5.1 Groupmax Address - AssistのGroupmax連携機能

Groupmax Address - AssistのGroupmax連携機能(以後Assist連携と記述)とは,Address Server上での組織やユーザの変更と連動して,Schedulerの管理データの更新を実行する機能です。

この機能を使用するには,以下の製品が必要です。

<この節の構成>
(1) 前提条件
(2) 使用条件
(3) 設定事項
(4) Assist連携機能の実行
(5) Assist連携を使用したシステム・ユーザ管理
(6) 確認事項
(7) ユーザのホームサーバ移動
(8) 「更新禁止解除」コマンド
(9) Assist連携機能の再実行
(10) Assist連携の設定解除手順

(1) 前提条件

(2) 使用条件

(3) 設定事項

(a) Assist連携の設定

Assist連携を使用する場合,親サーバ上で以下の手順が必要です。なお,「親サーバ/子サーバの設定」を変更した場合,Groupmax Server Setup Wizardを使ってサーバ環境を再構築した場合にもあらためてこの操作が必要になります。

設定手順

  1. 親サーバの「コンフィギュレーション」の「16. Assist連携」で「使用する」に設定する。(この操作により,Assist連携用のitem.defファイルがセットされます)
    Groupmax Server Setup Wizardを使ってサーバ環境を再構築した場合は,一度「使用しない」にしてから再度「使用する」に設定してください。
  2. 親サーバ上のAddress Serverを再起動します。
  3. マルチサーバ構成の場合,同一マシンにAddress Serverがインストールされている子サーバには以下のファイルが存在しないことを確認します。
    /usr/GroupMail/Groupmax/GroupApp/item.def
    (HP-UX,AIXの場合は,/var/opt/GroupMail/Groupmax/GroupApp/item.def)
  4. 存在する場合は削除して,同一マシン上のAddress Serverを再起動してください。

(b) ホームサーバ一覧ファイル

Assist連携を使用する場合,管理ツールを用いてホームサーバ一覧を作成する必要があります。この作業は,「(a) Assist連携の設定」の後にしてください。作成手順は,「4.5 DNSホスト名の登録」の「(2) Assist連携用ホームサーバ一覧作成」を参照してください。その際の注意事項は,以下のとおりです。

  1. 他システムと接続している場合は,他システムのG/Wホスト名を一覧に追加しないでください。
  2. システムの構成が変更になった場合は,必ずこの一覧を再作成してください。
  3. ユーザが全く登録されていないサーバも含め,システム内のすべてのサーバを登録してください。

(c) Address - Assistセットアップ

Assist連携を使用する場合,Address - Assistセットアップで「Scheduler親サーバのドメイン名/ホスト名」を必ず設定してください。Address - Assistセットアップについては,「Groupmax Address - Assist Version 6 システム管理者ガイド」を参照してください。

(d) 「変更通知情報取得の自動実行」の抑止

「コンフィギュレーション」から「13.変更通知情報取得の自動実行」の設定を「使用しない」にします。設定後,管理ツールサーバを再起動してください。

(e) 「不要スケジュール削除の自動実行」の抑止

「コンフィギュレーション」から「7.不要スケジュール削除の自動実行」の設定を「使用しない」にします。設定後,管理ツールサーバを再起動してください。

(f) 設定変更ファイル

以下の設定変更ファイルの設定値により,Assist連携機能の動作を変更することができます。通常はこの設定変更ファイルを作成する必要はありません。下記設定項目を変更する必要がある場合にだけ,作成してください。

/usr/GroupAppo/bin/SFagent.ini

設定変更ファイルのフォーマット

設定項目=設定値<改行>

設定項目および設定値*

登録ユーザ数/施設数が多い場合に設定します。設定値は3600から2147483647までの範囲で設定してください。デフォルト値は,3600です。単位は「秒」です。通常は,設定する必要はありません。

*:Version 5からご使用の場合は,ユーザのホームサーバ移動発生時の設定(AgentControl)は無効になります。したがって,Version 5からご利用いただいている場合でAgentControlの指定をしていない,あるいは「AgentControl=0」と指定して運用している環境で,ホームサーバ移動が発生しても実行前の状態に戻しません。「(7) ユーザのホームサーバ移動」の作業が必要になります。

(4) Assist連携機能の実行

「(3) 設定事項」の内容をすべて設定した後,Assist Viewerなどを利用してAddress Serverに登録されたユーザ情報を変更してください。その後,SchedulerのAssist連携機能が実行され変更内容が自動的にSchedulerに反映されます。Assist連携機能の実行タイミングは以下のとおりです。Assist連携機能が実行されてから,ユーザ情報の変更内容がすべてのSchedulerに反映されるまで,しばらく時間がかかります。出力されるログでSchedulerへの反映処理が完了しているか確認してください。ログの確認方法は以下のとおりです。メッセージの詳細については,「付録H Assist連携時と「SFdatacp」実行時のエラーメッセージ」を参照してください。

(a) Groupmax Address - Assistを使用した場合

Assist ViewerでAddress Serverのユーザ情報に変更を加えた後,Assist Viewerを終了したタイミングでSchedulerのAssist連携機能が実行されます。

