ISdirchk(サーバ作業領域チェックユティリティ)
形式
ISdirchk
-o {WORK | DB | BOTH | DEACT}
〔-u ユーザ名 | -U〕〔-m ログ出力ファイル名〕〔-v〕〔-d〕
機能
サーバの作業領域には,Groupmax Addressと連携している場合はGroupmax Addressに登録されているユーザごとに,Groupmax Addressと連携していない場合はUNIXのユーザ登録ファイルに登録されているユーザごとに,ディレクトリが作成されます。このコマンドを実行すると,登録されているユーザとサーバの作業領域のディレクトリを比較して,登録されていないユーザ又は既に削除されたユーザのディレクトリを削除します。
また,ユーザが文書を作業領域に取り出すときには,サーバの作業領域のユーザごとに作成されたディレクトリ下に,文書ごとのディレクトリが作成されます。サーバの作業領域のディレクトリの状態とDocument Managerデータベースの文書の状態に不整合が発生している場合は,このコマンドによって不要なディレクトリや情報を削除できます。
さらに,指定したユーザの作業領域の文書を強制的に削除することもできます。
オプション
-o {WORK | DB | BOTH | DEACT}
サーバ作業領域チェックユティリティで実行する操作を指定します。次のどれかを必ず指定してください。
なお,どのオプションを指定しても,登録されているユーザとサーバの作業領域のディレクトリとの整合は取ります。登録されていないユーザのディレクトリがある場合は,そのディレクトリを削除します。
- WORK
- サーバの作業領域に文書ごとに作成されているディレクトリの状態を,Document Managerデータベースの文書の状態に合わせます。Document Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」という情報がない文書に対してサーバの作業領域にディレクトリが存在する場合は,そのディレクトリを削除します。
- DB
- Document Managerデータベースの文書の状態を,サーバの作業領域に作成されているディレクトリの状態に合わせます。サーバの作業領域にディレクトリが存在しない文書に対してDocument Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」という情報が記憶されている場合は,その情報を削除して,「作業領域に存在しない」という状態に変更します。
- BOTH
- 「WORK」を指定した場合の処理を実行した後で,「DB」を指定した場合の処理を実行します。
- DEACT
- 指定したユーザが作業中の文書を,サーバの作業領域から削除します。同時に編集モードで取り出された文書の排他制御を解除します。このオプションを指定する場合は,必ず,-uオプションで対象となるユーザを指定するか又は-Uオプションを指定してください。
-u ユーザ名
指定したユーザについてだけ,-oオプションで指定した処理を実行します。なお,「DEACT」を指定した場合は,必ずこのオプション又は-Uオプションを指定してください。
ユーザ名は,次の規則に従って指定してください。
- Groupmax Addressと連携する場合
- Groupmax Addressのユーザ名の規則に従ってください。詳細はマニュアル「Groupmax Address/Mail Version 6 システム管理者ガイド 基本操作編」を参照してください。
- Groupmax Addressと連携しない場合
- UNIXのユーザ名の規則に従ってください。詳細は,「付録C Groupmax Addressを使用しない環境でのユーザ及びグループの登録」を参照してください。
-U
-oオプションでDEACTを指定した場合に,すべてのユーザの作業中文書を削除するときに指定します
-m ログ出力ファイル名
ユティリティの実行結果ログを出力するファイル名をフルパスで指定します。省略した場合は,/usr/infoshare/spoolにdirchk.txtとして出力されます。なお,このファイルはユティリティを実行するごとに上書きされます。
-v
ユティリティの実行結果ログを標準出力にも出力します。
-d
整合性チェック結果の詳細情報を出力する場合に指定します。詳細情報は,-mオプション及び-vオプションの指定に従って出力されます。出力される内容は次のとおりです。なお,それぞれのカラムは半角スペース(0x20)で区切られています。
表8-3 詳細情報として出力される内容
出力項目 | 説明 |
---|
オブジェクトID | 文書又は文書データベースのオブジェクトIDが出力されます。 |
オブジェクトの名称 | [ ]で囲まれた文字列が出力されます。 |
作業領域に取り出した時刻 | 文書又は文書データベースを作業領域に取り出した時刻が,「YYYY/MM/DD-hh:mm:ss」形式で出力されます。 不明な場合は「0000/00/00-00:00:00」が出力されます。-oオプションにWORKを指定した場合も,「0000/00/00-00:00:00」が出力されます。 |
バージョン番号 | 作業領域に取り出した文書又は文書データベースのバージョン番号が出力されます。 不明な場合は-1が出力されます。-oオプションにWORKを指定した場合も,-1が出力されます。 |
オブジェクト種別 | オブジェクトの種別が出力されます。出力される種別を次に示します。
- CLASS:文書データベース
- DOC:文書
- unknown:不明,又は-oオプションにWORKを指定している場合
|
排他モード | 排他モードが出力されます。出力されるモードを次に示します。
- READ:参照モード
- WRITE:編集モード
unknown:不明,又は-oオプションにWORKを指定した場合
|
整合性 | 整合性の状態が出力されます。出力される状態を次に示します。
