5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定

ここでは,Document Managerとほかのアプリケーションプログラムとを連携して使用するための環境設定について説明します。

<この項の構成>
(1) AP情報管理ファイル
(2) AP情報管理ファイルの記述形式

(1) AP情報管理ファイル

AP情報管理ファイルは,一般文書の作成や登録に使用するアプリケーションプログラムを管理するためのファイルです。AP情報管理ファイルは,サーバ上で管理されています。

一般文書は次のように,複数のファイルから構成されている場合があります。

サーバは,一つの一般文書が複数のファイルに分割されているとき,同じ一般文書に関連するファイルを統括して管理します。一つの一般文書に関連するファイル名は,AP情報管理ファイルに記述しておきます。AP情報管理ファイルに記述された同じ一般文書に関連するファイルは,作業領域に一緒に取り出されたり更新されたりします。また,編集した一般文書をサーバに登録する場合も,AP情報管理ファイルの内容に従って登録されます。

(a) 関連ファイルの一括管理

一般文書には,実体が格納されたファイルのほかに,属性が記述されたファイルやテキストデータが抽出されたファイルなどがあります。AP情報管理ファイルでは,一般文書に関連するこれらのファイルを一括して管理します。ファイルの種類を,次に示します。これらのファイルを使用する場合は,ファイル名などをAP情報管理ファイルに記述しておきます。

(b) アクションの起動

「文書を開く」など,アプリケーションプログラムに対する処理を,アクションといいます。一般文書を作業領域に取り出したり,Document Managerデータベースに登録したりするときなどに,どのようなアクションを実行するかをAP情報管理ファイルに記述します。

クライアント上のほかのプログラムとは,WindowsのDDE(Dynamic Data Exchange)機能を使ってデータのやり取りをしています。このDDE機能のどのようなメッセージをどのパスに渡すかなどの情報をAP情報管理ファイルに記述します。

なお,アクションの内容は,一般文書データベースと一般文書それぞれに記述します。

(2) AP情報管理ファイルの記述形式

AP情報管理ファイルの記述形式を,次に示します。

(a) 格納先

AP情報管理ファイルの格納先は次の通りです。

/usr/infoshare/etc/ap.config

(b) 形式

<AP情報>'改行文字'〔<AP情報>'改行文字'…〕

<AP情報>::=<AP識別名>:<AP識別子>:〔<登録用属性ファイル>〕:

      〔<参照用属性ファイル>〕:

      〔<テキストファイル>〕:

      〔<文書データベース関連ファイルリスト>〕:

      〔<文書関連ファイルリスト>〕:

      〔<文書データベース従属ファイルリスト>〕:

      〔<文書従属ファイルリスト>〕:

      〔<文書データベースアクション定義リスト>〕:

