2.3.6 edit_option
- <この項の構成>
- (1) 機能
- (2) 説明
- (3) edit_optionで設定する値
(1) 機能
オプションパラメタの設定内容を変更します。
(2) 説明
プロンプト「smtpmng>」にサブコマンドのedit_optionを入力すると,次のようなメニューメッセージが表示されて,プロンプトが「edit_option>」に変わります。メニュー番号「5」またはサブコマンドの省略形「eo」を入力しても同じ結果になります。
次にedit_optionの実行例を示します。
smtpmng> edit_option
設定する項目の番号を入力してください。
0.設定項目一覧の表示
1.現在の設定値表示
2.ゲートウェイの監視時間(gw_poll_time)
3.smtp_gw用ログ出力パラメタ(log_parameter)
4.smtp_dm用ログ出力パラメタ(log_parameter_daemon)
5.dbmap用ログ出力パラメタ(log_parameter_dbmap)
6.エラーログレベル(error_level)
7.送信プロセスのリトライ処理間隔(daemon_retry_interval)
8.送信プロセスのリトライ処理回数(daemon_retry_count)
9.送信処理時のSMTPコマンドのタイムアウト時間(daemon_alarm_intervel)
10.送信制限を行うメールのサイズと時間帯(send_body_size_limit)
11.エラーメール返信先アドレスの優先順位(error_mail_to)
12.ループメールのアドレスチェック(loop_mail_address_check)
99.edit_optionサブコマンドの終了
edit_option>
プロンプト「edit_option>」の状態でメニュー番号「2」から「12」のどれかを入力してください。メニュー番号を入力すると,現在の設定値を表示してから,変更値と確認(Yes/No)の入力を求めてきます。また,設定項目によっては続けて関連項目を設定します。
メニュー番号「2」を入力した場合を次に示します。
edit_option> 2 [ゲートウェイの監視時間]
現在の設定値(GW_POLL_TIME) -> 10
変更する値 (GW_POLL_TIME) -> 20
設定しますか?(Yes/No) y
edit_option>
プロンプト「edit_option>」に「99」を入力するとサブコマンドを終了し,メインメニューが表示されプロンプトが「smtpmng>」に変わります。
(3) edit_optionで設定する値
edit_optionで設定できる値は次の12種類です。
- ゲートウェイの監視時間(gw_poll_time)
ゲートウェイ受信用のキューディレクトリ(gwq)に受信メールがない状態,およびGroupmax Mail Serverからの送信メールがない状態で,smtp_gwが処理を休止する間隔を設定します。デフォルトは,10秒です。(設定可能範囲:10~180秒)
- smtp_gw用ログ出力パラメタ(log_parameter)
smtp_gwの出力するログファイルのファイルサイズとバックアップ数を指定します。
それぞれのデフォルト値は次のとおりです。
- ログファイルの最大サイズ:1000Kバイト
- バックアップ数:5
バックアップ数は,以下の計算式を例に計算してください。
ユーザ数×(送信係数(0.001)+受信係数(0.004))×バックアップ日数(7)=バックアップ数
上記の計算式で10~5の間で運用開始時のバックアップ数を決めてください。15以上の場合には15にし,10以下の場合には10にしてください。運用開始後,定期的にログのバックアップ状況を確認し,バックアップ数を調節してください。1週間程度のログが残るようにすることを推奨いたします。
- 注意
- 新規インストール時のデフォルト値は,以下のようになります。
- ログファイルの最大サイズ:2000Kバイト
- バックアップ数:5
- smtp_dm用ログ出力パラメタ(log_parameter_daemon)
smtp_daemonの出力するログファイルのファイルサイズとバックアップ数を指定します。このパラメタが設定されない場合には,log_parameterの値をデフォルト値として使用します。
バックアップ数は,以下の計算式を例に計算してください。
ユーザ数×送信係数0.001×バックアップ日数(7)=バックアップ数