- TRUE:整合
- FALSE:不整合
- unknown:不明
|
出力例を次に示します。
図8-2 詳細情報の出力例
![[図データ]](figure/zudirchk.gif)
ユティリティ実行結果ログの出力形式
ユティリティ実行結果ログは,次の形式で出力されます。なお,実行結果ログの先頭行には,ファイルの作成開始日時が出力され,最終行にはファイルの作成終了日時が出力されます。
(出力形式)
#ISdirchk LOG FILE : ログファイル作成開始日時
User ID = aaaaaaaa(no user)
Directory = /usr/infoshare/export/users/aaaaaaaa
Work Document = b
Inconsist Work Document = c
Activate Information = d
Inconsist Activate Information = e
Delete UserID (aaaaaaaa) Directory
ffff…ffff
# ISdirchk LOG FILE END : ログファイル作成終了日時
- #ISdirchk LOG FILE : ログファイル作成開始日時
- ログファイルの作成を開始した日時が出力されます。
- UserID=aaaaaaaa(no user)
- チェック対象のユーザ名が出力されます。なお,このユーザ名がGroupmax Address,又はUNIXのユーザ登録ファイルに登録されていない場合は,ユーザ名に続けて(no user)と出力されます。
- Directory =/usr/infoshare/export/users/aaaaaaaa
- チェック対象のユーザIDに対応するサーバの作業領域のディレクトリのパスが出力されます。
- Work Document = b
- -oオプションにWORK,BOTH又はDEACTを指定した場合に出力されます。
- 「Directory」に取り出されている文書の総数(存在するディレクトリ数)が出力されます。
- Inconsist Work Document = c
- -oオプションにWORK又はBOTHを指定した場合に出力されます。
- Document Managerデータベースに「作業領域に存在しない」と記憶されているのに,サーバの作業領域にディレクトリが存在する文書数が出力されます。
- Activate Information = d
- -oオプションにDB,BOTH又はDEACTを指定した場合に出力されます。
- Document Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」と記憶されている文書の総数が出力されます。
- Inconsist Activate Information = e
- -oオプションにDB又はBOTHを指定した場合に出力されます。
- サーバの作業領域にディレクトリが存在しないのに,Document Managerデータベースに「文書が作業領域に取り出されている」と記憶されている文書数が出力されます。
- Delete UserID(aaaaaaaa) Directory
- Groupmax Address,又はUNIXのユーザ登録ファイルに登録されていないユーザ名に対応するディレクトリを,削除する場合に出力されます。
- ffff…ffff
- ログファイル内の任意の位置にメッセージが出力されます。これらのメッセージが出力された場合は,不要なディレクトリが削除されていない場合がありますので,メッセージに対処してから,再度ユティリティを実行してください。
- それぞれのメッセージの要因と対処を示します。
- unknown file or directory:XX, skipped.
- Document Managerが作成したのではないと思われるディレクトリ又はファイルが存在します。このディレクトリ又はファイルを削除又は退避した後で,再度サーバ作業領域チェックユティリティを実行してください。
- textsearch information exist. continue.
- 全文検索サーバに反映されていない情報があります。全文検索用テキスト登録・削除ユティリティを実行した後で,再度サーバ作業領域チェックユティリティを実行してください。
- remove error:XX, skipped.
- ファイル又はディレクトリの削除に失敗しました。原因を調査して取り除いてから,再度サーバ作業領域チェックユティリティを実行してください。
- directory is not empty:XX, skipped.
- ディレクトリが空ではありません。Document Managerが作成したのではないディレクトリ若しくはファイルがあるか,又はディレクトリ若しくはファイルの削除に失敗していますので,それぞれに対処してください。
- #ISdirchk LOG FILE END : (ログファイル作成終了日時)
- ログファイルの作成が終了した日時が出力されます。
注意事項
- このコマンドを実行できるのは,スーパーユーザだけです。
- このコマンドを実行する前に,オブジェクトサーバ,及びGroupmax Addressサーバ(Groupmax Addressと連携している場合)を起動しておいてください。
- このコマンドを実行する前に,オブジェクトサーバの環境変数XODDIR及びXODCONFPATHを設定する必要があります。オブジェクトサーバの環境変数については,マニュアル「Groupmax Object Server Version 6システム管理者ガイド」を参照してください。
- ほかのユーザがログインしているときは実行できません。
- このコマンドを実行しても,不要なディレクトリが削除されない場合は,実行結果ログファイルに出力されたメッセージを参照して対処してから,再度実行してください。