このシステム運用時に発生する可能性のあるトラブルと原因,回復方法について示します。
(1) Scheduler Serverのサービスを開始できない
原因
serviceファイルに,ポート番号が記述されていません。
回復方法
serviceファイルに,ポート番号を記述してください。詳細は,「1.1 TCP/IPの接続確認」 を参照してください。
(2) クライアントからログインできない
原因1
サーバが起動されていません。
回復方法1
Scheduler Serverを起動します。詳細は,「3.2.1 Scheduler Serverの起動」 または「3.2.2 Facilities Managerの起動」を参照してください。
原因2
サーバとクライアント間をTCP/IPで通信できません。
回復方法2
ホスト名や通信環境を確認し,TCP/IPで通信できるようにします。詳細は,「1.1 TCP/IPの接続確認」 を参照してください。
原因3
サーバとクライアントのサービスポート番号があっていません。
回復方法3
サーバとクライアントの「ikisaki」「appoarea」のポート番号を同一にしてください。
(3) クライアントからログインできない(Address Server連動時)
原因
Address Serverで登録した内容がScheduler Serverに反映されていません。
回復方法
管理ツールを用いて,ユーザが登録されていることを確認してください。詳細は「4.4 管理データの取得」を参照してください。ユーザが登録されていない場合,「変更通知情報の取得」や「ユーザ情報の再作成」を実行します。詳細は,「4.1.3 Address Serverのユーザ情報取得方法」,「4.1.4 Address Serverの変更通知情報取得方法」を参照してください。
(4) 管理ツールにて,サーバから管理データを取得できない
原因1
serviceファイルに,ポート番号が記述されていません。
回復方法1
サーバおよび,管理ツールを使用しているマシンのserviceファイルに,「appoman」,「roomman」のポート番号を記述してください。詳細は,「1.1 TCP/IPの接続確認」 を参照してください。
原因2
管理ツールサーバが起動されていません。
回復方法2
サーバにて,管理ツールサーバを起動します。詳細は,「3.2.1 Scheduler Serverの起動」 または「3.2.2 Facilities Managerの起動」を参照してください。
(5) コンフィギュレーションからの手動実行コマンドが失敗する
原因
管理ツールサーバが起動されていません。
回復方法
管理ツールサーバを起動します。詳細は,「3.2.1 Scheduler Serverの起動」 または「3.2.2 Facilities Managerの起動」を参照してください。
(6) 「管理データの取得」に失敗する
原因1
親サーバと子サーバの片方または両方で管理ツールサーバが起動されていません。
回復方法1
親サーバと子サーバの片方または両方で管理ツールサーバを起動します。詳細は,「3.2.1 Scheduler Serverの起動」 または「3.2.2 Facilities Managerの起動」を参照してください。
原因2
親サーバと子サーバ間をTCP/IPで通信できない。
回復方法2
ホスト名や通信環境を確認し,TCP/IPで通信できるようにします。詳細は,「1.1 TCP/IPの接続確認」 を参照してください。
(7) 「変更通知情報の取得」や「ユーザ情報の再作成」を実行すると失敗する,または「GetAdAll」,「indxget」コマンドの実行に失敗する
原因
Address Serverが起動されていません。
回復方法
Address Serverを起動します。詳細は,「4.1.3 Address Serverのユーザ情報取得方法」,「4.1.4 Address Serverの変更通知情報取得方法」を参照してください。
(8) 「変更通知情報の取得」または「indxget」コマンドを実行しても,Address Serverで登録した内容がScheduler Serverに反映されない
原因1
Address Serverから変更通知情報が出力されていません。
回復方法1
変更通知情報は,Address Serverに登録してから1時間(デフォルト)後か,Address Serverの再起動により出力されます。その後,「変更通知情報の取得」または「indxget」コマンドを実行してください。コマンド実行後,管理ツールを用いて,ユーザが登録されていることをご確認ください。
原因2
Address Serverの「ホームサーバ名設定」に「Schedulerサーバ」のホスト名が設定されていません。
回復方法2
Address Serverの「ホームサーバ名設定」に「Schedulerサーバ」のホスト名を設定します。
(9) 特定のユーザの特定の月に対して,データの更新ができない
原因
ディスクフル等によりスケジュールファイルの更新処理に失敗しています。
回復方法
スケジュールファイルの更新処理に失敗すると,/usr/GroupAppo/tmpに更新前のスケジュールファイル(バックアップファイル)が保存されます。また,これらのファイル名が記載されたbackupfile.logファイルが<スケジュール格納ディレクトリ>/logに出力されます。backupfile.logファイルに出力されるファイル名は,以下の例のとおりです。
例
ユーザIDが「user」,更新中ファイル名が「199801.nsd」の更新に失敗した場合,backupfile.logファイルに出力されるファイル名は「user_199801.nsd.bk」となります。このファイル名は,「コンフィギュレーション」の「スケジュール格納ディレクトリ」のディレクトリ下の「user」ディレクトリ下の「199801.nsd」ファイルの更新中にエラーが発生したことを示しています。
