5.8.2 Document Managerの環境への登録
全文検索サーバと連携するための環境設定の手順を次に示します。
- 環境設定ファイルへの登録
- TS管理ファイルへの登録
- AP情報管理ファイルへの登録
- 文書データベースの属性値の設定
- <この項の構成>
- (1) 環境設定ファイルへの登録
- (2) TS管理ファイルへの登録
- (3) AP情報管理ファイルへの登録
- (4) 一般文書データベースの属性値の設定
- (5) 注意事項
(1) 環境設定ファイルへの登録
環境設定ファイルは,サーバの動作環境を定義するファイルです。全文検索サーバと連携する場合は,環境設定ファイルに,全文検索サーバを使用することを定義します。
環境設定ファイルについては,「5.7 Document Managerでの環境設定」を参照してください。
(2) TS管理ファイルへの登録
(a) TS管理ファイルとは
TS管理ファイルは,全文検索に使用するテキストデータベースの情報を管理します。TS管理ファイルはサンプルファイルが提供されていますので,複写して使用してください。
(b) TS管理ファイルの格納先と記述形式
TS管理ファイルの格納先と記述形式について説明します。
- 格納先
/usr/infoshare/etc/bibts.config
- 形式
<TS管理ファイル>::=<TS情報>'0x0a'
<TS情報>::=<TS管理情報名>:<TS情報ID>:<Infoshare識別子>:<全文検索サーバ名>:<テキストデータベース名>
- 指定内容
- <TS管理情報名>
- TS管理情報を識別するための名称を,1~63バイトで指定します。TS管理情報とは,全文検索サーバのテキストデータベースを表します。
- 文字列の形式は,次のとおりです。
- 1バイトコードの文字(ただし,制御コード「0x00~0x20,0x7F~0xFF」を除く)
- 2バイトコードの文字(ただし,空白を除く)
- <TS情報ID>
- TS管理情報を示す識別子を,1~60000の符号なし整数で指定します。
- 0はTS管理情報がないこととしてシステムで予約されているため,使用できません。
- <Infoshare識別子>
- 全文検索サーバとしてBibliotheca/TSと連携する場合は,テキストデータベースに登録してあるInfoshare識別子を指定します。Infoshare識別子は,<英数字>の1~8バイトで指定します。
- Infoshare識別子は,Bibliotheca/TSが,テキストデータベースを使用するユーザを検査するために使用します。したがって,登録されていない識別子を指定すると,Bibliotheca/TSを使用できません。
- 全文検索サーバとしてBibliotheca2 TextSearchと連携する場合は,「IS」と指定してください。ただし,全文検索サーバをBibliotheca/TSからBibliotheca2 TextSearchに移行する場合は,Bibliotheca/TSと連携していたときのInfoshare識別子をそのまま御使用ください。
- <全文検索サーバ名>
連携する全文検索サーバのホスト名称を,1~255バイトで指定します。
- <テキストデータベース名>
- 全文検索サーバに指定したテキストデータベースの名称を,1~36バイトで指定します。
- 注意事項
- TS管理ファイルに記述される<TS情報ID>は,文書の属性として格納されます。また,この<TS情報ID>を基にして,全文検索が実行されます。したがって,TS管理ファイルの<TS情報ID>を削除したり,<テキストデータベース名>を文書の登録後に変更した場合は,正常に検索されないことがあります。
- 一つの全文検索サーバを共有する複数のDocument Managerサーバがある場合,TS管理ファイルは,同じ内容で記述してください。
- 行の先頭に「#」(0x23)を記述すると,その行の行端までコメントになります。
- 行末(0x0a)の前に「¥」(0x5c)を記述すると,次行に内容が継続されます。
- 「:」(0x3a)又は「,」(0x2c)を記述する場合は,「¥:」又は「¥,」と記述してください。
- 全文検索サーバを使用する場合,Document Managerサーバがインストールされているマシンとは,別のマシンに構築した全文検索サーバと連携できます。複数のDocument Managerサーバから,一つの全文検索サーバを使用する場合,各Document ManagerサーバのノードID※が重複しないように設定してください。
注※ ノードIDは,オブジェクトサーバのデータベースを識別するために使用するIDです。オブジェクトサーバの初期化コマンド(xodinit)を実行するときに指定します。ノードIDについての詳細は,マニュアル「Groupmax Object Server Version 6システム管理者ガイド」を参照してください。
- 記述例
TS管理ファイルの記述例を示します。
TSDB1:1:IS:ServerX:TSDB1
(3) AP情報管理ファイルへの登録
全文検索サーバのテキストデータベースには,テキストデータを登録して全文検索しています。テキストデータを格納するためのテキストファイルの名称は,AP情報管理ファイルに定義しておきます。
また,文書配布機能で文書と一緒にテキストファイルを配布する場合は,文書関連ファイルにもテキストファイルの名称を定義しておきます。この定義がない場合,テキストファイルは全文検索サーバへの登録後にDocument Managerデータベースから削除されます。そのため,テキストファイルを文書と一緒に配布できません。
なお,この定義をする前に作成した文書は,テキストファイルがDocument Managerデータベースから削除されています。したがって,テキストファイルを再度作成する必要があります。
AP情報管理ファイルについては,「5.7.4 アプリケーションプログラムと連携するための環境設定」を参照してください。
(4) 一般文書データベースの属性値の設定
全文検索の対象にする一般文書データベースに属性値を設定します。属性値の設定は,Groupmax Integrated Desktop又はDocument Manager Clientで行います。
- Groupmax Integrated Desktopから操作する場合
全文検索の対象にする一般文書データベースのプロパティダイアログボックスで設定します。
- 全文検索データベースに「1-(テキストデータベース名)」を設定する
- アプリケーション名に,(3)で定義したAP情報管理ファイルのアプリケーションを選択する。なお,標準で提供される「12-Free-multi-with-TS」も使用できます。
- Document Manager Clientから操作する場合
全文検索の対象にする一般文書データベースの「文書DB属性」ダイアログボックスで設定します。
- TSサーバDB名に「1-(テキストデータベース名)」を設定する
- アプリケーション名に,(3)で定義したAP情報管理ファイルのアプリケーションを選択する。なお,標準で提供される「12-Free-multi-with-TS」も使用できます。
- 複数の一般文書データベースを対象にして全文検索する場合,この属性値が設定されていない一般文書データベースが一つでもあると,全文検索できないことがあります。なお,環境設定ファイルのTsCheckオプションをnouseで指定すると,属性に関係なく全文検索できます。環境設定ファイルについては,「5.7 Document Managerでの環境設定」を参照してください。
- 全文検索する場合は,システムで提供しているシステム文書データベースの属性値を設定し,以降一般文書データベースでの設定を変えないで使用してください。システム文書データベースへの属性の設定の方法については,「5.9 Document Managerの環境の初期化」を参照してください。
(5) 注意事項
全文検索サーバと連携する場合の注意事項を示します。
- ほかのユーザが次の処理をしているときは,全文検索サーバへの文書の登録及び全文検索はできません。
- テキストデータベースの詰め替え(コンデンス)
- テキストデータベースの再構成
- 全文検索サーバに文書を登録する時,全文検索サーバに障害が発生した場合は,登録しようとした文書をTS未登録の文書とします。
- テキストデータベースに登録できるテキストファイルの最大サイズは,982,974バイトです。