上記の計算式で10~5の間で運用開始時のバックアップ数を決めてください。10以上の場合には10にし,5以下の場合には5にしてください。運用開始後,定期的にログのバックアップ状況を確認し,バックアップ数を調節してください。1週間程度のログが残るようにすることを推奨いたします。
- 注意
- 新規インストール時のデフォルト値は,以下のようになります。
- ログファイルの最大サイズ:2000Kバイト
- バックアップ数:5
- dbmap用ログ出力パラメタ(log_parameter_dbmap)
dbmapコマンドおよびユーザの変更情報を取得した時に出力するログファイルのファイルサイズとバックアップ数を指定します。このパラメタが設定されない場合には,log_parameterの値をデフォルト値として使用します。
設定値の目安は,ログファイルのサイズが1M程度,バックアップ数が3程度です。
ユーザ情報の更新ルール(modifying_dbfile)にmanualを設定している場合には,dbmapを実行した時に取得された全ユーザ情報がログファイルに出力されることを確認してください。
ユーザ情報の更新ルール(modifying_dbfile)にautoを設定している場合には,運用開始後,定期的にログのバックアップ状況を確認し,バックアップ数を調節してください。定期的なユーザ異動がある場合,過去2回程度の取得ログが残るようにすることを推奨いたします。
- 注意
- 新規インストール時のデフォルト値は,以下のようになります。
- ログファイルの最大サイズ:2000Kバイト
- バックアップ数:3
- エラーログレベルの設定(error_level)
Mail - SMTP運用時に発生したエラーメッセージをログファイルとは別のエラーメッセージ専用の別ファイル(logdir下のerrlog)へ出力する場合に指定します。
本設定は,エラーメッセージが出力されたタイミングでユーザプログラムを起動したい場合などに,検出したいメッセージのレベルを指定します。出力されるレベルは,level1~level3を指定します。この設定値をスペースで区切ると,複数指定できます。noneとほかの値を同時に指定した場合は,none以外の値が優先されます。デフォルトは,errlogファイルに出力しない(none)です。
- none
- errlogファイルにエラーメッセージを出力しません。
- level1
- Mail - SMTPがサービス停止を伴う場合に出力するエラーメッセージを出力します。
- level2
- Groupmax Mailユーザとインターネット間でメールの送受信ができなかったことを示すエラーメッセージを出力します。
- level3
- コンフィグレーションファイル不正,プロトコル不正などのエラーメッセージを出力します。
- 注意
- 本設定は,必須ではありません。この設定にnoneを設定しても,Mail - SMTPのログファイルにはすべてのエラーメッセージが出力されます。新規導入の場合,通常の運用においてはnoneを設定することを推奨します。
- 送信プロセスのリトライ処理間隔(daemon_retry_interval)
smtp_daemonがメールを送信するときに,一時送信を保留したメールを再度送信する間隔を設定します。デフォルトは,60分です。(設定可能範囲:30~600分)
- 送信プロセスのリトライ処理回数(daemon_retry_count)
smtp_daemonがメールを送信するときに,一時送信を保留したメールを再度送信処理する回数を設定します。0を設定した場合,再送信処理は実行されません。デフォルトは,2回です。(設定可能範囲:0~9)
- 送信処理時のSMTPコマンドのタイムアウト時間(daemon_alarm_interval)
smtp_daemonがSendmailに対してメールを送信するとき,Sendmailからの通信が途絶えた場合にタイムアウトする時間を設定します。デフォルトは,5分です。(設定可能範囲:1~10分)
- 送信制限を行うメールのサイズと時間帯(send_body_size_limit)
smtp_daemonがSendmailに対してメールを送信するとき,一定サイズを超えるメールを送信制限する場合に送信制限するメールのサイズと制限を行う時間帯を設定します。(設定可能範囲[制限サイズ]:0~100000キロバイト,[制限時間帯]:0~24時)
プロンプト「edit_option>」で「8」を入力してください。メニュー番号を入力すると以下のメニューが表示されます。
edit_option> 8
