付録E.2 HITSENSER3情報コンバータの操作

HITSENSER3の資産をHITSENSER5で利用するためには,HITSENSER3情報コンバータを使用して移行します。

ここでは,HITSENSER3情報コンバータの起動方法とHITSENSER3のデータベースへの接続方法について説明します。

  1. HITSENSER3情報コンバータを起動する

HITSENSER3情報コンバータは次のファイルを実行してください。

HITSENSER5インストールディレクトリ¥HITSENSER5¥Program¥hs5cvhs3.exe

次のログイン画面が表示されます。

図E-1 ログイン画面

[図データ]

  1. ユーザID,パスワードを入力し,[OK]ボタンを選択する
    HITSENSER3情報コンバータのメインウィンドウが表示されます。

    図E-2 HITSENSER3情報コンバータのメインウィンドウ

    [図データ]

  2. メインウィンドウの[HITSENSER3 DB接続]ボタン又は[ツール]-[HITSENSER3 DB接続]を選択する
    [HITSENSER3 DB接続]ダイアログが表示されます。

    図E-3 [HITSENSER3 DB接続]ダイアログ

    [図データ]

    接続名称
    接続名称欄のドロップダウンリストでHITSENSER3に登録されている接続名称を選択します。
    ユーザID
    HITSENSER3に登録されている,システム管理者権限を持つユーザIDを入力します。
    パスワード
    ユーザIDに対応するパスワードを入力します。

以降,必要に応じて変換する情報のボタン又はメニューを選択してください。

<この項の構成>
(1) ユーザ管理情報の変換
(2) 分析データベースの変換
(3) システム情報の変換
(4) メニューの変換
(5) カタログの一括変換
(6) 分析情報ファイルの追加
(7) ログ情報ファイルの設定

(1) ユーザ管理情報の変換

HITSENSER3のユーザ管理情報をHITSENSER5のユーザ管理情報に変換します。

なお,同じ名称のユーザが存在している場合は,変換時に上書きされます。また,同じ名称のグループが存在している場合,そのグループは変換されないので注意してください。

(a) 変換内容

ユーザ管理情報は次のように変換されます。

表E-3 ユーザ管理情報の変換

変換対象変換内容
組織レベル変換されません。
ユーザメイングループに所属するユーザsystemグループに登録されます。
グループに所属しないユーザsystemグループに登録されます。
systemユーザsystemグループだけに登録されます。systemグループ以外のグループは,無視されます。
注意
グループ階層の上限は4です。変換前のグループ階層が,4階層以下であることを確認してください。変換前のグループ階層が5階層以上であったときの動作は保証できません。
(b) 変換方法

ユーザ管理情報は,次の手順で変換してください。

  1. メインウィンドウで[ユーザ管理情報変換]ボタン又は[ツール]-[ユーザ管理情報変換]を選択する
    「変換する前に既存のユーザ管理情報を初期化しますか。」というメッセージが表示されます。
    「はい」を選択した場合
    ユーザ管理情報を初期化してから,変換を実行します。
    「いいえ」を選択した場合
    ユーザ管理情報を初期化しないで,変換を実行します。

(2) 分析データベースの変換

HITSENSER3の分析データベースをHITSENSER5の分析データベースに変換します。HITSENSER5で定義できない属性は変換できません。

分析データベースは,全グループに参照権限を与えた状態で変換されます。変換後,マネージャで権限を設定してください。

分析データベースを変換した場合,メニュー・カタログを変換する前に一度コンバータを終了させ,変換した定義をマネージャで確認してください。

なお,既に同じ名称の分析データベースが存在している場合,その分析データベースは変換されないので注意してください。

(a) 変換内容

分析データベースは次のように変換されます。

表E-4 分析データベースの変換

変換対象変換内容
階層名称変換されません。すべて1階層として変換されます。
表示項目メイン表示項目名称は,表示項目名称として変換されます。そのほかの表示項目は,キー項目に変換されます。
DB計算式そのまま変換されますが,HITSENSER3とHITSENSER5では集計方法が異なるため,表示結果が異なることがあります。
結合条件「使用列のみ結合」のオプションは変換しません。マネージャで「結合」設定をしてください。
HITSENSER DATA Mart Serverで作成したデータマート分析データベース一覧に表示されますが,変換はできません。
集約表集約表は変換しません。マネージャで集約表を定義してください。
分析項目合計区分「合計表示あり」として変換されます。
ソート指定変換されません。
注※ DB計算式の扱いの違いについて
HITSENSER3のDB計算式は,グルーピング指定時にリレーショナルデータベースのカラムに対して関数を指定した値を用いて演算をします。HITSENSER5の計算式は,グルーピング指定時に計算結果に対して関数を指定します。つまり,グルーピング指定時,HITSENSER3のDB計算式とHITSENSER5の計算式では,計算式に対する関数の指定方法が異なるため,演算結果が異なります。SQL生成例を次に示します。
(例)SQL生成例
リレーショナルデータベースのカラムとして,売上金額,売上数,単価がある場合に,次の計算式を定義します。
  • 売上金額/売上数
  • 売上数*単価
これをHITSENSER3とHITSENSER5ではそれぞれ次の式で扱います。
<HITSENSER3>
  • SUM(売上金額)/SUM(売上数)
  • SUM(売上数)*SUM(単価)
<HITSENSER5>
  • SUM(売上金額/売上数)
  • SUM(売上数*単価)
注意
連結した項目を表示名称や期間条件として定義している項目を変換した場合は,マネージャで扱えない項目として変換されます。
(b) 変換方法

