2.2.7 HNA1_PUHNA1用PU定義文

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 定義条件
(3) 書き方
(4) オペランド

(1) 機能

HNA1で使用するPU情報を定義します。

(2) 定義条件

HNA1文の下で,1回以上1024回以下で定義します。

HNA1_PU文から次のHNA1_PU文の前までのHNA1_SLU文が一つのPUを構成すると見なします。

(3) 書き方

[図データ]

(4) オペランド

(a) name
PU名称 ~<英数字>((8文字以内))

PUの名称を指定します。

システム内で固有な名称にしてください。
(b) link_VASS
リンク定義文で指定した仮想スロット番号 ~<10進数>((1~900))

リンク定義文で指定した仮想スロット番号を指定します。

代表選択機能を使用する場合,SW_group_define文,またはX25_group_define文で定義した仮想スロット番号を指定します。

一般専用線(NRM1手順)を使用する場合(NL_type省略時),ほかのHNA1_PU文のlink_VASS指定値と重複しないように指定してください。ただし,ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順を使用する場合は重複できます。

(c) NL_type {VC|PVC}

パケット交換網接続でPVC手順またはVC手順の場合,プロトコル種別を指定します。一般専用線,ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合には,このオペランドを省略してください。

VC:
X.25プロトコルVC手順
PVC:
X.25プロトコルPVC手順
(d) send_segment_size
送信セグメント長 ~<10進数>
パケット交換網接続でPVC手順またはVC手順の場合((128,256,512,1024,2048,4096))
一般専用線,ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合((128~8160))

送信方向のセグメント長(バイト)を指定します。

PVC手順またはVC手順の場合はパケット長,NRM1手順の場合はIフレーム長に合わせる必要があります。

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順を使用する場合は,このオペランド値とreceive_segment_sizeオペランド値の大きい方がIフレーム長になります。

このオペランドは,s_s_sと省略して指定することもできます。

(e) receive_segment_size
受信セグメント長 ~<10進数>
パケット交換網接続でPVC手順またはVC手順の場合((128,256,512,1024,2048,4096))
一般専用線,ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合((128~8160))

受信方向のセグメント長(バイト)を指定します。

PVC手順またはVC手順の場合はパケット長,NRM1手順の場合はIフレーム長に合わせる必要があります。

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順を使用する場合は,このオペランド値とsend_segment_sizeオペランド値の大きい方がIフレーム長になります。

このオペランドは,r_s_sと省略して指定することもできます。

(f) connect_retry
PU起動再試行回数 ~<10進数>((0~255))

PUの起動に失敗したときの再試行回数を指定します。

このオペランドを省略した場合は,HNA1文のconnect_retryオペランド値が仮定されます。また,このオペランドはcon_rと省略して指定することもできます。

0(回)を指定した場合は,再試行を行いません。255(回)を指定した場合は,永久再試行します。
(g) connect_retry_interval
リンク障害時のリトライインタバル時間 ~<10進数>((30~65535))

リンク障害時に再試行を行うまでの時間(秒)を指定します。

このオペランドを省略した場合は,HNA1文のconnect_retry_intervalオペランド値が仮定されます。また,このオペランドはcon_r_intと省略して指定することもできます。

(h) reset_retry_interval
RQ(開始)パケット再送インタバル時間 ~<10進数>((0~65535))

RQ(開始)パケットの再送を行うまでの時間(秒)を指定します。

このオペランドを省略した場合は,HNA1文のreset_retry_intervalオペランド値が仮定されます。また,このオペランドはres_r_intと省略して指定することもできます。

0(秒)を指定した場合は,60秒が仮定されます。
(i) session_response_time
応答監視時間 ~<10進数>((0~65535))

ユーザが送信したSC(セションコントロールPDU)に対する応答監視時間(秒)を指定します。タイムアウト時の再試行回数は2(回)固定です。

このオペランドを省略した場合は,HNA1文のsession_response_timeオペランド値が仮定されます。また,このオペランドはs_resp_tと省略して指定することもできます。

