Hitachi Multi Payment Network communications server 概説

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1.4.2 MPNを利用した口座振替手続きの流れ

MPNを利用した口座振替手続きの流れについて,口座振替受付サービスの適用範囲を交えて説明します。また,MPNを利用した場合のメリットも説明します。

<この項の構成>
(1) 金融機関で申し込みをする場合の口座振替手続きの流れ(金融機関受付方式)
(2) 収納機関で申し込みをする場合の口座振替手続きの流れ(収納機関受付方式)
(3) MPNを利用した場合のメリット

(1) 金融機関で申し込みをする場合の口座振替手続きの流れ(金融機関受付方式

口座振替を金融機関で申し込む方式を金融機関受付方式といいます。金融機関は,入力情報を基に口座登録を実施します。また,金融機関から収納機関へ情報をファイル転送し,登録します。

金融機関受付方式には,次の種類があります。

表1-4 金融機関受付方式の種類とサポート状況

種類 説明 サポート状況
基本方式 利用者が金融機関へ口座振替の申し込みをし,利用者情報などを入力する方式です。
収納サービス(オンライン方式)連動方式 収納サービス(オンライン方式)の照会応答で取得した利用者情報を基に,受付処理をする方式です。 ×
情報リンク方式 利用者が口座振替に関する情報をホームページなどから入力し,金融機関はその情報を基に収納機関への登録処理をする方式です。
収納サービス(情報リンク方式)連動方式 収納サービス(情報リンク方式)の照会応答で取得した利用者情報を基に,受付処理をする方式です。

(凡例)
○:Hitachi Multi Payment Network communications serverでサポートしている
×:Hitachi Multi Payment Network communications serverでサポートしていない

それぞれの口座振替手続きの流れは,次のとおりです。

(a) 基本方式

基本方式での口座振替手続きの流れは,次のとおりです。

図1-7 口座振替手続きの流れ(基本方式)

[図データ]

  1. 利用者が,口座振替の申し込みをする
    利用者は,自分に合った方法で口座振替を申し込みます。
  2. 金融機関が,該当する口座の振替処理をする
    金融機関は,該当する口座の振替処理をします。利用者には,その結果が伝えられます。
  3. 金融機関が,契約情報を収納機関に通知する
    MPNの口座振替受付サービスで実現されます。利用者が手続きした口座振替の契約情報が,収納機関に伝えられます。
(b) 収納サービス(オンライン方式)連動方式

収納サービス(オンライン方式)連動方式では,口座振替受付サービスを収納サービスと並行して利用できます。

収納サービス(オンライン方式)連動方式での口座振替手続きの流れは,次のとおりです。

図1-8 口座振替手続きの流れ(収納サービス(オンライン方式)連動方式)

[図データ]

  1. 利用者が請求金額を支払い,金融機関が消込情報を通知する
    MPNの収納サービスで実現されます。利用者は,請求書がなくても,いくら支払うべきかがわかり,自分に合った方法で支払えます。また,利用者が支払ったという情報は,収納機関に伝えられます。
  2. 利用者が,口座振替の申し込みをする
    収納手続きをしたあと,引き続き口座振替の申し込みができます。
  3. 金融機関が,該当する口座の振替処理をする
    金融機関は,該当する口座振替処理をします。利用者には,その結果が伝えられます。
  4. 金融機関が,登録情報を収納機関に通知する
    MPNの口座振替受付サービスで実現されます。利用者が手続きした口座振替の登録情報が,収納機関に伝えられます。
(c) 情報リンク方式

情報リンク方式では,口座振替の登録に必要な情報を収納機関ホームページなどから入力します。収納機関はその情報を金融機関へ引き継ぎ,受付処理を実施する方式です。

情報リンク方式での口座振替手続きの流れは,次のとおりです。

図1-9 口座振替手続きの流れ(情報リンク方式)

[図データ]

  1. 利用者が,収納機関ホームページなどから口座振替の申し込みをする
  2. 受付チャネルが,口座振替申し込み時の利用者情報を金融機関へ引き継ぐ
    MPNの収納サービスで実現されます。
  3. 金融機関が,該当する口座の振替処理をする
    金融機関は,該当する口座の振替処理をします。利用者には,その結果が伝えられます。
  4. 金融機関が,契約情報を収納機関に通知する
    MPNの口座振替受付サービスで実現されます。利用者が手続きした口座振替の契約情報が,収納機関に伝えられます。
(d) 収納サービス(情報リンク方式)連動方式

