Document Managerで管理している文書は,分類索引に登録(リンク)できます。文書を分類索引に登録しておくと目的の文書が検索しやすくなります。例えば「ある文書を検索したいが文書名や作成者など具体的な検索条件が思い出せない」といった場合でも,思いつく限りのあいまいな記憶を頼りに,管理している大量な文書を絞り込めます。文書がリンクされていると思われる分類を複数選択して,文書を絞り込んだり,分類索引のツリーをたどりながら目的の文書を検索したりできます。
企業や組織単位でDocument Managerを利用する場合,分類索引を綿密に設計しておくことが重要になってきます。次に,分類索引を設計するときに考慮する点について説明します。
(1) 文書を分類する観点を考慮する
通常の業務で作成,管理される文書は様々な内容で書かれています。フォルダに格納した文書の中でも,関連製品ごとや管理部署ごとに更に分類できます。例えば,議事録を考えます。議事録は様々な会議の記録ですから,会議の議題ごとに分類できます。予算の検討会議の議事録は,「組織構成」を表した分類索引の「経理課」や会議の種類を表した分類索引の「予算検討会議」などにリンクさせておくことが考えられます。分類索引の設計例と各分類索引に対してリンク付けられると思われる文書の例を,表4-5に示します。
表4-5 分類索引の設計例とリンクさせる文書の例
分類索引の例 | リンクさせる文書の例 |
---|---|
製品 |-PC周辺機器 |-システム装置 |-ディスプレイ |-プリンタ | ・製品仕様書 ・設計書 ・取扱説明書 ・製品カタログ ・製品改善提案書 など |
組織構成 |-総務部 |-経理課 |-人事課 |-勤労課 | ・社員データ管理表 ・給与明細書 ・社内報 ・旅費精算書 ・勤休表 など |
業種別取引先 |-出版社 | |-AB出版 | |-CD書房 |-商社 |-EF商事 |-GH商事 | ・顧客への提案書 ・顧客情報 ・収支報告書 ・販売予実績表 ・見積書 ・製品納品書 ・契約書 など |
営業地区支店 |-東京地区 |-新宿支店 |-渋谷支店 |-銀座支店 |
(2) 分類索引の構造を考慮する
分類索引は,最上位分類と複数の下位分類で構成されます。一つの分類索引は下位分類へ向かっていくに従って分類の観点が明確になっていくように設計します。例えば,営業地区の支店を表す分類索引を構築する場合,東京地区の営業支店の下位に「名古屋支店」を作成するのは一般的ではありません。
したがって,上位分類と下位分類の関連性が明確になるように設計してください。また,Document Managerの利用者全員が分かるような一般的な名称を付けることも大切です。
(3) アクセス権による分類索引及び分類の運用
分類索引にはアクセス権を設定できます。最上位分類に設定したアクセス権は,下位分類に引き継がれます。また,ある分類に設定したアクセス権も,下位分類を作成したときに引き継がれます。したがって,分類索引には,下位分類を作成する前に,最上位分類に対して,下位分類に共通なアクセス権を設定しておくと便利です。
例えば,会社や組織内で共通して利用する分類索引については,一般ユーザが分類索引の体系を変更できないように操作を制限する必要があります。この場合,一般ユーザには分類索引の参照と分類索引への文書のリンクだけを許可して運用します。アクセス権として,全ユーザに対して文書リンク権を与えるとよいでしょう。
分類索引のアクセス権については,「2.2.5 アクセス権の管理」を参照してください。