2.5.2 文書配布機能に関する管理
- <この項の構成>
- (1) 文書配布機能を使用する場合の環境設定
- (2) 文書配布の手順
- (3) 文書配布の記録と管理
- (4) 文書配布対象グループに関する情報表示
- (5) 運用上の注意事項
(1) 文書配布機能を使用する場合の環境設定
文書配布機能を使用する場合は,次に示す環境設定が必要です。
(a) 文書配布機能の実行環境の作成
文書配布機能を使用する場合は,初めに,文書配布機能ユティリティを実行しておく必要があります。文書配布機能ユティリティを実行すると,文書配布機能を使用するための実行環境がDocument Managerデータベースに追加されます。また,次の二つのディレクトリが作成されます。
- 配布元サーバの作業ディレクトリ
- 配布先サーバの作業ディレクトリ
文書配布機能ユティリティについては,「8.6 文書配布機能の実行環境作成(ISreplica)」を参照してください。
(b) メールシステムと連携するための設定
メールシステムによって文書を配布する場合は,次の二つの定義が必要です。
- 連携サーバ設定ファイル
連携サーバ設定ファイルは,文書配布機能による文書の送受信で,連携するサーバの情報を記述するファイルです。メールシステムによって文書を配布できるのは,このファイルに記述されているサーバだけです。連携サーバ設定ファイルについては,「5.7.2 文書配布機能を使用するための環境設定」を参照してください。
- 環境設定ファイルでの定義
環境設定ファイルでは,メールシステムにログインするときのユーザIDなどの定義をします。環境設定ファイルについては,「5.7 Document Managerでの環境設定」を参照してください。
(c) 全文検索サーバと連携している場合の設定
配布先サーバ側で,全文検索サーバと連携した全文検索を実行する場合は,文書と一緒にテキストファイルも配布する必要があります。そのため,配布元サーバのAP情報管理ファイルに,次に示すファイルの定義を記述してください。
- テキストファイルの定義
全文検索サーバにテキストファイルを登録するために必要です。
- 文書関連ファイルの定義
テキストファイルを文書と一緒に配布するために必要です。
この定義がない場合,テキストファイルは,全文検索サーバへの登録後にDocument Managerデータベースから削除されます。そのため,テキストファイルを文書と一緒に配布できません。なお,この定義をする前に作成した文書は,テキストファイルがDocument Managerデータベースから削除されているため,テキストファイルを再度作成する必要があります。
AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。
(d) 圧縮した文書を配布するための環境設定
圧縮した文書を配布するには,環境設定ファイルでの定義が必要です。環境設定ファイルについては,「5.7 Document Managerでの環境設定」を参照してください。
(e) 文書の配布状態管理ユティリティを使用するための環境設定
文書の配布状態管理ユティリティを使用するには,環境設定ファイルでの定義が必要です。環境設定ファイルについては,「5.7 Document Managerでの環境設定」を参照してください。
(2) 文書配布の手順
文書配布機能によって文書を配布する場合は,次の手順で実行します。
- メールシステムの起動
Groupmax Mailを起動します。Groupmax Mailの起動については,マニュアル「Groupmax Address/Mail Version 6 システム管理者ガイド 基本操作編」を参照してください。
- Document Managerサーバの起動
Document Managerサーバを起動します。Document Managerの起動については,「6.1 サーバの起動」を参照してください。
- 文書配布送受信デーモンの起動
文書配布送受信デーモン起動ユティリティで文書配布送受信デーモンを起動します。文書配布送受信デーモンの起動については,「8.7 文書配布送受信デーモンの起動(ISreplicastart)」を参照してください。
- 文書配布対象グループの作成
配布したい文書を文書配布対象グループとして作成しておきます。文書配布対象グループの作成は,次の2通りの方法があります。
- Document Managerのユティリティを使用する方法
文書配布対象グループ操作ユティリティと,配布文書追加・削除ユティリティを使って作成します。各ユティリティの使用方法については,「2.5.1 文書配布機能とは」を参照してください。各ユティリティの文法については,「8.13 文書配布対象グループの一覧表示,作成又は削除(ISgrpcrt)」及び「8.16 文書配布対象の追加又は削除(ISadddoc)」を参照してください。
- Document Manager Clientを使用する方法
Document Manager Clientを使用して作成する方法については,マニュアル「Windows 3.1 Groupmax Document Manager Version2.0 ユーザーズガイド」を参照してください。
- 文書の配布
文書配布対象グループの文書を配布します。文書の配布は,次の2通りの方法があります。
- Document Managerのユティリティを使用する方法
