今日のコンピュータネットワークでは,OSIのように国際的に標準化されたプロトコルによる通信が主流になってきています。しかし,一方で,そのほかの独自のプロトコルによる通信形態も多く残されています。
このような独自のプロトコルでの通信のため,XNF/AS/HDLCでは,HDLC手順によるパススルー機能(HDLCパススルー機能)を提供しています。HDLCパススルー機能とは,データリンク層に,アプリケーションプログラムに対するインタフェースを設け,データリンク層のサービスを直接アプリケーションプログラムに提供する機能です。これによって,通信相手となるアプリケーションプログラムのプロトコルを容易にサポートできます。
各システムのネットワークソフトウェアは,HDLCパススルー機能のAPI(HDLCパススルーAPI)を使用することで,HDLC手順で互いに通信できます。HDLCパススルーAPIは,C言語のライブラリ関数として提供されています。
HDLCパススルー機能のサービスの範囲を図1-1に示します。HDLC手順については,マニュアル「通信管理 XNF/AS 解説・運用編」を参照してください。
図1-1 HDLCパススルー機能のサービス範囲
HDLCパススルー機能で使用できる通信回線は,X.21またはV.24のインタフェースの専用回線です。