2.3 HITSENSER5を使った多次元分析

OLAPはデータの表示方法を次々に変更して,データに新たな意味を見付ける分析方法です。OLAPの代表的な手法として「ドリルダウン(及びドリルアップ)」,「ダイス」,「スライス」があります。HITSENSER5では,これらの手法で表やグラフの表示方法を変更できます。

図2-7 ドリルダウン,ダイス,スライス

[図データ]

また,HITSENSER5には,分析操作を支援する次のような機能もあります。これらの機能の詳細,及びこれ以外の機能については,オンラインヘルプを参照してください。

表2-1 機能の概要

機能概要
ソート階層表,階層グラフ,及び明細表では,表示されているメンバをソートできます。階層表と階層グラフでは,表示されているすべてのメンバをソートする方法と,特定のレベル(階層)のメンバだけをソートする方法の2種類があります。
次元の割り当ての変更表又はグラフを表示した後に,分析次元のメンバ及びキー次元を追加,削除できます。また,次元を割り当てる軸又は項目を変更できます。これによって,表又はグラフを作成し直さなくても,分析の条件を自由に変更できます。
表示するメンバの絞り込み階層表,階層グラフ,及び明細表では,キー次元のメンバを,レベルに関係なく選択したり,「階層」,「レベル」,「メンバ名」など様々な条件で絞り込んだりして,分析に必要なものだけに限定して表示できます。
分析項目の追加階層表では,分析対象データに存在する分析次元のメンバを利用して別のメンバを作成できます。このような,分析対象データにない,クライアント側で追加するメンバを追加メンバと呼びます。明細表の場合,明細項目を追加できます。
強調表示一定の条件を満たすデータの表示を強調できます。強調表示の設定をしておくと,条件に合ったデータを一目で区別できます。
集計方法の変更表及びグラフの分析次元の個々のメンバをどのような値で表示するかを変更できます。集計方法には,「累計」,「構成比」,「合計」,「平均」,「総合計」,「総平均」の6種類があります。
書式の変更表及びグラフの表示形式を変更できます。階層グラフは,グラフ種別ごとに特有の書式があります。
コピー表やグラフのイメージを採取できます。採取したイメージは,ほかのプログラムに貼り付けることができます。
表・グラフファイルの保存表やグラフを表・グラフファイルとして個別に保存できます。
他形式へのデータ出力HITSENSER5のデータをほかのプログラムで利用できる形式で出力します。出力方法には,「ファイル出力」,「外部プログラム出力」の2種類があります。

また,これらの機能は,次の表又はグラフに適用できます。

表2-2 各機能の適用範囲

機能階層表階層グラフ明細表
ドリルダウン,ドリルアップ※1
ダイス
スライス※2
ドリルスルー
ソート
次元の割り当ての変更
表示するメンバの絞り込み
分析項目の追加※3
強調表示
集計方法の変更※4
書式の変更
コピー
表・グラフファイルの保存
他形式へのデータ出力
(凡例)
○:適用できる
-:適用できない
注※1
明細表の場合,ページに対してだけドリルダウン,ドリルアップできます。
注※2
明細表の場合,ページに対してだけスライスできます。
注※3
明細表の場合,明細項目を追加できます。
注※4
棒グラフ,折線グラフでは,累計表示及び構成比表示が可能です。

<この節の構成>
2.3.1 メンバを詳細化,又は集約して表示する -ドリルダウン,ドリルアップ-
2.3.2 視点を入れ替えて分析する -ダイス-
2.3.3 ページ軸上の特定のメンバだけを表示する -スライス-
2.3.4 元データを表示する -ドリルスルー -