付録G.7 edit_format
- <この項の構成>
- (1) 機能
- (2) 説明
- (3) edit_sendformatで設定する値
- (4) edit_recvformatで設定する値
(1) 機能
送受信するメールの書式の設定内容を変更します。
(2) 説明
プロンプト「smtpmng>」にサブコマンドのedit_formatを入力すると,次のようなメニューメッセージが表示されて,プロンプトが「edit_format>」に変わります。メニュー番号「2」またはサブコマンドの省略系「ef」を入力しても同じ結果になります。
次にedit_formatの実行例を示します。
smtpmng> edit_format
設定する項目の番号を入力して下さい。
0. 設定項目一覧の表示
1. 現在の設定値の表示
2. 送信メールの書式に関する設定
3. 受信メールの書式に関する設定
99. edit_formatサブコマンドの終了
edit_format>
プロンプト「edit_format>」の状態で,送信メールの書式に関する設定を行なう場合にはメニュー番号「2」を,受信メールの書式に関する設定を行なう場合にはメニュー番号「3」を入力してください。次に,メニュー番号「2」または「3」を入力した場合の詳細を説明します。
- メニュー番号2を入力した場合
- メニュー番号「2」を入力すると,さらに送信に関するサブメニューが表示されて,プロンプトが「edit_sendformat>」に変わります。
edit_format> 2
設定する項目の番号を入力して下さい。
0. 設定項目一覧の表示
1. 現在の設定値の表示
2.送信文字コード(主題,本文,ファイル名) (send_code)
3.半角仮名文字送信制御(kana_mode)
4.ロングファイル名の設定(long_fname)
5.リッチテキストファイル送信制御(send_rtf_body)
6.Internet送信モード(sendflag)
7.Internet送信者アドレス(send_envelope_from)
8.Message-IDフォーマット(msgid_mode)
9.受信者名公開(send_header_recipients_disclosure)
99.edit_sendformatサブコマンドの終了
edit_sendformat>
- プロンプト「edit_sendformat>」の状態で,メニュー番号「2」から「9」のどれかを入力してください。メニュー番号を入力すると,次のように現在の設定値を表示してから,変更値と確認(Yes/No)の入力を求めてきます。また,設定項目によっては続けて関連項目を設定します。
edit_sendformat> 2 [送信文字コード]
送信文字コードの設定:
次の文字列を指定してください。
"jis" : JISコード
"sjis" : SJISコード
"euc" : EUCコード
"mime" : MIMEを使用
現在の設定値(SEND_CODE) -> jis
変更する値 (SEND_CODE) -> mime
設定しますか?(Yes/No) Yes
- メニュー番号3を入力した場合
- edit_formatで,メニュー番号「3」を入力すると,さらに受信に関するサブメニューが表示されて,プロンプトが「edit_recvformat>」に変わります。
edit_format> 3
設定する項目の番号を入力してください。
0.設定項目一覧の表示
1.現在の設定値の表示
2.受信文字コード(主題,本文,ファイル名)(recv_code)
3.BCC受信者(bcc_recipients)
4.MIME構造情報ファイルの設定(mime_structure)
5.S/MIMEメールの受信方法の設定(secure_mime)
6.リッチテキスト本文連携情報の受信制御(recv_rtf_body_flag)
99.edit_recvformatサブコマンドの終了
edit_recvformat>
- プロンプト「edit_recvformat>」にメニュー番号「2」から「6」のどれかを入力してください。メニュー番号を入力すると,次のように現在の設定値を表示してから,変更値と確認(Yes/No)の入力を求めてきます。
edit_recvformat> 2 [受信文字コード]
受信文字コードの設定:
次の文字列を指定して下さい。
"jis" : JISコード
"sjis" : SJISコード
"euc" : EUCコード
現在の設定値(RECV_CODE) -> jis
変更する値 (RECV_CODE) -> sjis
設定しますか?(Yes/No) Yes
再度メニューを表示する場合にはリターンキーだけを押してください。
プロンプト「edit_sendformat>」または「edit_recvformat>」に99を入力するとサブメニューを終了し,プロンプトが「edit_format>」に変わります。
また,プロンプト「edit_format>」に99を入力するとサブコマンドを終了し,プロンプトが「smtpmng>」に変わります。