分析データベースは,次の手順で変換してください。

  1. メインウィンドウで[分析データベース変換]ボタン又は[ツール]-[分析データベース変換]を選択する
    [分析データベース一覧]ダイアログが表示されます。

    図E-4 [分析データベース一覧]ダイアログ

    [図データ]

  2. [分析データベース一覧]ダイアログで,分析データベース一覧,HITSENSER5接続先名称を選択する
    分析データベース一覧
    [分析データベース一覧]欄から変換したい分析データベース名を選択します。
    HITSENSER5接続先名称
    [HITSENSER5接続先名称]欄のドロップダウンリストからHITSENSER5で設定した接続先名称を選択します([HITSENSER3 DB接続]ダイアログで選択した[接続名称]と同じリレーショナルデータベースを選択してください)。
  3. [変換]ボタンを選択する
    変換が実行されます。

(3) システム情報の変換

HITSENSER3の「期情報」,「週情報」,「基準日」をHITSENSER5の「期情報」,「週情報」,「基準日」に変換します。

(a) 変換内容

システム情報は次のように変換されます。

表E-5 システム情報の変換

変換対象変換内容
期情報HITSENSER3の情報で上書き変換されます。
週情報
基準日HITSENSER3の定義内容で上書き変換されます(既に同じ名称の基準日を定義している場合でも上書きされます)。
(b) 変換方法

システム情報は,次の手順で変換してください。

  1. メインウィンドウで[システム情報変換]ボタン又は[ツール]-[システム情報変換]を選択する
    [システム情報]ダイアログが表示されます。

    図E-5 [システム情報]ダイアログ

    [図データ]

  2. 変換したいシステム情報のチェックボックスをチェックし,[変換]ボタンを選択する
    変換が実行されます。

(4) メニューの変換

HITSENSER3のメニューをHITSENSER5の分析情報ファイルのブックメニューへ変換します。

変換後の分析情報ファイル名称は,次のとおりです。

mmmm_uuuu_z
mmmm:メニュー名
uuuu:所有者名
z:所有者がグループの場合は1,所有者がユーザの場合は2
(a) 変換内容

メニューは次のように変換されます。

表E-6 メニューの変換

変換対象変換内容
メニュー項目のユーザカタログブックメニューのメニュー項目と,そのメニュー項目から実行する分析情報ファイルに変換されます。
メニュー項目のグループカタログ
メニュー項目のバッチプログラム
メニュー項目のアプリケーション起動ブックメニューのメニュー項目とブックメニューのコマンドに変換されます。
アプリケーション起動のメニュー項目50項目までは変換されますが,51項目以降は変換されません。

メニューを変換した例を次に示します。

HITSENSER3(変換前)
[図データ]
HITSENSER5(変換後)
[図データ]
HITSENSER3のメニュー情報に含まれるカタログ情報について
HITSENSER3のメニュー情報に含まれるカタログ情報はHITSENSER5の分析情報ファイルに含まれて変換されます。
(b) 変換方法

メニューは,次の手順で変換してください。

  1. メインウィンドウで[メニュー変換]ボタン又は[ツール]-[メニュー変換]を選択する
    [メニュー一覧]ダイアログが表示されます。

    図E-6 [メニュー一覧]ダイアログ

    [図データ]

    [メニュー一覧]欄の見出しである[名称],[所有者],又は[所有者属性]をクリックすると,クリックした項目をキーとして,カタログをソートした状態で表示できます。
  2. 変換したいメニューを選択し,[変換]ボタンを選択する
    変換が実行されます。

(5) カタログの一括変換

HITSENSER3のカタログをHITSENSER5の分析対象データと分析情報ファイルへ一括変換します。一つのカタログを一つの分析情報ファイルへ,又は複数のカタログを一つの分析情報ファイルへ変換できます。

