3.3.1 リソースの追加

XNF/ASは開始時に,定義文ファイルのconfiguration文,HNA1文,およびHNA2_configuration文のmax_***オペランドで指定された値だけリソースを使用できるようにします。図3-2および図3-3に各定義文のmax_***オペランドと追加できるリソースの関係を示します。

図3-2 configuration文のmax_***オペランドと追加できるリソースの関係(1/2)

[図データ]

図3-3 configuration文のmax_***オペランドと追加できるリソースの関係(2/2)

[図データ]

リソースは,configuration文,HNA1文,およびHNA2_configuration文のmax_***オペランドで定義した数まで追加できます。また,xnfdeleteコマンドでリソースを削除すると,削除した数だけの追加もできます。ただし,一度xnfstartコマンドでXNF/ASを開始すると,XNF/ASを停止するまでconfiguration文,HNA1文,およびHNA2_configuration文の変更はできません。

リソースの追加は各定義文のnameオペランドで指定した名称で行います。nameオペランドが必要でない定義文に対しても,nameオペランドを指定することをお勧めします。

構成追加の結果は,xnfstart -Rコマンドを入力し,次に示す手順で確認します。

  1. comlogコマンドを入力するか,syslogファイルを参照し,XNF/ASのエラーメッセージが出力されていないか確認します。
  2. エラーメッセージが出力されている場合は,エラーメッセージに従い構成定義の変更からやり直してください。
  3. エラーメッセージが出力されていない場合は,xnfshowコマンドで追加リソースが正しく追加できたか確認します。xnfshowコマンドでリソースを不当な場所に追加したことが判明した場合などは,追加リソースをxnfdeleteコマンドで削除後,構成定義の変更からやり直してください。
  4. xnfshowコマンドでリソースの追加確認後,xnftestコマンド,xnfonlineコマンドなどで,追加リソースが正しく動作するか確認します。動作確認で,リソース追加の誤りを発見した場合は,追加リソースをxnfdeleteコマンドで削除後,構成定義の変更からやり直してください。

構成追加できるリソースと定義文の関係,および操作方法を,表3-1および表3-2に示します。

表3-1 configuration文,HNA1文,およびHNA2_configuration文のmax値の定義と構成変更

定義文名称オペランド名称オペランドの概要オペランドが
構成変更に関係
するかどうか
configurationmax_TSAP最大TSAP数×
max_OSI_associationOSI最大アソシエーション数×
max_HDLCpass_linkHDLCパススルーの最大コネクション数
max_HSCline最大HSC手順回線数
max_NCSBline最大NCS-B手順回線数
max_link回線アダプタに接続される最大リンク数
max_line回線アダプタに接続される最大回線数
max_SWgroup回線アダプタに接続される最大公衆グループ数
max_Line_adapter最大回線アダプタ
max_TLI_connectionTLI最大コネクション数×
max_TC_class02TLクラス0/2の最大トランスポートコネクション数×
max_TL_loop_back_connection自局AP間通信の最大コネクション数×
max_NLI_VCNLI(VC)の最大ネットワークコネクション数×
max_NLI_PVCNLI(PVC)の最大ネットワークコネクション数×
max_X25_VASSX.25の最大仮想スロット数
max_X25_linkX.25の最大リンク数×
max_X25_groupX.25のグループVASS情報の最大数
max_X25_routeX.25のルーティング情報の最大数
max_X25_infoX.25の着信課金/Qos情報の最大数
max_VC_network_connectionX.25(VC)の最大ネットワークコネクション数×
max_PVC_network_connectionX.25(PVC)の最大ネットワークコネクション数×
max_AP_identification最大AP識別子数
max_TPTCP_connectionOSI拡張機能の最大トランスポートコネクション数×
max_TPTCP_VCOSI拡張高信頼化機能用の最大仮想サーバ数
max_TPTCP_pathOSI拡張高信頼化機能用の最大パス数×
max_TPTCP_vhostOSI拡張高信頼化機能用の最大相手先ホスト数×
HNA1max_PLU最大PLU数×
max_PU最大PU数
max_SLU最大SLU数
max_connection最大コネクション数×
max_USSTBL最大USSTBL数
max_USSDATA最大USSDATA数
max_logon_PLU最大ログオン先PLU数
HNA2_configurationdefault_slot_noデフォルト通信HNA2スロット番号
max_560_LU最大560/20系LU数
max_extend_LU最大560/20系拡張LU数
max_SLUS_count最大同時接続SLU数×
max_SLUS_LU最大SLUS用LU数
(凡例)
○:構成変更に関係することを示します。
×:構成変更に関係しないことを示します。
configuration文,およびHNA1文の定義内容はXNF/ASの稼働中に変更できません。また,HNA2_configuration文のdefault_slot_no以外のオペランドは変更できません。
注※
HDLCパススルーのリンクを定義するのはlink文です。構成変更時の操作方法は表3-2のlink文の説明を参照してください。