(3) edit_sendformatで設定する値
edit_sendformatで設定できる値は次の11種類です。
- 送信文字コード(主題,本文,ファイル名)(send_code)
指定する文字コードに従って主題,添付ファイル名および本文を変換します。次のどれかを指定できます。指定する値と対応する文字コードは,次のとおりです。なお,送信文字コードにmimeを指定した場合は,添付ファイルはBase64形式でエンコードされます。それ以外を指定した場合は,uuencode形式でエンコードされます。デフォルトは,mimeです。
- mime
- MIME
- jis
- JISコード
- sjis
- SJISコード
- euc
- EUCコード
- MIME主題分割送信制御(mime_subject)
MIME形式でメールを送信する場合に,主題をエンコードすると長くなるときに複数行に主題を分割して送信するか,主題を1行のままで送信するかを指定します。デフォルトは,splitです。この設定項目は,send_codeで"mime"を選択した場合だけ,関連項目として設定できるようになります。
- split
- 主題を複数行に分割してエンコードします。
- no_split
- 主題を1行のままエンコードします。
- 添付ファイル名の分割送信制御(split_fname)
MIME形式でメールを送信する場合に,長い添付ファイル名を複数行に分割して送信するか,ファイル名を1行のままで送信するかを指定します。デフォルトは,no_splitです。この設定項目は,send_codeで"mime"を選択した場合だけ,関連項目として設定できるようになります。
- no_split
- 添付ファイル名を1行のままエンコードにします。
- split
- 添付ファイル名を複数行に分割してエンコードします。
- 半角仮名文字送信制御(kana_mode)
メールに半角仮名文字が含まれている場合に,半角仮名文字のまま送信するか,全角仮名文字に変換して送信するかを指定します。デフォルトは,convertです。
- convert
- 主題,本文,および添付ファイル名に含まれている半角仮名文字を全角仮名文字に変換してメールを送信します。
- noconv
- 半角仮名文字を全角仮名文字に変換しません。
- ロングファイル名の設定(long_fname)
Groupmax Mailユーザから受信した添付ファイルをロングファイルのままインターネットに送信するか,DOS形式ファイル名に変換して送信するかを指定します。デフォルトは,send_allowです。
- send_allow
- インターネット送信時の添付ファイル名としてロングファイル名を使用します。
- send_deny
- インターネット送信時の添付ファイル名としてDOS形式(8.3形式)のファイル名を使用します。
- リッチテキストファイル送信制御(send_rtf_body)
インターネットに送信するときに,リッチテキスト本文を添付ファイルにして送信するかどうかを指定します。デフォルトは,rtf_denyです。
- rtf_deny
- インターネット送信時にリッチテキスト本文を送信しません。
- rtf_allow
- インターネット送信時にリッチテキスト本文を添付ファイルにして送信します。
- このモードを選択した場合,受信側で本文と同じ内容のファイル(ファイル名:RFB1.rtf)が添付されます。このモードを選択した場合には,次のリッチテキスト本文連携情報の送信制御の設定を行います。
- 注意
- 尚,S/MIMEメールについては必ずリッチテキスト本文が添付されます。この時,Mail - SMTPで署名済みのメールからリッチテキストを削除すると改竄となってしまう為,リッチテキスト送信制御の設定(send_rtf_body)にrtf_denyが設定されている場合でも,リッチテキストが添付されるようになっています。
- リッチテキスト本文連携情報の送信制御(send_rtf_body_flag)
インターネット送信時にリッチテキスト本文を添付ファイルにして送信する場合に,その添付ファイルがリッチテキスト本文であることを示す連携情報を入れるかどうかを指定します。連携情報を入れることによりリッチテキスト本文のドメイン間連携機能を行うことができます。デフォルトは,send_inlineです。
- send_inline
- リッチテキスト本文を添付ファイルにして送信する場合に,連携情報を入れます。
- send_attach
- リッチテキスト本文を添付ファイルにして送信する場合に,連携情報を入れません。
- 注意
- 本設定は,SEND_CODE = mimeかつSEND_RTF_BODY = rtf_allowの時だけ有効となります。
- リッチテキスト本文の連携情報を基にリッチテキストの連携ができるのは送信側および受信側のメールシステムがGroupmax Mail Version 6 以降の場合だけです。
