付録C.7 HNA通信機能

HNA通信機能を使用するときに出力されるコードについて説明します。

<この項の構成>
(1) エラーコード,エラー情報,理由コード,終了コード
(2) HNAセンスコード
(3) HNA2がサポートするBINDパラメタ形式
(4) AP判定情報(コネクション回復情報)

(1) エラーコード,エラー情報,理由コード,終了コード

HNA通信機能を使用するときに,XNF/ASが設定するエラーコード,エラー情報,理由コードについて説明します。

HNA1次局機能を使用したときのエラーコード,エラー情報,および理由コードを,表C-20表C-22に示します。

HNA2次局機能では,汎用サーバ機能(SLUS)を使用したときのエラーコード,エラー情報,および理由コードを表C-23表C-25に示します。また,560/20通信(NCAM)を使用したときのエラーコードおよび終了コードを表C-26表C-27に示します。

表C-20 HNA1次局のエラーコード

コード名称内容対処
ENOENT2通信管理が組み込まれていません。通信管理のPPを組み込み,再起動してください。
EINTR4シグナルを受信しました。対処不要です。
ENXIO6通信管理が閉塞中(xnfstopコマンドが入力された),またはHNA1次局が未定義です。通信管理のログを採取してください。
EBADF9指定したファイルディスクリプタが不正です。上位プログラムを見直してください。
EFAULT14メモリフォルトが発生しました。
EBUSY16通信管理を初期化中です。対処不要です。
ENODEV19無効なシステムコールを発行しました。上位プログラムを見直してください。
EMFILE24一つのプロセスでオープンできるファイル数の上限を超えました(上限のデフォルトは100です)。定義情報を見直してください。
そのほかのエラーコードをOSが返すことがあります。

 

表C-21 HNA1次局のエラー情報

コード名称内容対処
H1BADFLAG1無効な入力情報を指定しました。上位プログラムを見直してください。
H1NOFD2定義で指定した最大PLU数を超えているため,fdを割り当てられません。
H1OUTSTATE3関数を間違った順序で発行しました(該当関数を受け付けられる状態ではありません)。
H1NVPLU4PLU名称の指定が不正です。
H1PACCESS5同一PLU名称をほかのAPが使用中です。
H1INVSLUL6パラメタリスト(h1_slu構造体)の全体長が不正です。
H1INVPUF7パラメタリスト(h1_slu構造体)のPU名称部の形式が不正です。
H1INVPUG8パラメタリスト(h1_slu構造体)に指定したPU名称がHNA1の定義に指定されていません。
H1INVSLUF9パラメタリスト(h1_slu構造体)のSLU名称部の形式が不正です。
H1INVSLUG10パラメタリスト(h1_slu構造体)に指定したSLU名称が指定されていません。
H1SACCESS11パラメタリスト(h1_slu構造体)に指定したPU名称,SLU名称は,すでにほかのAPに割り当てられています。
H1LOOK12非同期のイベントが発生したため,受け付けられません。対処不要です。
H1NODATA13APに渡すデータがありません。上位プログラムを見直してください。
H1INVSID14セションIDが不正です。
H1BUSY15バッファビジー状態のため,受け付けられません。対処不要です。
H1BADDATA16送信データ量が多いため,バッファが確保できません。定義情報を見直してください。
H1BADADR17送信/受信データ領域のポインタが不正です。上位プログラムを見直してください。
H1DATAERR18パラメタリスト(h1_pb構造体)の設定内容と送信データが不一致です。
H1PDOUBLE19ほかのPU,SLU名称と,PLU名称が重複しています。
H1INVOPT20オプションフラグの指定内容が不正です。
H1PROTERR21送信要求したデータはプロトコル上誤りです。
H1SESSERR22SSCP-LUセションデータ透過指定ではないSLUに対して,SSCP-LUセションデータを送信要求しました。
H1UNMATCH23関数発行元のPLUは,SSCP-LUセションデータ透過指定されたPLUと異なるため,受け付けられません。
H1BADVER24HNA1のバージョンが不正です。
H1PARMERR25パラメタリスト(h1_pb構造体)のイベント名,または付加情報の組み合わせが不正です。
H1USING26ほかのAPプロセスが,同一fdに対してライブラリ関数を実行中のため,受け付けられません。
H1SYSERR27システムエラーが発生しました。表C-20を参照してください。
H1PBUSY28ペーシングビジー状態のため,送信要求は受け付けられません。対処不要です。

