7.9.4 オブジェクトサーバとの整合性

Document Managerでの文書は,文書実体ファイルを格納する領域と,属性を格納する領域で管理されています。属性を管理する領域は,オブジェクトサーバ上に作成されます。

しかし,障害などが原因で,文書実体ファイルが存在する文書の属性が,オブジェクトサーバに存在しない場合があります。反対に,文書実体ファイルが存在しない文書の属性が,オブジェクトサーバに存在する場合もあります。このような状態のとき,文書実体ファイルと,オブジェクトサーバで管理されている属性の整合は取れていません。

文書実体ファイルとオブジェクトサーバ上の属性との整合を取るには,ファイル整合性ユティリティを使用します。

新規文書の作成中に,Document Manager又はオブジェクトサーバが異常終了した場合は,文書の整合が取れていないことがあります。この場合はできるだけ,ファイル整合性ユティリティを実行してください。

また,一般文書にファイルが一つも登録されていない場合,ファイル整合性ユティリティで一般文書に対応する文書実体ディレクトリは削除されます。このとき「(2)文書実体ファイルが存在しない場合の対処」に示す整合性ログファイルにログを出力します。

<この項の構成>
(1) オブジェクトサーバ上に文書の属性が存在しない場合の対処
(2) 文書実体ファイルが存在しない場合の対処

(1) オブジェクトサーバ上に文書の属性が存在しない場合の対処

オブジェクトサーバ上に属性が存在しないのに,文書実体ファイルは存在するという不整合が生じる場合があります。この場合は,ファイル整合性チェックユティリティで-dオプションを指定して実行してください。これによって,属性が存在しない文書は,Document Managerデータベースから削除されます。

(2) 文書実体ファイルが存在しない場合の対処

文書実体ファイルが存在しないのに,属性がオブジェクトサーバに存在する不整合が生じる場合があります。この場合は,次のように対処してください。

  1. 環境設定ファイルにFsckDbBothCheck=useを指定する
  2. ファイル整合性チェックユティリティで-dオプションを指定して実行する

これによって,整合の取れていない文書の文書実体ファイル格納ディレクトリが修復されます。ただし,アプリケーションプログラムでユーザが作成した文書実体ファイル自体は修復されません。

ファイル整合性チェックユティリティを実行して,文書実体ファイルが存在しない不整合が検出された場合は,次のように対処してください。

  1. 文書実体ファイルが存在しない文書があったことを示すメッセージがイベントログに出力されるので確認する。
  2. 詳細情報として整合性ログファイル(/usr/infoshare/spool/fsckinf.txt)が出力されるので確認する。整合性ログファイルでは,最後に実行した修復状態だけが保持されます。
  3. 必要に応じて,不整合が生じた文書を再登録するか又は削除する。

整合性ログファイルの形式を示します。

AA…AA△UU…UU△II…II△NN…NN

AA…AA
要因コードを示します。内容は次のとおりです。
INV_DB
オブジェクト(フォルダ,一般文書データベース,一般文書,フォーム文書データベース及びフォーム文書)に対応する文書実体ディレクトリが存在しないのに,オブジェクトの属性がオブジェクトサーバに存在する不整合が生じていることを示します。
NO_FILE
一般文書にファイルが一つも登録されていないため,一般文書に対応する文書実体ディレクトリを削除したことを示します。
UU…UU
オブジェクトの所有者のユーザ名を示します(半角で8文字)。
II…II
オブジェクトのIDを示します(半角で16文字)。
NN…NN
オブジェクトの名称を示します(半角で63文字)。
ここには一般文書,フォルダなどの名前が出力されます。