表3-2 構成変更できるリソースと定義文の関係および操作方法

定義文名称定義文の概要構成変更可否追加できる数削除の方法
および注意事項
追加後のリソース起動方法
basicline回線アダプタに接続されたベーシック手順回線configuration文のmax_HSClineまたはmax_NCSBline値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • xnfofflineコマンドで該当する回線をオフライン状態にしておく必要があります。
xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
configuration構成定義開始宣言×
group回線アダプタに接続された回線グループ最大400group文に対してはxnfdeleteコマンドを入力できません。xnfdeleteコマンドで回線アダプタを削除するか,group文の下位リソースであるbasiclineまたはlineをすべて削除すると,group文が自動的に削除されます。
group文の下位リソースであるbasiclineまたはlinkに対しxnfonlineコマンドを入力します。
HDLC_bufferHDLCパススルー用バッファ×
HNA1HNA1構成定義開始宣言×※1
HNA1_bufferHNA1用バッファ×
HNA1_PUHNA1用PUHNA1文のmax_PU値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • xnfinactコマンドで,あらかじめ,HNA1_PUを非運用状態にする必要があります。
  • HNA1_PUが使用するVASS(link,NL,SW_group_define,X25_group_define)が削除されると,自動的に削除されます。
xnfactコマンドでHNA1_PUを運用状態にしてください。
HNA1_SLUHNA1用SLUHNA1文のmax_SLU値。ただし,HNA1_SLU文でlogon_PLU_name,またはthrough_PLUを指定する場合,そこで指定する,異なるPLU名称の合計数は,HNA1文のmax_logon_PLU値を超えることはできません。
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • xnfinactコマンドで,あらかじめ,HNA1_SLUを非運用状態にする必要があります。
  • HNA1_SLUが属するHNA1_PUを削除すると,HNA1_SLUも自動的に削除されます。
xnfactコマンドでHNA1_SLUを運用状態にしてください。
HNA2_bufferHNA2用バッファ×
HNA2_configurationHNA2構成定義開始宣言※2default_slot_noだけ変更できます。
  • default_slot_noで指定したHNA2_slotを,xnfofflineコマンドでオフライン状態にしたあと,xnfdeleteコマンドでHNA2_slotを削除すると,自動的に削除されます。
  • default_slot_noで指定したHNA2_slotが使用するリンクを,xnfdeleteコマンドで削除すると,自動的に削除されます。
default_slot_noで指定したHNA2_slotを,xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
HNA2_destinationHNA2接続先最大64
  • HNA2_destinationで指定したHNA2_slotを,xnfofflineコマンドでオフライン状態にしたあと,xnfdeleteコマンドでHNA2_slotを削除すると,自動的に削除されます。
  • HNA2_destinationで指定したHNA2_slotが使用するリンクをxnfdeleteコマンドで削除すると,自動的に削除されます。
HNA2_destination文で指定したHNA2_slotを,xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
HNA2_LUHNA2用LUHNA2_PU文下に最大254(ただし,HNA2_configuration文のmax_560_LU,max_extend_LU,およびmax_SLUS_LUの合計値だけ有効です)
  • HNA2_LUが属するHNA2_PUを削除すると,自動的に削除されます。
HNA2_PU文が使用する接続先情報(HNA2_destination文)で指定したHNA2_slotを,xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
HNA2_PUHNA2用PU最大32
  • HNA2_PU文が使用する接続先情報(HNA2_destination文)で指定したHNA2_slotを削除すると,自動的に削除されます。
HNA2_PU文が使用する接続先情報(HNA2_destination文)で指定したHNA2_slotを,xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
HNA2_slotHNA2用スロット最大8
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • xnfofflineコマンドで,あらかじめHNA2_slotをオフライン状態にする必要があります。
  • HNA2_slotが使用するリンクを削除すると,自動的に削除されます。
  • HNA2_slotを削除すると,HNA2_slotを使用する次の構成定義文も削除されます。
    HNA2_destination
    HNA2_PU
    HNA2_LU
    560_LU
xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
line回線アダプタに接続されたラインconfiguration文のmax_line値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • 削除する回線下の全リンクを先にxnfdeleteコマンドで削除する必要があります。
回線下のリンクに対しxnfonlineコマンドを入力し起動します。
Line_adapter回線アダプタconfiguration文のmax_Line_adapter値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • xnfofflineコマンドで回線アダプタをあらかじめオフライン状態にする必要があります。
  • Line_adapterを削除すると,Line_adapter下の下位リソースも自動的に削除されるため,下位リソースに対するxnfdeleteコマンドの入力は不要です。
xnfonlineコマンドで起動,あるいはxnfstandbyコマンドでスタンバイ状態にします。回線アダプタの起動が完了すると,回線アダプタ下の全リソースも自動的に起動します。
link回線アダプタに接続されたリンクconfiguration文のmax_link値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • xnfofflineコマンドであらかじめ,リンクをオフライン状態にする必要があります。
xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
NLネットワーク層(NL)configuration文のmax_X25_VASS値NL文が属するlinkをxnfdeleteコマンドで削除すると,自動的に削除されます。
xnfstart -Rだけで起動します。
NLI_bufferX.25パススルー用バッファ×
OSAS_APIOSAS_APIconfiguration文のmax_AP_identification値
  • xnfdelete -x osas_apiで削除します。
  • AP識別子を使用しているAPはすべて停止している必要があります。APの停止はxnfshow -x osasで確認してください。
xnfstart -Rだけで起動します。
OSI_bufferOSI用バッファ×
SLOSIセッション(SL)層×
SW_group_define回線アダプタに接続された公衆グループconfiguration文のmax_SWgroup値
max_SWgroupオペランドの指定がない場合,追加はできません。
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • 先に,xnfdeleteコマンドで,公衆グループを構成するリンク(SW_group_define文のVASS値を,link文のSW_group_VASSオペランドで指定)を削除する必要があります。
公衆グループを構成するリンクに対してxnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
TL02OSIトランスポート(TL)層クラス02×
TPTCP_bufferOSI拡張機能用バッファ×
TPTCP_commonOSI拡張高信頼化機能用共通定義文×
TPTCP_defineOSI拡張機能の情報定義×
TPTCP_slotOSI拡張機能用自局IPアドレスの情報定義×
TPTCP_VCOSI拡張高信頼化機能用仮想サーバの定義configuration文のmax_TPTCP_VCの値
  • xnfdelete -nコマンドで削除します。
  • xnfofflineコマンドで該当する仮想サーバをオフライン状態にしておく必要があります。
xnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
USSDATA不定様式ログオン/ログオフ定義HNA1文のmax_USSDATA値
  • xnfdelete -x hna1ussで削除します。
  • 不定様式ログオン/ログオフ定義情報は,xnfdeleteコマンドを入力しても,メモリ上からすぐには削除されません。メモリ上から削除されるのは,定義文を変更し,xnfgenコマンドでゼネレーションファイル作成後,xnfstart -Rコマンド入力時です。
  • 特定の不定様式ログオン/ログオフ定義情報を変更する場合も,xnfdeleteコマンド入力,定義文変更,xnfgenコマンドでゼネレーションファイル作成,xnfstart -Rコマンドの入力が必要となります。
xnfstart -Rだけで起動します。
USSTBL不定様式ログオン/ログオフテーブル開始定義HNA1文のmax_USSTBL値
xnfstart -Rだけで起動します。
X25_acceptX.25受諾専用情報configuration文のmax_X25_info値
  • xnfdelete -nオプションでX25_infoを削除すると,自動的に削除されます。
  • NL文が属するlinkをxnfdeleteコマンドで削除すると,自動的に削除されます。
xnfstart -Rだけで起動します。
X25_group_defineX.25グループVASS定義configuration文のmax_X25_group値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • 削除するX25_group_define文のVASS値を指定した,NL文(X25_group_VASS)が属するリンクを削除しておく必要があります。
  • X25_group_define文にnameオペランドを指定しないと構成変更できません。
xnfstart -Rだけで起動します。
X25_infoX.25相手指定情報configuration文のmax_X25_info値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • NL文が属するlinkをxnfdeleteコマンドで削除すると,自動的に削除されます。
  • X25_info文にnameオペランドを指定しないと構成変更できません。
xnfstart -Rだけで起動します。
X25_requestX.25要求専用情報configuration文のmax_X25_info値
  • xnfdelete -nオプションでX25_infoを削除すると,自動的に削除されます。
  • NL文が属するlinkをxnfdeleteコマンドで削除すると,自動的に削除されます。
xnfstart -Rだけで起動します。
X25_routeX.25ルーティング情報configuration文のmax_X25_route値
  • xnfdelete -nオプションで削除します。
  • NL文が属するlinkをxnfdeleteコマンドで削除すると,自動的に削除されます。
  • X25_route文にnameオペランドを指定しないと構成変更できません。
xnfstart -Rだけで起動します。
560_LU560/20系LUHNA2_configuration文のmax_560_LU値
  • 560_LU文が使用する接続先情報(HNA2_destination文)で指定したHNA2_slotを削除すると,自動的に削除されます。
560_LU文が使用する接続先情報(HNA2_destination文)で指定したHNA2_slotをxnfonlineコマンドでオンライン状態にしてください。
(凡例)
○:構成変更できます。
×:構成変更できません。
-:構成変更の操作ができません。
注※1
HNA1文のオペランドを変更しないでください。
HNA1文の次のオペランドを変更すると,同時に追加したHNA1_PU文でこれらのオペランドの指定を省略しているときに,HNA1_PU文のオペランドにHNA1文の変更後の指定値が使用されるので注意が必要です。
  • connect_retry
  • connect_retry_interval
  • reset_retry_interval
  • session_response_time
  • XID_response_time
  • XID_retry
注※2
HNA2_configuration文のdefault_slot_no以外のオペランドを変更しないでください。
HNA2_configuration文の次のオペランドを変更すると,同時に追加したHNA2_PU文,およびHNA2_LU文でこれらのオペランドの指定を省略しているときに,HNA2_PU文,およびHNA2_LU文のオペランドにHNA2_configuration文の変更後の指定値が使用されるので注意が必要です。
  • auto_logon
  • unbind_notify