表C-22 HNA1次局の理由コード

コード意味対処
0x04420001​ACTPU応答監視タイマがタイムアウトしました。相手側の障害要因を調査してください。
0x04420003​相手局から下位層コネクションの終了要求を受信しているため,要求を拒否します。障害要因を分析してください。
0x04420007​HNA下位サブレイヤのプロトコル違反です。障害要因を分析してください。
0x04420008​PUは一時的に停止処理中です。再試行してください。
0x04440001​ACTLU応答監視タイマがタイムアウトしました。障害要因を分析してください。
0x04620000​xnfinact(非運用(PU停止))コマンドによる解放です。対処不要です。
0x04620004​HNA1のリソースが不足しています。定義を見直してください。
0x0462000​dPUがオープン処理中状態です。再試行してください。
0x0463****ACTPUに対して,-RSPを受信しました。****はシステムセンスコードを示します。-RSPの要因を分析してください。
0x04640000​xnfinact(非運用(SLU停止))コマンドによる解放です。対処不要です。
0x0465****ACTLUに対して,-RSPを受信しました。****はシステムセンスコードを示します。-RSPの要因を分析してください。
0x04820005​着信専用端末との間に経路が未確立です。定義を見直してください。
0x04820006​XIDによる相手端末の識別に失敗しました。
0x04c20002PUが非運用状態です。xnfactコマンドで運用状態にしてください。
0x04c40002SLUが非運用状態です。xnfactコマンドで運用状態にしてください。
そのほか,下位層で検知する理由コード(0x01yyyyyy,0x02yyyyyy,0x03yyyyyy)などは,使用する各種レイヤでの理由コードを参照してください。

表C-23 HNA2次局(SLUS使用時)のエラーコード

コード名称内容対処
EPERM1ファイル所有者またはスーパユーザではありません。通信管理のPPが正しく組み込まれていないため,再組み込みをしてください。
ENOENT2通信管理が組み込まれていません。
ENXIO6通信管理が閉塞しました。通信管理のログを採取してください。
EBADF9指定したファイルディスクリプタが不正です。上位プログラムを見直してください。
EACCES13アクセス権のないファイルをオープンしようとしました。通信管理のPPを組み込んで,再起動してください。
EFAULT14APが指定したバッファが不正で,メモリフォルトが発生しました。上位プログラムを見直してください。
EBUSY16通信管理が初期化中です。対処不要です。
EMFILE241プロセスでオープンできるファイル数を超えてオープンしました。定義情報を見直してください。
ETXTBSY26ハードウェア異常で通信管理再初期化中,または該当するスロットに対する下位層がオフライン状態です。保守員に連絡してください。
そのほかのエラーコードをOSが返すことがあります。

 

表C-24 HNA2次局(SLUS使用時)のエラー情報

コード名称内容対処
H2BADADDR1指定したホスト識別IDまたは自局LU番号が不正です。上位プログラムを見直してください。
H2BADOPT2指定したオプション形式が不正です。
H2ACCES3ほかのユーザが該当するSLUを使用中,またはシステムゼネレーション指定範囲外のアドレスを指定しました。
H2OUTSTATE6マクロを誤った順序で発行しました。
H2SYSERR8システムエラーです。表C-23を参照してください。
H2LOOK9非同期イベントが発生しました。対処不要です。
H2BADDATA10指定したデータ長が長過ぎます。上位プログラムを見直してください。
H2BUFOVFLW11情報を設定するための引数に割り当てられたバイト数が,引数の値を保存するのに不十分です。
H2NODATA13受信イベントがないときに,h2_rcvまたはh2_lookマクロの発行を受け付けました。
H2BADFLAG16オープンフラグが不正です。
H2NOTSUPPORT18未サポートマクロまたは未サポートイベントを発行しました。
H2DATAERR100データ形式が不正です。
H2BADVER101パラメタリスト(h2_pb構造体)の初期化漏れなどです。
H2BADSID102指定したセション識別IDが不正です。
H2NOFID103SLUSの通信エンドポイントが不足しました。定義情報を見直してください。
H2BADSTATE104セション状態の不正などが発生しました。上位プログラムを見直してください。
H2BUSY105ビジー制御のため,送信要求の受け付けができません。対処不要です。
H2PBUSY106ペーシングビジーのため,送信要求の受け付けができません。