現在の設定値(SEND_BODY_SIZE_LIMIT) -> 0/0-24 (送信制限されていません)
設定する項目の番号を入力してください。
1.制限値の設定・変更
2.送信制限の解除
99.送信制限の設定の終了
edit_option>
1を入力すると,送信制限が設定できます。「2」を入力するとすべての送信制限を解除します。「99」を入力すると,送信制限の設定を終了してedit_optionのメニューにもどります。
- (a) 送信制限を行う場合は,次のように設定します。
edit_option> 1
'制限サイズ/送信制限開始時間-送信制限終了時間'
の形式で設定してください。
制限サイズはキロバイト単位で設定してください。
設定例)8:00時から20:00時までの間,ボディサイズ 1000Kバイトを
越えるメールを送信制限する場合 -> 1000/8-20
変更する値 (SEND_BODY_SIZE_LIMIT) ->
のプロンプトが表示されますので,次の内容を設定します。
- 制限サイズ:制限サイズはキロバイト単位で指定します。制限の対象はエンコード後のメール本文+添付ファイルのサイズです(具体的には,送信時にsmqにキューイングされるBXXXXXXXファイルのサイズ)。例えばSEND_CODE=mimeが設定されている場合,エンコード後のメールのサイズは,約1.3倍になることにご注意ください。
- (例)
- 1000Kバイトを超えるメールを送信制限する場合,制限サイズは1000です。
- 1000Kバイトを超えるメールでエンコード後のサイズで送信制限する場合,制限サイズは1333です。
- 注意
- 制限サイズを超えたメールは,smqに引き続きキューイングされます。このとき,送信制限によってキューイングされているファイルはOXXXXXXX.lmtの形式になっています。
- 制限開始時間-制限終了時間:制限を開始する時間と終了する時間を,24時間単位で指定します。
- (例)
- 8:00時から17:00時(16時59分59秒)まで,1000Kバイトを超えるメールを送信制限する場合,以下のように1000/8-17を設定します。
変更する値 (SEND_BODY_SIZE_LIMIT) ->1000/8-17
8:00時から17:00時まで,1000 Kバイトを越えるメールを
送信制限します。
設定後の送信制限スケジュールは次のようになります。
8:00時から17:00時まで 1000 Kバイトを越えるメールは
送信制限されます。
設定しますか?(Yes/No) y
- 注意
- 終日指定(0:00~24:00)した場合には,制限サイズを超えるメールについてエラーレポートを返信します。
- (b) 時間帯によって異なる制限サイズを設定したい場合は,次のように設定します。
- (例)
- 8:00時から15:00時までは,1000Kバイトを超えるメールを送信制限する。15:00時から20:00時までは,2000Kバイトを超えるメールを送信制限する。
- 以下のように1000/8-15を設定した後,2000/15-20を設定します。
変更する値 (SEND_BODY_SIZE_LIMIT) -> 1000/8-15
8:00時から15:00時まで,1000 Kバイトを越えるメールを
送信制限します。
設定後の送信制限スケジュールは次のようになります。
8:00時から17:00時まで 1000 Kバイトを越えるメールは
送信制限されます。
設定しますか?(Yes/No) y
続けて送信制限の設定を行いますか?(Yes/No)y
'制限サイズ/送信制限開始時間-送信制限終了時間'
の形式で設定してください。
制限サイズはキロバイト単位で設定してください。
設定例)8:00時から20:00時までの間,ボディサイズ
1000Kバイトを越えるメールを
送信制限する場合 -> 1000/8-20
変更する値 (SEND_BODY_SIZE_LIMIT) -> 2000/15-20
15:00時から20:00時まで,2000 Kバイトを越えるメールを
送信制限します。
設定後の送信制限スケジュールは次のようになります。
8:00時から15:00時まで 1000 Kバイトを越えるメールは
送信制限されます。
15:00時から20:00時まで 2000 Kバイトを越えるメールは
送信制限されます。
設定しますか?(Yes/No) y
- 注意
- 制限する時間帯が重なっている場合は,制限サイズの上下にかかわらず後から指定されたものが有効となる(上書きされる)ことに注意してください。
- (例)
