付録A.1 セットアップ

DABrokerをインストールし,環境設定を完了するまでの手順を図A-1に示します。

図A-1 DABrokerセットアップの手順

[図データ]

<この項の構成>
(1) DABrokerのインストール
(2) ネットワーク環境の設定
(3)  DABrokerの動作環境の設定

(1) DABrokerのインストール

ここでは,DABrokerをインストールする操作について説明します。

(a) DABrokerをインストールするマシン

DABrokerは,リレーショナルデータベースのサーバプログラム,又はリレーショナルデータベースのクライアントプログラムがインストールされたマシンにインストールしてください。

なお,次のような場合は,あらかじめインストールするマシンに次のような設定をしてください。

DABrokerとORACLEを別のマシンに配置する場合
ORACLEのクライアントの設定をしてください。そこで設定したリスナー(サービス)名称をHITSENSER5が使用するDBPARTNER ODBC Driverや,接続環境管理で指定してください。
クライアントの設定については,ORACLEのマニュアルを参照してください。
Microsoft SQL Serverを使用する場合
ODBCデータソースアドミニストレータを使用してMicrosoft SQL ServerのODBCドライバをシステムDSNで設定しておく必要があります。その際,ログインIDの権限の確認方法は「ユーザが入力するSQL Server用のログインIDとパスワードを使う」を選択してください。
また,そこで設定したSQLサーバのデータソース名称をHITSENSER5が使用するDBPARTNER ODBC Driverや,接続環境管理で指定してください。
(b) インストール

DABrokerをインストールしてください。

インストールした後,次の設定を行ってください。

環境変数を設定する
DABrokerをインストールした後,システム環境変数のPathに「DABrokerインストールディレクトリ¥lib」を必ず設定してください。環境変数を設定し,マシンを再起動すると,DABrokerを使用できるようになります。
(c) インストール時に作成されるディレクトリ

DABrokerのインストール時に作成されるディレクトリを,表A-1に示します。これらのディレクトリは,DABrokerのインストール先に指定したディレクトリの下に作成されます。

なお,DABrokerのインストール先に指定したディレクトリを,これ以降DABroker運用ディレクトリと呼びます。

表A-1 DABrokerのディレクトリ

ディレクトリ説明

DABroker

DABrokerのインストール先ディレクトリ
(=DABroker運用ディレクトリ)

¥bin

実行ファイル格納ディレクトリ

¥lib

ライブラリ格納用ディレクトリ

¥AGT

エージェント処理用ディレクトリ

¥AGTGRP

グループ管理用ディレクトリ

¥msg

メッセージ用ディレクトリ

¥conf

DABroker動作環境定義ファイル格納ディレクトリ

¥spool

DABrokerスプールディレクトリ

¥tmp

DABroker標準作業ディレクトリ

(2) ネットワーク環境の設定

TCP/IP環境でのDABrokerのサービス名及びポート番号として,「Windowsインストール先フォルダ¥system32¥drivers¥etc¥services」ファイルに次の記述を追加してください。

DABROKER_SV 40179/tcp
DABROKER_SV:DABrokerのサービス名です。
40179:ポート番号です。
tcp:プロトコル名です。TCP/IPを使用することを表します。
注意
  • servicesファイルでの設定で,40179がほかのサービス名で使用されている場合は,5001~65535の範囲内で任意の番号を指定してください。ただし,ポート番号はクライアント側と同じ番号を指定してください。
  • NIS(Network Information Service)を使用している場合,ネットワーク環境をNISのサーバで設定してください。NISのサーバを使用している場合,ネットワーク環境の設定は,NISのサーバでの設定が有効になります。
  • クライアント側では,使用する通信ドライバに,DABrokerの組み込まれたサーバのホスト名,IPアドレス及びポート番号を登録してください。

(3)  DABrokerの動作環境の設定

ここでは,DABrokerの動作についての環境設定の操作について説明します。

(a) 環境設定の方法

DABroker動作環境は,「DABroker動作環境定義ファイル」を設定して定義します。このファイルの定義にはDABrokerが提供する環境設定ユティリティを使用します。環境設定ユティリティは,プログラムフォルダに登録された[DABroker環境設定]から起動します。

(b) 操作できるユーザ

環境設定ユティリティを実行して,DABroker動作環境定義ファイルを操作できるのは,WindowsのAdministratorsグループに属するユーザです。

(c) 操作方法

環境設定ユティリティは,DABrokerが終了している状態で使用します。環境設定後にDABrokerを起動すると,変更したDABroker動作環境定義ファイルの内容が有効になります。

操作方法を次に示します。

  1. プログラムフォルダに登録された[環境設定]を起動する
    環境設定ユティリティが起動し,[DABroker動作環境設定]ダイアログが表示されます。
  2. [共通設定]タブ,及び[リモートアクセス設定]タブの項目を設定する
    [共通設定]タブは図A-2を参考に,[リモートアクセス設定]タブは図A-3を参考に,環境に合わせて設定してください。

    図A-2 [共通設定]タブの設定内容

    [図データ]

    注意 アクセストレースの取得について
    HITSENSER5が出力するSQLを確認したい場合は,「データベースアクセストレースを取得する」又は「拡張データベースアクセストレース」にチェックを入れてください。データベースアクセストレースファイルは,データベースへ接続するたびに増加していくファイルであるため,取得すると容量がかさみます。データベースアクセストレースを取得する場合は,定期的にトレースファイルを移動又は削除してください。
    もし,データベースアクセストレースを取得する場合は,FETCHの取得を抑制すると,出力データ量が抑えられます。FETCHの取得を抑制するには,[データベースアクセストレース設定]を選択し,[データベースアクセストレース設定]で「FETCH」のチェックを外してください。

    図A-3 [リモートアクセス設定]タブの設定内容

    [図データ]
    「最大接続ユーザ数」,「同時実行可能なデータベースアクセス数」について
    • 「最大接続ユーザ数」は,同時にデータベースに接続するユーザ数以上の値を設定してください。
    • 「同時実行可能なデータベースアクセス数」は,「最大接続ユーザ数」以上の値を設定してください。
    • 「最大処理プロセス数」は,「最大接続ユーザ数」と同じ値を設定してください。
    BLOB/LONG型データ受取バッファサイズについて
    すべてのデータベースについて2,097,152以上の値を設定してください。
    IPアドレスからホスト名へ変換する
    チェックが入っている場合,環境によってはIPアドレスからホスト名の変換に時間が掛かり,性能に影響を与える場合があります。ホスト名はDABroker管理ユティリティなどで表示するためだけに使用するので,特に必要がなければチェックを外して運用してください。
  3. 設定内容を確認して[OK]ボタンを選択する
    設定した内容が登録され,環境設定ユティリティは終了します。