表C-25 HNA2次局(SLUS使用時)の理由コード

コード意味対処
044011**ACTPU受信障害要因を分析し,セション再設定をしてください。
044012**ACTLU受信
044013**DACTLU受信
044014**DACTPU受信
04402***接続要求でタイムアウト発生
044031**セグメントエラー発生(SSCP-LUデータ受信)
044032**セグメントエラー発生(LU-LUデータ受信)
044033**セグメントエラー発生(SCコマンド受信)
044041**HNA2内部リソース確保失敗
04c04200HNA2内部リソース状態不正ほかの通信管理プログラムとの組み合わせ,および定義情報を見直してください。
044051**DL/NLコネクション切断発生障害要因を分析し,セション再設定をしてください。
04406100​再初期化発生,または該当するスロットに対する下位層がオフライン状態
04e07100xnfstopの入力対処不要です。
注1
**,***は,HNA2内部状態を示します。
注2
そのほかの,下位層で検知する理由コード(0x01yyyyyy,0x02yyyyyy,0x03yyyyyyなど)については,使用する各種レイヤでの理由コードを参照してください。

 

表C-26 HNA2次局(NCAM使用時)のエラーコード

名称内容
EINTR4強制終了(SIGKILL,SIGTERM)を受けました。
EIO5openシステムコールで指定された通信用スペシャルファイルがopen済みです。
ENXIO6次のどれかです。
  • 通信管理が閉塞しました。
  • xnfstopが入力されました。
  • 支援していないLUを使用しようとしました。
  • 通信用アダプタが実装されていません。
  • ゼネレーションで,デフォルトアドレスの設定がないLUに対して,通信APで相手アドレスを設定しませんでした。
EFAULT14メモリフォルトが発生しました。
EBUSY16通信管理が初期化中です。
ETXTBSY26ハードウェア異常で通信管理再初期化中,または該当するスロットに対する下位層がオフライン状態です。
そのほかのエラーコードをOSが返すことがあります。

 