また,Assist Viewerでユーザ情報に変更を加えた後,Assist Viewerの「ツール」-「オプション」から「Groupmax」タブを選択し,Scheduler情報「参照」ボタンを押下したタイミングでもAssist連携機能が実行されます。ただし,直前にユーザ情報に変更を加えていない場合は実行されません。

「参照」ボタンを押下するとAssist連携機能の実行ログが表示されますが,新しいログの出力までに時間がかかり,過去のログが表示されている可能性があります。過去のログが表示されている場合は,少し時間をおき,「再読込」ボタンを押下してください。

(b) 運転席を使用した場合

運転席でAddress Serverのユーザ情報に変更を加えた後,運転席を終了したタイミングでSchedulerのAssist連携機能が実行されます。実行結果は,<スケジュール格納ディレクトリ>/log/agent/ScheExec.logを参照してください。

(c) 一括登録ユーティリティ

一括登録ユティリティを使用してAddress Serverのユーザ情報に変更を加えた後,gmaxsetコマンドを実行したタイミングでSchedulerのAssist連携機能が実行されます。実行結果は,<スケジュール格納ディレクトリ>/log/agent/ScheExec.logを参照してください。

(5) Assist連携を使用したシステム・ユーザ管理

Assist連携機能を使用したユーザ管理方法は以下のとおりです。ここでは,Address - Assistを利用した方法を紹介します。

(a) ホームサーバ変更を含まないユーザ管理

  1. Assist連携機能の新規利用時は,「(3) 設定事項」の作業をしてください。
  2. Assist Viewerを起動して,Address Serverのユーザ情報を変更します。
  3. Assist Viewerを終了します。(SchedulerのAssist連携機能が起動します)
  4. Schedulerの実行状況を確認するためにAssist Viewerを再起動してください。
  5. 「Groupmax Address - Assist Version 6 システム管理者ガイド」を参照して,Schedulerの実行ログを参照して処理結果を確認してください。

(b) ホームサーバ変更を含むユーザ管理

  1. Assist連携機能の新規利用時は,「(3) 設定事項」の作業をしてください。
  2. Assist Viewerを起動して,Address Serverのユーザ情報を変更します。
  3. Assist Viewerを終了します。(SchedulerのAssist連携機能が起動します)
  4. Schedulerの実行状況を確認するためにAssist Viewerを再起動してください。
  5. 「Groupmax Address - Assist Version 6 システム管理者ガイド」を参照して,Schedulerの実行ログを参照して処理結果を確認してください。
  6. 「(6)確認事項」の「(a)移動者一覧ファイル」を参照して移動者一覧ファイルが正しく作成されていることを確認してください。
  7. 「(7)ユーザのホームサーバ移動」を参照して,スケジュールデータを転送してください。

(c) システム構成変更(サーバ台数増加の場合)

  1. 新しいサーバをセットアップして,マルチサーバ構成を構築してください。
  2. 「(3) 設定事項」の作業をしてください。その際に,ホームサーバ一覧に新しいサーバを追加することを忘れないようにしてください。
  3. Assist Viewerを起動して,Address Serverのユーザ情報を変更します。
  4. Assist Viewerを終了します。(SchedulerのAssist連携機能が起動します)
  5. Schedulerの実行状況を確認するためにAssist Viewerを再起動してください。
  6. 「Groupmax Address - Assist Version 6 システム管理者ガイド」を参照して,Schedulerの実行ログを参照して処理結果を確認してください。
  7. 「(5)確認事項」の「(a)移動者一覧ファイル」を参照して移動者一覧ファイルが正しく作成されていることを確認してください。
  8. 「(6)ユーザのホームサーバ移動」を参照して,スケジュールデータを転送してください。

(d) システム構成変更サーバ台数削減の場合

  1. 削減するサーバも含めてマルチサーバ構成を構築した状態で次の作業をしてください。
  2. 「(3) 設定事項」の作業をしてください。その際に,ホームサーバ一覧には削減するサーバも含めたまま以下の作業をしてください。
  3. Assist Viewerを起動して,Address Serverのユーザ情報を変更します。
  4. Assist Viewerを終了します。(SchedulerのAssist連携機能が起動します)
  5. Schedulerの実行状況を確認するためにAssist Viewerを再起動してください。
  6. 「Groupmax Address - Assist Version 6 システム管理者ガイド」を参照して,Schedulerの実行ログを参照して処理結果を確認してください。
  7. 「(6)確認事項」の「(a)移動者一覧ファイル」を参照して移動者一覧ファイルが正しく作成されていることを確認してください。また,移動者一覧ファイルについてはバックアップを取得しておいてください。
  8. 「(7)ユーザのホームサーバ移動」を参照して,スケジュールデータを転送してください。
  9. しばらくそのままの環境で運用するか,それができない場合は,すべてのサーバで「HOSTCHG」コマンドを実行してください。「HOSTCHG」コマンドについては,「7.3「HOSTCHG」について」を参照してください。その際に使用するホスト名変換ファイルには,バックアップを取得しておいた移動者一覧ファイルがそのまま利用できます。

