ここでは,フォルダの概要と管理方法について説明します。
(1) フォルダの概要
フォルダは,一般文書を格納する単位です。一般文書は必ず一つのフォルダに格納されるため,フォルダは,ディレクトリを使用したファイル管理のような役目をします。複数のフォルダに一つの一般文書が格納されたり,一つの一般文書が複数のフォルダに格納されることもありません。格納されている一般文書は,フォルダ間で移動したり,複写したりできます。
(2) フォルダの管理
ここでは,フォルダの管理方法について説明します。
(a) フォルダを使用した文書管理
環境初期化ユティリティを実行してDocument Managerデータベースを作成したとき,システムによって次のフォルダが作成されます。
最上位フォルダは,すべてのフォルダの上位になるフォルダです。デフォルトフォルダは,最上位フォルダの直下に作成されます。バージョン01-XXのクライアントから登録された文書を格納したり,文書が配布されたときに配布文書を登録するフォルダが配布先のサーバに存在しない場合に配布文書を格納したりするフォルダです。
最上位フォルダを基にして,その下位に新しくフォルダを作成して,階層構造を構築できます。これをフォルダ階層といいます。フォルダ階層は,Document Managerデータベースに一つだけ存在します。あるフォルダから見て,上位にあたるフォルダを上位フォルダといいます。また,あるフォルダから見て下位にあたるフォルダを下位フォルダといいます。
各フォルダには,フォルダの利用目的(どのような種類の文書を格納するか)に合わせて,文書を登録します。例えば,組織内で開催される会議ごとに議事録を管理する場合は,「議事録」というフォルダの下位フォルダに会議の種類を表したフォルダを作成します。作成した議事録は,会議の種類ごとのフォルダに格納します。一般文書をファイルとして考えると,フォルダはディレクトリに相当します。なお,1フォルダ当りの登録文書数は5000件までを目安にすることをお勧めします。
また,デフォルトフォルダには,バージョン01-XXのクライアントから登録された文書の格納,及び配布された文書を格納するフォルダが作成されていない場合の格納に使用するため,このほかの文書を登録しないことをお勧めします。
フォルダ階層を使用した文書管理の概念を,図2-2に示します。
図2-2 フォルダ階層を使用した文書管理
(b) フォルダとアクセス権
フォルダを作成したユーザは,そのフォルダの所有者になります。ただし,最上位フォルダの所有者はDocument Manager管理者です。アクセス権の状態は格納する一般文書に引き継がれます。
フォルダの所有者は,ほかのユーザ又はグループに対してアクセス権を設定できます。アクセス権については,「2.2.5 アクセス権の管理」を参照してください。
(c) フォルダと改変禁止モード
表2-1 改変禁止モードが設定されたフォルダに属する文書への操作
文書に対する操作 | 操作の可否 |
---|---|
検索 | ○ |
新規文書の登録 | ○ |
文書を更新して登録 | × |
削除 | ×※1 |
バージョンの削除 | × |
移動 | ○※2,※3 |
複写 | ○ |
属性の参照 | ○ |
参照モードでの取り出し | ○ |
更新モードでの取り出し | × |
アクセス権の参照及び更新 | ○ |
アクセス権以外の属性の更新 | × |
分類索引への登録と解除 | ○ |
(凡例)
○:操作できる。
×:操作できない。
注 表2-1に示す操作は,必要なアクセス権が設定されていることが前提です。
注※1 Document Manager管理者と改変禁止フォルダ管理者だけが文書を削除できます。ただし,改変禁止フォルダ管理者の場合は,削除権が必要です。
注※2 移動先のフォルダに改変禁止モードが設定されている場合だけ移動できます。
注※3 編集モードで取り出されている改変禁止モードが設定されているフォルダに属さない文書を,改変禁止モードが設定されたフォルダに移動する場合は,エラーとなります。