8.1 分析データベースの運用制御
コマンドを使用して,分析データベースを使用したデータ検索の可否を制御できます。データマート更新中などHITSENSER5で検索するテーブルが検索できる状態になっていない場合に,HITSENSER5からの検索を抑止したいときなどに適用できます。
分析データベースの運用制御に使用するコマンドについて説明します。
- <この節の構成>
- (1) 指定方法
- (2) ログ出力形式
- (3) バッチファイル作成例
- (4) 制御状態
(1) 指定方法
分析データベースの運用制御に使用するコマンドを指定するには,「HITSENSER5インストールディレクトリ¥Program」にある「hs5rctl.exe」ファイルを実行します。
- 書式
hs5rctl /u ユーザID [/p パスワード]
{ /l[表示種別] | /s制御状態種別 [/w 待機時間] }
[/f 分析データベース名一覧ファイル名]
- 機能
- このコマンドの機能を次に示します。
- 指定した分析データベースに制御状態を設定
指定した分析データベースに制御状態を設定します。この情報はアナライザなどの各プログラムの起動時に読み込まれます。プログラム終了時までその情報で制御を行います。起動中のプログラムに対して動的に情報は反映されません。
- 指定した分析データベースの制御状態一覧を表示
コマンドの実行結果は「HITSENSER5インストールディレクトリ¥TRACE¥hs5rctl.log」に出力されます。フォルダがない場合は出力されません。ログファイルは単調増加ファイルのため,必要に応じて削除してください。
- 一部のメッセージは,標準出力,標準エラー出力に出力する場合があります。
- 引数
- /u ユーザID
- HITSENSER5の管理者ユーザIDを指定します。この引数は省略できません。
- /p パスワード
- HITSENSER5の管理者パスワードを指定します。この引数を省略すると,パスワードなしとなります。
- /l[表示種別]
- 分析データベースの制御状態を表示します。/sとは同時に指定できません。
- 表示種別の指定を省略した場合,制御状態が設定されている分析データベースの一覧だけが表示されます。
- 指定する表示種別を次に示します。
- A:コマンドの実行対象の全分析データベース一覧を表示します。
- T:分析データベースが使用している,接続先データベース名とテーブル名を表示します。
- /lと[表示種別]は空白を入れないで指定してください。複数の表示種別を指定する場合は,空白文字を入れないで表示種別を並べて指定してください(/lAT)。
- 分析データベース一覧はコンマ区切りで標準出力に出力します。出力形式を次に示します。
状態,分析データベース名,接続先データベース名,テーブル名
- それぞれの値の意味を次に示します。
値 | 意味 |
---|
状態 | 検索できない場合,Dが表示されます。検索できる場合,何も表示されません。 |
分析データベース名 | 分析データベース名が表示されます。 |
接続先データベース名 | 分析データベースが使用する接続先データベース名が表示されます。/lにTが指定されていない場合は,表示されません。 |
テーブル名 | オーナ名.テーブル名の形式でテーブル名が表示されます。/lにTが指定されていない場合は,表示されません。 |
- /s制御状態種別
- 分析データベースの制御状態を指定した制御状態に変更します。制御状態種別は常に指定する必要があります。/lとは同時に指定できません。
- 指定する制御状態種別を次に示します。
- C:指定した制御状態を解除します。
- D:検索できない制御状態に設定します。
- /sと制御状態種別は空白文字を入れないで指定してください。
- /w 待機時間
- /sを指定した時だけ指定できます。hs5rctlコマンドの実行が終了していない状態で,次のhs5rctlコマンドを実行した場合に,次のhs5rctlコマンドが待機する時間(秒)を指定します。指定できる範囲は30~1800(秒)です。
- この引数を省略した場合,600(秒)が自動的に設定されます。
- 待機時間内にほかのhs5rctlコマンドの実行が終了しない場合,タイムアウトのエラーとなります。
- /f 分析データベース名一覧ファイル名
- 分析データベース名一覧ファイルに指定された分析データベースがコマンド処理の対象となります。なお,完全一致した分析データベース名だけが対象となります。
- /fの指定を省略した場合,すべての分析データベースが処理対象となります。
- 分析データベース名一覧ファイルは次の形式で記述します。
分析データベース名[改行]
・・・省略・・・
分析データベース名[改行]
- 戻り値
- 0:正常終了
- 1:エラー
- 2:タイムアウト(待機時間として指定した時間内で,ほかのhs5rctlコマンドの実行が終了しない場合)
(2) ログ出力形式
ログには次の情報が出力されます。
- エラーメッセージ
- コマンド実行開始メッセージ
- コマンド指定パラメタ
- 状態変更メッセージ
- 終了メッセージ
ログは次の形式で出力されます。行頭にログ出力時間とプロセスIDが表示されます。
- ログ出力例
09:59:01 0000001F ***** HITSENSER5 分析データベース制御コマンド開始(2005/11/04) *****
09:59:01 0000001F /sD /f c:¥temp¥dbnamelist.txt /w 600
09:59:10 0000001F 分析データベースが見つかりませんでした。(分析データベース1)
10:01:01 0000001F 制御状態の変更中にエラーが発生しました。(詳細エラーメッセージ)
・・・省略・・・
10:02:30 0000001F 分析データベースの状態を変更しました。(78/100)
10:02:30 0000001F ***** HITSENSER5 分析データベース制御コマンド終了 *****
(3) バッチファイル作成例
バッチファイルの作成例を次に示します。
- 作成例
hs5rctl /u system /p systempw /sD /f c:¥temp¥dbnamelist.txt /w 600
IF ERRORLEVEL 2 GOTO TIMEOUT
IF ERRORLEVEL 1 GOTO ERR
GOTO END
:TIMEOUT
echo タイムアウトが発生しました。
GOTO END
:ERR
echo エラーが発生しました。
:END
(4) 制御状態
検索できない制御状態に設定した分析データベースを使用した場合の動作を次に示します。
- マネージャとHITSENSER3情報コンバータを除く,アナライザ,各種ツールで行う分析データベース(分析対象データ)を使用したデータ検索ができなくなります。
- データ検索時にエラーとなり,メッセージを表示します。メッセージの詳細情報に「指定された操作は使用できません。」と表示します。アナライザを使用している場合,制御状態を解除した後,アナライザを再起動するまではデータ検索はできません。