配布文書追加・削除ユティリティを実行して,文書を配布できます。配布文書追加・削除ユティリティについては,「8.16 文書配布対象の追加又は削除(ISadddoc)」を参照してください。
- Document Manager Clientを使用する方法
Document Manager Clientから配布する文書を選択して配布できます。Document Manager Clientからの操作については,マニュアル「Windows 3.1 Groupmax Document Manager Version2.0 ユーザーズガイド」を参照してください。
(3) 文書配布の記録と管理
- 文書の配布状態管理機能
文書の配布状態管理機能は,文書の配布状態を配布元サーバで管理して,文書の配布状態(配信中,取り込み成功,取り込み失敗)の表示やサーバ指定での再配布を可能にすることで,配布中の運用を容易にするための機能です。文書の配布状態管理機能については,「7.13 文書の配布状態管理機能に関する運用」を参照してください。
- 文書配布ログ
文書配布機能による文書の配布では,文書の配布に関する情報(配布日時,サーバ名,配布対象グループ名など)を文書配布ログとして出力します。文書配布ログは,配布元サーバでのエクスポートファイルの作成時,及び配布先サーバでのエクスポートファイルの取り込み時に,それぞれファイルに出力されます。このファイルを文書配布ログファイルといいます。
文書配布ログファイル及びその運用方法については,「7.8 文書配布ログに関する運用」を参照してください。
(4) 文書配布対象グループに関する情報表示
定義した文書配布対象グループの一覧,文書配布対象グループに登録されている文書の更新状態,配布回数などの一覧を表示できます。文書配布対象グループの文書を配布するかどうか判断する場合や文書の状態を確認したい場合,文書配布対象グループの情報を参照すると便利です。文書配布対象グループに関する情報は,文書配布対象グループ情報の表示ユティリティを使用して出力します。文書配布対象グループ情報の表示ユティリティについては,「8.14 文書配布対象グループ情報の表示(ISgrpinf)」を参照してください。
(5) 運用上の注意事項
- フォーム文書は配布できません。
- フォルダ,分類索引などの文書の分類体系及び文書データベースは配布できません。配布元サーバと配布先サーバ間では,あらかじめ,同じ名称及び属性の一般文書データベース,同じ名称の分類索引及びフォルダを作成しておく必要があります。名称が同じでも,属性が異なる一般文書データベースに対しては,文書を配布できません。同じ名称の分類索引がない場合は,該当する文書はリンクされません。同じ名称のフォルダが存在しない場合は,最上位フォルダの直下のデフォルトフォルダに格納されます。
- 配布先サーバに同じ名称の一般文書データベースが複数ある場合,文書は,オブジェクトIDが最も小さい一般文書データベースに格納されます。また,同じ名称のフォルダ及び分類索引が複数ある場合も,オブジェクトIDが最も小さいフォルダ及び分類索引に登録されます。
- 配布元サーバで作成されたエクスポートファイルは,対応する文書配布対象グループを解除するまで削除されません。そのため,システム管理者は,不要なエクスポートファイルを配布元サーバの作業ディレクトリから削除してください。
- 配布先サーバでエラーが発生した場合は,エラーメッセージファイルにエラー情報が出力されます。エラー要因を取り除いてからインポート機能ユティリティを実行してください。又は,エラーメッセージファイルと配布先サーバの作業ディレクトリにあるエクスポートファイルを削除した後,配布元サーバからの操作をやり直してください。
- 配布元サーバと配布先サーバ間では,AP情報管理ファイルの内容を統一しておいてください。サーバ間でAP情報管理ファイルが統一されていないと,配布文書からアプリケーションを起動できない場合があります。AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。
- メールシステムの混雑を避けるなどの理由で,配布要求時以外の任意の時間に文書を配布する場合は,オペレーティングシステムのスケジュール機能を使用して,任意の時刻に配布文書追加・削除ユティリティを実行してください。この場合,Document Manager Clientからの文書の配布はしないでください。
- 複数のサーバから文書を配布される配布先サーバでは,配布文書の配布元サーバが識別できるように,配布元サーバごとにフォルダを作成して,配布文書を登録することをお勧めします。
- 複数グループアクセス権でアクセス権管理を運用している場合は,「2.2.5(4)(f)複数グループアクセス権の運用上の注意事項」を参照してください。
- エクスポートファイルのファイルサイズが2ギガバイトを超えると,配布先サーバでエラーになります。このような場合は,エクスポートファイルのファイルサイズが2ギガバイトを超えないようにフォルダを分割してください。
- エクスポートファイルをファイル転送する場合は,バイナリモードでファイル転送してください。
- 半角コンマを含む名称の分類・分類索引又はフォルダに正しく登録されている文書を配布すると,配布先サーバで分類・分類索引又はフォルダに正しく登録できません。詳細については,「付録L 分類索引・分類・フォルダ名称に半角コンマを使用した場合に発生する障害」を参照してください。