なお,既に同じ名称の分析情報ファイルが存在している場合,その分析情報ファイルは変換されないので注意してください。

変換後の分析対象データ名は,次のとおりです。

ssss_cccc_uuuu_z
ssss:抽出データ名
cccc:カタログ名
uuuu:所有者名
z:所有者がグループの場合は1,所有者がユーザの場合は2

変換後の分析情報ファイル名は,次のとおりです。

cccc_uuuu_z
cccc:カタログ名
uuuu:所有者名
z:所有者がグループの場合は1,所有者がユーザの場合は2

変換後の分析情報ファイルのアクセス権限は,変換時のHITSENSER5ログインユーザの所属グループに設定されます。また,カタログ登録時の[出力先]タブの情報は,「クライアント」(画面出力)に設定されます。

(a) 変換内容

カテゴリ選択画面のあるカタログを変換した場合は,表E-7に示す形式に変換され,絞り込み画面実行用のコマンドが登録されます。絞り込み画面実行用のコマンドは,分析情報ファイルを開くときに実行するコマンドとして割り当てられます。

表E-7 カタログの一括変換

変換対象変換内容
抽出データ「抽出データ」を「分析対象データ」に変換します。カテゴリ選択画面で期間条件項目を定義している場合,期間条件は分析対象データの条件としては変換されません。また,カテゴリ選択画面で期間条件を使用している場合は,期間条件項目が,分析対象データのキー項目として割り当てられます。
カテゴリ選択画面変換後の分析対象データに対する絞り込み条件画面として変換されます。
表・グラフ表・グラフ種別,表・グラフの軸の割り当ては,表・グラフ形式に変換されます。
コマンド※1変換した絞り込み条件画面,表・グラフ形式を組み合わせて絞り込み実行コマンドが登録されます。コマンドは,分析情報ファイルを開いた時に実行されるコマンドとして登録されます。※2
注※1
軸の割り当ての状態や,明細表の設定状態によっては,絞り込み実行時に設定を要求される場合があります。
注※2
分析情報ファイル追加時は,分析情報ファイルを開いた時に実行されるコマンドとしては登録されません。絞り込みを実行する場合は,コマンド一覧からコマンドを実行してください。

次に,カタログの種類別の変換内容について説明します。

抽出データカタログ

抽出データカタログは次のように変換されます。

表E-8 抽出データカタログの変換内容

変換対象変換内容
シート計算式変換されません。
分析項目が件数だけの抽出データ
期間条件変換されません。ただし,カテゴリ選択画面の期間条件は,有効になります。
注意
抽出データカタログだけのカタログにカテゴリ選択画面を登録しているカタログは,分析対象データと絞り込み条件画面だけを定義した空の分析情報ファイルとして変換されます。
階層表カタログ(抽出データカタログの制限を含む)

階層表カタログは次のように変換されます。

表E-9 階層表カタログの変換内容

変換対象変換内容
分析項目の表示位置「行側に表示」に変換されます。ログに割当ての結果を出力します。
[オプション]タブの属性変換されません。
単位
フォーカス階層表通常の階層表として変換されます。
シート計算式(四則演算だけの使用)式を追加メンバに変換します。

[分析項目詳細]ダイアログの[表示]タブの設定内容は,変換後[表示形式]ダイアログで設定を見直してください。

階層グラフカタログ(抽出データカタログの制限を含む)

階層グラフカタログは次のように変換されます。

表E-10 階層グラフカタログの変換内容

変換対象変換結果
ポートフォリオ分析のグラフ変換されません。
警告値基準線に変換されます。
凡例数変換されません。
[その他]タブの属性(警告値,数値表示を除く)変換されません。
注※
分析データベースを1階層として変換するため,データのないグラフになる場合があります。

変換後にグラフ種別が変わるものを表E-11に示します。

表E-11 変換後のグラフ種別

変換前変換後
面グラフ(平面)積上げ棒グラフ
面構成比グラフ(平面)構成比棒グラフ
面グラフ(立体)立体積上げ棒グラフ
縦構成比グラフ(立体)構成比棒グラフ
横棒グラフ(立体)横棒グラフ
横積上げ棒グラフ(立体)横積上げ棒グラフ
横構成比グラフ(立体)横構成比グラフ
指数折線グラフ折線グラフ
指数棒グラフ棒グラフ

次に示すグラフカタログの分析項目にマイナス値がある場合,HITSENSER3ではグラフが描画されますが,HITSENSER5ではマイナス値が描画されません。

明細表カタログ(抽出データカタログの制限を含む)

明細表カタログは次のように変換されます。

表E-12 明細表カタログの変換内容

変換対象変換結果
キー項目の「繰り返し表示」すべて「する」に変換されます。
[オプション]タブの属性(セル幅の自動調整を除く)変換されません。
詳細属性
注意
すべてのセルが欠損値となっている行を非表示とした状態で30,000行以上となる明細表は,変換されません。
また,空の列を含む明細表は変換できません。

