt) ×
_TSCPriority()
_TSCPriority(TSCInt) ×
_TSCContext ×
クライアント側からのオブジェクト呼び出し ×

(凡例)
○:できます。
×:できません。

インスタンスの内部参照(アクセス)規則

TSCProxyObjectクラスのインスタンスがほかのクラスのインスタンスを内部参照(アクセス)する規則を次に示します。

メソッド 複数のスレッド上からの内部参照
_TSCInterfaceName ありません。
_TSCAcceptorName ありません。
_TSCTimeout() ありません。
_TSCTimeout(TSCInt) ありません。
_TSCPriority() ありません。
_TSCPriority(TSCInt) ありません。
_TSCContext ありません。
クライアント側からのオブジェクト呼び出し 生成時に指定したTSCClient型のインスタンス