10.1.3 パラメタファイルの指定方法

パラメタファイルとは,データ出力ユティリティで指定するパラメタを登録しておくファイルです。複数のパラメタを一つのパラメタファイルに登録することで,複数の図面を一度に出力できるようになります。

TIFFファイル出力またはHP-GL/2ファイル出力の場合のパラメタファイルの指定方法については,「10.1.4 パラメタファイルの指定方法(TIFFファイル出力の場合)」「10.1.5 パラメタファイルの指定方法(HP-GL/2ファイル出力の場合)」を参照してください。

パラメタファイルに登録できるパラメタを次に示します。

-paper
出力する用紙の横サイズ,および縦サイズを指定します。
-l
出力する層を指定します。
-ln
出力しない層を指定します。
-ial
補助線層を非表示にして出力するかどうかを指定します。
-wi
図面を切り出すためのウィンドウを指定します。
-vp
切り出した部分を表示するビューポートを指定します。
-col
出力色をドライバに依存するか任意で設定するか指定します。
-rot
プリンタ出力時,図面を用紙に対して回転するかどうか指定します。
-rev
図面の白と黒の色を反転して出力するかどうか指定します。
-s
出力する図面が格納されている図面庫,または部品庫を指定します。
-sdir
出力する退避図面が格納されているディレクトリを指定します。
-gen
出力する退避図面の世代番号を指定します。
-draw
出力する図面ファイルを完全なパス名で指定します。
注意事項
  • パラメタファイルの最後は必ず-drawパラメタで終わります。
  • パラメタファイルの1行に記述できるのは80文字までです。
  • -wiパラメタの次に対になる-vpパラメタを定義しない場合,-vpパラメタとしてウィンドウの大きさが仮定されます。
  • -vpパラメタの前に対になる-wiパラメタを定義しない場合,-wiパラメタとして図面の大きさが仮定されます。
  • -wiパラメタ,およびvpパラメタは,1枚の図面に31対まで定義できます。
<この項の構成>
(1) -paper
(2) -l
(3) -ln
(4) -ial
(5) -wi
(6) -vp
(7) -col
(8) -rot
(9) -rev
(10) -s
(11) -sdir
(12) -gen
(13) -draw
(14) 定義例

(1) -paper

形式

〔 -paper 〔 用紙横サイズ, 用紙縦サイズ 〕 〕

機能
出力する用紙の横サイズ,および縦サイズを指定します。
項目
用紙横サイズ
出力する用紙の横サイズを指定します。
用紙縦サイズ
出力する用紙の縦サイズを指定します。
解説
  • このパラメタを指定すると,新しい用紙に作画します。
  • 次の-paperパラメタが定義されるか,ファイルの終わりまで有効です。
  • パラメタファイルの先頭の-paperパラメタは省略できます。
  • 用紙横サイズ,用紙縦サイズは,用紙サイズ(A0,A1・・・)でも指定できます。この場合,次のように指定します。

-paper A0,A0

  • 指定できる用紙サイズを次に示します。
    ミリ系
    用紙サイズ用紙横サイズ×用紙縦サイズ(単位:ミリ)
    A01189×841
    A1841×594
    A2594×420
    A3420×297
    A4(A4縦)210×297
    A4W(A4横)297×210
    B11030×728
    B2728×515
    B3515×364
    B4364×257
    B5257×182
    インチ系
    用紙サイズ用紙横サイズ×用紙縦サイズ(単位:インチ)
    A11.0×8.5
    B17.0×11.0
    C22.0×17.0
    D34.0×22.0
    E44.0×34.0

(2) -l

形式

〔-l  出力層〕〔, 出力層〕〔, 出力層〕...

機能
出力する層を指定します。
項目
出力層
出力するすべての層を指定します。複数の層を同時に指定できます。
解説
  • このパラメタを省略した場合,活性,参照,および表示状態のすべての層(-lnパラメタで指定した層以外)が出力対象になります。
  • 寸法・記号層は単独で指定できません。また,出力する寸法・記号層内の寸法のうち,同時に出力する層の形状要素,または寸法に付随していないものは出力されません。
  • 隠線は解除された状態で出力されます。

(3) -ln

形式

〔-ln 非出力層〕〔, 非出力層〕〔, 非出力層〕...

