2.2.36 X25_routeX.25ルーティング情報定義文

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 定義条件
(3) 書き方
(4) オペランド
(5) 注意事項

(1) 機能

X.25(VC)を使用する場合に,NSAPアドレスをキーとして,接続するルートを求める情報を定義します。

(2) 定義条件

全NL文より後ろに定義します。

自局と相手局の間が複数のネットワークで接続されているとき,どのルートを通れば相手局と接続できるか選択することをルーティングといいます。

使用する上位プログラム(AP)によって,相手NSAPアドレス,相手SNPAアドレス,スロット番号を指定される場合(強制ルーティングと呼びます)で,INTAP V1.0,およびINTAP V2.0新形式NSAPアドレスが共存していないVASSについてはルーティング情報の設定は不要です。

次のような場合で,強制ルーティングを使用しない場合にはルーティング情報の設定が必要です。

注※
DDX-P,INS-Pの相互接続は除きます。相互接続とは,公衆パケット交換サービスとISDNサービス(パケット交換)を接続して,相互に情報を伝達する接続方式です。

(3) 書き方

[図データ]

(4) オペランド

(a) name
X.25ルーティング情報名称 ~<英数字>((14文字以内))

X.25ルーティング情報名称には,定義文の中で固有な値を指定します。

このオペランドを省略するとこの定義文の構成変更はできません。

(b) VASS
仮想スロット番号 ~<10進数>((1~900))

SNPA_addressオペランドで指定した相手に対し,発呼する必要がある自局の仮想スロット番号または,代表仮想スロット番号を指定します。

ただし,代表選択のグループ指定をしているグループ配下の仮想スロット番号は指定できません。

(c) SNPA_address
SNPAアドレス ~<10進数>((15けた以内))

NSAP_addressオペランドで指定された相手と接続するために発呼する相手局のDTEアドレスを指定します。このオペランドは,S_addrと省略して指定することもできます。

(d) NSAP_address
NSAPアドレス ~<16進数>((2~40の偶数けた))

接続する相手のNSAPアドレスを指定します。このオペランドは,N_addrと省略して指定することもできます。

(e) NSAP_type {type1|type2}

VCの発呼時に付加する自局NSAPアドレスのタイプを指定します。省略した場合はtype1が仮定されます。

type1:
INTAP V1.0形式のNSAPアドレスを付加します。
type2:
INTAP V2.0新形式,またはフリー形式のNSAPアドレスを付加します。

(5) 注意事項

同じNSAPアドレスを複数のX25_route文で定義した場合,初めに定義しているX25_route文が有効となります。

ネットワークモデルでの,各オペランド設定情報の位置を次に示します。

(a) 自局と相手局の間が,複数のWANを経由して相手局と通信する場合(自局と相手局が共にWAN接続の場合)

自局と相手局が共にWAN接続の場合のネットワークモデルを図2-5に示します。

図2-5 自局と相手局が共にWAN接続の場合のネットワークモデル

[図データ]

図2-5中の番号は,表2-29の項番に対応します。

表2-29 自局と相手局が共にWAN接続の場合の対応

項番オペランド名称設定するオペランド
1VASS
2NSAP_address
3SNPA_address
4NSAP_type
(凡例)
○:設定が必要です。
△:自局のNSAPアドレスが,INTAP V1.0形式またはINTAP V2.0新形式(フリー形式含む)のどちらか一方のNSAPアドレスだけの場合,設定は不要です。
(b) 自局と相手局の間が,複数のWANを経由して相手局と通信する場合(WAN接続からIWU経由によるLAN接続の場合)

WAN接続からIWU経由によるLAN接続の場合のネットワークモデルを図2-6に示します。

図2-6 WAN接続からIWU経由によるLAN接続の場合のネットワークモデル

[図データ]

図2-6中の番号は,表2-30の項番に対応します。

表2-30 WAN接続からIWU経由によるLAN接続の場合の対応

項番オペランド名称設定するオペランド
1VASS
2NSAP_address
3SNPA_address
4NSAP_type
(凡例)
○:設定が必要です。
△:自局のNSAPアドレスが,INTAP V1.0形式またはINTAP V2.0新形式(フリー形式含む)のどちらか一方のNSAPアドレスだけの場合,設定は不要です。
(c) INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスを使用する場合

INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスを使用する場合のネットワークモデルを図2-7に示します。

図2-7 INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスを使用する場合のネットワークモデル

[図データ]

発呼NSAPアドレスがINTAP V2.0新形式のNSAPアドレス(フリー形式含む)のとき,発呼するSNPAアドレスが求められないため,ルーティングテーブルの指定が必要です。

図2-7中の番号は,表2-31の項番に対応します。

表2-31 INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスを使用する場合の対応

項番オペランド名称設定するオペランド
1VASS
2NSAP_address
3SNPA_address
4NSAP_type
(凡例)
○:設定が必要です。
△:自局のNSAPアドレスが,INTAP V1.0形式またはINTAP V2.0新形式(フリー形式含む)のどちらか一方のNSAPアドレスだけの場合,設定は不要です。