(6) 確認事項

(a) 移動者一覧ファイル

Assist連携を使用してユーザのホームサーバを移動した場合は,移動者一覧ファイル*1が生成されます。Assist連携を使用してAddress - Assistなどを使用してユーザ移動を設定した時点では,このファイルが作成されるだけで,実際にユーザのホームサーバ移動は実行しません。ユーザのホームサーバ移動を完了させるためには,「(7)ユーザのホームサーバ移動」の作業をする必要があります。

*1:移動者一覧ファイルは以下の場所にあります。
<スケジュール格納ディレクトリ>/etc/MV.tbl
デフォルトは/usr/iki/etc/MV.tbl

移動者一覧ファイルのフォーマット

移動ユーザID <スペース> 移動後のホスト名 <スペース> 移動前のホスト名<改行>

移動者一覧ファイルの例

USER001 HOSTA HOSTB<改行>
USER002 HOSTB HOSTA<改行>


USER009 HOSTA HOSTC<改行>

(7) ユーザのホームサーバ移動

Assist連携では,ユーザのホームサーバを変更した場合,移動者一覧ファイルを作成します。Assist連携では,ファイルが作成されるだけで,実際に管理データの更新やスケジュールデータの転送は実行しません。以下のいずれかの方法でユーザのホームサーバ移動を実現してください。

(a) 「ユーザホームサーバ移動」コマンド

Assist連携で生成された移動者一覧ファイルをもとに,実際の管理データの更新やスケジュールデータの転送を自動で実行するコマンドです。詳細は,「5.2 ホームサーバ移動ツール「SFdatacp」について」を参照ください。

(b) 手動のスケジュールデータ移動

  1. システム内のすべてのサーバでScheduler ServerとFacilities Managerを停止してください。(施設管理を使用していない場合は,Facilities Managerを停止する必要はありません。)
  2. システム内のすべてのサーバにおいてスケジュールデータ・管理データのバックアップを取得します。(エラー発生時のリカバリに使用します)
  3. システム内のすべてのサーバで管理ツールサーバ(AppoMan,RoomMan)を起動してください。(施設管理を使用していない場合は,RoomManを起動する必要はありません。)
  4. 以下の操作により親サーバ上でユーザ情報の再作成を実行します。「コンフィギュレーション」-[手動実行]-[ユーザ情報再作成]
  5. すべての子サーバで管理データの取得をしてください。(1台だけの運用の場合は不要です。)
  6. 「BITECHG」コマンドを実行してください。(UNIXからUNIXへの転送の場合は不要です。)
  7. 移動するユーザのデータを移動後のサーバにバイナリモードで転送します。
  8. 移動前のサーバ上で取得したバックアップデータからスケジュールデータをもとに戻します。(UNIXからUNIXへの転送の場合は不要です。)
  9. 移動前のサーバ上にある,移動したユーザディレクトリを削除してください。
  10. すべてのサーバで移動対象ユーザについて「HOSTCHG」コマンドを実行してください。(HOSTCHGコマンドを実行せずに,grpchgコマンドを実行する方法もあります。詳細は,「付録Fスケジュールデータの移動」のHOSTCHGを実行しない場合の手順を参照してください。)
  11. すべてのスケジュールデータの移動が完了したら,移動者一覧ファイルを削除してください。

(8) 「更新禁止解除」コマンド

Assist連携機能使用時に問題が発生しクライアントからスケジュールの更新が出来ない状態になった場合,「コンフィギュレーション」からの手動実行ができない状態になった場合は,以下のコマンドを実行して回復します。

コマンド名

agtcout

引数

なし

コマンドパス

/usr/GroupAppo/bin/agtcout

リターンコード

0 ・・・ 正常終了

1 ・・・ 異常終了

(9) Assist連携機能の再実行

Assist連携機能使用時にAddress Viewerなどを利用した変更がSchedulerに反映されない場合があります。その場合は,何らかのエラーが発生している可能性がありますので,親サーバの<スケジュール格納ディレクトリ>/log/agent/ScheExec.logを参照してエラーを取り除いてから,以下のコマンドを実行して回復してください。このコマンドを利用するとAssist連携機能が再実行されます。

コマンド名

SFagent

引数

注意
SFagent.logは詳細ログの出力先として使用されるため,SFagent.log以外のファイル名を指定してください。

コマンドパス

/usr/GroupAppo/bin/SFagent

リターンコード

0 ・・・ 正常終了

1 ・・・ 異常終了

(10) Assist連携の設定解除手順

Assist連携を使用する設定をした後に,Assist連携を使用しない設定に戻す場合には,以下の手順を実施してください。

設定解除手順

  1. 親サーバの「コンフィギュレーション」の「16. Assist連携」で「使用しない」に設定する。
  2. 親サーバ上のAddress Serverを再起動します。

Address Serverを再起動できない場合には,以下の手順を実施することでAssist連携を使用しない設定に戻すことができます。

  1. /usr/GroupAppo/bin/SFagent.iniを作成してください。既に存在している場合は,2に進んでください。
  2. 1で作成したファイルに以下の行を追加してください。(通常このパラメタは設定しないでください。)
    Exec=0<改行>