0(秒)を指定した場合は,応答監視を行わず,再試行もしません。
(j) auto_start {yes|no}

回線の自動起動を行うかどうかを指定します。省略した場合はyesが仮定されます。また,このオペランドはauto_sと省略して指定することもできます。

yes:
回線の自動起動を行います。
VC手順の場合は,着呼待ち状態まで行います。
一般専用線(NRM1手順)およびPVC手順の場合は,ACTPU送信完了後,HNA1_PU文配下のHNA1_SLUに対してACTLU送信完了まで行います。
no:
回線の自動起動を行いません。
回線を起動する場合は,xnfactコマンドの入力が必要です。
(k) DTE_address
相手DTEアドレス ~<10進数>((30けた以内))

VC手順の場合,相手DTEアドレス(網加入番号)を指定します。

ただし,一般専用線の場合は,このオペランドを省略できます。

また,ほかのHNA1_PU文のDTE_addressオペランドの指定値と重複しないように指定してください。

このオペランドはDTE_addrと省略して指定することもできます。

(l) NSAP_address
相手NSAPアドレス ~<16進数>((40けた以内の偶数けた))

VC手順の場合,相手NSAPアドレスを転送形式で指定します。

また,ほかのHNA1_PU文のNSAP_addressオペランドの指定値と重複しないように指定してください。

このオペランドはN_addrと省略して指定することもできます。

転送形式についてはマニュアル「XNF/AS NSAPアドレス概説編」を参照してください。

(m) PVC_LCGN
LCGN ~<10進数>((0~15))

PVC手順の場合,使用する論理チャネルグループ番号(LCGN)を指定します。

(n) PVC_LCN
LCN ~<10進数>((1~255))

PVC手順の場合,使用する論理チャネル番号(LCN)を指定します。

(o) send_window_size
送信ウィンドウサイズ ~<10進数>((1~7))《2》

送信時のウィンドウサイズを指定します。

このオペランドはPVC手順の場合に有効です。VC手順の場合は無視されます。

このオペランドはs_w_sと省略して指定することもできます。

(p) receive_window_size
受信ウィンドウサイズ ~<10進数>((1~7))《2》

受信時のウィンドウサイズを指定します。

このオペランドはPVC手順の場合に有効です。VC手順の場合は無視されます。

このオペランドはr_w_sと省略して指定することもできます。

(q) FSS_USS_type {FSS|USS}

ログオン/ログオフタイプを指定します。省略した場合はFSSが仮定されます。また,このオペランドはFSS_USS_tと省略して指定することもできます。

FSS:
定様式ログオン/ログオフを使用します。
USS:
不定様式ログオン/ログオフを使用します。この場合USS_tableオペランドで該当のUSSTBL番号を指定してください。指定しない場合,標準のログオン/ログオフ文字列である必要があります。不定様式ログオン/ログオフの形式は,マニュアル「XNF/AS 解説・運用編」の「HNA端末との通信時のログオン/ログオフ形式」を参照してください。

SLU単位に指定する場合は,このオペランドを省略できます。HNA1_SLU文およびHNA1_PU文の両方で指定した場合は,HNA1_SLU文で指定した値が優先されます。

(r) USS_table
不定様式ログオン/ログオフテーブル番号 ~<10進数>((1~255))

不定様式ログオン/ログオフ機能を使用する場合,該当のUSSTBL番号を指定します。SLU単位で指定する場合は,このオペランドを省略できます。HNA1_SLU文およびHNA1_PU文の両方で指定した場合は,HNA1_SLU文で指定した値が優先されます。

(s) NC_disconnect {yes|no}

ネットワークコネクションを解放するかどうかを指定します。省略した場合はnoが仮定されます。また,このオペランドはNC_discと省略して指定することもできます。

yes:
ネットワークコネクションを解放します。
no:
ネットワークコネクションを解放しません。
(t) disconnect_time
無通信監視時間 ~<10進数>((0~65535))《60》