機能
出力しない層を指定します。
項目
非出力層
出力しない層を指定します。複数の層を同時に指定できます。
解説
  • このパラメタを省略した場合,-lパラメタで指定した層が出力の対象になります。-lパラメタが省略されている場合は,活性,参照,および表示状態のすべての層が出力の対象になります。
  • 隠線は解除された状態で出力されます。

(4) -ial

形式

〔-ial 表示モード〕

機能
標準値エディタで補助線登録層として指定されている層を非表示にして出力するかどうかを指定します。
項目
表示モード
指定できる表示モードを次に示す番号で指定します。
0:表示する。
1:表示しない。
解説
  • -lパラメタ,および-lnパラメタで補助線登録層が指定された場合,-lパラメタ,および-lnパラメタの指定が優先されます。

(5) -wi

形式

〔-wi WXmin,WYmin,WXmax,WYmax〕

機能
図面を切り出すためのウィンドウを指定します。
項目
WXmin
図面の原点からウィンドウの左下点までのX方向の距離を指定します。
WYmin
図面の原点からウィンドウの左下点までのY方向の距離を指定します。
WXmax
図面の原点からウィンドウの右上点までのX方向の距離を指定します。
WYmax
図面の原点からウィンドウの右上点までのY方向の距離を指定します。
解説
  • このパラメタを省略した場合,各項目には次の値が設定されます。
    (WXmin,WYmin) = (0,0)
    (WXmax,WYmax) = (図面の横サイズ,図面の縦サイズ)

    [図データ]

(6) -vp

形式

〔-vp VXmin,VYmin,VXmax,VYmax〕

機能
切り出した部分を表示するビューポートを指定します。
項目
VXmin
基準点からビューポートの左下点までのX方向の距離を指定します。
VYmin
基準点からビューポートの左下点までのY方向の距離を指定します。
VXmax
基準点からビューポートの右上点までのX方向の距離を指定します。
VYmax
基準点からビューポートの右上点までのY方向の距離を指定します。
解説
  • このパラメタを省略した場合,各項目には次の値が設定されます。
    (VXmin,VYmin) = (WXmin,WYmin)
    (VXmax,VYmax) = (WXmax,WYmax)
  • VXmax,およびVYmaxを省略した場合,次の値が設定されます。
    VXmax = VXmin + (WXmax - WXmin)
    VYmax = VYmin + (WYmax - WYmin)

    [図データ]

(7) -col

形式

〔-col カラータイプ〕

機能
プリンタ出力,またはメタファイル出力をするときの出力色をドライバに依存するか,任意で設定するかを指定します。
項目
カラータイプ
出力色を次に示す番号で指定します。省略すると,プリンタ出力時は自動,メタファイル出力時はカラーが設定されます。
0:自動(出力色はドライバに依存します。プリンタ出力をするときに指定できます。)
1:カラー
2:モノクロ

(8) -rot

形式

〔-rot 回転モード〕

機能
プリンタ出力するときに,図面を用紙に対して90度回転して出力するかどうかを指定します。
項目
回転モード
図面を回転するかどうかを次に示す番号で指定します。省略すると,図面は回転されません。
0:回転しないときに指定します。
1:回転するときに指定します。

(9) -rev

形式

〔-rev 反転モード〕

機能
プリンタ出力,またはメタファイル出力をするときに,図面の白と黒の色を反転して出力するかどうかを指定します。
項目
反転モード
白と黒の色を反転するかどうかを次に示す番号で指定します。省略すると,反転されません。
0:反転しないときに指定します。
1:反転するときに指定します。

(10) -s

形式

-s 論理図面庫名・論理部品庫名

機能
出力する図面が格納されている図面庫,または部品庫を指定します。
項目
論理図面庫名・論理部品庫名
図面庫,または部品庫の図面を出力する場合に,出力する図面が格納されている論理図面庫名,または論理部品庫名を指定します。
解説
このパラメタを定義した場合,PLTUTLコマンドの-sパラメタは指定できません。

(11) -sdir

形式

-sdir 退避先ディレクトリ

機能
図面を退避しているディレクトリを指定します。
項目
退避先ディレクトリ
図面を退避しているディレクトリを指定します。
解説
このパラメタと-sパラメタは同時に指定できません。

(12) -gen

形式

-gen 世代番号

機能
出力する図面の世代番号を指定します。
項目
世代番号
出力する図面の世代番号を指定します。指定した世代がない場合には,その世代以降で最も近いものが対象となります。
省略した場合は,最新の世代が対象となります。
解説
このパラメタは必ず-sdirパラメタと同時に指定してください。

(13) -draw

形式

-draw 図面ファイル名

機能
出力する図面ファイルを完全なパス名で指定します。
項目
図面ファイル名
出力する図面ファイルを完全なパス名で指定します。ファイル名だけを指定したときは,標準値エディタの実行環境で図面ファイルに設定されているディレクトリ下の図面ファイルとみなします。
解説
一つの用紙に対して複数の図面を出力する指定をすると,出力ファイルは次に示す名称になります。
  • 最後に指定した図面ファイルの名称+出力するファイルに対応した拡張子

(14) 定義例

2枚の図面ファイル(zumen1とzumen2)から,それぞれ矩形で切り出した領域を,1枚のA3用紙に出力するパラメタファイルを作成します。