- 1000/8-19を設定した後に2000/15-20を設定した場合,設定時間の重なった15:00~19:00の制限サイズは後から指定した2000Kバイトが設定されます。
- (c) 深夜0時を超えて時間帯を設定したい場合は,次のように設定します。
- X時から24:00時までの設定,および0時からY時までの設定を行います。
- (例)
- 20:00時~翌日5:00時まで,1000Kバイトを超えるメールを送信制限したい場合,20:00時から24:00時までの設定と,0:00時から5:00時の設定を行います。設定方法は,1000/20-24を設定した後に1000/0-5を設定します。
- 注意
- 異なる制限サイズを終日指定にした場合には,すべての時間帯で送信することができないメールはエラーレポートを返信します。この場合,smtp_daemonのログファイルにエラーログSmtpgw210が出力されます。Groupmax Mailユーザは送信一覧の配信状態で配信エラーになったことを確認できます。また,後で送信できるメールについては送信できる時間帯になるまでキューイングされます。
- (例)
- 5000/0-8と1000/8-20と5000/20-24を設定した場合,
- 6000Kバイトのメールは終日送信できないのでエラーレポートが返信されます。2000Kバイトのメールは8:00時から20:00時までは送信制限されますが,20:00時から翌日8:00時の間に送信されます。
- (d) 設定したスケジュールを時間帯を指定して解除する場合は,制限サイズを0にして,制限解除する時間帯を設定します。
- (例)
- 8:00から16:00までの送信制限を解除する場合,0/8-16と指定します。
- エラーメール返信先アドレスの優先順位(error_mail_to)
Mail - SMTPがエラーメールを返信する場合に,エラーメールの返信先を取得するヘッダ名を指定します。指定したヘッダがなかったり返信先のアドレスとして使用できない場合がありますので,複数のヘッダについて優先順を指定しておきます。プロンプト「edit_opsion>」に「11」を入力すると,error_mail_toのサブメニューが表示されます。設定または変更を行なう場合には「1」を,デフォルトの設定値にする場合には「2」を選択します。設定例を以下に示します。
edit_option> 11
設定する項目の番号を入力してください。
1.エラーメール返信先の設定・変更
2.デフォルト値に戻す
99.エラーメール返信先の設定の終了
edit_option> 1
エラーメール返信先アドレスの優先順位(error_mail_to)の設定:
エラーメールの返信先の優先順に以下の文字列を指定して下さい。
"Envelope_From" : エンベロープ送信者
"Return-Path" : 返信先
"Errors-To" : エラー送信先
"Resent-Sender" : 再送信者
"Resent-From" : 再送信者
"Reply-To" : 返信先
"Sender" : 送信者
"From" : 送信者
現在の設定値(ERROR_MAIL_TO) -> Envelope_From Errors-To Return-Path Resent-Sender Resent-From Sender From
変更する値 (ERROR_MAIL_TO) -> Envelope_From From
設定しますか?(Yes/No) y
上記の設定例では,以下の優先順でエラーメールの返信先を取得します。
(1) Envelope_From
(2) From
デフォルトの優先順は,Envelope_From Errors-To Return-Path Resent-Sender Resent-From Sender Fromです。エンベロープ送信者を返信先として指定する場合には,Sendmailの設定を考慮する必要がありますので,「付録H Sendmailの設定手順」を参照してください。
- ループメールのアドレスチェック(loop_mail_address_check)
メール受信時にループメールの検出機能を使用するかどうかを指定します。デフォルトは,ループメールのアドレスチェックを行なう(ON)です。
- ON
- ループメールアドレスチェックを行ないます。チェック内容は次のとおりです。
- メールの受信に失敗した場合に,受信者アドレスがSEND_ENVELOPE_FROMに設定された管理者アドレスと同じ場合に,ループメールと判断しエラーメールを返信しないようにします。
- OFF
- ループメールアドレスチェックを行ないません。