収納サービス(情報リンク方式)連動方式での口座振替手続きの流れは,次のとおりです。

図1-10 口座振替手続きの流れ(収納サービス(情報リンク方式)連動方式)

[図データ]

  1. 利用者が,収納機関ホームページなどから照会処理をする
  2. 利用者が,口座振替の申し込みをする
    収納手続きをしたあと,引き続き口座振替の申し込みができます。
  3. 金融機関が,該当する口座の振替処理をする
    金融機関は,該当する口座振替処理をします。利用者には,その結果が伝えられます。
  4. 金融機関が,登録情報を収納機関に通知する
    MPNの口座振替受付サービスで実現されます。利用者が手続きした口座振替の登録情報が,収納機関に伝えられます。

(2) 収納機関で申し込みをする場合の口座振替手続きの流れ(収納機関受付方式

収納機関での申し込みを収納機関受付方式といいます。収納機関受付方式には,次の種類があります。

表1-5 収納機関受付方式の種類とサポート状況

種類 説明 サポート状況
オンライン完結方式 収納機関窓口や量販店窓口などに設置されたキャッシュカード受付端末から,利用者の契約情報(口座情報)を振り替える方式です。
この方式はMPNを経由しません。
2ステップ方式 オンライン完結方式を実施できない場合に,収納機関と金融機関とが個別の取り決めに基づいて,利用者の契約情報(口座情報)を振り替える方式です。

(凡例)
○:Hitachi Multi Payment Network communications serverでサポートしている
−:該当しない

それぞれの口座振替手続きの流れは,次のとおりです。

なお,収納機関受付方式でも,収納サービスと連動できます。

(a) オンライン完結方式

図1-11 口座振替手続きの流れ(オンライン完結方式)

[図データ]

  1. 利用者が口座振替の申し込みをする
    利用者は,ICカード,キャッシュカードなどの受付端末を利用して,口座振替を申し込みます。ここでは,収納機関と金融機関の間で,利用者の契約情報を,CAFISを通して確認します。確認結果は,収納機関窓口に伝えられます。
  2. 収納機関窓口が,確認結果を基に利用者の契約情報を登録する
    収納機関窓口は,契約情報を登録します。
(b) 2ステップ方式

図1-12 口座振替手続きの流れ(2ステップ方式)

[図データ]

  1. 利用者が口座振替の申し込みをする
    利用者は,ICカード,キャッシュカードなどの受付端末を利用して,口座振替を申し込みます。ここでは,収納機関と金融機関の間で,利用者の契約情報を,CAFISを通して確認します。確認結果は,収納機関窓口に伝えられます。
  2. 収納機関窓口が,確認結果を基に利用者の契約情報を登録する
    収納機関窓口は,契約情報を登録します。
  3. 収納機関が,金融機関に口座振替処理を依頼する
    MPNの口座振替受付サービスで実現されます。収納機関は,登録が終了した契約情報をデータ化して,金融機関に口座振替処理を依頼します。
  4. 金融機関が,口座振替の結果を収納機関に通知する
    MPNの口座振替受付サービスで実現されます。口座振替が終了したという情報が,収納機関に伝えられます。

(3) MPNを利用した場合のメリット

MPNを利用した口座振替手続きには,金融機関,収納機関,および利用者に,次のようなメリットがあります。

金融機関のメリット
  • 収納機関への口座振替登録情報の送付などの作業を電子化できる
  • 口座振替の登録に掛かる時間を軽減できる

収納機関のメリット
  • 窓口での事務作業を軽減できる
  • 金融機関への契約情報の送付などの作業を電子化できる

利用者のメリット
  • ICカード,キャッシュカードなどの受付端末,ホームページ,FAXなど,自分に合った方法で口座振替の申し込みができる
  • 料金の支払いと同時に,口座振替の申し込みができる(収納サービス(情報リンク方式)連動方式)