2.4.1 オペレーティングシステムでの環境設定
(1) 通信環境の設定
Groupmax Workflowでは,ネットワーク環境にTCP/IPを使用しています。このため,次に示す通信環境の設定が必要です。
(a) サーバのIPアドレスの登録
/etc/hostsファイル,又はDNS(Domain Name System)のデータベースに自サーバ,及びWorkflow管理サーバのIPアドレスを記述します。IPアドレスの記述形式を次に示します。
- 形 式
IPアドレス ホスト名 [ホスト名の別名]
- オペランド
- 自サーバのIPアドレス
- 自サーバのIPアドレスを記述します。
- 自サーバのホスト名
- サーバのホスト名を,英数字,ハイフン又はピリオドからなる文字列で記述します。Groupmax Workflowを使用する場合は,64バイト以内で記述する必要があります。
- 自サーバのホスト名の別名
- 自サーバのホスト名の別名を記述します。別名は,省略できます。
- 記述例
194.68.137.121 sj413 NTserver
(b) サービス名の登録
通信設定ファイル(/etc/services)に,Groupmax Workflowのサービス名,ポート番号,及びプロトコル名を記述します。また,前提プログラムであるGroupmax Mailのサービス名も同様に登録してください。Groupmax Mailのサービス名及びポート番号については,マニュアル「Groupmax Address/Mail Version 6 システム管理者ガイド 基本操作編」を参照してください。
通信設定ファイルの記述形式を次に示します。
- 形 式
サービス名 ポート番号/プロトコル名
- オペランド
- サービス名
- Groupmax Workflowのサービス名は「workflow」です。
- ポート番号
- Groupmax Workflowのポート番号は「40076」です。
- AIX版Groupmax Workflowのポート番号の設定については,「2.7 AIX版Groupmax Workflowのポート番号に関する注意事項」を参照してください。
- プロトコル名
- 「tcp」と記述します。
- 記述例
workflow 40076/tcp
(2) 環境変数の設定
Groupmax Workflow Server,Groupmax Workflow Multi-Server,及びGroupmax Object Serverに共通の環境変数を設定します。「.profile」,「.login」などのファイルで設定すると便利です。
(a) 内容及び記述形式
環境変数の内容及び記述形式を次に示します。
- PATH:コマンドパス名
Groupmax Object Serverのコマンドを格納するディレクトリ($XODDIR/bin)をフルパス名で指定します。この変数は省略できません。
- NLSPATH:メッセージファイルパス名
Groupmax Workflow Serverのメッセージテキスト格納ディレクトリ(/Flowmate/adm/wfmsg/%N.%L)を指定します。
また,Groupmax Workflow Server - Connectionを使用する場合は,Groupmax Workflow Server - Connectionのメッセージ格納ディレクトリ(/Flowmate/WFmc/adm/%N.%L)も指定します。
この変数は省略できません。
- LANG:使用言語
使用する言語環境を指定します。
HI-UX/WE2及びHP-UXの場合
省略又は下記以外を指定すると「C」が仮定されます。
AIXの場合
- XODDIR:オブジェクトサーバホームディレクトリ
Groupmax Object Serverのホームディレクトリ($XODDIR)をフルパス名で指定します。この変数は省略できません。
- XODCONFPATH:オブジェクトサーバシステム共通定義ファイルパス名
Groupmax Object Serverのシステム共通定義ファイルを格納するディレクトリ($XODDIR/conf/)をフルパス名で指定します。この変数は省略できません。
(b) 記述例
Bシェル及びCシェルでの環境変数の記述例を次に示します。
- Bシェルの場合
- PATH=$PATH:/users/DB1/bin
- NLSPATH=$NLSPATH:/Flowmate/adm/wfmsg/%N.%L
- LANG=ja_JP.SJIS
- XODDIR=/users/DB1
- XODCONFPATH=/users/DB1/conf
- export PATH NLSPATH LANG XODDIR XODCONFPATH
- Cシェルの場合
- setenv PATH "$PATH":/users/DB1/bin
- setenv NLSPATH "$NLSPATH":/Flowmate/adm/wfmsg/%N.%L
- setenv LANG ja_JP.SJIS
- setenv XODDIR /users/DB1
- setenv XODCONFPATH /users/DB1/conf
(c) 参照するプログラム
環境変数は,参照するプログラムの起動時の値が有効となります。そのため,環境変数を変更した場合は,参照するプログラムを再起動してください。参照するプログラムが複数ある場合は,プログラム間の同期ずれを防止するため,参照するすべてのプログラムを停止した後に環境変数を変更し,プログラムを再起動してください。
環境変数を参照するプログラムを次に示します。
- PATH,NLSPATH,LANG
- Groupmax Workflow Server
- Groupmax Workflow Multi-Server
- XODDIR,XODCONFPATH
(3) システム・ログに関する設定(AIXの場合だけ)
Groupmax Workflowでは,システム・ログが必要となります。AIXの場合,システム・ログはデフォルトでは出力されないため,次の手順を実行して,システム・ログが出力されるよう設定してください。
- スーパユーザでログインする
- /etc/syslog.confファイルを編集する
指定内容及び指定例を次に示します。
【指定内容】
記述形式:<selector> <action>[<rotation>]
- <selector>:機能及び優先順位レベルを"."(ドット)で区切って指定します。
- 機能:"user" 又は "*"
- 優先順位レベル:"info"
- 詳細は,syslogdコマンドリファレンスを参照してください。Groupmax WorkflowシステムではOSが出力するログも障害時に必要となるため,"*"を推奨します。
- <action>:ログファイルの絶対パス名を指定します。
- <rotation>:オプションのため,指定を省略できます。
- 詳細は,syslogdコマンドリファレンスを参照してください。
【指定例】
*.info /usr/adm/syslog.log rotate size 1m file 10 compress
- 指定したファイルパスに対し,次のコマンドを実行する
touch ログファイルパス
- syslogdデーモンを起動し直す(OS再起動)か,又はハングアップシグナル(kill -HUP)を送り,設定したログファイルにロギング情報が出力されているかを確認する
システム・ログは障害発生時の採取資料となるため,Workflowシステム起動から停止までを含めて,最低1か月以上,システム・ログを保持することを推奨します。
システム・ログの1ファイル当たりのサイズは,ユーザの規模や運用によって変わるため,テスト期間を利用して,Workflowシステム運用に適した値を見積もってください。