7.4.2 文書の一括登録の操作

<この項の構成>
(1) 文書を一括登録するには
(2) 文書の一括登録に使用するファイルとコマンド
(3) 文書を一括登録する時に分類索引に登録するには
(4) 関連ファイルを一括登録するには

(1) 文書を一括登録するには

文書を一括登録する手順を次に示します。

  1. 登録用属性ファイルを作成する
  2. 定義ファイルを作成する
  3. ISregistコマンドを実行する

なお,文書を登録する文書データベースには,必ずAP識別子を設定しておいてください。

(2) 文書の一括登録に使用するファイルとコマンド

ここでは,文書の一括登録に必要なファイルと,使用するコマンドの概要を説明します。

(a) 登録用属性ファイルの作成

ほかのアプリケーションプログラムで作成した文書は,属性が付いていないためDocument Managerデータベースに登録できません。そこで,作成した文書に属性を付ける必要があります。

文書の属性は,登録用属性ファイルに記述します。登録用属性ファイルは,文書格納ディレクトリに作成します。文書格納ディレクトリは,文書,登録用属性ファイル,関連ファイルなど,文書に関連するファイルを格納するディレクトリです。

文書格納ディレクトリの例を,図7-1に示します。

図7-1 文書格納ディレクトリの例

[図データ]

文書格納ディレクトリは,任意のディレクトリに作成してください。ただし,登録文書ごとにディレクトリを分けることをお勧めします。

また,文書実体ファイル名及び登録用属性ファイル名に使用できる文字の規則を次に示します。

次に,登録用属性ファイルの定義例を示します。

(例1)

文書1をフォルダ「平成8年上期」,一般文書データベース「顧客情報」下に登録する場合の登録用属性ファイルの例

図7-2 登録用属性ファイルの例

[図データ]

  1. 登録する文書の文書名に関する属性
  2. 登録する文書の文書名に関する属性値
  3. 文書を登録する文書データベースIDに関する属性
  4. 文書を登録する文書データベースIDに関する属性値
  5. 文書を登録する文書データベース名に関する属性
  6. 文書を登録する文書データベース名に関する属性値
  7. 文書を登録するフォルダに関する属性
  8. 文書を登録するフォルダに関する属性値

注※ 文書データベースIDは,Document Manager Clientの文書DB属性ダイアログボックスで参照してください。

この例は,文書1に対する登録用属性ファイルの記述例です。この例では,文書1をフォルダ「平成8年上期」,一般文書データベース「顧客情報」に所属させることを示しています。なお,一括登録する文書すべてに対して,それぞれ登録用属性ファイルが必要です。

(b) 定義ファイルの作成

登録用属性ファイルを作成した後,定義ファイルを作成します。定義ファイルには,登録する文書の文書名及び登録用属性ファイルの文書名を記述します。定義ファイルは,Document Managerサーバから参照できる場所に作成してください。

定義ファイルの作成例を次に示します。

図7-3 定義ファイルの作成例

[図データ]

この例の1では,登録用属性ファイル「文書1.arg」に記述した文書データベースに,文書「文書1.doc」の文書を作成して,Document Managerデータベースに登録することを示しています。

同様に,2では文書「文書2.doc」,3では「文書3.doc」に関して記述しています。

(c) 一括登録ユティリティの実行

文書を一括登録するには,一括登録ユティリティを実行します。一括登録ユティリティを実行すると,文書格納ディレクトリから,定義ファイルに定義した文書を一括登録します。

一括登録ユティリティの入力例を,次に示します。

ISregist -d /usr/infoshare/tmp   …1
        -f /tmp/regist_file      …2

  1. 文書格納ディレクトリの指定
  2. 定義ファイル名の指定

(3) 文書を一括登録する時に分類索引に登録するには

ここでは,文書を一括登録する時に分類索引に登録する操作を説明します。

(a) 登録用属性ファイルの作成

文書を一括登録する際に,登録用属性ファイルに,文書をリンクする分類索引名及び分類名を記述します。

登録用属性ファイルの記述例を示します。

(例2)

文書1を分類索引に登録する場合の登録用属性ファイルの例

図7-4 文書を分類索引に登録する場合の登録用属性ファイルの例

[図データ]

  1. 文書を登録する分類索引に関する属性
  2. 文書を登録する分類索引に関する属性値

この例では,文書1を組織分類索引の分類「営業第1課」,及び電気製品分類索引の分類「ステレオ」にリンクすることを示します。

 分類索引名及び分類名を記述するときの注意事項を次に示します。

  1. 一つの分類索引に同じ名称の分類が複数ある場合は,分類IDを指定してください。分類索引に同じ分類名が複数ある場合,分類IDを省略すると,すべての同じ分類名の分類に文書をリンクします。なお,分類IDは,分類属性ウィンドウで参照できます。
  2. 1文書の登録で指定できる分類の数は,4095以内です。

(b) 定義ファイルの作成

文書の一括登録と同様に,定義ファイルを作成します。

(c) 一括登録ユティリティの実行

文書の一括登録と同様に,一括登録ユティリティを実行して,文書を一括登録します。

(4) 関連ファイルを一括登録するには

関連ファイルを文書とともに一括登録する操作は,「(1)文書を一括登録するには」と同じです。

ただし,次の点に注意してください。

  1. 関連ファイルを文書格納ディレクトリに格納する
    一括登録する関連ファイルは,文書と同じディレクトリに格納してください。
  2. 関連ファイルの名称をAP情報管理ファイルに記述する
    文書を登録する一般文書データベースのAP識別子に対応するAP情報管理ファイルに,関連ファイル名を記述してください。
    AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。
  3. テキストファイルを登録する場合は,文書を登録する一般文書データベースにTS情報IDを設定しておいてください。なお,TS情報IDはTS管理ファイル(/usr/infoshare/etc/bibts.config)で定義しておく必要があります。また,使用する全文検索サーバによって,環境設定ファイル(/usr/infoshare/etc/config)のbib_tsオペランドの設定内容は異なります。全文検索サーバとしてBibliotheca/TSを使用している場合は,BIBを設定してください。全文検索サーバとしてBibliotheca2 TextSearchを使用している場合は,BIB2を設定してください。
  4. 上記1及び2の条件を満たさない場合,関連ファイルは登録されません。また,1,2及び3の条件を満たさない場合,テキストファイルは登録されません。どちらの場合も文書も登録されません。
  5. テキストデータベースにテキストファイルを登録する場合,Document Manager管理者として登録されているユーザが作成したすべてのTS未登録の文書が登録されるので注意してください。
  6. 文書を登録する一般文書データベースのAP識別子に対応するAP情報管理ファイルに,文書従属ファイルの指定があっても,一括登録時には更新日時は検査されません。
  7. 全文検索サーバに登録する文書と登録しない文書を,同じ一般文書データベースに対して同時に一括登録する場合,文書従属ファイルとしてテキストファイルが指定されているAP識別子は指定しないでください。
    文書従属ファイルにテキストファイルの指定がない場合,テキストファイルの存在は検査されないで,文書だけが登録されます。