ビジュアル・アドバイザのコマンドで点を入力する場合,オペランドメニューの「OM:[自動]」を選択すると,ダイナミック・トラッキングという機能が使えます。ダイナミック・トラッキングを使うと,形状の延長線上にある点や形状の交点などを,従来よりも容易に入力できます。また,ユーザが入力しようとしている点の種別をシステムが判定するため,入力するたびに点の種別を指示しなくて済みます。
ダイナミック・トラッキングでは,画面上のロケータカーソルの位置によって,次に入力する点の候補が表示されます。このとき,すでに作画してある形状の端点などから,ロケータカーソルに追従してナビゲーションが表示されます。また,細かい部分に線を引くため,図面の一部を拡大して作画する場合でも,ダイナミック・トラッキングが使えます。
ダイナミック・トラッキングを使って点を入力する例を図5-5に示します。
図5-5 ダイナミック・トラッキングを使って点を入力する例
自動点を探索する方向は,標準では水平,垂直の両方です。ナビゲーションは,自動点を探索する方向に表示されます。
しかし,形状が複雑な図面で両方向に表示されるナビゲーションが煩わしい場合などには,どちらか一方,または両方向の自動点の探索を解除すると,ナビゲーションを非表示にできます。自動点の探索方向の切り替えは,メニューバーの[オプション(O)]メニューの[ナビゲーション]メニューの[自動点探索方向...]で行います。
自動点探索方向の切り替えを,図5-6に示します。
図5-6 自動点探索方向の切り替え
候補点とは,次に入力する点の候補になっている点のことです。候補点は,ロケータカーソルの位置によって切り替わります。候補点には,表5-2に示す種類があります。
表5-2 候補点の種類
入力する点の候補 | 画面上での表示 |
---|---|
画面点 | +(ロケータカーソル) |
交点 | ![]() |
延長点 | ![]() |
中心点 | ◎ |
端点 | ◇ |
中点(直線・文字列) | □ |
要素上点 | △ |
接点 | × |
特異点 | ○ |
文字列の始点 | ▽ |
定義点 | |
接続点 |
候補点の入力例を次に示します。
ロケータカーソルの位置はそのままで,入力する点を別の候補に切り替えたい場合は,<Esc>キーを押します。<Esc>キーを押すたびに入力する点の候補が切り替わります。候補点の切り替えを図5-7,図5-8に示します。
図5-7 候補点の切り替え
図5-8 候補点の切り替え(文字列)