付録A.5 advup2_6(バージョンアップコマンド)

このコマンドは,Address Server,Mail ServerをVersion2.0からVersion 6にバージョンアップする場合に実行します。処理時間はおよそ10分以内です。マスタ管理サーバ及びアドレスサーバ共通で使用できます。/usr/GroupMail/bin/advup2_6(HP-UX:/opt/GroupMail/bin/advup2_6)を実行してください。AIX版は,バージョンアップコマンドを使用できません。このコマンドを実行する前に次の条件を満たしているか確認してください。

<この項の構成>
(1) コマンド書式
(2) 状況表示
(3) 戻り値
(4) メッセージ
(5) 使用上の注意

(1) コマンド書式

構文
advup2_6 -n ホスト名[,ホスト名]… [-s] [-e ファイル名][-v] [-h]
引数とオプション
-n ホスト名[,ホスト名]
マスタ管理サーバのバージョンアップ時にこのコマンドを使用するときは,マスタ管理サーバのホスト名だけ指定してください。同時に複数のアドレスサーバのバージョンアップを実行したときは,ホスト名をコンマで区切って複数指定できます。
-s
メッセージを標準エラー出力に表示しません。このオプションを省略した場合は,標準エラー出力にメッセージを表示します。
-e ファイル名
メッセージをファイルに出力する場合に指定します。既にファイルがある場合は,上書きします。256文字以内の完全パスで指定してください。内容は標準エラー出力の内容と同じです。
-v
バージョンアップ作業の状況を表示します。表示内容については「(2) 状況表示」を参照してください。
-h
ヘルプを標準出力に表示する場合に指定します。このオプションを指定した場合は他のオプションは無視され,ヘルプだけが表示されます。

(2) 状況表示

-vオプションを指定すると次のように表示されます。

マスタ管理サーバの場合

V6へのバージョンアップを開始します。
[Server]  ・ ・
[User  ]  ・ ・ ・ ・
[MTA  ]  ・ ・
V6へのバージョンアップを終了しました。

アドレスサーバの場合

V6へのバージョンアップを開始します。
V6へのバージョンアップを終了しました。

(3) 戻り値

0
正常にセットアップを完了しました。
1
コマンド引数が不正です。
2
コマンドを実行したサーバがマスタ管理サーバではありません。マスタ管理サーバで再実行してください。
3
-nオプションにマスタ管理サーバと他のアドレスサーバを同時に指定しています。マスタ管理サーバを対象にする場合は,-nオプションにはマスタ管理サーバだけ指定して再実行してください。
5
メモリが不足しています。コマンドが使用できるメモリ容量を確保後,再実行してください。
6
内部エラーが発生しました(論理矛盾)。障害受付窓口に連絡してください。
10
内部エラーが発生しました(初期化エラー)。障害受付窓口に連絡してください。
70
内部エラーが発生しました(X.400ライブラリエラー)。障害受付窓口に連絡してください。
80
Object Serverが起動されていません。又はObject Serverが利用できる環境ではありません。Object Serverの起動状況を確認後,再実行してください。
90
システムで異常を検出しました。障害受付窓口に連絡してください。
100
-eオプションで指定したファイルを扱うことができません。-eオプションで指定したファイルを確認し障害を取り除いた後に再実行してください。
255
内部エラーが発生しました(環境変数読み込みエラー)。障害受付窓口に連絡してください。

(4) メッセージ

Usage : advup2_6 -nHOST_NAME[{,HOST_NAME}...] [-v] [-s] [-eERR_FILE] [-h]
-n:バージョンアップの対象となるホスト名を指定します。複数可能です。ただしマスタ管理サーバのホスト名を指定するときは,他のホスト名を指定することはできません。
-v:バージョンアップ状況を表示します。
-s:標準エラー出力へのエラー出力を抑止します。
-e:エラーメッセージの出力先のファイル名を指定します。
-h:ヘルプを表示します。
要因
コマンドの使用方法が間違っています。
対処
正しい使用方法で再実行してください。
ホスト名の指定が誤っています。
要因
マスタ管理サーバのホスト名に_(アンダースコア)が含まれています。又は指定したホスト名が間違っています。
対処
マスタ管理サーバのgmpublicinfoファイル内に,「DNAMERFC=N」を指定してください。又は正しいサーバのホスト名を指定後,再実行してください。
マスタ管理サーバで実行してください。
要因
コマンドを実行したサーバがマスタ管理サーバではありません。
対処
マスタ管理サーバで再実行してください。
マスタ管理サーバを対象にするときはマスタ管理サーバのホスト名だけを指定してください。
要因
-nオプションにマスタ管理サーバと他のアドレスサーバを同時に指定しています。
対処
マスタ管理サーバを対象にする場合は,-nオプションにはマスタ管理サーバだけ指定して再実行してください。
メモリ不足が発生しました。
要因
メモリが不足しています。
対処
コマンドが使用できるメモリ容量を確保後,再実行してください。
X.400で障害が発生しました。
要因
X.400のライブラリ中で障害が発生しました。
対処
障害受付窓口に連絡してください。
DBアクセスで異常が発生しました。
要因
Object Serverが起動されていません。又はObject Serverが利用できる環境ではありません。
対処
Object Serverの起動状況を確認後,再実行してください。
エラーメッセージの出力ファイルで入出力エラーが発生しました。(errno)
要因
-eオプションで指定したファイルを扱うことができません。エラー要因のエラーナンバーをerrnoに表示します。
対処
-eオプションで指定したファイルを確認し,エラーナンバーを参照して障害を取り除いた後に再実行してください。

(5) 使用上の注意

  1. マスタ管理サーバのバージョンアップでこのコマンドを実行する場合は,マスタ管理サーバのアドレスサービスを停止状態にしてください。
  2. アドレスサーバのバージョンアップでこのコマンドを実行する場合は,マスタ管理サーバ及び,-nオプションで指定したアドレスサーバのアドレスサービスは起動中にしてください。ただし,その他のアドレスサーバのアドレスサービスは停止中でもかまいません。
  3. このコマンドは,どのアドレスサーバからでも実行できるほか,バッチファイルからも実行できます。
  4. マスタ管理サーバとアドレスサーバが同じバージョンレビジョンでないと,advup2_6コマンドが正常に動作しないことがあります。
  5. advup2_6コマンド実行後,nxsrepstatコマンドを使って該当アドレスサーバ向けのトランザクションが滞留していないか確認してください。滞留している場合は,運転席の「名前データベース」から「整合性の確保」を実行してください。