テンプレートカタログ

テンプレートカタログは,カタログ変換時に,カタログで使用する分析データベースに対応するテンプレートカタログが表・グラフ形式に変換され,分析情報ファイルに登録されます。テンプレートカタログ単独では,変換されません。

なお,カタログ変換の制限事項はテンプレートカタログの変換でも有効です。

形式名称は次のとおりです。

cccc_uuuu_z
cccc:テンプレートカタログ名
uuuu:所有者名
z:所有者がグループの場合は1,所有者がユーザの場合2

テンプレートカタログの変換内容は次のとおりです。

表E-13 テンプレートカタログの変換内容

変換対象変換結果
テンプレートID形式IDとして変換します。
テンプレートレベル変換されません。
ドリルダウンリンク
所有者
権限
明細表のテンプレートカタログ

変換後の表・グラフ形式の属性を次に示します。

表E-14 表・グラフ形式変換後の属性

項目説明
形式IDテンプレートID
接続先実行時の対象ビューアの指定を引き継ぐ
ビューア名称指定なし
ビューア表示形態形式作成元の形態を引き継ぐ
グラフ種別形式作成元の種別を引き継ぐ
軸の割り当て形式作成元の指定を引き継ぐ
メンバフィルタ実行時の対象ビューアの指定を引き継ぐ
ドリルオプション形式作成元の指定を引き継ぐ
プロパティ実行時の対象ビューアの指定を引き継ぐ
(b) 変換方法

カタログは,次の手順でそれぞれ変換してください。

  1. メインウィンドウで[カタログ一括変換]ボタン又は[ツール]-[カタログ一括変換]を選択する
    [カタログ一覧]ダイアログが表示されます。

    図E-7 [カタログ一覧]ダイアログ

    [図データ]

    [カタログ一覧]欄の見出しである[名称],[所有者],又は[所有者属性]をクリックすると,クリックした項目をキーとして,カタログをソートした状態で表示できます。
  2. 変換したいカタログ名称を[カタログ一覧]欄から選択し,[変換]ボタンを選択する
    変換が実行されます。

(6) 分析情報ファイルの追加

HITSENSER3の複数のカタログを選択して,HITSENSER5の一つの分析情報ファイルへ変換します。

なお,既に同じ名称の分析情報ファイルが存在している場合,その分析情報ファイルは変換されないので注意してください。

  1. メインウィンドウで[分析情報ファイル追加]ボタンを選択する
    [分析情報ファイル一覧]ダイアログに,既存のHITSENSER5の分析情報ファイルが一覧表示されます。

    図E-8 [分析情報ファイル一覧]ダイアログ

    [図データ]

  2. [追加]ボタンを選択する
    [分析情報ファイル追加]ダイアログが表示されます。

    図E-9 [分析情報ファイル追加]ダイアログ

    [図データ]

    [カタログ一覧]欄の見出しである[名称],[所有者],又は[所有者属性]をクリックすると,クリックした項目をキーとして,カタログをソートした状態で表示できます。
    変換するカタログの設定には,[追加するカタログ]欄の左に表示される[→]ボタンと[←]ボタンを使用します。[カタログ一覧]欄でカタログを選択して[→]ボタンをクリックすると,選択したカタログが[追加するカタログ]欄に追加されます。[追加するカタログ]欄でカタログを選択して[←]ボタンをクリックすると,選択したカタログが[カタログ一覧]欄に戻ります。
  3. HITSENSER3のカタログ名を[追加するカタログ]欄に設定し,[変換]ボタンを選択する
    変換が実行されます。
注意
分析情報ファイルの追加では,選択したすべてのカタログの変換に失敗しても空のブックメニューだけの分析情報ファイルが作成されます。

(7) ログ情報ファイルの設定

HITSENSER3情報コンバータでは,実行時のログをログ情報ファイルとして出力できます

ここでは,HITSENSER3情報コンバータ実行時のログ情報ファイルの設定について説明します。

(a) 出力されるログ情報

出力されるログ情報を次に示します。なお,変換対象外の項目は出力されません。

(b) 操作方法

ログ情報ファイルは次の手順で出力されます。

  1. メインウィンドウで[ツール]-[オプション]を選択する
    [オプション]ダイアログが表示されます。

    図E-10 [オプション]ダイアログ

    [図データ]

  2. 必要な情報を設定して[OK]ボタンを選択する
    ログ情報を出力する
    ログ情報を出力するかしないかを指定します。出力するよう指定すると,ログ情報は「HITSENSER5のインストールディレクトリ¥HITSENSER5¥Trace¥hs5cvhs3.log」として出力されます。
    出力レベル
    通常レベルか詳細レベルかを指定します。