3.2.1 フォーム文書データベースの概要

ここでは,フォーム文書データベースの概要について説明します。

<この項の構成>
(1) フォーム文書データベースとは
(2) フォーム文書データベースの機能

(1) フォーム文書データベースとは

フォーム文書データベースは,「顧客管理データベース」「製品仕様Q&Aデータベース」など,目的に応じて作成する業務指向データベースです。フォーム文書データベースには,Groupmax Formで作成したフォームを登録します。例えば「顧客管理データベース」の場合「営業報告書」というフォームを登録して,「顧客名」「訪問日時」などのデータを入力できるようにします。このフォーム上にデータを入力して作成されたものを,フォーム文書といいます。フォーム上にデータを入力することで,文書の形式を意識することなく,一定の形式で情報を蓄積できます。

フォーム文書データベースの概要を,図3-1に示します。

図3-1 フォーム文書データベースの概要

[図データ]

(2) フォーム文書データベースの機能

(a) 目的に応じて文書の一覧を作成する

フォーム文書データベースに格納されたフォーム文書は,目的に応じて定義した形式で一覧表示できます。この表示形式を,目的別一覧といいます。目的別一覧を使うと,指定した項目をソートして表示したり,同じデータがある場合は重複排除して表示したりできます。さらに,関連のある文書にインデントを付けて階層形式で表示できます。また,アクセス権の設定によって,参照できる目的別一覧を制御できます。

目的別一覧の表示例を図3-2に示します。

図3-2 目的別一覧の表示例

[図データ]

(b) 登録されたフォーム文書への返信を作成して意見交換する

フォーム文書データベースでは,あるフォーム文書に対して意見や回答を作成して意見を交換する電子会議ができます。コメントは,事前に登録した返信用のフォームを使って作成し,基になるフォーム文書と同じフォーム文書データベースに登録します。基になるフォーム文書とそれに対する返信は,階層表示することで関連性が分かります。

フォーム文書とそれに対するコメントの表示例を図3-3に示します。

図3-3 フォーム文書と返信の例

[図データ]

(c) データを集計する

フォーム文書データベースに登録されているフォーム文書から,特定のデータを集計して表示できます。フォーム文書データベースのデータを集計するときには,集計フォームを使用します。特定のデータを集計するためには,あらかじめGroupmax Formのスクリプト(@業務文書入力コマンド)を使用してフォームを設計しておきます。この集計フォームに定義されたスクリプトに従って,データが集計されます。なお,集計の対象となる項目の属性型によって検索機能が異なります。集計フォームを利用した属性型別の検索機能について,表3-2に示します。

表3-2 集計フォームを利用した属性型別の検索機能一覧


比較演算子
Document Managerでの属性型
数値型日付型可変長文字列型固定長文字列型
完全一致(=)×
一致しない(≠)×
部分一致××12
含まない×××2
~より小さい(<)×
~より大きい(>)×
~以上(≦)×
~以下(≧)×

(凡例)

○:検索できる。

×:検索できない。

注 集計フォームを設計するとき,Groupmax Formのスクリプトで複数の条件式を記述する場合に,すべての条件式の中で使用する論理演算子は論理和又は論理積のどちらかに統一してください。混在している場合は,実行時エラーとなります。

注※1 ワイルドカードを指定して検索できません。すべて不特定箇所にある文字列だけ検索できます。したがって,Groupmax Formからの検索に使用する条件式でメタキャラクタは使用できません。

注※2 ワイルドカードを指定して検索できます。したがって,Groupmax Formからの検索に使用する条件式でメタキャラクタを使用できます。


例えば,製品の受注管理をするフォーム文書データベースを考えます。このフォーム文書データベースに登録される受注データは,図3-4のような「受注伝票フォーム」を基に作成できます。

図3-4 受注伝票フォームの例

[図データ]

このフォーム文書データベースで管理されているフォーム文書を,目的別一覧を利用して一覧表示してみます。

図3-5 目的別一覧「顧客別」で一覧表示したフォーム文書の例

[図データ]

さらに,このようなデータが登録されているフォーム文書データベースに対して,集計フォームを起動させることで,特定の製品の総受注数が集計できます。データの集計例を,図3-6に示します。

図3-6 データの集計例

[図データ]

集計結果として出力されるファイルは,一般文書として保存できます。例に挙げた製品の受注管理をするフォーム文書データベースから,期ごとの製品別の総受注数を集計して,結果を一般文書として一つのフォルダで管理するような運用も考えられます。

データの集計に利用する集計フォームには,データを集計するときの条件をGroupmax Formのスクリプトを使用して記述しておく必要があります。なお,集計フォームに定義されているスクリプトの内容によって,集計対象となるデータが異なります。

データの集計対象となるフォーム文書データベースが指定されている場合
集計フォームが登録されているフォーム文書データベースのデータではなく,スクリプトの定義に従ってデータを集計します。例えば,フォーム文書データベース「受注管理」に登録されているフォーム文書を一覧表示している場合でも,起動する集計フォームに集計対象とするフォーム文書データベース「発注管理」が指定されていれば,フォーム文書データベース「発注管理」を対象として,データを集計します。なお,スクリプトの定義によっては,複数のフォーム文書データベースのデータも集計できます。
データの集計対象となるフォーム文書データベースが指定されていない場合
選択中のフォーム文書データベースから,集計フォームに定義されたスクリプトに従ってデータを集計します。