表C-27 HNA2次局(NCAM使用時)の終了コード

名称readシステムコールでの意味writeシステムコールでの意味ioctlシステムコールでの意味
CC_NL0x0000データ受信(残りのデータなし)正常終了正常終了
CC_DT0x0001データ受信(残りのデータあり)該当しません。該当しません。
CC_BID0x0002BIDコマンド受信
CC_EOM0x0003論理メッセージの終結
CC_SIG0x0004SIGNAL受信
CC_BIND0x0005セションパラメタ受信
CC_STAT0x0006
  • セション状態の変化
  • アダプタ初期化終了
  • 公衆網接続完了
  • HDLCリンク確立
  • NLリンク確立
CC_PAC0x0007BIU受信でのペーシングカウントの変化(SLUタイプ1のときだけ)
CC_ERLEN0x0100受信バッファ長<セションパラメタ長
CC_ERFC0x0101該当しません。ioctlで指定したrequest,または機能コード未サポート
CC_ERCA0x0200アダプタエラー発生同左同左
CC_ERDL0x0201HDLCエラー発生同左同左
CC_ERDDX0x0202NLエラー発生同左同左
CC_ERSEG0x0203セグメントエラー該当しません。該当しません。
CC_ERHDX0x0300該当しません。送信権なしエラー同左
CC_NRSP0x0301HNAプロトコル上の否定応答受信同左同左
CC_ERHNA0x0302該当しません。
  • LU-LUの場合
    DTOFFによって送信できません。
  • SSCP_LUの場合
    SSCP_LUOFFによって送信できません。
同左
CC_ERSTAT0x0303該当しません。
  • 送信チェイン状態がチェイン中の場合
    First Dataを指定しました。
  • 送信チェイン状態が初期状態の場合
    First Data以外を指定しました。
  • SSCP_LUフロー時,送信データ長に256を超える値を指定しました。
  • request=R_COMP
    <正常終了>
    1BIUをすべてreadしていません。
    <異常終了>
    BIUをreadしていません。
  • request=R_STAT
    <SIGNALコマンド送信時>
    即時制御に違反しています。
    <回線の接続/切断時>
    専用回線です。
  • request=R_GETPRM
    LU_LUセションがありません。
CC_08010x0801-RSP(0x0801)送信該当しません。該当しません。
CC_08050x0805-RSP(0x0805)送信
CC_08130x0813-RSP(0x0813)送信
CC_08150x0815-RSP(0x0815)送信
CC_081B0x081B-RSP(0x081B)送信
CC_08210x0821-RSP(0x0821)送信
CC_10030x1003-RSP(0x1003)送信
CC_20010x2001-RSP(0x2001)送信
CC_20020x2002-RSP(0x2002)送信
CC_20030x2003-RSP(0x2003)送信
CC_20050x2005-RSP(0x2005)送信
CC_400F0x400F-RSP(0x400F)送信
CC_80040x8004-RSP(0x8004)送信
CC_80050x8005-RSP(0x8005)送信
CC_80080x8008-RSP(0x8008)送信
CC_80090x8009-RSP(0x8009)送信
CC_800F0x800F-RSP(0x800F)送信

(2) HNAセンスコード

HNA通信機能で相手システムに送信するHNAセンスコードを表C-28表C-29に示します。

ネットワーク層,回線アダプタ制御の詳細エラーコードについては,表C-7表C-14を参照してください。

表C-28 HNAセンスコード

センスコード名称返送要因HNA1HNA2
0x0801リソースなしペーシング不正のリクエストを受信しました。※1
0x0805セション制限超過使用できるセション数を超えました。※2
0x0807リソース使用不可PLU名称が解析できませんでした。
0x0809モード不一致RQR応答送信前に再度RQRを受信しました。
0x080A実行不能(通知なし)上位未オープン状態でBINDを受信しました(自動ログオン未使用のとき)。
0x080C要求実行機能なしSSCPメッセージの解釈ができません。
0x0813ブラケット開始拒否(RTRなし)ブラケット開始要求に対して拒否されました。※2
0x0815機能活性済みLUセション活性済みの状態でBINDを受信しました。
0x081Aシーケンス誤りSSCP/LUセションでのデータとLUセションのステータスが不正です。
0x081B競合状態データ送信処理中でのデータを受信しました。※2
0x0821セションパラメタ不正セションパラメタの内容が不正です。
0x0827再試行要求INIT-SELF,またはログオン受信時に,該当するLUでの処理ができませんでした。
0x0831LU対応機能使用不可電源断などで,該当するLUに対する処理実行ができなくりました。※2
0x0835パラメタ不正STSNコマンド,または応答のRUが不正です。※3
0x0845実行不能(通知あり)上位未オープン状態でBINDを受信しました(自動ログオン使用のとき)。
0x1002RU長異常RU長が不正なデータを受信しました。※2
0x1003未サポート機能サポートしていない機能を示すデータを受信しました。※4
0x1005パラメタ異常RQコードが不正です。また,RU長が規定の長さ未満です。
0x1007カテゴリ不可使用できないカテゴリのデータを受信しました。※1
0x2001シーケンス異常リクエストのシーケンス番号の誤りです。
0x2002チェイン違反チェイン状態の違反です。※2
0x2003ブラケット違反ブラケット状態の違反です。※2
0x2005DT OFFDTステータスがOFF状態です。
0x2007DT ONDTステータスがON状態です。※1
0x4001RH異常RHの形式の誤りです。
0x4007RQD不可RQDができないセションで,RQDのリクエストを受信しました。※2
0x4008ペーシング不可ペーシング未使用のセションで,ペーシング要求付きのリクエストを受信しました。
0x400FFI誤りFI=YのFMデータを受信しました。※2
0x8004DAF不正DAFの値を認識できません。
0x8005セションなしセション未確立状態でデータ受信をしました。※1
0x8007セグメント異常セグメント違反のデータ受信をしました。
0x8008PU非活性PU活性以前のデータ受信をしました。
0x8009LU非活性LU活性以前のデータ受信をしました。
0x800EOAF認識不能OAFの値を認識できません。
0x800Fアドレス組み合わせ異常PUあてにSSCP以外からのデータ受信をしました。※2
(凡例)
○:送信します。
-:該当しません。
注※1
HNA2次局通信機能で,汎用サーバ機能を使用したときに送信します。
注※2
HNA2次局通信機能で,560/20通信を使用したときに送信します。
注※3
HNA1次局通信機能で応答は返しませんが,障害情報(ソフトウェアロギング)を採取します。
注※4
HNA2次局通信機能で,560/20通信を使用し,外字が発生したときに0x10030010を送信します。

