3.2.1 OSI拡張機能のゲートウェイ定義文

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 定義条件
(3) 書き方
(4) オペランド

(1) 機能

OSI拡張機能のゲートウェイ通信機能を使用して,TCPネットワークとOSIネットワークを相互接続した通信を行うには,「OSI拡張機能のゲートウェイ定義文」が必要です。

この定義はテキストファイルにエディタ(viなど)で設定し,「OSI拡張機能のゲートウェイ定義登録コマンド」で登録します。OSI拡張機能のゲートウェイ定義文を格納したOSI拡張機能のゲートウェイ定義ファイルの格納位置は任意です。

OSI拡張機能のゲートウェイ定義登録コマンドについては,マニュアル「XNF/AS 解説・運用編」を参照してください。

「OSI拡張機能のゲートウェイ定義文」は,”中継の方向(OSI→TCP/TCPまたはHA/HA→OSI)”によって指定するオペランドが異なります。中継の方向とOSI拡張高信頼化機能の適用の有無による指定オペランドの対応を表3-2に示します。

注※ 識別子”HA”は,OSI拡張高信頼化機能を適用したOSI拡張通信を示します。

表3-2 中継の方向とOSI拡張高信頼化機能の適用有無による指定オペランドの対応

オペランド名称中継の方向
OSI→TCPOSI→HATCP→OSI
HA→OSI
着信Tセレクタ
発信自局Tセレクタ
発信相手局Tセレクタ
中継先プロトコル種別
相手IPアドレス××
相手ポート番号××
相手局NSAPアドレス××
TL要望クラス××
TL代替クラス××
DTEアドレス情報××
数値指定のアダプタ番号××
仮想ホストのNSAPアドレス××
仮想サーバの仮想スロット番号××
(凡例)
◎:指定が必要です。
○:指定は省略できます。
×:指定できません。

(2) 定義条件

OSI拡張機能のゲートウェイ定義ファイルに対して1~128個定義します。

(3) 書き方

(4) オペランド

(a) 着信Tセレクタ

~<16進数>((2~64の偶数けた))

ゲートウェイシステムとして着信する際のTセレクタを指定します。

(b) 発信自局Tセレクタ

~<16進数>((2~64の偶数けた))

ゲートウェイシステムとして(中継後)発信する際の自局側のTセレクタを指定します。

(c) 発信相手局Tセレクタ

~<16進数>((2~64の偶数けた))

ゲートウェイシステムとして(中継後)発信する際の相手局側のTセレクタを指定します。

(d) 中継先プロトコル種別 {OSI|TCP|HA}

中継の方向を指定します。

OSI:
TCPからOSIへの中継
HAからOSIへの中継
TCP:
OSIからTCPへの中継
HA:
OSIからHAへの中継
(e) 相手IPアドレス

中継先の相手IPアドレスを指定します。指定方法には次の二つがあります。

ホスト名称 ~<英数字>((255文字以内))
/etc/hostsで設定しているOSI拡張機能用のホスト名称を指定します。
インタネットアドレス ~<10進数>((各バイト3けた以内))
相手局のインタネットアドレスを,バイトごとにピリオド(.)で区切って,10進数で指定します。
(f) 相手ポート番号

~《102》

中継先の相手ポート番号を指定します。指定方法には次の二つがあります。

サービス名称 ~<英数字>((255文字以内))
/etc/servicesで設定しているOSI拡張機能用のサービス名称を指定します。
ポート番号 ~<10進数>((0~65535))
相手局のポート番号を指定します。
(g) 相手局NSAPアドレス

~<16進数>((2~40の偶数けた))

中継先の相手局NSAPアドレスを指定します。転送形式で指定してください。

(h) TL要望クラス

~<10進数>((0,2))

中継する際のトランスポートコネクション確立要望クラスを指定します。

0:クラス0

2:クラス2

このオペランドを省略した場合,XNF/AS構成定義文(TL02文のclass)の指定値が仮定されます。

(i) TL代替クラス

~<10進数>((0,2))

中継する際のトランスポートコネクション確立代替クラスを指定します。

0:クラス0

2:クラス2

このオペランドを省略した場合,TL要望クラスが「クラス0」のときはクラス0が,TL要望クラスが「クラス2」のときはXNF/AS構成定義文(TL02文のalternative_class)の指定値が仮定されます。

このオペランドを指定してTL要望クラスを省略した場合,オペランド指定値は無視され,XNF/AS構成定義文(TL02文のclassとalternative_class)の指定値が仮定されます。

(j) DTEアドレス情報

~<16進数>((4~32の偶数けた))《指定なし》

中継する際の相手ノードのアドレスを指定します。

[図データ]

有効けた数は,DTEアドレスの有効セミオクテット数を示します。

(k) 数値指定のアダプタ番号

~<10進数>((1以上))《指定なし》

中継する際に使用する,アダプタの仮想スロット番号を指定します。なお,0は指定なしを意味します。

(l) 仮想ホストのNSAPアドレス

~<16進数>((2~40の偶数けた))

中継先の仮想ホストのNSAPアドレスを指定します。転送形式で指定してください。

(m) 仮想サーバの仮想スロット番号

~<10進数>((1~900))

中継する際に使用する仮想サーバの仮想スロット番号を指定します。