3.9.1 ビジネスプロセス定義の定義時の注意事項

ここでは,ビジネスプロセス定義の定義時の注意事項について説明します。

<この項の構成>
(1) ワークIDの形式指定時の注意事項
(2) フローモデル使用時の注意事項
(3) ロール使用時の注意事項
(4) ユーザ処理リストの定義内容と処理方法
(5) マルチサーバ構成時の注意事項
(6) Workflow バージョン1で作成したビジネスプロセス定義に関する注意事項

(1) ワークIDの形式指定時の注意事項

ワークIDの形式は,ビジネスプロセスごとに指定します。

ビジネスプロセス定義でワークIDの形式を指定するときの注意事項について次に示します。

(a) ワークIDの形式

ビジネスプロセス定義で指定できるワークIDの形式には,次の3通りがあります。

次に,それぞれの形式について説明します。

自動採番形式
ユーザがビジネスプロセス定義で指定したプレフィックス(任意の文字列)に,システムが通し番号を与えてワークIDが生成されます。プレフィックスの指定は省略できます。
通し番号は,案件投入時にワークが生成されるごとに1から昇順で与えられ,ビジネスプロセス定義のバージョンアップによって引き継がれます。
システムが与える通し番号の規則として,次の3通りを指定できます。
  • 通し番号が指定されたけた数を超えた場合,通し番号のけた数を拡張する。
  • 通し番号が指定されたけた数を超えた場合,通し番号を1に戻す。
  • 通し番号が指定された最大値を超えた場合,通し番号を1に戻す。
自動付与形式
案件投入時に,ビジネスプロセス定義内でユニークなワークIDがワークフローシステムによって生成されます。
なお,この形式を使用する場合,Groupmax Workflow Server - Libraryでアプリケーションを作成する場合を除いて,ワークIDをクライアントで扱うことはできません。
任意指定形式
案件投入時に,ユーザが任意の文字列を指定します。ビジネスプロセス定義内でユニークなワークIDを指定する必要があります。
(b) ビジネスプロセス定義登録時の注意事項

ビジネスプロセス定義登録時の注意事項を次に示します。

(2) フローモデル使用時の注意事項

ビジネスプロセス定義で,各フローモデルを使用する場合の注意事項を説明します。

(a) ソースノード

複数ケースを定義したソースノードへの差し戻し,引き戻しはできません。詳細については,「3.9.5(1) 差し戻し」又は「3.9.5(2) 引き戻し」を参照してください。

「ワークIDを新規に設定しない」を指定したソースノードから案件投入するには,「ワークIDを新規に設定する」を指定したソースノードから案件を投入している必要があります。また,「ワークIDを新規に設定する」を指定したソースノードから案件を投入した後,「ワークIDを新規に設定しない」を指定したソースノードから案件投入するまでにビジネスプロセス定義をバージョンアップすると,「ワークIDを新規に設定しない」を指定したソースノードからの案件投入が失敗する場合があります。このため,ビジネスプロセス定義をバージョンアップする際は,Groupmax Workflow Monitorで「ワークIDを新規に設定しない」を指定したソースノードから案件投入されていることを確認してください。

(b) 複写ノード

複写後から複写前への差し戻し,引き戻しはできません。詳細については,「3.9.5(1) 差し戻し」又は「3.9.5(2) 引き戻し」を参照してください。

(c) 待ち合わせノード

待ち合わせ後から待ち合わせ前への差し戻し,引き戻しはできません。詳細については,「3.9.5(1) 差し戻し」又は「3.9.5(2) 引き戻し」を参照してください。

(d) 同報・回収ノード
(e) 統合ノード
(f) 分割ノード

分割後から分割前への差し戻し,引き戻しはできません。詳細は,「3.9.5(1) 差し戻し」「3.9.5(2) 引き戻し」を参照してください。

(g) 処理ノードで処理できる案件の大きさ

ソースノードでケースを複数個定義したり,複写した案件を待ち合わせノードで待ち合わせたりすると,1案件中に複数のケースが存在することになります。このケース数が多くなると,ワークフローで処理できる通信データ長を超え,正常に処理できなくなる場合があります。案件に添付されたデータ量にもよりますが,1案件中のケース数の上限は50個程度を目安にしてください。50個以上になる場合は,処理ノードに到着する前に分割ノードで不要なケースを分割して終了させてください。

