1.1 特長

XNF/AS(Extended HNA based communication Networking Facility/for Advanced Server)は通信管理プログラムです。XNF/ASには次のような特長があります。

<この節の構成>
(1) 大規模なネットワークの構築
(2) 多様な通信プロトコルへの対応
(3) 構成情報の作成と管理
(4) 連続運転への対応
(5) 保守機能の強化
(6) ハードウェア障害に対する機能の強化

(1) 大規模なネットワークの構築

高速バスPCIバスまたはPCI Expressバス)に接続する回線アダプタを使用できます。回線アダプタを複数枚使用することで,多数の高速回線を1台のサーバに接続できるため,大規模なネットワークを構築できます。

(2) 多様な通信プロトコルへの対応

XNF/ASは,国際標準のOSIプロトコル,日立のHNAプロトコルや広く利用されているベーシック手順などの通信プロトコルに対応しています。また,X.25パススルー※1HDLCパススルー※1OSI拡張機能※2,およびUNIX標準のTLIの機能を備えています。これらの機能を利用して,さまざまな業界標準のプロトコルを持つ相手システムと接続できます。

注※1
XNF/ASがX.25プロトコルHDLCプロトコルを制御し,その上位にユーザデータを転送する機能です。
注※2
RFC1006プロトコルに基づく,TCP/IP上でOSI通信(OSI通信機能とTLI通信機能)を実現する機能です。

(3) 構成情報の作成と管理

ネットワークの規模が大きくなると定義する構成情報も増加します。XNF/ASは,ユーザが容易に構成情報を作成できる機能(構成定義機能)を提供します。また,作成した構成情報は,通常のUNIXファイルとして管理・更新できます。

(4) 連続運転への対応

運用中にネットワークの部分的な構成変更が必要になったとき,XNF/ASを停止しないで回線やリンクなどの構成を変更できます。

(5) 保守機能の強化

多数の相手システムと通信するサーバを運用するために,トレースや障害ログを採取する機能,および運用状態を表示する機能など,さまざまな保守機能を備えています。

(6) ハードウェア障害に対する機能の強化

XNF/ASの稼働中回線アダプタに障害が発生した場合,ほかの回線アダプタを動作させたまま,障害が発生した回線アダプタを交換できます。また,障害による影響を最小限にするために,自動的にサーバを切り替える機能(系切り替え機能)に対応しています。