1.2.1 マクロコマンドの作成
マクロコマンドを新規に作成する手順を次に示します。
![[図データ]](figure/zu010300.gif)
上の手順に沿って,次に示す垂直線を作成するマクロコマンドを作成してみます。
![[図データ]](figure/zu010400.gif)
直線を作図するには,ビジュアル・アイコンの直線コマンドを使います。直線コマンドで決まった長さの垂直線を作図しようとすると,次の操作が必要になります。
- 基準点を指示します。
- 基準点の垂直方向にロケータカーソルを移動してナビゲーションを表示させます。
- ナビゲーションを表示したままの状態で長さを入力します。
これから作成するマクロコマンドでは,基準点と長さを入力するだけで垂直線が作図できるようにします。
- <この項の構成>
- (1) 編集開始
- (2) 引数定義
- (3) 変数定義
- (4) 図形作成
- (5) 保管
- (6) 編集終了
- (7) メニューカスタマイズ
(1) 編集開始
あらかじめ用紙を設定してから,マクロコマンドの編集を開始します。
- 1. メニューバーの[マクロ(M)]メニューで[マクロ編集]を指定します。
- [マクロ編集]の詳細については,「2.4 マクロ編集[マクロ(M)/マクロ編集]」を参照してください。
- 2. コマンドエリアに次のように入力します。
hline<Enter>
- これがマクロコマンドの名称になります。
![[図データ]](figure/zu010500.gif)
- 3. マクロ図形かどうか問い合わせがあります。
- マクロコマンドの場合は,何も入力しないで<Enter>を押します。
![[図データ]](figure/zu010600.gif)
- 4. マクロ編集ダイアログが表示されます。
![[図データ]](figure/zu010700.gif)
(2) 引数定義
マクロコマンドで使う引数を定義します。このマクロコマンドでは,基準点と長さを入力すると,垂直線が作図できるようにします。
- 5. マクロ編集ダイアログの[ツール]ボタンを押して,マクロ編集ツールメニューを表示します。
![[図データ]](figure/zu010800.gif)
- 6. マクロ編集ツールメニューの[引数]ボタンを押してから,コマンドエリアに次のように入力します。
10.bp.p(キジュンテン)<Enter>
- ここでは,垂直線の基準点を入力する引数を定義しています。
- 最初の10はステートメントの最初の行であることを示します。
- 次のbpは引数の名称です。
- 次のpは,この引数で入力するのが図面上の点であることを示します。
- 最後の(キジュンテン)は,このマクロコマンドを実行するときキジュンテンというガイダンスを表示してbpへの入力を促すことを示します。
- ただし,メニューカスタマイズの中でガイダンスを指定した場合は,その内容が優先されます。
![[図データ]](figure/zu010900.gif)
- 7. 図面上の任意の位置で点(*)を指示します。
- 引数に実際にデータを入力するのは,完成したマクロコマンドで作成された形状が意図したものになっていることを確認するためです。また,実行時に省略できるオペランドを設定した場合は,ここで入力した値を省略時仮定値とします。
![[図データ]](figure/zu011000.gif)
- 8. マクロ編集ツールメニューの[引数]ボタンを押してから,コマンドエリアに次のように入力します。
20.len.r(ナガサ)<Enter>
- ここでは,垂直線の長さを入力する引数を定義しています。
- 最初の20はステートメントの2行目であることを示します。
- 次のlenは引数の名称です。
- 次のrは,この引数で入力するのが実数であることを示します。
![[図データ]](figure/zu011100.gif)
- 9. コマンドエリアに次のように入力します。
50<Enter>
![[図データ]](figure/zu011200.gif)
(3) 変数定義
作成中のマクロコマンドでは,基準点と長さを入力するだけで垂直線を作図しようとしています。このため,マクロコマンドの中で使う直線コマンドに基準点と,基準点から指定した長さだけ垂直方向に離れた点(終点)を入力して直線を作図することにします。ここでは,基準点の情報と長さの情報から終点の情報を作るため,変数を定義します。
- 10. マクロ編集ツールメニューの[変数]ボタンを押してから,コマンドエリアに次のように入力します。
x.r=xcor(&bp)<Enter>
- ここでは,XCORという関数を使って基準点の情報(&bp)からX座標の情報だけを取り出します。
- 取り出した情報はxという名称の変数に実数(R種パラメタ)の形で格納します。
- これで,終点のX座標の情報ができました。
- 関数の詳細については,「4. マクロで使える関数」を参照してください。
![[図データ]](figure/zu011300.gif)
- 11. マクロ編集ツールメニューの[変数]ボタンを押してから,コマンドエリアに次のように入力します。
y.r=ycor(&bp)+&len<Enter>
- ここでは,YCORという関数を使って基準点の情報(&bp)からY座標の情報だけを取り出します。
- 取り出した情報に長さの情報(&len)を加算します。
- 得られた情報をyという名称の変数に実数(R種パラメタ)の形で格納します。
- これで,終点のY座標の情報ができました。
![[図データ]](figure/zu011400.gif)
- 12. マクロ編集ツールメニューの[変数]ボタンを押してから,コマンドエリアに次のように入力します。
ep.p=pnt(&x:&y)<Enter>
- ここでは,PNTという関数を使って,X座標の情報(&x)とY座標の情報(&y)から終点の情報を作ります。
- 得られた情報をepという名称の変数に図面上の点(P種パラメタ)の形で格納します。
- これで,終点の情報ができました。
![[図データ]](figure/zu011500.gif)
(4) 図形作成
ビジュアル・アイコンのメニューなどを使って,目的の形状を作成します。
形状の作成には,保管してあるマクロコマンドやマクロ図形も使えます。マクロの中でほかのマクロを使うことをマクロのネストといいます。
- 13. ビジュアル・アイコンで親メニューの直線と子メニューの直線を指定します。
![[図データ]](figure/zu011600.gif)
- 14. コマンドエリアの「点・基準方向・角度・基準要素」に次のように入力します。
&bp<;>
![[図データ]](figure/zu011700.gif)
- 15. コマンドエリアの「点」に次のように入力します。
&ep<Enter>
- すると,垂直線が作図されます。
![[図データ]](figure/zu011800.gif)
(5) 保管
作図されたものが最初に意図していた形状であることを確認したら,マクロコマンドを保管します。
- 16. マクロ編集ダイアログの[保管]ボタンを押します。
- 17. 保管ダイアログが表示されます。マクロ名には最初に入力した名称が表示されているので,よければ[OK]ボタンを押します。
- これで,作成したマクロが保管されました。
![[図データ]](figure/zu011900.gif)
(6) 編集終了
マクロコマンドの編集を終了します。
- 18. マクロ編集ダイアログの[終了]ボタンを押します。
- これで,マクロコマンドの編集を終了しました。
(7) メニューカスタマイズ