(3) ロール使用時の注意事項

処理ノードにロールを割り当てる場合の注意事項を説明します。

(4) ユーザ処理リストの定義内容と処理方法

ユーザ処理リストでは,案件作業用の各種の情報を定義します。定義する情報は,どのように処理されるかによって,次のように分類できます。

Groupmax Workflow Definerでのユーザ処理リストの定義内容と対応する処理方法を,表3-2に示します。

表3-2 ユーザ処理リストの定義内容と対応する処理方法

ユーザ処理リストの定義内容対応する処理方法
属性値の直接入力
属性値の選択更新
属性値の参照
Groupmax Integrated Desktopの場合。案件エディタでユーザ属性を参照・設定します。
アプリケーションやGroupmax Formの場合,ユーザ属性を操作するときに,これらのユーザ処理リストが必要です。
予約値の自動設定Groupmax Workflow Serverが処理します。
文書の登録アプリケーション用の補助情報です。
Groupmax Integrated Desktop及びGroupmax Formの場合は,使用しません。
複写先選択Groupmax Integrated Desktopの場合,案件エディタで複写先選択ができるようになります。
アプリケーションの場合,複写先情報を作成し,指定された属性に設定する必要があります。
Groupmax Formの場合,投入・遷移時にこのユーザ処理リストがあれば,自動的に画面を表示させることができます。
作業者の指定Groupmax Integrated Desktopの場合,案件エディタで作業者指定ができるようになります。
アプリケーションの場合,作業者を選択し,指定された属性に設定する必要があります。
Groupmax Formの場合,投入・遷移時にこのユーザ処理リストがあれば,自動的に作業者指定画面を表示させることができます。
作業者の自動指定Groupmax Workflow Serverが処理します。
配布先ロールの指定Groupmax Integrated Desktopの場合,案件エディタで配布キー指定ができるようになります。
アプリケーション及びGroupmax Formの場合,配布キーを取得し,該当する属性に設定する必要があります。
任意データの参照アプリケーション用の補助情報です。
Groupmax Integrated Desktop及びGroupmax Formの場合は,使用しません。
AP起動
Groupmaxフォーム表示
Groupmax Integrated DesktopのINBOXや帳票棚を使用する場合,Groupmax Integrated Desktopが登録ファイルをダウンロードして起動します。
アプリケーションでINBOXや帳票棚を作成する場合,登録ファイルを取得し,起動処理・終了確認処理などを作成する必要があります。アプリケーションやフォームをサーバに登録しないときは,これらのユーザ処理リストは使用しません。
Groupmax Formの場合,これらのユーザ処理リストに基づいて帳票が起動されます。
案件の文書DB格納Groupmax Integrated Desktopの場合,案件エディタで自動的に処理されます。
アプリケーションの場合,Groupmax Document Manager - Development Kitを使用して作成する必要があります。
Groupmax Formの場合,文書操作コマンドで処理する必要があります。
作業状態の選択更新Groupmax Integrated Desktopの案件エディタ用の情報です。
アプリケーション及びGroupmax Formの場合は,使用しません。

(5) マルチサーバ構成時の注意事項

マルチサーバ構成では,ビジネスプロセス定義を登録するサーバを指定する必要があります。ビジネスプロセス登録サーバを決めるときは,次の点を考慮してください。

(6) Workflow バージョン1で作成したビジネスプロセス定義に関する注意事項

バージョン1で作成したビジネスプロセス定義の名称が,バージョン2以降で作成した拡張ビジネスプロセス定義の名称と同じ名称になっている場合,Groupmax Integrated Desktopの案件エディタ,Groupmax Formからバージョン1で作成したビジネスプロセス定義に案件を投入できなくなります。

バージョン1,バージョン2で作成したビジネスプロセス定義の名称は,重複しないようにしてください。