接続ドメイン情報は,オブジェクトクラスによって,次の二つに分けられます。
(1) gmaxDomainRef
Groupmaxドメイン参照クラス定義と呼び,Groupmax Directory Serverの接続ドメイン情報が設定されています。
(2) gmaxGeneralRef
Groupmax汎用サーバ参照クラス定義と呼び,汎用Directory Serverの接続ドメイン情報が設定されています。Groupmax汎用サーバ参照クラス定義を,表C-1に示します。
表C-1 Groupmax汎用サーバ参照クラス定義
クラス(継承元) | 属性名 | 設定要否 | syntax | 説明 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
(top) | objectClass | ○ | - | エントリのクラス top & referral & gmaxGeneralRef | |
(referral) | ref | ○ | - | 参照先エントリのURL | |
gmaxGeneralRef | localizedName | ○ | ces | 参照先の日本語名称 汎用ディレクトリサーバで,参照先に対して固有の名前を使ってよい 参照先ドメインの日本語名称と完全に一致する必要はない | 参照先となる汎用ディレクトリサーバの日本語名称 |
description | △ | cis | 説明 | - | |
preferredMailbox | △ | cis | 優先メールボックス 利用できるメールアドレスが格納されている属性名を格納する ただし,便宜上設けられている属性で意味を持たない | あるドメインに対してメールを送る場合に使用する必要があるメールアドレスを格納しておく | |
ServerType | ○ | cis | 参照先のサーバタイプ Groupmaxサーバか,汎用サーバかの識別名を格納する 現在,指定できる識別名は, 「Groupmax Directory Server」と「LDAP Directory Server」※の二つ | このクラスの場合,接続先が汎用サーバとなるため,識別名は「LDAP Directory Server」※となる | |
PersonAttributeMap | ○ | cis | 検索対象となるユーザエントリの属性をGroupmax属性にマッピングするための情報を格納する | Groupmaxから要求された属性をこの情報を利用し,汎用サーバの属性に置き換える | |
OrgAttributeMap | △ | cis | 検索対象となる組識エントリの属性をGroupmax属性にマッピングするための情報を格納する | Groupmaxから要求された属性をこの情報を利用し,汎用サーバの属性に置き換える | |
CmpAttributeMap | △ | cis | 検索対象となる最上位組織エントリの属性をGroupmax属性にマッピングするための情報を格納する | Groupmaxから要求された属性をこの情報を利用し,汎用サーバの属性に置き換える | |
DITInformation | △ | cis | ツリー(階層)表示するために必要な情報を格納する | 汎用サーバを階層表示するために利用する | |
CharacterCode | △ | cis | サーバの文字コードセットを格納する 格納するのは,「SHIFT_JIS」又は「UTF_8」 | デフォルトは「SHIFT_JIS」 |
(凡例)○:必須 △:オプション
注※ LDAPは,Lightweight Directory Access Protocolの略です。
(a) 「PersonAttributeMap」属性の格納フォーマット
「PersonAttributeMap」属性は,汎用ディレクトリサーバに登録されているユーザの各情報をGroupmax Directoryのユーザとして,どう見せるか,何で検索するかが定義されています。
ユーザ情報と属性の対応表を,表C-2に示します。
表C-2 ユーザ情報と属性の対応
項番 | ユーザ情報 | Groupmaxでの属性名 | 設定 要否 | 汎用サーバでの対応付け例 (organizationalPersonとnewPilotPersonをスーパクラスに持つ独自ユーザクラス) |
---|---|---|---|---|
1 | オブジェクトクラス | gmaxOrganizationalPerson | ○ | PilotorganizationalPerson |
2 | 日本語名称 | localizedName | △ | JapaneseName |
3 | 英語姓 | sn | △ | sn |
4 | 英語名 | givenName | △ | givenName |
5 | ニックネーム | initials | △ | - |
6 | メールアドレス | ○ | ||
7 | 役職 | title | △ | title |
8 | 電話番号※1 | telephoneNumber | △ | telephoneNumber |
9 | 専用線番号※1 | dedicatedPhoneNumber | △ | telephoneNumber |
10 | ファックス番号 | facsimileTelephoneNumber | △ | facsimileTelephoneNumber |
11 | テレックス番号※2 | telexNumber | △ | telexNumber |
12 | アンサバック番号※2 | answerbackNumber | △ | telexNumber |
13 | 組織略称 | abbreviation | △ | ou |
(凡例)○:必須 △:オプション
注※1 同一の属性名として設定されている場合,電話番号と専用線番号が一つの属性にマルチバリューで格納されています。Hitachi Directory Runtimeは,「+」で始まる値を電話番号,「+」のない値を専用線番号として扱います。
注※2 テレックス番号とアンサバック番号が,X.500の"telexNumber"に基づき定義されている場合,同一の属性名として設定されています。 Hitachi Directory Runtimeは構文に従い,テレックス番号とアンサバック番号を切り出します。
格納フォーマットは,Groupmaxの属性(オブジェクトクラス)名と対応付けられた汎用サーバの属性(オブジェクトクラス)名をそれぞれ"="の左辺/右辺とし,それらを半角スペース(△)で区切り,最後には¥0が格納されています。
また,サーバ管理者が対応付けをしなかった属性は格納されていません。
さらに,格納されている属性は,表C-2の項番の順序とは限りません(ただし,オブジェクトクラス名は先頭に格納されています)。最後の属性名と¥0の間に半角スペースがないことに注意してください。
gmaxOrganizationalPerson=PilotorganizationalPerson△localizedName=JapaneseName△mail=mail△givenName=givenName△title=title△telephoneNumber=telephoneNumber△facsimileTelephoneNumber=facsimileTelephoneNumber△telexNumber=telexNumber△answerbackNumber=telexNumber△abbreviation=ou¥0
また,複数のオブジェクトクラスが定義された場合は次のように連続して格納されています。
その際,オブジェクトクラスの優先順位の高いものから格納されていることに注意してください。