ここでは,Document Managerで扱う文書の概念と,その管理の仕組みについて説明します。
(1) Document Managerデータベース
Document Managerでは,ユーザがアプリケーションプログラムを使って作成したファイル(文書実体ファイル)に,作成した日時やユーザ名などの属性を付けたものを合わせて,文書と呼びます。
Document Managerでは,文書をDocument Managerデータベースで管理しています。
Document Managerデータベースは,アプリケーションプログラムで作成した文書実体ファイルを格納する領域と,文書の属性情報を格納する領域で構成されます。文書の属性を格納する領域は,オブジェクトサーバ上に作成されます。このエリアは,オブジェクトサーバのスキーマと1対1で対応しています。なお,Document Managerデータベースは,サーバに一つあります。
(2) Document Managerで扱う文書
Document Managerで扱う文書には一般文書とフォーム文書があります。
(3) 文書を管理する体系
(a) 一般文書を管理する体系
一般文書は,次に示す三つの体系で管理されます。これらの体系はDocument Managerデータベースで管理されています。
(b) フォーム文書を管理する体系
フォーム文書はフォーム文書データベースで管理されます。フォーム文書データベースはDocument Managerデータベースで管理されます。
(4) 文書と作業領域
(a) 作業領域とは
文書を作成したり編集したりするには,Document Managerによってユーザごとに割り当てられた作業領域を使います。Document Managerデータベースのデータを直接編集しないので,不当なデータの更新を防ぐことができます。また,作業領域を経由すれば,Document Managerと連携していないほかのプログラムとデータを交換できます。
(b) 作業領域の利用形態
作業領域は,サーバとクライアントのそれぞれのディスク上にあります。「文書を開く」などの要求があると,文書はDocument Managerデータベースからサーバの作業領域に複写されます。次にクライアントの作業領域(クライアントで定義されたエリア)に転送されます。
作業領域を使った文書の操作の概要を,図1-2に示します。
図1-2 作業領域を使った一般文書の操作の概要