      〔<文書アクション定義リスト>〕

<AP識別名>
AP名を識別する文字列を,1~63バイト以内で指定します。アプリケーションプログラムを特定しないで文書の拡張子から起動する場合(フリーアクション)も,任意の名称(例えばFree)で記述してください。
  • AP名は,AP情報管理ファイル内で重複しないようにしてください。
  • 文字列には1バイトコード(ただし,空白「0x20」及び制御コード「0x00~0x1F,0x7F~0xFF」を除く),2バイトコード(ただし,空白を除く)を使用できます。
<AP識別子>
AP情報を示す識別子を,1~60000までの符号なし整数で指定します。
  • AP識別子は,AP情報管理ファイル内で重複しないようにしてください。
  • AP識別子0は,システムで予約されているため使用できません。
  • AP識別子60000は,あらかじめ定義されているフリーアクションのデフォルトとして使用されています。
<登録用属性ファイル>
登録用属性ファイルの名称を指定します。
  • ファイル名の形式は,Windowsの形式に従ってください。
  • ファイル名には,「¥」,「/」,<英大文字>及び外字は使用できません。
<参照用属性ファイル>
参照用属性ファイルの名称を指定します。
  • ファイル名の形式は,Windowsの形式に従ってください。
  • ファイル名には,「¥」,「/」,<英大文字>及び外字は使用できません。
<テキストファイル>
全文検索サーバのテキストデータベースに登録する,テキストファイルの名称を指定します。
  • ファイル名の形式は,Windowsの形式に従ってください。
  • ファイル名には,「¥」,「/」,<英大文字>及び外字は使用できません。
<文書データベース関連ファイルリスト>
<文書データベース関連ファイルリスト>::=
{<文書データベース関連ファイル>
〔,<文書データベース関連ファイル>…〕
|%ALL〔,<文書データベース関連ファイル>…〕}
<文書データベース関連ファイル>
一般文書データベースに登録されている文書ひな形と共にサーバに格納されるファイルの名称を指定します。
%ALL
Windowsの形式に従ったすべてのファイルを対象とする場合に指定します。ただし,テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルは,%ALLの対象に含まれません。テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルを対象としたい場合は,記述形式に従ってそれぞれのファイル名を指定してください。
この指定をした場合,クライアントからサーバへの文書の保存時に,「起動ファイル」を指定しない運用ができます。
  • ファイル名の形式は,Windowsの形式に従ってください。
  • ファイル名には,「¥」,「/」,<英大文字>及び外字は使用できません。
<文書関連ファイルリスト>
<文書関連ファイルリスト>::=
{<文書関連ファイル>〔,<文書関連ファイル>…〕
|%ALL〔,<文書関連ファイル>…〕}
<文書関連ファイル>
一般文書と共に格納されるファイルの名称を指定します。
%ALL
Windowsの形式に従ったすべてのファイルを対象とする場合に指定します。ただし,テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルは,%ALLの対象に含まれません。テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルを対象としたい場合は,記述形式に従ってそれぞれのファイル名を指定してください。
この指定をした場合,クライアントからサーバへの一般文書の保存時に,「起動ファイル」を指定しない運用ができます。
  • ファイル名の形式は,Windowsの形式に従ってください。
  • ファイル名には,「¥」,「/」,<英大文字>及び外字は使用できません。
<文書データベース従属ファイルリスト>
<文書データベース従属ファイルリスト>::=
{<文書データベース従属ファイル>
〔,<文書データベース従属ファイル>…〕
|%ALL〔,<文書データベース従属ファイル>…〕}
<文書データベース従属ファイル>
テキストファイル名及び文書データベース関連ファイルリスト内のファイル名を指定します。ここで指定したファイル名は,一般文書を登録,又は作業領域への取り出し又は削除時に,存在や更新日時が検査されます。
%ALL
Windowsの形式に従ったすべてのファイルを対象とする場合に指定します。ただし,テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルは,%ALLの対象に含まれません。テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルを対象としたい場合は,記述形式に従ってそれぞれのファイル名を指定してください。
この指定をした場合,クライアントからサーバへの文書の保存時に,「起動ファイル」を指定しない運用ができます。
  • ファイル名の形式は,Windowsの形式に従ってください。
  • ファイル名には,「¥」,「/」,<英大文字>及び外字は使用できません。
<文書従属ファイルリスト>
<文書従属ファイルリスト>::=
{<文書従属ファイル>〔,<文書従属ファイル>…〕
|%ALL〔,<文書従属ファイル>…〕}
<文書従属ファイル>
テキストファイル名及び文書関連ファイルリスト内のファイル名を指定します。一般文書を作業領域に取り出したり,作業領域から削除する時に,ここで指定したファイル名の存在や更新日時が検査されます。
%ALL
Windowsの形式に従ったすべてのファイルを対象とする場合に指定します。ただし,テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルは,%ALLの対象に含まれません。テキストファイル,参照用属性ファイル及び登録用属性ファイルを対象としたい場合は,記述形式に従ってそれぞれのファイル名を指定してください。
この指定をした場合,クライアントからサーバへの一般文書の保存時に,「起動ファイル」を指定しない運用ができます。
  • ファイル名の形式は,Windowsの形式に従ってください。
  • ファイル名には,「¥」,「/」,<英大文字>及び外字は使用できません。
<文書データベースアクション定義リスト>
<文書データベースアクション定義リスト>::=
〔<アクション定義>〔,<アクション定義>〕〕
<文書アクション定義リスト>
<文書アクション定義リスト>::=
〔<アクション定義>〔,<アクション定義>〕〕
<アクション定義>::=
"<アクション名>"=<アクション情報><アクション実行位置>
"<アクション名>"
実行するアクション名を識別するための文字列を,1~63バイト以内で指定します。アクション名は重複しないようにしてください。アクション名に指定できる文字は,次のとおりです。
  • 1バイトコードの文字(ただし,空白(0x20)及び制御コード(0x00~0x1F,0x7F~0xFF)を除く)
  • 2バイトコードの文字(ただし,空白を除く)
<アクション情報>
<アクション情報>::={"<コマンド>"|"<DDE>"|"<フリーアクション>"}
 