- Internet送信モード(sendflag)
Groupmax Mailユーザにsendmailからのエラーメールを返信するかどうかを設定します。デフォルトは,normalです。また,returnはGroupmax MailユーザアドレスとE-mailアドレスのマッピングルールが正しく設定されている場合にだけ設定してください。マッピングルールが間違っていた場合は,送信者にエラーメールが返信されません。
- normal
- Groupmax Mailユーザから発信したメールの転送にsendmailが失敗したときに,rootに対してエラーメールを送信します。root以外のアドレスでエラーメールを受信したい場合には,Internet送信者アドレス(send_envelope_from)の設定を行ってください。
- return
- Groupmax Mailユーザから発信したメールの転送にsendmailが失敗したときに,メールを発信したGroupmax Mailユーザに対してエラーメールを送信します。
- Internet送信者アドレス(send_envelope_from)
Groupmax Mailユーザが送信したメールの転送にsendmailが失敗した場合に,エラーメールを受け取るE-mailアドレスを指定します。また,Mail - SMTPが受信できなかったときに返信するエラーメールの送信者として本E-mailアドレスを使用します。デフォルトはrootです。
- 注意
- SEND_ENVLOPE_FROMを設定した場合,すでにsmqにキューイングされているメール(sendmailへの送信待ちになっているメール)には適用されません。
- SEND_ENVLOPE_FROMの設定が有効になるのは,SEND_ENVLOPE_FROMを設定した後に,Mail - SMTPの再起動後にsmtp_gwによって送信されるメールからです。
- Message-IDフォーマットの設定(msgid_mode)
Groupmax Mailユーザからインターネットにメールを送信する場合に生成する"Message-ID"のフォーマットを指定します。デフォルトは,rfc1327です。
- rfc1327
- "Message-ID"をrfc1327フォーマットで生成します。
- 生成される"Message-ID"フォーマットの例を示します。
- (例)
- <"MNXA000019gw000 U*/C=JP/ADMD=pa8000h/PRMD=pa8000h/O=SMTPGW/OU=pa8000h/S=gw000/G=gw000/"@MHS>
- rfc822
- "Message-ID"をrfc822フォーマットで生成します。
- 生成される"Message-ID"フォーマットの例を示します。
- (例)
- <199912190356.TAA00001@dom1.dom2>
- 受信者名公開(send_header_recipients_disclosure)
Integrated DesktopクライアントおよびWWW Desktopクライアントからメールを送信する際に,送信属性として指定された受信者名公開オプションにより,メールの受信者ヘッダの生成方法を指定します。デフォルトはtrueです。
- true
- メール送信時に指定された受信者種別(TO/CC)でメール送信します。
- false
- メールを送信する際に,受信者名公開オプションに「非公開」が指定されている場合には,受信者種別(TO/CC)をBCCにしてメールを送信します。
(4) edit_recvformatで設定する値
edit_recvformatで設定できる値は次の6種類です。
- 受信文字コード(主題,本文,ファイル名)(recv_code)
受信した文字コードを認識できないときに,指定する文字コードに従って,主題,本文,添付ファイル名を変換します。次のどれかを指定できます。デフォルトは,sjisです。指定する値と対応する文字コードは,次のとおりです。
sjis SJISコード
jis JISコード
euc EUCコード
- BCC受信者の設定(bcc_recipients)
インターネットから受信したメールにBccフィールドを生成するかどうかを指定します。デフォルトは,ONです。
- ON
- エンベロープ受信者には存在しているがメールヘッダには存在していない受信者情報をBccフィールドにマッピングします。
- OFF
- エンベロープ受信者には存在しているがメールヘッダには存在していない受信者情報をToフィールドにマッピングします。
- MIME構造情報の設定(mime_structure)
インターネットからメールを受信した場合に,メールヘッダ,およびMIMEのボディヘッダを添付ファイルにして,Groupmax Mail Serverに転送するかどうかを設定します。デフォルトは,OFFです。
- OFF
- メールヘッダ,およびMIMEのボディヘッダを生成しません。
- ON