 

表C-29 HNA2のセンスコードの意味,要因,および対処

センスコード意味,要因,および対処
0x0801リソースなし(ペーシング不正のリクエストを受信)
要因:
相手局から,ペーシングカウント値を無視したデータを受信しました。
対処:
相手局の通信管理の見直しをしてください。
0x080A実行不能(通知なし)(上位未オープン状態でのBIND受信(自動ログオン機能未使用のとき))
要因:
自動ログオン機能を使用しないLUに対して,相手局からBINDを受信しましたが,HNA2の上位APを起動していないため,HNA2が否定応答をしました。
対処:
(1)上位APを起動後,相手局からBINDを送るようにしてください。
(2)上位APを起動しても,同一のセンスでエラーとなる場合は,定義不正が考えられるため,相手局側のSLU定義と自局の定義(max_xx_LU)を見直してください。
0x0813ブラケット開始拒否(RTRなし)(ブラケット開始要求に対して拒否)
要因:
ブラケット開始要求に対して,HNA2が拒否しました(相手局とのプロトコル不正が発生しています)。HNA2が回復してもRTRは送信しません。
対処:
相手局との送受信シーケンスを見直してください。
0x0815機能活性済み(LUセション活性済みでのBIND受信)
要因:
LU-LUセション活性化済みで,BINDコマンドを受信しました。
対処:
相手局の通信管理を調査してください。
0x081B競合状態(データ送信処理中でのデータ受信)
要因:
端末からのデータ送信要求と,相手局からのデータ送信がすれ違いになりました。
対処:
業務開始シーケンスを見直してください。
0x0821セションパラメタ不正(セションパラメタの内容が不正)
要因:
相手局が発行したBINDパラメタが,HNA2で受信できる形式ではないため,否定応答しました。
対処:
付録C.7(3) HNA2がサポートするBINDパラメタ形式」を参照し,相手局で発行するBINDパラメタを修正してください。
0x0831LU対応機能使用不可(電源断などでLUに対する処理実行ができない)
要因:
上位APを終了したため,その後受信したデータに対してHNA2ドライバが否定応答しました。
対処:
上位APの問題のため,上位AP側を調査してください。
0x0845実行不能(通知あり)(上位未オープン状態でのBIND受信(自動ログオン機能使用のとき))
要因:
自動ログオン機能を使用するLUに対して,相手局からBINDを受信しましたが,HNA2の上位APを起動していないため,HNA2が否定応答をしました。BINDを受信できるようになった時点(APが起動した時点)で,相手局にNOTIFYを通知します(通常運用で発生)。
対処:
(1)上位APを起動後,相手局からBINDを送るようにしてください。HNA2は,ACTLUやNOTIFYでSLUの実行可否を通知するため,相手局がその通知を受けたタイミングでBINDを発行するようにしてください。
(2)上位APを起動しても,同一のセンスでエラーとなる場合は,定義不正が考えられるため,相手局側のSLU定義と自局の定義(max_xx_LU)を見直してください。
0x1002RU長異常(RU長が不正なデータ受信)
要因:
相手局からRU長が不正なデータを受信しました(相手局要因)。
対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x1003未サポート機能(サポートしていない機能を示すデータ受信)
要因:
相手局から未サポートコマンドを受信しました。
対処:
相手局からこのコマンドを送信しないように対策してください。
0x1007カテゴリ不可(FI=NのSCコマンドを受信)
要因:
FI=NのSCコマンドを受信しました。
対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2001シーケンス異常(リクエストのシーケンス番号の誤り)
