X.25(VC)を使用する場合に,NSAPアドレスをキーとして,接続するルートを求める情報を定義します。
全NL文より後ろに定義します。
自局と相手局の間が複数のネットワークで接続されているとき,どのルートを通れば相手局と接続できるか選択することをルーティングといいます。
使用する上位プログラム(AP)によって,相手NSAPアドレス,相手SNPAアドレス,スロット番号を指定される場合(強制ルーティングと呼びます)で,INTAP V1.0,およびINTAP V2.0新形式NSAPアドレスが共存していないVASSについてはルーティング情報の設定は不要です。
次のような場合で,強制ルーティングを使用しない場合にはルーティング情報の設定が必要です。
X.25ルーティング情報名称には,定義文の中で固有な値を指定します。
このオペランドを省略するとこの定義文の構成変更はできません。
SNPA_addressオペランドで指定した相手に対し,発呼する必要がある自局の仮想スロット番号または,代表仮想スロット番号を指定します。
ただし,代表選択のグループ指定をしているグループ配下の仮想スロット番号は指定できません。
NSAP_addressオペランドで指定された相手と接続するために発呼する相手局のDTEアドレスを指定します。このオペランドは,S_addrと省略して指定することもできます。
接続する相手のNSAPアドレスを指定します。このオペランドは,N_addrと省略して指定することもできます。
VCの発呼時に付加する自局NSAPアドレスのタイプを指定します。省略した場合はtype1が仮定されます。
同じNSAPアドレスを複数のX25_route文で定義した場合,初めに定義しているX25_route文が有効となります。
ネットワークモデルでの,各オペランド設定情報の位置を次に示します。
自局と相手局が共にWAN接続の場合のネットワークモデルを図2-5に示します。
図2-5 自局と相手局が共にWAN接続の場合のネットワークモデル
表2-29 自局と相手局が共にWAN接続の場合の対応
項番 | オペランド名称 | 設定するオペランド |
---|---|---|
1 | VASS | ○ |
2 | NSAP_address | ○ |
3 | SNPA_address | ○ |
4 | NSAP_type | △ |
WAN接続からIWU経由によるLAN接続の場合のネットワークモデルを図2-6に示します。
図2-6 WAN接続からIWU経由によるLAN接続の場合のネットワークモデル
表2-30 WAN接続からIWU経由によるLAN接続の場合の対応
項番 | オペランド名称 | 設定するオペランド |
---|---|---|
1 | VASS | ○ |
2 | NSAP_address | ○ |
3 | SNPA_address | ○ |
4 | NSAP_type | △ |
INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスを使用する場合のネットワークモデルを図2-7に示します。
図2-7 INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスを使用する場合のネットワークモデル
発呼NSAPアドレスがINTAP V2.0新形式のNSAPアドレス(フリー形式含む)のとき,発呼するSNPAアドレスが求められないため,ルーティングテーブルの指定が必要です。
表2-31 INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスを使用する場合の対応
項番 | オペランド名称 | 設定するオペランド |
---|---|---|
1 | VASS | ○ |
2 | NSAP_address | ○ |
3 | SNPA_address | ○ |
4 | NSAP_type | △ |