- メールヘッダ,およびMIMEのボディヘッダを添付ファイルにしてGroupmax Mail Serverに転送します。
- 注意
- POP3/IMAP4クライアントをGroupmax Mailクライアントとして使用した場合に,メール参照の際に送信元で生成されたメールフォーマットを復元することができます。この機能をご使用になる場合には,ONを選択してください。
- リソースフォークデータ受信可否の設定(recv_mac_resource)
インターネットから受信したメールにデータフォークとリソースフォークが存在していた場合にリソースフォークを取得するか否かの設定をします。
デフォルトはrecv_denyです。この設定項目はmime_structureで"on"が選択された場合に限り関連項目として設定できるようになります。
- recv_deny
- AppleDouble,AppleSingle,BinHexからデータフォークだけを取得します。
- この設定値は,Groupmax Mailクライアントとして,Macintosh版のPOP3/IMAP4クライアントが存在しない環境で使用することを推奨します。
- recv_all
- AppleDoubleからデータフォークを取得します。AppleDoubleのリソースフォークはデコードを行わずに添付ファイルとします。
- AppleSingle,BinHexはデコードを行わずに添付ファイルとします。
- この設定値は,Groupmax MailクライアントとしてMacintosh版のPOP3/IMAP4クライアントだけを使用している環境で使用することを推奨します。
- recv_part
- AppleDoubleからデータフォークを取得します。AppleDoubleのリソースフォークはデコードを行わずに添付ファイルとします。
- AppleSingle,BinHexからはデータフォークだけを取得します。
- この設定値は,Groupmax Mailクライアントとして,Macintosh版のPOP3/IMAP4クライアントとそのほかのクライアントが混在している環境で使用することを推奨します。
- S/MIMEメールの受信方法(secure_mime)の設定:
S/MIMEメールの受信時の処理方法を指定します。デフォルトは,synchronized_dual_bodiesです。
- no_support
- すべてのメールをV5互換仕様で受信します。
- synchronized_dual_bodies
- Groupmax Mail ServerのS/MIME対応モード(設定値)に従って受信処理を行います。サーバの設定値が参照できない場合,V5互換仕様で受信を行います。サーバの設定値については,マニュアル「Groupmax Address/Mail Version 6 システム管理者ガイド 基本操作編」を参照してください。
- smime_data_only
- Groupmax MailクライアントがすべてVersion 6以降の場合に,性能を優先した受信処理を行います。このモードを選択した場合,S/MIMEメール(Content-Type: multipart/signedのメール)を受信した場合に,Version 5までのGroupmax Mailクライアントで添付ファイルを参照することができなくなります。
- 注意
- Mail - SMTP Version 6では,S/MIME機能の使用をデフォルトとして設定しています。synchronized_dual_bodiesを設定した場合には,S/MIMEメール(Content-Type:がmultipart/signedのメール)を受信した場合に,Version 5までのGroupmax Mailクライアントにもメール内容が参照できるようにS/MIME用の添付ファイルと,従来と互換性のある添付ファイルの二つを作成してGroupmax Mail Serverに転送します。このメールの容量が約2倍になります。S/MIMEメールの受信時に,Version 5までのGroupmax Mailクライアントだけで運用する場合には,no_supportを選択してください。
- リッチテキスト本文連携情報の受信制御(recv_rtf_body_flag)
リッチテキスト本文の制御ファイルを含むメールを受信した場合に,その添付ファイルがリッチテキスト本文であることを示す連携情報が入っていた場合に本文として受信するかどうかを指定します。デフォルトは,recv_inlineです。
- recv_inline
- リッチテキスト形式の本文の受信時に連携情報があれば本文として受信します。
- recv_attach
- リッチテキスト形式の本文の受信時に添付ファイルとして受信します。
- 注意
- リッチテキストの連携情報を基にリッチテキストの連携ができるのは送信側のメールシステムがMail - SMTP Version 6以降を使用し,リッチテキスト連携を行なう設定をしている場合だけです。