要因:
シーケンス番号が誤っているデータを受信しました(相手局要因)。
対処:
(1)相手局の通信管理の見直しをしてください。
(2)通信装置との定義不正などで,回線上でデータ抜けなどが発生していないことを確認してください。
0x2002チェイン違反(チェイン状態の違反)
要因:
チェイン状態の違反です(相手局要因)。
対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2003ブラケット違反(ブラケット状態の違反)
要因:
ブラケット状態の違反です(相手局要因)。
対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2005DT OFF(DTステータスがOFF)
要因:
DTオフ状態でSC(セションコマンド)以外のLU-LUデータを受信しました(相手局要因)。
対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x2007DT ON(DTステータスがON)
要因:
DTオン状態でSTSNを受信しました(相手局要因)。
対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x4007RQD不可(RQDができないセションでRQDのリクエストを受信)
要因:
RQDができないセションで,RQDのリクエストを受信しました(相手局要因)。
対処:
相手局の見直しをしてください。
0x400FFI誤り(FI=YのFMデータを受信)
要因:
FI=YのFMデータを受信しました(相手局要因)。
対処:
相手局の通信管理またはアプリケーションの見直しをしてください。
0x8004DAF不正(DAFの値を認識できません)
要因:
HNA2で定義していないLUに対してデータ(コマンド)を受け付けたため,HNA2が否定応答しました(定義不正)。
対処:
(1)相手局のSLU定義とHNA2の定義(max_xx_LU)を合わせてください。
(2)SLUSでの接続の場合は,定義(HNA2_destination,HNA2_PU)が相手局のアドレスと合っていることも確認してください。
0x8005セションなし(セション未確立状態でのデータ受信)
要因:
必要なセション(SSCP-PUセション,SSCP-LUセションなど)を活性化する前に,相手局がそのセション上でデータ(コマンド)を送信しました(相手局不正)。
対処:
相手局側の問題であるため,相手局の通信管理またはアプリケーション側でプロトコル違反をしていないか調査してください。
0x8007セグメント異常(セグメント違反のデータ受信)
要因:
相手局が,セグメント分割送信したデータをHNA2で組み立て中に,HNA2がセグメント組み立て異常を検出しました(相手局要因)。
対処:
(1)相手局の通信管理で,セグメント分割手順に誤りがないかを調査してください。
(2)通信装置との定義不正などで,回線上でデータ抜けなどが発生していないかを確認してください。
0x8008PU非活性(PU活性以前のデータ受信)
要因:
SSCP-PUセション未確立(ACTPU)時に,ACTPU以外のデータを受信しました。
対処:
相手局の通信管理に誤りがないかを調査してください。
0x8009LU非活性(LU活性以前のデータ受信)
要因:
SSCP-LUセション未確立(ACTLU未受信)時に,ACTLU以外のSLUに対するデータを受け付けました。
対処:
相手局の通信管理に誤りがないかを調査してください。
0x800Fアドレス組み合わせ異常(PUあてにSSCP以外からのデータ受信)
要因:
TH内のDAFがX'00'で,OAFがX'00'以外のデータを受信しました(相手局要因)。
対処:
相手局からこのデータを送信しないように対策してください。

