分析対象データをクライアントに取り込んで分析処理をするROLAPの場合,分析対象データの内容が多大であると,HITSENSER5にデータを取り込むための所要時間が著しく増加する恐れがあります。クライアントの環境によっては,多大な分析対象データをすべて取り込むことさえできないかもしれません。
このような状態は,分析データベースからデータを抽出する際の条件を必要最小限に抑え,小さな分析対象データを作成することで回避できます。
通常の分析方法とこの分析方法で,分析対象データの作り方がどのように異なるのかを,次に示します。
図2-25 分析対象データの作り方
大量のデータを分析する場合には,分析対象データの内容を必要最小限に抑えるため,分析データベースからデータを抽出する際の条件を厳選し,小さな分析対象データを新規に作成します。なお,小さな分析対象データでは,分析できる範囲は限られています。ここで,別の条件を追加して分析を続けたい場合は,「項目を変更して複製」の機能を使用して,分析対象データを作り直せます。「項目を変更して複製」を使うと,今の表やグラフの分析条件のうちどれを残すか,また,分析データベースからどの分析条件を追加するかを指定できます。
次に,通常の分析方法とこの分析方法で,分析の過程がどのように異なるのかを説明します。ここでは「「戸塚区」の「男性」に対する「シャツの売上高」を表示する過程」を例にします。通常の方法で分析した場合を次に示します。
図2-26 通常の方法の場合
次に,通常の方法で分析した場合の分析過程を次に示します。
図2-27 大量のデータを分析する方法の場合
通常の方法では,最初にすべての条件を指定して,大きな分析データベースを作成し,それを基に分析しています。これに対し,大量のデータを分析する方法では,必要に応じて条件を追加し,常に小さな分析対象データを基に分析していることが分かります。
なお,「項目を変更して複製」の詳細については,アナライザのヘルプを参照してください。