ネットワークコネクションを使用するAPが無くなった場合に,その無通信監視時間を指定します。該当時間(秒)経過後にネットワークコネクションを解放します。また,このオペランドはdisc_tと省略して指定することもできます。

0(秒)を指定した場合,無通信監視を行わないで,ネットワークコネクションを解放します。

NC_disconnectオペランドでyesを指定した場合に有効です。

(u) connection_hold_time
着呼ネットワークコネクション利用監視時間 ~<10進数>((0~255))《0》

着呼したネットワークコネクションが利用されない場合,該当時間(秒)経過後にネットワークコネクションを解放します。また,このオペランドはcon_h_tと省略して指定することもできます。

0(秒)を指定した場合,時間監視を行わないため,ネットワークコネクションは解放しません。

この時間監視は,SSCP-PUコネクション確立時点から計時するため全SSCP-LUコネクション確立時間を考慮する必要があります。

(v) XID_character
端末識別情報 ~<16進数>((12けた固定))

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合に,端末識別情報を指定します。また,ほかのHNA1_PU文のXID_characterと重複しないように指定してください。また,このオペランドはXID_cと省略して指定することもできます。

(w) TEL_number
電話番号 ~<文字列>((53けた以内))

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合に,電話番号を指定します。省略すると着信専用になります。ここで指定する値はそのまま接続機器に渡されるため,接続機器マニュアルを参照してください。また,このオペランドはTEL_nと省略して指定することもできます。

自動接続の場合は,接続機器に渡すダミーの電話番号を指定する必要があります。

(x) outstand
アウトスタンディングフレーム数 ~<10進数>((1~7))

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合に,送信側が受信側に応答未確認のまま連続して送信できる数(個)を指定します。省略時は選択された回線に対応するlink文のoutstandオペランドが有効になります。

(y) mode {half|duplex}

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合に,リンクの通信モードを指定します。

half:
半二重モードを使用します。
duplex:
全二重モードを使用します。

省略時は,実行時に選択された回線に対応するlink文のmodeオペランドが有効になります。

(z) XID_response_time
XID応答監視時間 ~<10進数>((1~255))

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合に,XID応答監視時間(秒)を指定します。

HNA1文とHNA1_PU文の両方で指定した場合,HNA1_PU文で指定した値を優先します。

ただし,着呼時はHNA1文の指定値またはデフォルト値を使用します。

このオペランドはXID_resp_tと省略して指定することもできます。

link文のconnection_timeオペランドの指定値と同程度の値を指定してください。
(aa) XID_retry
XID再送回数 ~<10進数>((0~255))

ISDN(回線交換サービス)でNRM1手順の場合に,XID再送回数を指定します。

HNA1文とHNA1_PU文の両方で指定した場合,HNA1_PU文で指定した値を優先します。

ただし,着呼時はHNA1文の指定値またはデフォルト値を使用します。

0を指定した場合は,XID再送は行いません。255を指定した場合は永久再送します。課金を考慮して再送回数を指定してください。

HNA1_PU文のオペランドの組み合わせ一覧を表2-6に示します。

表2-6 HNA1_PU文のオペランドの組み合わせ一覧

オペランド名称接続手順
PVCVCNRM1
一般専用線ISDN(回線交換サービス)
name
link_VASS
NL_type××
send_segment_size
receive_segment_size
connect_retry
connect_retry_interval
reset_retry_interval
session_response_time
auto_start
DTE_address
NSAP_address
PVC_LCGN
PVC_LCN
send_window_size
receive_window_size
FSS_USS_type
USS_table
NC_disconnect
disconnect_time
connection_hold_time
XID_character
TEL_number
outstand
mode
XID_response_time
XID_retry
(凡例)
○:必須です。
△:省略できます。
-:不要です(指定しても無視されます)。
×:指定しないでください。
注※
設定可能な回線種別の組み合わせについては,「表2-9 通信機能・line_typeオペランドとline_modeオペランドの組み合わせ」を参照してください。