(3) HNA2がサポートするBINDパラメタ形式

HNA2を使用する場合のBINDパラメタ形式およびBINDパラメタ不正コードについて説明します。

(a) 560_LUの場合

560_LUの場合のBINDパラメタ形式を表C-30に示します。

なお,次の形式でなければなりません。

注※
[a-b]は,文字aから文字bまでの任意の1文字があてはまることを意味します。

 

表C-30 560_20LUの場合のBINDパラメタ形式

バイト位置正解値マスクチェック内容
00x310xff全ビットチェック
10x010xff全ビットチェック
20x030xff全ビットチェック
30x030xff全ビットチェック
40x000x421ビット目と6ビット目をチェック
50x000x421ビット目と6ビット目をチェック
60x300x302ビット目と3ビット目をチェック
70x800xb10,2,3ビット目と7ビット目をチェック
140x0[1-3]0xff全ビットチェック
(b) SLUS_LUの場合

SLUS_LUの場合のBINDパラメタ形式を表C-31に示します。

なお,次の形式でなければなりません。

[a-b]は,文字aから文字bまでの任意の1文字があてはまることを意味します。

 

表C-31 SLUS_LUの場合のBINDパラメタ形式

バイト位置正解値マスクチェック内容
00x310xff全ビットチェック
10x010xff全ビットチェック
30x0[3-4]0xff全ビットチェック
(c) BINDパラメタ不正エラーコード

BINDパラメタ不正エラーコードを表C-32に示します。

表C-32 BINDパラメタ不正エラーコード

コード意味
1BINDパラメタ長が規定より小さいです(LUタイプ1/2/3)。
2次のどれかです。
  • フォーマットがB'0000'ではありません(LUタイプ1/2/3)。
  • 起動タイプが非交渉形ではありません(LUタイプ1/2/3)。
  • FMプロファイルが3ではありません(LUタイプ1/2/3)。
  • TSプロファイルが3ではありません(LUタイプ1/2/3)。
3PLUプロトコル不正です。
5SLUプロトコル不正です。
6共通プロトコル不正です。
14PLUプロトコルのOIC以外も送信しました。
15PLUプロトコルの即時要求モードを使用しません。
16PLUプロトコルのチェイン応答タイプが,例外応答要求だけ送信ではありません。
17PLUプロトコルの圧縮をします。
18SLUプロトコルのOIC以外も送信しました。
19SLUプロトコルの即時要求モードを使用しません。
20SLUプロトコルのチェイン応答タイプが,例外応答要求だけ送信ではありません。
21共通プロトコルのFMHを使用します。
22共通プロトコルのブラケットを使用します。
23共通プロトコルの交代コードがB'0'ではありません。
24共通プロトコルの通常フロー通信モードが全二重ではありません。
25PSプロファイルが0ではありません。

(4) AP判定情報(コネクション回復情報)

HNA2次局機能の汎用サーバ機能(SLUS)を使用した場合のAP判定情報(コネクション回復情報)を表C-33に示します。

表C-33 HNA2次局機能の汎用サーバ機能(SLUS)を使用した場合のAP判定情報(コネクション回復情報)

マクロ名要因意味リトライ可否
H2_EROLDF0x00通常のパラメタエラー,プロトコルエラーAPの独自基準で判定
H2_ERBUSY0x20通信網の通信リソースが短期的にビジー状態一定の時間間隔で複数回の再試行が望ましい
H2_ERPDST0x40プロトコルによって相手局要因で異常終了
H2_ERNRTY0x60再試行が望ましいそのほかの要因
H2_ERHARD0x80ハードウェア障害によってアダプタが使用できないなどの恒久的要因(閉塞)再試行は無意味×
H2_ERDEST0xa0通信網の通信リソースが長期的にビジー状態再試行にはオペレータの判断が必要
H2_ERPSRC0xc0自局のプロトコル上の要因で接続不可(自局要因)
H2_ERHALT0xe0オペレータの判断が必要なそのほかの長期的要因
H2_EREROR0xff障害情報未発生APの独自基準で判定
(凡例)
○:リトライできます。
×:リトライできません。