2.2.33 X25_group_defineX.25グループVASS定義文

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 定義条件
(3) 書き方
(4) オペランド
(5) 接続形態とオペランドの対応

(1) 機能

X.25を使用した代表選択機能を提供するネットワーク層(NL)情報を定義します。

X.25の代表選択機能とは,同一種別の網に接続する回線群をグループ化し,グループ単位に同一のアドレス(網加入時に割り当てられる代表アドレスまたは相手システムと合意した値)になるようにX.25が提供する機能です。

2.3.3 代表選択のグループ指定」を参照してください。

(2) 定義条件

回線アダプタでネットワークレイヤを'80/'84VCで使用するときに定義できます。configuration文以降に64回まで定義できます。

(3) 書き方

[図データ]

(4) オペランド

(a) name
X.25グループVASS名称 ~<英数字>((14文字以内))

X.25グループVASS名称は,定義文の中で固有な値を指定します。

このオペランドを省略するとこの定義文の構成変更はできません。

(b) VASS
代表仮想スロット番号 ~<10進数>((1~900))

代表選択機能を提供する仮想スロット番号を任意に指定できます。

代表仮想スロット番号の値は,次の点に注意して設定してください。

(c) line_type {private_PS|public_PS|ISDN_PS|ISDN_CS}

回線種別を指定します。

private_PS:
私設パケット交換サービスをグルーピングするとき指定します。
public_PS:
公衆パケット交換サービスをグルーピングするとき指定します。
ISDN_PS:
ISDNパケット交換サービス(ターミナルアダプタ(TA)経由)をグルーピングするとき指定します。
ISDN_CS:
ISDN回線交換サービス(ターミナルアダプタ(TA)経由)をグルーピングするとき指定します。
(d) network_id
ネットワーク識別子 ~<10進数>((4けた))

自局の接続するネットワークの識別子を指定します。このオペランドは,net_idと省略して指定することもできます。

私設パケット交換サービスの場合:
「8000」~「8999」
公衆パケット(DDX-P)交換サービスの場合:
「4400」~「4499」
ISDNサービスの場合:
「0000」

DTE_addressオペランドを指定していなければこのオペランドを指定することはできません。

このオペランドを定義することで,INTAP V1.0形式の代表NSAPアドレスを自動生成します。このオペランドを省略すると,HNA2次局通信機能は使用できません。また,OSI通信機能を使用する際にはnetwork_idオペランドとNSAP_addressオペランドの両方を指定できますが,この場合にはX25_route文のNSAP_typeオペランドでどちらを使用するかを定義する必要があります。

ネットワーク識別子の値は,次の点を注意して設定してください。

(e) DTE_address
代表アドレス ~<10進数>((1~10けた))

代表アドレスを指定します。このオペランドは,DTE_addrと省略して指定することもできます。

私設パケット交換サービス:
私設パケット交換網内で割り当てられた代表アドレスを指定します。
公衆パケット交換サービス:
加入を申告したとき割り当てられた代表アドレスを指定します。
ISDNサービス:
加入を申告したとき割り当てられた代表アドレスを指定します。

このオペランドを指定した場合には,X.25グループ配下のNL文のDTE_addressオペランドは無効になります。ただし,この定義文のDTE_fieldオペランドにnoが指定されていて,X.25グループ配下のNL文のDTE_fieldオペランドにyesが指定されている場合には,NL文のDTE_addressオペランドが有効になります。

(f) DTE_field {yes|no}

この定義文のline_typeオペランドの指定値がprivate_PS,public_PS,またはISDN_PSのとき,発呼パケット中に発呼DTEアドレスを付加するかどうか指定します。省略した場合はyesが仮定されます。

yes:
代表アドレスを発呼DTEアドレスとして付加します。
no:
X.25グループ配下のNL文のDTE_fieldオペランドを有効にします。ただし,NL文のDTE_fieldオペランドを有効にするときは,NL文のDTE_addressオペランドが必要になります。
(g) NSAP_address
自局NSAPアドレス ~<16進数>((2~40の偶数けた))

INTAP V2.0新形式の代表NSAPアドレスまたはフリー形式の代表NSAPアドレスを使用するとき指定します。このオペランドは,N_addrと省略して指定することもできます。

このオペランドを指定した場合には, X.25グループ配下のNL文のNSAP_addressオペランドは無効になります。

NSAPなしOSI通信機能を使用する場合は,先頭2けたにはFAを指定しないでください。

(h) buffer_pool
バッファプール名称 ~<英数字>((14文字以内))

グルーピングされた回線群が使用するバッファプール名称を指定します。このオペランドは,buf_poolと省略して指定することもできます。

バッファプール名称は,OSI_buffer文またはNLI_buffer文で指定した名称とします。

(i) pass {coexist|NLI}

専用回線識別子を指定します。省略した場合はcoexistが仮定されます。

coexist:
通常回線として使用します。
NLI:
X.25パススルー専用回線として使用します。

このオペランドでNLIを指定した場合,X.25パススルー以外の通信はできません。このオペランドの指定値は,X.25グループ配下のNL文のpassオペランドの指定値よりも優先されます。

(j) DTE_address2
自局DTEアドレス ~<10進数>((15けた以内))

自局のDTEアドレスを指定します。このオペランドは,DTE_addr2と省略して指定することもできます。

相手システムと合意した値を指定します。

このオペランドを指定した場合には,X.25グループ配下のNL文のDTE_address2オペランドは無効になります。

(5) 接続形態とオペランドの対応

接続形態とオペランドの対応を表2-26表2-27に示します。

表2-26 各接続形態のX25_group_define文/オペランド対応(パケット交換サービスおよびISDN_TA(パケット交換)サービスの場合)

定義文オペランドパケット交換サービスISDN_ TAサービス(パケット交換)
80PVC80/84VC80PVC80/84VC
V3 NSAPアドレス使用V1NSAPアドレス使用NSAPアドレスなしV3 NSAPアドレス使用V1 NSAPアドレス使用NSAPアドレスなし
X25_group_defineVASS
line_type
network_id
DTE_ address
DTE_field
NSAP_ address
buffer_pool
pass
(凡例)
○:必須のオペランド
△:省略できるオペランド
-:指定できないオペランド
V1:INTAP V1.0形式のNSAPアドレス
V3:INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスまたはフリー形式のNSAPアドレス

表2-27 各接続形態のX25_group_define文/オペランド対応(ISDN_TA(回線交換)サービスの場合)

定義文オペランドISDN_TAサービス(回線交換)
84VC
V3 NSAPアドレス使用V1 NSAPアドレス使用NSAPアドレス無し
X25_group_defineVASS
line_type
network_id
DTE_address
DTE_field
NSAP_address
buffer_pool
pass
DTE_address2
(凡例)
○:必須のオペランド
△:省略できるオペランド
-:指定できないオペランド
V1:INTAP V1.0形式のNSAPアドレス
V3:INTAP V2.0新形式のNSAPアドレスまたはフリーのNSAPアドレス