ユーザIDが「user」,環境ディレクトリが「env」,更新ファイル名が「youfile.dat」の更新に失敗した場合,backupfile.logファイルに出力されるファイル名は「user_env_youfile.dat.bk」となります。このファイル名は,「コンフィギュレーション」の「スケジュール格納ディレクトリ」のディレクトリ下の「user」ディレクトリ下の「env」ディレクトリ下の「youfile.dat」ファイルの更新中にエラーが発生したことを示しています。
上記ファイルを元のファイル名にリネームし,スケジュール格納ディレクトリの下の所定の位置に戻すと,エラーが発生した更新処理の前の状態に戻ります。ただし,上記ファイルのサイズが0バイトの場合,戻さずに0バイトのファイルを削除してください。
(10) 親サーバのユーザ情報が,子サーバに反映されていない
原因
管理するユーザ数が数千人の規模でかつ環境ファイルの取得時に親サーバ側が高負荷の場合,親サーバでの処理に時間を要し,子サーバ側でタイムアウトが生じています。
回復方法
親サーバの/usr/GroupAppo/bin/AppoSV.iniファイルに以下の記述を追加してください。(行末には改行コードを入力する必要があります。)
[Sockets]
ReplTimeOut2=延長するタイムアウトの時間(秒)
記述例
[Sockets]
ReplTimeOut2=60
注意
ReplTimeOut2で指定した時間+30(秒)が,タイムアウトの合計時間となります。上記の記述例では,60+30=90(秒)がタイムアウトの合計時間となります。以上のReplTimeOut2の記述がない場合,またはAppoSV.iniファイルがない場合は,デフォルトとしてReplTimeOut2=30として扱い,タイムアウトの合計時間は60秒となります。
(11) クライアントの「グループ」に登録済みのメンバ(ユーザ/施設)に対してスケジュール参照/予約/空き時間検索を実行するとエラーとなる
原因
クライアントでローカルグループに登録されたメンバのホスト名が変更されています。
回復方法
クライアント上でローカルグループを再作成してください。また,サーバ上で一括で変換する方法については,「7.3 「HOSTCHG」について」の注意 の6番目の説明を参照してください。
(12) クライアントにて,他のメンバのスケジュールを参照できない。または他のメンバにスケジュールを予約できない
原因1
組織間セキュリティの初期設定ファイルparam.iniが存在しない,またはparam.iniの記述内容に不正があります。
回復方法1
すべてのサーバを停止後,親サーバの以下のファイルを置き換えてください。
置き換え先
<スケジュール格納ディレクトリ>/etc/param.ini
置き換え元
組織によるセキュリティを使用しない場合:
/usr/GroupAppo/bin/param0.ini
組織によるセキュリティの直系方式を使用する場合:
/usr/GroupAppo/bin/param1.ini
組織によるセキュリティのユニット方式を使用する場合:
/usr/GroupAppo/bin/param2.ini
置き換えた後,管理ツールサーバを起動し,マルチサーバ構成の場合は子サーバから管理データの取得を行い,サーバを起動してください。詳細は,「3.1.3 組織によるセキュリティの設定」を参照してください。
原因2
セキュリティランクの設定に誤りがあります。
回復方法2
セキュリティランクの設定を見直してください。詳細は,「4.9 セキュリティの設定」を参照してください。
(13) システムログに以下のメッセージが出力される
メッセージID:60304
メッセージ:設定ファイルparam.iniが存在しないまたは不正があります。
原因
組織間セキュリティの初期設定ファイルparam.iniが存在しない,またはparam.iniの記述内容に不正があります。
回復方法
すべてのサーバを停止後,親サーバの以下のファイルを置き換えてください。
置き換え先
<スケジュール格納ディレクトリ>/etc/param.ini
置き換え元
組織によるセキュリティを使用しない場合:
/usr/GroupAppo/bin/param0.ini
組織によるセキュリティの直系方式を使用する場合:
/usr/GroupAppo/bin/param1.ini
組織によるセキュリティのユニット方式を使用する場合:
/usr/GroupAppo/bin/param2.ini
置き換えた後,管理ツールサーバを起動し,マルチサーバ構成の場合は子サーバから管理データの取得を行い,サーバを起動してください。詳細は,「3.1.3 組織によるセキュリティの設定」を参照してください。
(14) 管理ツールにて,サーバから管理データを取得時に「サーバで管理データを更新処理中のため,管理ツールサーバとの接続に失敗しました。」というメッセージが出力されて失敗する
原因1
「コンフィギュレーション」の[手動実行]で[変更通知情報取得]や[ユーザ情報再作成]など管理データを更新する処理が実行中です。
回復方法1
しばらく待ってから,他の管理データ更新処理が終了したことを確認後,再実行してください。
原因2
前回の管理ツール使用時に管理ツールを正常終了できなかった。
回復方法2
前回の管理ツールを使用した時刻から20分経過してから,再実行してください。
(15) Scheduler Client(Facilities Manager Client)の環境設定で「ユーザ情報の保存」を「サーバ保存」にしているユーザにおいて,Client終了時に,「「XXXXX」の登録に失敗しました。」というダイアログメッセージが表示される(「XXXXX」は任意のファイル名)
原因
環境設定ファイルの更新に失敗したため,ユーザ情報のバックアップファイルが存在する。
回復方法
「8.1.トラブルシューティング」の(9)をご参照ください。