<コマンド>
実行するコマンドを表す文字列を,1~255バイト以内で指定します。
  • 文字列には,文書実体ファイル名などをマクロで指定して,対応する文字列に変換できます。したがって,文字列の長さは,このマクロで変換した後の値になります。文字列内で指定できるマクロは,次のとおりです。
    %wf::=クライアントの作業領域上の文書実体ファイル,又は文書ひな形ファイルのフルパス名に変換されます。
    %uf::=サーバ上の作業領域上の文書実体ファイル名又は文書ひな形ファイルのフルパス名に変換されます。
    %'IS_object_name'::=文書名に変換されます。
  • 制御コード(0x00~0x1f及び0x7f)は使用できません。
  • 使用できる文字及び内容は,コマンドを実行するオペレーティングシステムの規則に従ってください。
  • コマンドの文字列に「"」を使用する場合は,「%"」と指定してください。
  • コマンドの文字列に「%」を使用する場合は,「%%」と指定してください。
<DDE>
<DDE>::={<アプリケーション名>|<トピック名>}'0x20'<アイテム文字列>
<アプリケーション名><トピック名><アイテム文字列>
DDEでの情報を表す文字列を指定します。文字列の長さは,合計で1~255バイト以内で指定してください。詳細については,Word又はExcelなどのアプリケーションプログラムのマニュアルを参照してください。
  • 文字列には,文書実体ファイル名などをマクロで指定して,対応する文字列に変換できます。したがって,文字列の長さは,このマクロで変換した後の値になります。文字列内で指定できるマクロは,<コマンド>のマクロと同じです。
  • 制御コード(0x00~0x1f及び0x7f)は使用できません。
  • 使用できる文字及び内容は,コマンドを実行するオペレーティングシステムの規則に従ってください。
  • コマンドの文字列に「"」を使用する場合は,「%"」と指定してください。
  • コマンドの文字列に「%」を使用する場合は,「%%」と指定してください。
<フリーアクション>
<フリーアクション>::={<オープンフリーアクション>
|<印刷フリーアクション>}
フリーアクションは,アクション実行で起動するアプリケーションプログラムを特定しないで,Document Managerに自動的に選択させる場合に指定します。この場合,Document Managerは,文書実体ファイルの拡張子を基にアプリケーションプログラムを起動します。
起動するアプリケーションプログラムは,Windowsの登録情報データベースに登録されている必要があります。
<オープンフリーアクション>
<オープンフリーアクション>::=.open %wf
アプリケーションプログラムをオープンする場合に指定します。
<印刷フリーアクション>
<印刷フリーアクション>::=.print %wf
アプリケーションプログラムで印刷処理する場合に指定します。
各フリーアクションの文字列には,文書実体ファイル名などをマクロで指定して,対応する文字列に変換できます。したがって,文字列の長さは,このマクロで変換した後の値になります。文字列内で指定できるマクロは,次のとおりです。
%wf::=クライアントの作業領域の文書実体ファイル又は文書ひな形ファイルのフルパス名に変換されます。
<アクション実行位置>
<アクション実行位置>::=on-client
アクションをクライアントで実行する場合に指定します。

(c) 注意事項

(d) 記述例

AP情報管理ファイルの記述例を示します。